自己PRで最後までやり遂げる力をアピールするポイント|言い換えも紹介
「最後までやり遂げる力って、自己PRとしてはありきたりかな……」
「どうすれば差別化しつつ『最後までやり遂げる力』をアピールできる?」
上記のように悩む就活生も多いのではないでしょうか。確かに、華々しい他の自己PRに比べると地味に見える「最後までやり遂げる力」ですが、工夫次第で強いアピールポイントになります。
仕事は趣味と違って、嫌になったらすべてを投げ出せるわけではありません。そのため、最後までやり遂げる力は、企業にとっても就活生には持っておいてほしい力なのです。
そこで今回は、最後までやり遂げる力を効果的にアピールするための自己PRの組み立て方や、細かい部分でのコツについて、詳しく解説します。
あわせて、最後までやり遂げる力を自己PRする例文も掲載しますので、あなたの強みを100%アピールできるよう準備していきましょう。
人事 佐藤
2018年度新卒入社 新規営業を担当 入社後、新規営業に従事し、顧客開拓や提案活動を経験。 プロジェクト参画 その後、異動により大手外食チェーンや病院のプロジェクトに参画。プロジェクトマネジメントやシステム導入を担当。 2021年 人事部に抜擢 2021年に人事部に抜擢され、新卒採用と中途採用を担当。2024年9月現在も人事を担当している。
キャリアアドバイザー 久保
東証プライム上場通信事業会社で営業マネージャーを経験し、新規事業3つの立ち上げにかかわる。 営業マネージャや立ち上げの実績を持ちながら、株式会社C-mindには2023年に中途入社し、現在はキャリアアドバイザーのチーム運営と多くの就活生のサポートを担当。 自身が転職やキャリアアップをした経験から、内定だけではなく、入社後も徹底的に寄り添い企業を紹介している。 専門業界:IT、人材、広告
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自己PRで最後までやり遂げる力をアピールするメリット3つ

まずは、自己PRで最後までやり遂げる力をアピールするメリットについて解説します。最後までやり遂げる力の訴求力を高めるには、受け手の評価軸を理解することが重要です。
自己PRで最後までやり遂げる力をアピールすることには、上記のような3つのメリットがあります。
①継続力が評価される
採用担当者は、最後までやり遂げる力のアピールを聞いた際、候補者の継続力を評価します。
目標を目指して取り組む際に困難や誘惑など、継続の壁となる要素がいくつも発生するでしょう。そういった様々な障壁を乗り越え、目標まで達成した実績は、高い継続力を持つ人材であることの証明となります。
入社後にも、トラブルや環境の変化など多くの壁が発生します。そのため、継続力があり、長期的に会社に貢献してくれる人材を企業は採用したいと考えるでしょう。
「継続力」はありふれた強みと思いがちですが、初めての仕事でつまづいて、そのままやめてしまう人は結構いますね。企業も長く働いてくれる人材を探しているんです。
自己PRで継続力を活かす方法については、以下の記事で解説しています。
自己PRで継続力をアピールしたい就活生必見!書き方や例文を解説
②リーダーシップがあると評価される
最後までやり遂げる力のアピールから、リーダーシップを評価されることもあります。
リーダーを任せる人材には、最後までやり遂げるための強い責任感が必要です。リーダーには、どのような状況下でも、責任感を持ってチームを目標まで引っ張っていくことが求められるでしょう。
過去に物事を最後までやり遂げた実績があれば、強い責任感が証明され、リーダーシップのある人材だと評価されます。
リーダーシップを自己PRや面接で活かす方法については、以下の記事で解説しています。
リーダーシップの自己PR例文5選|効果的な言い換え・コツも紹介
③ 忍耐力を評価される
最後までやり遂げる力のアピールから、忍耐力を評価されることもあります。
ゴールまでの道のりにあるのは、自分が好きなことや得意なことばかりではないでしょう。苦手なこと、嫌いなことがあっても投げ出さずに目標を達成するには、忍耐力が必要です。
採用担当者は、最後までやり遂げる力のアピールから、入社後、困難な目標を課せられた際も、諦めずやり遂げる候補者の姿をイメージします。
