自己PRは面接やエントリーシートよく聞かれるので、対策をしたい方も多いでしょう。
しかし、どんな書き方で作成すれば、高い評価を得られるのかがわからず、悩んでしまう人もいると思います。
本記事では、自己PRの概要や書き方の手順・作成時のコツを紹介します。
自己PRとは?
自己PRとは何かをあらためて確認し、どんな点を意識して作成すべきかを把握しましょう。ここでは、2つのトピックに分けて説明します。
- 自己PRとは自分をアピールするもの
- 自己PRを聞かれる理由
①自己PRとは自分をアピールするもの
自己PRは、自分の性格の傾向やこれまでの経験を紹介して、企業にとって魅力的な人材であることを伝えるためのものです。
自分がどんな人間か、入社後どのように活躍できるのかを、採用者側に印象付ける機会として活用できます。
また、ただ自分のアピールをするだけでなく、論理的な文章を組み立てることができれば、説得力が増し、選考の通過率を高められますよ。
そのために、書き方や文章の流れなどを確認して、企業を意識した文章を作るのを心がけることが重要になります。
②自己PRを聞かれる理由
企業が自己PRを聞くのは、採用したいと思わせるような人柄や経験、将来性があるかどうかを見極めるためです。
強みや性格を知ることで、これまでどんな事柄に力を入れてきたのか、経験からどんな学びがあったのか、対象者の人柄や特性を理解しやすくなります。
特に、面接の質問は人柄を知る目的が大きいのが特徴です。そのため、回答を作成する際には、自分の性格や考え方の傾向をわかりやすく説明する必要があります。
自己PRの書き方4ステップ
自己PRの書き方の流れをチェックし、どんな手順を踏めばスムーズに作成できるのかイメージしましょう。ここでは、書き方を4つの手順に分けて説明します。
- 過去の経験を洗い出す
- 応募先の企業に求められるスキルを把握
- 自分の強みを言い換える
- 指定された文字数以内にまとめる
①過去の経験を洗い出す
過去の経験を思い返して、自身の特性が色濃く現れたものはないか探しましょう。成功体験だけでなく、失敗から次に学んだ経験なども自己PRするのに良い材料となります。
具体的な出来事がうまく思い浮かばない場合は、自分が生まれてから今に至るまでに経験したことを年表で書いた自分史を作成するのがおすすめです。
その中で気持ちが大きく動いたものや思い入れが強いものを探すようにしましょう。考えが煮詰まった時には、家族と話しながら自分史を作るのも手です。
②応募先の企業に求められるスキルを把握
次に、応募先の企業が社員に求めているスキルや姿勢を把握しましょう。企業の採用サイトでは、社員として求める心掛けやスキル、特徴などが書かれている場合もあります。
企業が求める人物像をリストにまとめて、自身との共通点がないか確認しましょう。
具体的な条件が書かれていない場合でも、社内で活躍している社員の姿などについて書かれたページから、社員の雰囲気や考え方などを読み取れることができますよ。
③自分の強みを言い換える
自身の魅力を説明する時には、ただ特徴を伝えるだけでなく、企業を意識した表現に言い替えて紹介しましょう。
強みと応募先に求められるスキルがマッチしていることがわかるように、言い換え表現を使うことがおすすめです。具体例として、協調性はチームへの貢献力や傾聴力に言い替えられます。
また、自分ならではの表現に言い替えることを意識して、自分の経験と共に紹介すれば、ほかの候補者と回答内容が被りにくくなるのも利点です。
④指定された文字数以内にまとめる
文章を作成し終わったら、決められた文字数以内にまとまっているかどうかを確認しましょう。
多くの設問では文字数が指定されているため、大幅に文字数が多くても少なくてもマイナスな印象につながってしまいます。
提示されたルールをおろそかにしている、と捉えられないように、指定文字数は守ることが重要です。
文字数が多い場合は、一文あたりの長さを確認して冗長な表現がないかチェックしましょう。文字数が少ない時には、出来事を起こった順番に沿って詳細に書くのがおすすめです。
自己PRを書く際に重要な3つのポイント
自己PRを書く際に重要になるポイントを把握していれば、より好印象を与えやすい回答を作成できます。書く時のコツは、以下の3つです。
- テンプレートに沿って文章を作成する
- 具体的なエピソードを書く
- 専門用語は使わない
①テンプレートに沿って文章を作成する
