インターンなどで業務を経験した時、「この会社は自分が成長できる」と思った人もいるはずです。しかし志望動機で「成長したい」と伝えることで、悪い印象を持たれないか不安に思う人は多いでしょう。
本記事では、成長したいことを上手く伝えるコツや注意点、おすすめの志望動機の構成などについて紹介します。
他の就活生と差別化できるよう、入念に考えましょう。
志望動機で成長したいと伝えるのはあり?
結論として、「成長したい」と志望動機で伝えることに問題はありません。特にベンチャー企業やスタートアップ企業だと、自ら主体的に挑戦していく姿勢を評価されるでしょう。
しかし企業によって受け止め方が変わるため、言い回しや言葉選びには注意を払う必要があります。
「成長したい」ことを上手く伝えるコツはもちろん、注意点についても理解しておくことがおすすめです。成長を志望動機にするコツと注意点を見ていきましょう。
成長を志望動機にする時のコツ3つ
「成長したい思い」を志望動機にする時のコツは以下の3つです。
- 主体性をアピールする
- 成長して何をしたいのかを説明する
- 企業へ貢献できることをアピールする
企業に頼らず、主体的に成長する意思を見せることが前提です。詳細を見ていきましょう。
①主体性をアピールする
主体性を持たせることが、成長を志望動機にするときのコツです。
「成長したい」という気持ちがある人は、育成に力を入れている企業を選ぶ人も多いでしょう。しかし「企業頼りで成長したいと考えているかもしれない」と面接官に判断された場合、良い印象は持たれません。
主体性とは、特に決められていないことに対して自ら責任を持ち積極的に行動する態度のことです。研修制度に則り頑張るのではなく、自ら資格取得をする姿勢を見せたり、スキルを身につけたりする必要があります。
②成長して何をしたいのかを説明する
成長して何をしたいのか、具体的に説明することが大切です。ひとことで成長といってもさまざまな種類の成長があるので、まずはあなたの中の成長の定義を考えましょう。
課題を乗り越え更に大きな課題に取り組めるようになりたいのか、成績を伸ばしたいのか、精神面を鍛えたいのか、自分のどこを成長させたいのか考えてみてください。
そのうえで、成長した先に何があるのかを具体的に考えます。「企業に貢献したい」「こういったことに挑戦したい」など、成長後の理想も伝えましょう。
③企業へ貢献できることをアピールする
自分が成長することにより、企業にどのような利益をもたらせるのかを話しましょう。
ただし企業にとっては、個人の成長が直接企業に利益をもたらすことはほとんどありません。その中で、少しでも良いので利益をもたらせるだろうポイントを探します。
例えば自分のリーダーシップ力を成長させたい場合、「周囲の士気や能力を引き上げて、組織活性化に繋げていけると考えている」と繋げられるでしょう。
成長を志望動機にする場合の注意点3つ
続いて、成長を志望動機にする場合の注意点を、以下に3つまとめました。
- 成長を目的とはしない
- 別の企業でも成長できそうなことはNG
- どこの企業でも成長はできる
成長することはあくまでも手段であり、目的ではないことを頭に入れておきましょう。
①成長を目的とはしない
「成長したい」旨の志望動機を話すうえで大事なのは、成長はあくまでも目的を達成するための手段であると理解することです。企業によって「成長」の受け止め方が変わる、大きな理由となります。
ただ成長するだけでは、能力を獲得した意味がありません。成長により獲得した能力を、どのようなことに使いたいのかを考えてみてください。
もしくはなぜ成長したいと思ったのかを紐解いていけば、最終目標は自ずと浮かび上がってくるはずです。
②別の企業でも成長できそうなことはNG
どの企業でも獲得できる成長を話すと、企業は「他社でも獲得できる能力だがなぜ自社なのか?」と疑問に思います。実際に質問された際、きちんと説明できなければ良い印象は持ってもらえません。
できるだけ、志望している企業を通してのみ獲得できる成長について考えてみることがおすすめです。