自己PRで忍耐力を活かす方法については以下の記事で解説していますよ。
自己PRで忍耐力をアピールする方法を紹介|例文や注意点も解説
企業が「最後までやり遂げる」自己PRで求めている強みとは

「最後までやり遂げる力」は、単なる忍耐力ではありません。目標に向けて主体的に行動し、困難を乗り越える意志と能力を企業は期待しています。
どのような姿勢が本質的に求められているのか、具体的に見ていきましょう。
①困難に直面しても諦めない根気強さ
企業が求める「最後までやり遂げる力」の本質の1つは、困難に直面しても諦めない根気強さです。単に障害を乗り越えるだけでなく、逆境を成長の機会と捉え、前向きに挑戦し続ける姿勢が評価されます。
プロジェクトや課題において予期せぬ壁に突き当たっても、創造的な解決策を模索し、粘り強く目標達成に取り組む能力を有しているかが重要です。
失敗や挫折を恐れず常に学びと改善の視点を持ち、最後まで諦めない姿勢を持つ人こそ、企業が真に評価する人材といえるでしょう。
②最後までやり抜く責任感
企業が求める「最後までやり遂げる力」は、単に与えられた課題を完遂するだけでなく、自らの行動に対して真摯に向き合い、責任を持って結果にこだわる姿勢を指します。
チームや組織の目標達成に対して、自分の役割を深く理解し、最後まで持って取り組む意志が重要な評価ポイントです。
自分の担当業務に対して誠実に向き合い、最後の一瞬まで全力を尽くす覚悟と結果に対する責任感が、企業の求める「最後までやり遂げる力」の具体であり本質と言えるでしょう。
③途中で投げ出さない継続力
企業が求める「最後までやり遂げる力」は、単なる忍耐力を超えて、目標に向けて粘り強く取り組む能力のことも指しています。
困難や障壁に直面してもモチベーションを維持し、改善策を見つけて成長していける人材は、長期的に見ても成長が見込めるため、企業側としても非常に欲しい人材でしょう。
具体的には、長期的なプロジェクトや複雑な課題に対して、中だるみすることなく、常に前向きな姿勢で取り組める力が評価されます。
最後までやり遂げる力をアピールした就活生に対しては、成果が見えにくい状況でも小さな進捗を積み重ね、最終目標に向けて着実に歩み続けられるかどうかをチェックしています。
「最後までやり遂げる」をアピールする自己PR作成ポイント2つ

続いて、「最後までやり遂げる」をアピールする際のポイントについて解説します。自己PRの訴求力を上げるためには、伝え方に工夫が必要です。
最後までやり遂げる力を自己PRでアピールする際は、上記の2つのポイントを押さえましょう。
① 具体的なエピソードを選定する
最後までやり遂げる力をアピールする際は、具体的なエピソードをあわせて伝えましょう。
「最後までやり遂げる力があります」とだけ言われても、具体的な実績がなければ説得力がありません。自分が最後までやり遂げたエピソードを盛り込むことで、納得感が生まれます。
盛り込むエピソードには、深掘りの質問をされても対応できる密度の濃い経験を選びましょう。
「やり遂げる力」をアピールするには、やり遂げるのにそれなりの壁が存在するエピソードを使うと良いでしょう。
「難易度が適度に高く、時間がかかるものを完了した」「困難が発生しても乗り越えて解決した」などのエピソードがおすすめですよ。
② 入社後の活躍をイメージさせる
自己PRで最後までやり遂げる力をアピールする際は、入社後に強みをどのように活かすかを明記しましょう。
アピール力を高めるためには、候補者が入社後に活躍するイメージが必要です。そのためには、「どんな高い目標でも諦めず達成します」や「苦しい状況でも、諦めず仕事をやり遂げます」など、入社後に強みを活かす姿を伝えましょう。
強みをどのように活かして貢献したいかを明記することで、採用担当者が受ける心象も大きく変わります。
「最後までやり遂げる」の言い換え3つ|やり抜く力をより具体的にアピールしよう

続いて、「最後までやり遂げる」というアピールの言い換えを紹介します。最後までやり遂げる力は、魅力的な強みではありますが、すでにアピールしている就活生が多数いると予想されます。
上記のような言い換えを用いることで、他の候補者と差をつけることができますよ。
① 粘り強さ