文章作成時は、以下のテンプレートを参考にするのがおすすめです。
- 自分の強み
- 経験した事柄
- 事柄の具体的なエピソード
- 結果と学んだこと
- 締めの言葉となる入社後の抱負
テンプレートを活用し、相手に伝わりやすい文章をこころがけましょう。最初の文では結論を簡潔に言い切る形で述べれば、質問に対する答えを明確に示すことができます。
強みに関連した経験についても、どんな活動を経験したのか簡単に一文でまとめてから、詳細を説明しましょう。
②具体的なエピソードを書く
具体的なエピソードを書くことを意識すれば、オリジナリティのある回答を目指せるため、採用者の印象に残りやすくなります。
特別な経験を探すよりも、経験の中で苦戦した点・克服のために心掛けたこと・行動に移した結果どうなったか・得られた成果・学んだ事柄を詳しく説明することに注力しましょう。
自身の考え方の変化や強みを獲得した過程を丁寧に描写することで、成長性があることも強調できます。
③専門用語は使わない
専門用語はなるべく使わないように注意することも大切です。一目見ただけでは内容がわかりにくい言葉を使ってしまうと、読み手に不親切な印象を与えてしまいます。
情報の受け取り手の立場で考えられていない文章では、対話力に難があると捉えられるリスクがあるため、わかりやすい表現への言い替えを検討しましょう。
自分では専門用語として感じていないワードでも、相手によってはわかりにくく感じる場合もあるため、一度文章を読み直して確認してみることが重要です。
自己PRの例文4選|職種別に紹介
例文を参照にして、どんな文章だと自分の美点を印象付けやすいのか、流れを確認しましょう。ここでは、職種別に4つの例文を紹介します。
- 営業職
- 事務職
- エンジニア職
- マーケティング職
例文①営業職
私の強みは、意欲的に行動して目標を達成する力です。大学時代、私は文化祭実行委員としてメニュー数を増やすことを目標とし、取り組んだ経験があります。 まず、既存のメニューと似た材料から作れるメニューを考え、提案を行いました。 資料を作って作り方の簡単さや話題性などの魅力を伝えることで、周囲から賛同を得ることができました。 作り手不足の問題も浮上しましたが、自分から掲示物を作成して多くの生徒が利用している休憩スペースで呼びかけることで、人数を確保することに成功しました。 結果として、例年の倍のメニューを提供でき、文化祭の来客数も増加しました。 私はこの経験から、目標に向けて向上心を持って積極的に動くことの大切さを学びました。貴社においても、目標に向けて自ら動き、実現に向けて貢献してまいります。 |
上記の例文では、メニュー増加のために取り組んだ内容と共に、目標達成に向けて努力する強みを紹介しています。出来事の結果と学んだことを説明しているのも特徴です。
例文②事務職
私の強みは、周囲の状況を俯瞰して、最適なサポートを行えることです。私は大学の学生自治会で書記長を務めた経験があります。 当初は情報をわかりやすくまとめることに注力していましたが、書記長として一歩引いた立場から見えるものに気付き、行動することを意識しました。 具体的には議論に必要な書類を作成したり、意見を発表できていない人に向けて発言しやすいよう声掛けを行ったりしました。 その結果、自治会の活動がより円滑に進むようになったとお褒めの言葉をいただき、周囲の様子を観察しながら自身にできることを考える大切さを実感しました。 私は貴社においても、事務職として与えられた業務をこなすだけでなく、先回りしたサポートを心がけてまいります。 |
上記の例文では、サポート力を発揮した出来事を詳細に紹介しています。事務職に求められる、周囲の要望に応じて書類を作成するスキルがあることを相手に想起させる文章にしましょう。
例文③エンジニア職
私の強みは、忙しい状況でも冷静さを失わずに、物事の本質を捉えられることです。私はゼミのチームで発表を行う際に、チームをまとめた経験があります。 発表に向けて資料の作成を進めている際には、チーム内で意見が分かれてしまい進捗が滞ってしまったこともありました。 焦る気持ちもありましたが、冷静に状況を把握してそれぞれの意見を聞き、本質的な部分で共通している箇所を共有することで、チームで一体となって作業に取り組めました。 結果として発表会で賞をいただき、メンバーから感謝の言葉をもらいました。 私は今後も、トラブルに対しても冷静に問題を確認して対処し、チームのプロジェクトに貢献してまいります。 |