しかし、業務を通して獲得できる受け身の成長は誰しもができます。その業務をこなして得られる成長と、自主的に行動することで得られるであろう成長について考えてみてくださいね。
③どこの企業でも成長はできる
極論、どこの企業に入社しても成長はできます。どこの企業でも成長できるのに、なぜ成長を志望動機として語るのかを明確にします。
業務をこなしていくうえで、受け身的な成長はほとんどの人ができるでしょう。その中で、他の人よりも頭一つ抜ける飛躍的な成長を遂げるための具体的な行動について考えてみてください。
大きく成長するために具体的にどのように努力するのかを具体的に説明できれば、好印象を与えられます。
成長を志望動機にする場合の3つの構成
ここからは、成長を志望動機にする時に使える構成を紹介します。
- 結論
- 理由
- その企業を選んだ理由
先ほど紹介したコツや注意点を踏まえながら、具体的に解説するので、ぜひ参考にしてみて下さいね。なお例文は、後の『成長を志望動機にする場合の4つの例文』で紹介します。
①結論
人に何かを伝える時は、結論から話すと分かりやすいです。冒頭に結論を置くことで、その後の内容も頭に入りやすくなります。もちろん志望動機を伝える時においても、例外ではありません。
「成長したい気持ち」を伝えたい場合は、成長したいことを結論として伝えないように注意を払いましょう。詳しくは『成長を志望動機にする場合の注意点3つ』をご覧ください。
なぜ成長したいのか、最終的な目的を結論として話すことがおすすめです。
②理由
なぜ結論で話したことをしたいのか、企業が納得できる理由を伝えます。
「〇〇がしたいからこういったところを成長させていきたい」だけの曖昧な意見では、企業は納得できません。説得力を持たせるためには、エピソードを踏まえるなど、過去の経験を踏まえて落とし込んでいくことがおすすめです。
「結論として話したことを達成するために、自主的に行動し成長していきたい」と、繋げていきましょう。
③その企業を選んだ理由
最後に数ある企業の中でなぜその企業を選んだのかを、具体的に話していきます。業務内容、組織の体制、研修内容など、他の企業と比べて違う点を洗い流していきましょう。
また、その企業の強みを知ることで、企業が納得する理由を話すことに繋げていけるはずです。
「成長したい」意思を伝える場合は、最後に企業に貢献できることを話すこともおすすめですよ。事業内容や理念を詳しく調べたうえで、貢献できることをまとめましょう。
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成長を志望動機にする場合の4つの例文
最後は成長を志望動機にする際の例文を、4つのシチュエーションに分けて紹介します。
- 例文①|ベンチャー企業の場合
- 例文②|スタートアップ企業の場合
- 例文③|人間的成長を目的とする場合
- 例文④|技術的成長を目的とする場合
就活生の中には、上記に該当しないシチュエーションも多くあるかもしれません。他の分野だとしても、参考になるポイントが多くあるので、ぜひ最後までご覧ください。
例文①|ベンチャー企業の場合
ベンチャー企業とは、独自の技術などを用いて、大企業では挑戦しにくいビジネスに取り組んでいる新興企業のことです。
私は大学でのサークル活動を通じて培った連携力を活かし、貴社でのアプリケーション開発に貢献したいと考え、志望いたしました。 大学でのサークル活動では、主にインディーズのアプリゲーム製作を行っており、そこで何度もバグやシステムのトラブルに遭遇しました。しかし、その都度冷静に状況を分析し、サークル仲間の得意分野をそれぞれ連携させてなんとか問題を解決してきた経験があります。 この経験で、アプリケーションをいちから作る楽しさと難しさ、チームで連携してトラブルを解決する達成感を強く感じました。トラブル対応にあたるたびに自身の成長を実感でき、より専門的な力をつけてもっと成長したいと思うようになりました。 アプリケーション開発において貴社は、個々のチームメンバーが主体性を持ち、リーダーシップを発揮し自己成長に励んでいます。また少数精鋭のため、お互いを高められる環境であると感じました。 そのような環境で自分自身も成長し、プログラミング技術を高め、チームメンバーとともに貴社の業績に貢献していければと考えております。 |