最後までやり遂げる力は、「粘り強さ」とも言い換えられます。
仕事では、どれだけ綿密に計画を練っても思い通りにいかないこともあるでしょう。時には、対応に苦慮する顧客もいるかもしれません。そのように上手くいかずに苦戦した場合でも、諦めず粘り続ける力はビジネスの現場で重宝されます。
「粘り強さ」という表現から、厳しい状況でも諦めない精神の強さが面接官に伝わるでしょう。
粘り強さを就活で活かす方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてくださいね。
粘り強さは自己PRで効果的!アピール方法を解説|例文も紹介
② 完遂力
最後までやり遂げる力を、「完遂力」と言い換えることも可能です。この表現からは、何が何でも目標を達成するという強い意志をアピールできます。
ビジネスの世界で、最も大事なものは結果です。どんな状況であっても結果を出すビジネスパーソンがいれば、全ての企業が獲得したいと考えます。
結果にコミットするという点を強調したい場合は、「完遂力」として表現するのも良いでしょう。
この場合はエピソードも、「完遂」するための難易度が高かった経験を選ぶと、より説得力が出ますよ。目標達成半ばで壁にぶつかった経験などが良いですね。
③ 初志貫徹
「初志貫徹」という言葉で、最後までやり遂げる力を表現することも可能です。この表現からは、初心を忘れず、地に足をつき最後までやり遂げる人間性の高さもアピールできます。
ビジネスにおいても、初心を忘れず、謙虚な心を持つことが大切です。大きな成果を成し遂げるためには、新しい情報を取り入れることも大事ですが、それ以上に最初に決めた軸をぶらさないことが重要になります。
物事への取り組み方を通して、人間性もあわせて伝えたい場合は「初志貫徹」と表現するのも良いでしょう。
最後までやり遂げる力をアピールする自己PRの例文4つ

ここからは、今も就活生を多数内定まで導いている現役の就活アドバイザーが、「最後までやり遂げる力」の自己PR例文をじっくり添削します!
「最後までやり遂げる力って、自己PRとしてはインパクトが弱いかな……」
「この自己PR、あんまり魅力的じゃないかも……」
こんなふうに思っている人も、自己PRに必要なポイントを知るだけで、グッと魅力的な文章が作れますよ。4つの添削例文を読んで、採用担当者が重視するポイントを理解していきましょう。
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逆に、既に自己PRがある人には「赤ペンES」がオススメ!現役の就活のプロが、今回の添削例文よりもさらに詳細な解説付きで、あなたの自己PRを無料添削します。
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やり抜く力の自己PR例文①アルバイト経験
まず、多くの学生が経験している、アルバイトをエピソードに選んだ自己PRです。
今回は「最後までやり遂げる」強みをアピールしたいので、一度失敗経験や壁にぶつかった経験を挟むと、より説得力が上がりますよ。
アルバイト経験
【結論】私の強みは「何があっても諦めない粘り強さ」どのような困難な状況でも、目標達成のために最後まで粘り強く取り組む力です。
添削コメント|「何があっても諦めない」という表現はやや抽象的なので、より具体的に「目標達成のためには困難な状況でも諦めない」という要素を付け足しました。具体的な結果に結び付けた表現を用いることで、企業に「成果を出す力」を伝えやすくなります。
【エピソード】私は大学1年生から、OA機器を売るテレアポのアルバイトをしています。営業力を身につけたいという目的でアルバイトを始め、お客様に満足してもらいつつ売上も出す営業スキルを磨きたい、という目標を掲げ、大学在学中に営業成績でトップになることを目標に掲げました。営業成績トップを目指して努力しました。
添削コメント|やや冗長な表現を削りつつ、「営業力を身につけたい」という目的をより解像度の高い表現に変えることで、成長意欲を強調しています。技術的・数字的な目標を示すことで、企業にも真剣さや志望度の高さが伝わりますよ。