上記の例文では、論理的に物事の本質を捉える力があることを説明しています。チームで取り組んだ出来事を紹介することで、チームでの活動に適した人材であることを示しているのも特徴です。
例文④マーケティング職
私の強みは、相手が求めていることを分析して提案に反映する力です。 私は以前、通販企業様のインターンに参加し、顧客の方が広告から到達するページを分析するワークに取り組んだ経験があります。 最初のうちはより効果的な広告とサイトの組み合わせを考えるためのデータ量に圧倒されてしまいました。 しかし、組み合わせごとのデータを分析するだけでなく、顧客の方の立場で考えることで、より心に訴えかけられる組み合わせを編み出し、20%の顧客数上昇を達成できました。 私は今後も、データをもとに分析を進めると同時に、さまざまな方向からの視点も忘れずに考え、最適な提案を心掛けてまいります。 |
上記の例文では、分析力をオリジナリティのある表現に言い換えて説明しています。成果を数字を用いて紹介しているのもポイントです。
【印象UP】自己PRの伝え方3つ
自己PRの伝え方を知り、より好印象を与えるためのコツを実践前に掴みましょう。伝え方のコツは、以下の3つです。
- 明るく大きな声を意識
- 姿勢を正す
- 丸暗記はしない
①明るく大きな声を意識
明るく大きな声で伝えることを意識すれば、前向きで爽やかな印象を与えやすくなります。
緊張してしまうと声が小さくなったり、暗い声になってしまいがちですが、事前に明るい声ではきはきと話す練習を重ねておくことで、本番でもいつも通りに話すことができます。
また、はっきりとした発音を心がければ、何が言いたいのか相手にストレートに伝わるので、営業職の場合は適性も示せます。文章を練るだけでなく、伝える際の声に気を配ることも大切です。
②姿勢を正す
座っている時も立っている時も姿勢を正すことを意識すれば、誠実な印象を与えやすくなります。
普段の生活で猫背で過ごしていると、ふとした瞬間に姿勢がだらしなくなってしまいがちなので、姿勢をなるべくまっすぐに維持する習慣をつけておくことが重要です。
立っている時に重心がぶれて体が揺れないようにするためには、上から一本の糸で頭上から吊られているようなイメージをすると、重心が安定します。
③丸暗記はしない
回答の丸暗記はあまり重要視しすぎないこともコツです。事前に回答内容をある程度作成し、準備することも大切ですが、丸暗記した内容をただ発表しても印象が薄くなってしまいます。
自分の言葉を用いていきいきと伝えることが求められているため、自身の長所が示せるように表情にも気を配って自然に話せるように対策しましょう。
練習時は自分が話している様子を撮影して、客観的に修正すべき点を見つけて改善するのがおすすめです。
自己PRが思いつかない時の対処法2つ
自己PRがはっきりと思いつかない時には、対処法を試してみるのも手です。対処法としては、以下の2つが挙げられます。
- 自分の短所を長所に変換してみる
- 身近な人に相談する
①自分の短所を長所に変換してみる
自身の強みがない、と感じてしまう場合は、思いつく短所を長所に言い替えてみましょう。一見短所に感じる部分も、見方を変えれば美点に変わるケースもあります。
例えば、周りを見ていて行動が遅くなりやすい、といった弱みは、慎重に判断ができる、といった利点に言い替えられるのが特徴です。
自身の特性をポジティブな視点で見つめ直して、自分ならではの強みを探してみましょう。普段の生活習慣を書き出して、魅力を見つけるのもおすすめです。
②身近な人に相談する
身近な人に相談して、自身の性格や考え方の傾向を教えてもらうのも手となります。自分では気づけない角度からの情報を集められるため、強みを見つけやすくなるのが利点です。
普段の自分を知っている家族や友人に相談すれば、自身の悩みを打ち明けやすくなりますし、思考を整理できるでしょう。
複数の友人と共にポジティブな言葉遣いを心がけてそれぞれの性格について話し合えば、リラックスした雰囲気で自己分析を進められますよ。
自己PRの書き方を習得して選考に挑もう!
自己PRの書き方を習得して、選考に臨みましょう。文章作成時は、過去の経験や企業が求めるスキルを念頭に置いて、具体的なエピソードとともに強みを説明することが大切です。
伝え方もチェックして、好印象を残せるように練習しておきましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。