文系の人の中には、「文系は就職するのが難しい」や「就職できる業界が少ない」などの話を聞き、就職に不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、そのような悩みを抱えている文系の人のために、文系が就職しやすい業界や職種、文系の人が就職活動する際のコツを3つ解説します。
文系の人でも就職活動で成功している人はたくさんいますので、ぜひ本記事を読み、就職活動を成功させましょう。
文系が就職しやすい5つの業界
文系の人が就職しやすいと言われている業界は、主に以下の5つです。
①マスコミ業界
マスコミ業界は、文系の人に人気がある業界の1つです。しかし、文系の人からの人気が高い分、就職の難易度は他の業界と比較しても高い傾向にあります。
マスコミ業界はテレビやラジオなどの放送関係、出版社や新聞社など幅が広いです。そのためマスコミ業界を目指す際は、どの分野に進みたいのかあらかじめ決めておきましょう。
また、文系が有名な大学であれば、卒業生が自分の目指すマスコミ業界で働いている可能性もあります。
もし、マスコミ業界で働いている卒業生がいるのであれば、積極的に業界の情報収集をしておくと就職活動の役にたつかもしれません。
②メーカー業界
メーカー業界は、文系と理系の両方の人たちから人気の業界です。専門的な知識が必要なイメージがあり、理系の人が有利に見えるかもしれませんが、文系でも就職できる業界です。
例えば、作る業務を担当する人は理系が多いかもしれませんが、ものを売るための営業などでは文系の人でも活躍できます。
メーカー業界とはいえ、もの作りだけが仕事ではないため、文系の人でも活躍できる業務はたくさんあるのです。
他にも、商品の企画担当や経理業務など、文系の人でもメーカーに応募できる職種はたくさんありますので見逃さないようにしましょう。
③金融業界
金融業界も、文系の人に人気のある業界です。金融業界は銀行をはじめ、証券会社や保険会社、クレジットカード会社などさまざまな業種があります。
どの業種にも共通して言えるのが、コミュニケーション能力が必要な点です。また、金融分野の法律についても知っておく必要があります。
コミュニケーション能力や法律に関する知識は、文系の人の方が有利な傾向にあることから、文系の人に人気が高いと考えられます。
④法律業界
法律業界も、文系の人に人気の業界です。就職の難易度は高いものの、弁護士や裁判官、検察官など人気のある職業が揃っています。
しかし、これらの就職先は司法試験合格という難関を突破しなければいけないため、文系の人であってもなれる人はほんの一握りです。
他にも法律に関わる仕事としては、金融業界や法務省などがあります。
法律知識を活かせる仕事は想像以上に多いため、法律業界を目指す人はあらかじめどのような仕事があるのか、今一度確認しておきましょう。
⑤IT業界
IT業界は、理系の人が就職を目指す業界というイメージを持っている人が多いでしょう。
IT業界が技術職であるイメージは間違ってはいませんが、営業の担当や経理担当など、他の業界と同様に仕事内容はさまざまです。
そのためIT業界は、理系の人だけでなく文系の人でも活躍している人がたくさんいます。
また、現在IT業界は発展しており、知識やスキルがない人でも活躍できるように、研修制度が充実しています。そのため、文系の人でも挑戦しやすい業界と言えるでしょう。
文系が就職しやすい4つの職種
文系の人は主に就職しやすいと言われている職種は、以下の4つです。
①営業
営業は、顧客に自社の商品やサービスを売り、利益を出すのが仕事です。仕事の結果が数値化されるため、自分の実力を把握しやすいです。
その反面、実績が重要視される場合が多く、厳しい世界とも言えます。そんな営業職は、顧客とのコミュニケーションスキルが何よりも重要です。
営業の仕方もさまざまで、企業によっては既存の顧客に営業するルート営業などもあり、飛び込み営業に苦手意識がある人でも活躍できる可能性は十分あります。
自分の目指す業界の営業がどのような形態なのか、事前に確認しておくことが重要です。
②人事
人事は、新人の採用担当や各部署への人材配置など、主に人に関する業務全般が担当です。
働く環境の土台を作る役割のため、企業にとって人事はとても重要な役割を担っていると言えます。
メーカー業界や金融業界など、どのような業界であっても人事の仕事は存在するため、人事を目指す人はさまざまな業界を広く見ておいた方がいいでしょう。
③経理・財務
経理・財務は、主に企業のお金まわり全般を対応するのが仕事です。