【エピソード詳細】営業知識ゼロからのスタートということもあり、最初の2ヶ月は全く販売実績を作れず、厳しい期間が続きました。しかし、諦めずに先輩社員のスキルを徹底的に学んで分析し、自分に取り入れたことから、徐々に結果が目に見えるようになっていきました。「なぜ成果が出ないのか」を徹底的に分析し、先輩社員の成功事例を学び、自分なりにアプローチを工夫しました。例えば、お客様のニーズを聞き出すための質問力を磨いたり、提案内容をお客様ごとにカスタマイズすることを心掛けた結果、徐々に成績が向上しました。
添削コメント|失敗経験からの努力と成功、という流れはとても綺麗ですが、肝心の行動内容がなく、やや説得力に欠けていますね。そこで具体例を入れることで、努力のプロセスをより明確に伝えています。
自己PRは強みをアピールする場ですが、企業側は基本的に成果の大きさよりも「どのように」目標達成に至ったかに注目します。具体的な行動内容はしっかり説明しましょう。
【成果】その後も、貪欲に営業ノウハウを学び、大学3年時には月間平均契約件数を入社当初の0件から20件以上にまで伸ばし、アルバイト先のテレアポ120人の中で120名のテレアポスタッフの中で年間トップの成績を残すことができました。
添削コメント|周囲と比べた相対評価は出せているので、過去の自分と比較してどれだけ成長したかも入れましょう。またこの際は、具体的な数字を入れるとなお効果的です。
【入社後】貴社でも、高い目標や未知の挑戦を前にしても、粘り強く目標達成をしていきたいと考えています。営業チームの一員として、新たな目標や挑戦に対して粘り強く取り組み、クライアントの課題解決に向けた提案活動に全力で取り組みたいです。
添削コメント|意欲を伝えたいという意思は感じますが、「具体的に何をしていきたいのか」がやや不足していますね。提案活動などの明確な目標を加えることで、企業側に「入社後の貢献イメージ」を持たせましょう。
【足りない部分】エピソードや成果において、行動の具体例や数値的な裏付けが不足していて、説得力に欠けています。また、入社後に「何をしたいのか」が曖昧で、企業に対する熱意や具体的な貢献イメージが十分に伝わっていませんでした。
【添削内容】抽象的で曖昧だった表現を具体化し、行動内容や成果に数値や具体例を追加しました。
【どう良くなったか?】行動や成果に数値や具体例を加えたことで、成長プロセスや成果の大きさが分かりやすくなりましたね!具体的にどんな業務をやりたいかも追加されて、採用担当者の関心を引きやすくなりました。
・行動のプロセスをさらに具体化する ・自己PR全体の流れを簡潔に整理する ・「企業でどう貢献したいか」を詳しく記す |
やり抜く力の自己PR例文②部活
続いて、部活動経験についての自己PRです。部活動では結果がはっきり出ることが多いため、アピールもしやすい特徴があります。
「目標を立ててそれを達成するまでやり遂げる」という構成にすると、強みも伝わりやすいですよ。
部活
【結論】私の強みは「どんなに高い目標でも必ず達成すること」です。どれだけ高い目標でも、現状を分析し、実行を重ねて目標を達成する力です。
添削コメント|周囲と比べた相対評価は出せているので、過去の自分と比較してどれだけ成長したかも入れましょう。またこの際は、具体的な数字を入れるとなお効果的です。
【エピソード】私は大学でバスケットボール部に所属していました。大学のバスケットボールリーグでは⚪︎⚪︎大学が有名で、毎年、2位に勝ち点で2桁以上の差をつけて優勝しているほどの強豪校でした。私は大学在学中に、⚪︎⚪︎大学を倒し、リーグ優勝することを目標にしました。おり、大学リーグで圧倒的な実力を持つ⚪︎⚪︎大学を倒し、リーグ優勝を果たすことを目標にしました。
添削コメント|背景説明が冗長だったため、簡潔に目標設定の理由と意図を伝える表現に変更しました。これにより、読み手に強豪校との対戦目標が明確に伝わります。本筋ではない背景・前提情報は簡潔にまとめましょう。
【エピソード詳細】大学3年時からはキャプテンを任せていただき、練習内容に今まで不足していた従来の練習に不足していたフィジカルトレーニングを積極的に入れ、チームの強みと弱みを理解した戦略的な戦い方を徹底的に考えました。試合の分析を通じてチームの弱点を補強し、戦術を練り直しました。