例文②|スタートアップ企業の場合
スタートアップ企業とは、革新的かつ先駆的なアイディアのもと、短期で成長する創業2~3年の企業のことです。
0から新しくアイディアを生み出して実用化できるところまで形にしていく、貴社のような成長性の高い環境に魅力を感じ志望しました。特に専門性の高いメンバーでチーム編成されるところに、強く魅力を感じています。 私は大学時代に行っていたカフェでのアルバイトで売上が伸び悩み、今までの対処法ではうまく改善しなかったことがあります。そこで、同じアルバイト仲間と新たなアイディアを模索検討した結果、10年以上変更のなかったメニュー表を一新、若者向けのキャンペーンを打ち出したことで、売り上げを回復できたのです。 この経験から、既存の殻を打ち破って自らを成長させることに強い興味を抱き、スタートアップ企業という選択肢を考えるようになりました。 特に、貴社の成長性は専門性の高いメンバーとの協力によって支えられていると感じています。このような環境で自分を鍛え、一段階も二段階も成長させて事業を展開させていきたいと考え、貴社を志望させていただきました。 |
例文③|人間的成長を目的とする場合
基本的に仕事に関係のない成長は使わないことがおすすめです。人間的成長を目的とする場合は、業務と関連付けるようにしましょう。
【例文】 御社のtoB、toC両方の経験が詰めるビジネスモデルに魅力を感じ志望いたしました。顧客に寄り添いサービスを提案していく過程の中で、顧客の潜在的なニーズまで引き出し、それにより高い成果を上げている点に、特に魅力を感じております。 日々、多数の企業やカスタマーとミーティングを重ねることで、潜在的ニーズをくみ取る能力を獲得できるなど、人間的成長も可能であると思っております。 人間的な成長は、顧客との関係を円滑にするだけではなく、社内の連携をスムーズにすることにも繋がると考えております。業務で培ったスキルや得た知識を積極的に活用することで、会社全体のチームワークの底上げに貢献していきたいです。 もちろん、主体的に行動し自らをスキルアップさせたいとも考えており、現在は営業系の会社のインターンに参加しております。自らを人間的にも成長させつつ、スキルアップを図って事業の成功に貢献していきたいです。 |
例文④|技術的成長を目的とする場合
技術的成長を目的とする場合の例文を、以下にまとめました。人間的成長の例文と同様、業務と関連付けることが大切です。
私は自分の映像制作技術をさらに高め、人々を映像の力で笑顔にさせたいと思い、御社を志望しました。 小学生のころから映像制作に強い関心を持っており、高校生のころから実際に個人で映像制作をしております。専門学生の頃は、実際に映像制作の依頼を承ったこともあります。クライアントから自分の作品を絶賛されたときは、クライアントの希望を最大限盛りこもうと奮闘していた日々が報われたように感じました。 しかし、やはり学校で学んだことと実践は全く違い、個人でできることには限界があると感じました。貴社の幅広い実績、映像制作の技術から自分自身を成長させ、経験を積んでいきたいと考えております。 数ある映像制作の中でも貴社は、クライアントの要求を汲んだうえで、実用的で現実的な提案をしています。私も貴社でより一層成長し、クライアントの要求以上の成果をだし、満足してもらえる映像制作を目指していきたいです。 |
志望動機では成長したい意思を伝えて好印象を与えよう
志望動機で成長したい意思を伝える場合は、成長を目的とせず、手段として伝えることが前提です。
「目的を達成するために成長したい」「こういった成長ができるのは御社だけ」といったことを伝えられれば、好印象を与えられるでしょう。
他にも、コツや注意点はいくつもあります。本記事を参考に、魅力的な志望動機を作り上げてくださいね。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。