例えば、経理の仕事であれば、企業同士の取引内容を記帳したり、財務であれば会社を経営するための資金調達などが仕事として挙げられます。
文系の人に人気が高い職業ではありますが、日頃から数字を扱う機会が多いため、数字を扱うのが得意かどうかも向いているか確認する際のポイントです。
また、簿記検定などを取得することで、就職活動で有利になることもあるため、経理・財務を目指すのであれば、資格取得も目指してみると良いでしょう。
④記者・編集者
記者・編集者は、主に取材して原稿を執筆したり、書籍やWeb上に掲載するものの企画を作り上げるのが仕事です。
記者・編集者は、対象への取材や企画作成で関係者と打ち合わせが多いなど、コミュニケーションスキルが重要です。
また、文章を扱う仕事のため、正しい日本語を扱う能力も求められます。
このようにコミュニケーション能力や文章能力が求められる仕事のため、文系の人が求められるケースは多いです。
文系は就職難易度が高いのか
結論、文系の人も理系の人も就職難易度は変わりません。
理系と比較すると、文系は就職するのが難しいとイメージする人もいるかもしれませんが、近年はどちらの就職率もあまり差がないと言えます。
また、IT業界など理系が有利と思われがちの業界であっても、営業担当や経理担当など、文系の人でも活躍できる業種はたくさんあります。
そのため、理系の人が有利に見える業界であっても、文系の人が就職できないというわけではありません。大事なのは文系か理系かではなく、入社した後にどのような活躍ができそうかです。
理系が就職で有利だと言われる2つの理由
理系の人が就職活動で有利と言われる理由は、主に以下の2つが考えられます。
①専門分野の学習をするため
理系の人は、専門分野を突き詰めて学習するため、文系と比較すると、学んだ専門分野を活かして仕事に就きやすい傾向があります。
例えば、仕事をする上でAという知識を必要とする企業が、Aを専門的に学んできた人と学んだことのない人であれば、学んできた人を採用した方が戦力として期待できるでしょう。
そのため、学生時代に専門的な知識を学ぶ理系の方が有利なのではないかと言われています。
②論理的思考力が高いため
理系の人は、論理的思考力が高い傾向にあります。
その背景として、研究したり研究の結果をまとめて発表する場面などが多く、日頃の研究や発表をこなす上で、論理的思考力が高まっていることが考えられます。
例えば、研究するには事前に何が必要で、成功させるにはどのように進めればいいのかなど、考えては実行を繰り返さなければいけません。
以上のような理由から、理系の人が論理的思考力が高いと判断されるケースも多いため、理系が有利と言われることが考えれれます。
文系の就活のコツ3つ
理系の人の方が就職活動では有利といったイメージがある人は多いはずです。しかし、実際は理系でも文系でも就職の難易度にそこまで差はありません。
文系の人でも就職活動のコツをしっかり押さえられれば、企業の内定を取ることは可能です。
①早めに行動を開始する
1つ目は、早めに就職活動を始めることです。文系の人も、卒業論文の準備や定期試験など、理系の人と同じく忙しいのは変わりません。
しかし、理系の人は文系の人の忙しさに加え、日々の研究やテストがあります。文系の人は、その差を活かして早めに就職活動を開始することで、理系の人と差をつけられます。
早く始めれば、就職活動が必ず上手くいく訳ではありませんが、早い時期に内定者を決めていく企業もあるため、早めに準備を進めないと、万全な状態で臨めません。
より多く自分が希望する業界の企業を受けるためにも、できるだけ早く行動を開始し、余裕を持って受けるようにしましょう。
②自己分析・企業研究に時間をかける
2つ目は、自己分析や企業研究に時間をかけることです。就職活動を早い時期に開始すると、自己分析や企業分析を余裕を持ってできます。
就職活動において、自己分析と企業分析が充実しているかどうかは、就職活動の結果を大きく左右します。
なぜなら、自己分析ができていないと自分の強みをアピールできず、企業分析ができていないと質問内容に対して、企業が求める回答ができないからです。
そのため、早めに就職活動を開始し、自己分析や企業分析に時間をかけるようにしましょう。
③文系で活かせる知識を明らかにする
3つ目は、文系で学んだ知識で活かせそうなものを明らかにすることです。
例えば、法学部に在籍しているのであれば、法律の勉強で得た知識を活かし、法律業界や金融業界で活躍することが可能です。