たとえば、チーム全体の課題解決力と実戦力の向上を目指して、練習中に試合を想定したシミュレーションを実施しました。試合中の課題をチーム全員で共有し、改善に取り組む体制を作ったのです。
添削コメント|元の文章では「チームの強み弱みをどう理解するのか?」「戦略的な戦い方とは?」とやや抽象的な部分が目立ったため、「試合の分析をした」「シミュレーションを実施した」などの具体的な行動を追加し、リーダーシップや課題解決力をアピールしました。
【成果】結果、大学3年時に目標としていた⚪︎⚪︎大学との直接対決に勝ち、勝利し、目標としていたリーグ優勝を果たせました。
添削コメント|元の文章では「〇〇大学との試合に勝つこと」が目標なのか「リーグ優勝」が目標なのかわからず、ゴールがややぶれてしまっていました。接続詞の表現には気を付けてくださいね。
【入社後】仕事でどれだけ高い目標を前にしたとしても、必ず達成するために、現状課題の分析と実行を大切にしていきたいと考えています。仕事でも、どれだけ高い目標に直面しても諦めず、現状を分析し、課題に取り組むことで目標を達成したいと考えています。特に、チームとして取り組むプロジェクトでは、全員が同じ目標に向かって進む体制を整え、成果を最大化するリーダーシップを発揮したいです。
添削コメント|抽象的な表現を削り、「課題解決」や「チーム全体の成果最大化」という具体的な入社後の行動イメージを加えました。また、チームリーダーとして行ないたい努力も示すことで、「最後までやり遂げる力」以外にもリーダーシップもアピールできています。
【足りない部分】自己PR全体として、「行動内容や努力の具体例」が不十分でした。目標を設定して達成しました、だけではやや説得力が足りません。
また、成果が抽象的でゴールが曖昧になっていたため、結果のインパクトが伝わりづらい点が課題でした。
【添削内容】「練習で具体的に何を行ったか」を追加し、行動のプロセスとその過程で発揮した粘り強さ・リーダーシップを示しました。さらに、成果部分では目標を明確化して、過程から結果までの流れに一貫性を与えています。
【どう良くなったか?】具体例や行動内容を詳しく記したことで、課題解決力やリーダーシップといった強みの説得力が上がっていますね。成果については、目標達成の過程と結果が一貫性を持つよう整理され、インパクトが増しました。
・目標達成のための行動内容を明確に記す ・行動内容と成果に一貫性を持たせて説得力を上げる ・入社後の具体的な行動計画を加える |
やり抜く力の自己PR例文③長期インターン
次は長期インターン経験のエピソードです。
ここでは「トラブルに遭っても諦めず最後までやり遂げる力」をアピールしているため、トラブル対処の過程を説明して説得力を上げています。
長期インターン
【結論】私の強みは「最後まで諦めず、目標を達成すること」です。目標達成前に壁にぶつかっても柔軟に対応し、最後まで諦めずにやり抜く力です。
添削コメント|「諦めず、目標を達成する」という表現はよくあるもので、採用担当の印象に残りにくいのが難点です。そこで「目標達成前に壁にぶつかっても柔軟に対応し」という具体的な特性を加えることで、差別化を図っています。
【エピソード】私は大学3年時にWebメディアの長期インターンで、ライターの仕事をしておりました。ライターとしてチームを持ちつつ、よりPVの多い記事を作成すべく奮闘していました。
インターン生は毎月20記事をノルマとして取り組んでいましたが、10名いるインターン生のうち数名が2名が体調不良により業務ができなくなるできなくなり、全体の執筆数が著しく不足するトラブルに直面した月がありました。
添削コメント|「チームとして」「PVの多い記事作成のために奮闘」という具体的な業務内容を加えることで、何をしていたのかが明確になります。
また、具体的に何人が休み、それによってどんなトラブルが発生したのか、よりくわしく示しましょう。採用担当者がwebメディアへの理解に長けているとは限らないため、明確に「執筆数が著しく落ちた」とアピールすることで、課題の緊急性が伝わりますよ。
【エピソード詳細】その際、私はまずチーム全体の執筆進捗を確認し、不足している記事テーマを洗い出して作成記事の優先順位を整理しました。さらに、記事執筆スピードを上げるために、事前に各記事の構成案を短時間で作成し、一度に複数の記事に取り組むマルチタスクを実施しました。
添削コメント|元の文章だと「1.5倍の作業をどのように達成したのか」が不明なため、成果に対する不信感を抱いてしまいます。そこで「執筆進捗の確認」や「マルチタスクの実行」といった具体的な解決策を入れ、努力の過程を明確にしました。
【成果】しかし、チームの目標数を必達したいという意志から、結果、その月は通常の1.5倍となる15記事を作成し、無事チームノルマの納品数もクリアできました。チームとしてのノルマを無事クリアし、クライアントから高い評価も得られました。
添削コメント|元の文章にあった「チームノルマを達成したこと」だけでなく「クライアントから高い評価を得た」という成果も加えました。行動としての成果に客観的な評価が上乗せされたことで、より盤石な強みのアピールができています。
【入社後】仕事をするうえで、トラブルや困難は起こると思いますが、最後まで諦めず目標を達成していきたいと考えています。この経験を活かして、貴社に入社後も、トラブルや困難があっても現状を分析し、柔軟に対応することで目標達成に貢献したいと考えています。
添削コメント|入社後の活躍イメージを伝える場合は「仕事をするうえで」のように広がりがある表現ではなく、ハッキリと「貴社に入社後も」と言い切ってしまいましょう。志望度の高さや熱意が伝わります。
また、抽象的な「諦めず目標を達成する」という表現を、「現状分析」「柔軟な対応」と具体化することで、企業が求める即戦力や協調性が伝わる内容にしました。
【足りない部分】添削前の文章では、「1.5倍の作業をどのようにこなしたのか」という要素が抜けていたため、努力の内容に不信感を持たれてしまう可能性がありました。
【添削内容】エピソード詳細に「執筆進捗の確認」「テーマの洗い出し」「マルチタスクの実行」など、具体的な行動や工夫を追加し、クライアントからの客観的な評価も入れています。
【どう良くなったか?】努力の過程を示したことで説得力が上がり、トラブル時の問題解決能力などの強みも強調できています。また、成果にクライアントの評価を含めたことで、達成した結果の質的な価値が伝わる内容に改善されました。
・困難への具体的な対処方法を明確にする ・成果に客観的な質的評価を加える ・チーム貢献とリーダーシップを強調する |
やり抜く力の自己PR例文④学業
最後は、学業でのエピソードを使った「最後までやり遂げる力」の自己PRです。
学業は長い時間をかけて身につけるものも多いため、その期間についても記して、熱量をアピールしましょう。
学業
【結論】私の強みは「やるべきことに全集中し、必ずやり遂げること」です。「やるべきことを徹底的に優先し、最後までやり遂げる力」です。
添削コメント|「全集中」という表現はカジュアルすぎるため、ビジネスの文脈では適切ではありません。また「力」という言葉を使うことで、スキルや資質として具体性が増します。企業側が強みを理解しやすくなることを意識しました。
【エピソード】私は大学在学中に公認会計士の資格を取得することを目標に定めておりました。資格取得を目指し、目標達成に向けて計画的かつ粘り強く取り組みました。
添削コメント|「目標に定めておりました」よりも、「計画的かつ粘り強く取り組みました」という行動を示すフレーズを追加することで、行動力が強調され、主体的に動ける人間だとアピールできます。
【エピソード詳細】公認会計士の資格を取得するのには、通常3,500時間程度の勉強が必要と言われているため、言われています。私はこの膨大な学習量をこなすために具体的なスケジュールを立て、友人と遊ぶ時間や、趣味の時間を最小限に抑え、抑えました。公認会計士の勉強を最優先にして日々努力を続けました。日々、計画を見直しながら進捗を管理し、挫折しそうな時でも「なぜこの資格を目指すのか」を自分に問いかけることでモチベーションを維持しました。
添削コメント|行動のプロセス(スケジュール作成や進捗管理)を具体的に描写し、「努力を続けた」という抽象的な表現を補足しました。企業は行動の再現性や計画力を重視するため、より具体的にすることが重要です。
【成果】結果、大学4年時に目標としていた公認会計士の資格を取得できました。取得し、目標達成のための粘り強さと計画性を実証しました。