自分の強みを活かせない業界より、自分が文系で学んだ知識を活かせる業界を、準備段階で探すようにしましょう。
【学部別】文系の自己PRの例文4選
文系の人が、面接などの際にどのような自己PRができるのか疑問に思う人も多いでしょう。そんな疑問を解決すべく、下記に学部別で自己PRの例文を用意しました。
自己PRの作成に悩んでいる人は、参考にしてみてください。
①経済学部
私の強みは洞察力があることだと考えます。私はもともと洞察力のある人ではなかったのですが、大学で経済について勉強をしているうちに、洞察力が磨かれていきました。経済学部の勉強ですので、経済に関する知識が身につくのはもちろんですが、経済に関するトピックについて自分の考えを持ち、今後どのように変化していくのか考える力が備わりました。問題を解決する際には、表面的な問題だけでなく、背後にある問題に目を向ける必要があります。洞察力がなければ、さまざまな問題を根本から解決するのは難しいでしょう。そして仕事をする上でもこの洞察力は大事です。就職後も大学時代で身につけた洞察力を活かし、活躍できればと考えています。 |
経済学部で身につけられるスキルについてアピールしている点がポイントです。
経済学部で身につけた知識だと活かせる場面が限定されがちですが、スキルであれば業界問わず活かせる場面が多い傾向にあります。
②商学部
私は商学部に在籍しており、経営に関する勉強を幅広くしています。その中でも私は、マーケティングに関する勉強を中心にしていたため、サービスや商品を売るための戦略を考えるのが得意です。商品やサービスを売るためには、良い商品を開発することも大切ですが、市場を調査しどのような戦略を立てて売るのかを考える、マーケティングが重要です。私自身、商学部で学んだ知識を活かし、大学祭での商品販売で多くの商品を売れました。もちろん、企業のマーケティング戦略と比較すると劣る点も多いですが、学んだ知識は今後も大いに役立つものだと考えています。 |
商学部で学べるマーケティングスキルは、サービスや商品を売る企業であれば、重要なスキルです。
理系の人ではなかなかアピールできるポイントではないため、文系ならではのアピールポイントと言えるでしょう。
③法学部
私は物事を論理的に考えることが得意です。法学部の授業では法律について考え、理解し、他の学生と議論する場面が多々ありました。議論では、どのようにすれば相手にわかりやすく伝えられ、相手の意見を理解し、再度相手にわかりやすく伝えられるか考えなくてはいけません。つまり、常に論理的思考力を働かせる必要があります。最初は私も自分の考えていることを話すのに精一杯でしたが、数をこなすうちに慣れていきました。論理的思考力が必要なのは、法学部の議論だけではありません。仕事においても、問題解決する際には論理的思考力は必要です。今後は法学部で身につけた論理的思考力を、仕事でも活かし活躍できればと考えています。 |
論理的に物事を考える力は、仕事をする上で重要なスキルの1つです。
仕事ではいくつもの問題や課題解決をしなければいけないため、学生のうちに論理的に考える力が備わっている点は、大きなアピールポイントになります。
④文学部
私は文章を書くことが得意です。仕事をする上ではコミュニケーション能力が大事なのはもちろんですが、コミュニケーション能力と同じくらい文章力も重要だと考えています。例えば、相手に連絡する手段として、社内メールを使用する場面がありますが、相手に伝えるべき内容をわかりやすく入力するためには、文章力が必要です。また、提案書や報告書などの作成も文章でまとめなければいけないため、文章力は必須と言えるでしょう。私自身、人とコミュニケーションをとるのも好きですが、仕事ではコミュニケーション能力に加え、文章力も活かし、さまざまな場面で活躍できればと考えています。 |
社内メールや提案書の作成など、文章を書く作業は意外と多いです。
コミュニケーション能力が重要視されがちですが、文章を書く力も同等に重要な能力のため、例文のようにコミュニケーション能力と合わせてアピールできると良い印象を与えやすいです。
文系は就職対策を早めに始めよう
文系の人であっても、就職活動の対策を万全にすることで、自分が希望する企業に就職できる可能性は十分にあります。
対策を万全にするには、ある程度の時間を必要とするため、早い時期から就職活動を開始することがとても重要です。
時間をかけて自己分析や企業分析をして、試験や面接の対策を進めていきましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。