添削コメント|「目標達成のための粘り強さと計画性を実証しました」を追加することで、成果が自分のスキルに結びつく形にしています。ただ結果を述べるだけでなく、そこから得られる価値を企業側に伝える工夫をしました。
【入社後】仕事においても、必達目標を課されることがあると思いますが、最優先事項にフルコミットし、必ず達成していきたいと考えています。御社での業務においても、目標や課題が設定された際には、最優先事項を的確に見極め、全力でコミットする姿勢を発揮したいと考えています。具体的には、プロジェクトのスケジュールを計画的に管理し、チームでの成果を最大化できるよう努力します。
添削コメント|「課されることがあると思いますが」などの曖昧な表現を避け、具体的な姿勢や行動方針を追加しました。企業側は就活生の強みそのものではなく「その強みを使ってなにができるのか」を知りたいので、入社後の活躍イメージは具体的にしましょう。
【足りない部分】主に計画性などの描写が不足しており、「やるべきことをやり遂げる力」の再現性が伝わりにくい内容でした。また、成果をスキルや価値に結びつける表現や、入社後の貢献を具体化した視点が足りないのもややマイナスです。
【添削内容】「全集中」や「努力を続けた」といったカジュアルで抽象的なフレーズを修正。また、行動プロセスを具体化し、成果をスキルとして示しました。さらに、入社後の展望を具体的に描きました。
【どう良くなったか?】計画力や粘り強さといった強みが具体的に伝わり、「やり遂げる力」が再現性のあるスキルとしてアピールできましたね。入社後の貢献が明確化され、企業が採用後の活躍をイメージしやすい内容に仕上がりました。
・目標達成のための行動と計画性のアピールをする ・課題の乗り越え方と成長具合を示す ・入社後の具体的な活躍イメージを伝える |
自己PRで「最後までやり遂げる」をアピールする際の注意点2つ

続いて、最後までやり遂げる力をアピールする際の注意点について解説します。アピールの仕方を間違えると、あなたの強みが相手に伝わらなくなるため注意が必要です。
自己PRで最後までやり遂げる力をアピールする際は、下記の2つに注意しましょう。
① 抽象的なエピソードを話す
最後までやり遂げる力をアピールする際、抽象的なエピソードを用いるのはやめましょう。
「学生時代はすべてのことをやり遂げてきました」や「これまでの人生で途中で投げ出したことはありません」といった抽象的なエピソードを入れても、採用担当者は信憑性を感じないため、評価ができません。
エピソードを盛り込む際は、客観的にもわかる具体性が必要です。どのような難易度のことを、どれだけ努力してやり遂げたかという、具体性のあるエピソードを入れましょう。
エピソード自体が抽象的なのはもちろん良くありませんが、「努力の過程のみが抽象的」「エピソード中の成果のみが抽象的」というパターンも気を付けてくださいね。
特に、企業は「学生が一体どんな努力をしてきたのか」を最も気にしています。自分の努力過程や、そのときの心情は、より具体的に記しましょう。
② 結果が伴わないエピソードを話す
最後までやり遂げる力をアピールする際、結果が伴わないエピソードを話すのもNGです。
「途中で諦めることになりましたが、とても努力しました」や「当初の目標は達成はできませんでしたが、8割達成しました」といった、100%やり遂げていないエピソードはやり遂げる力のアピールにはなりません。
また、「評価はされませんでしたが、形にはできました」といった、物事が完了はしていても結果が伴わないエピソードも、先方に響く訴求とは言えません。
やり遂げたという主観的な感情だけではなく、結果が伴い、客観的に見ても評価できるエピソードを伝えましょう。
自己PRで「最後までやり遂げる」をアピールするには言い換えで差をつけよう!
今回は、最後までやり遂げる力のアピール方法について解説しました。
最後までやり遂げる力は採用担当者から見て魅力的な能力ですが、定番化されたアピールとも言えます。そのため、他の候補者と差をつけるためには、表現を言い換える工夫が必要です。
この記事で解説した言い換えを参考に、ライバルと差をつけたアピールをしていきましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。