「自己PRを上手にまとめられない」と思い悩んでいる人は、たくさんいますよね。就職活動を成功させるためには、高い評価が得られる自己PRの準備が大切です。
本記事では評価される自己PRの書き方と例文を紹介します。ぜひ、自分の履歴書を作成する際の参考にしてみてくださいね。
自己PRは自分を売り込むための材料
自己PRとは、応募先の企業に自分の良さを売り込むための大事な材料です。
企業側に対して「自身の得意分野は何か」「企業で何ができるか」をアピールする項目であり、自分を採用するメリットを示す必要があります。
その一方で、「自己紹介」は応募者の経歴や人柄を簡潔に伝えることで、「長所」「短所」は性格や考え方を表現する項目です。
強みをアピールする「自己PR」との明確な違いはありませんが、「自己紹介」や「長所」とは分けて考えてくださいね。
自己PRで採用担当者が見ているポイント

自己PRを通じて採用担当者は応募者のどのような点についてチェックしているのでしょうか。
主に以下のポイントについて評価をしているため、念頭において自己PR作成を進めましょう。
①会社に合ったスキル・経験を有しているか
採用担当者は、履歴書の自己PRで応募者の持つスキルや経験が、求人企業の要件に合致しているかを厳密に確認しています。
単に自分の強みを羅列するのではなく、募集職種に必要な能力やそれに準ずる経験を示すことが重要です。
求人票の「応募要件」や企業情報を事前に分析し、自分の経験やスキルがどのように企業のニーズに応えられるかを論理的に説明しましょう。
②わかりやすい文章で強みを伝えられるか
採用担当者は、自己PRが明確で分かりやすい文章で書かれているかを大前提として確認しています。日本語のミスや専門用語、曖昧な表現を避け、具体的な事実と成果を簡潔に伝えましょう。
例えば「できる」「頑張った」といった抽象的な表現を排除し、実際の経験や成果を数値や具体例を交えて説明することが理想的です。
「チームプロジェクトで、メンバーと協力し、売上を20%向上させた」といった形で、自分の強みを客観的かつ明確に示しましょう。
文章全体の構成については、読み手が一読して理解できる、論理的でシンプルな文章構成が、高い評価につながるポイントです。
高評価をもらえる自己PRの書き方3Step

自己PRには思いついたことをただ書くのではなく、自身の経歴と企業の特性を関連付けた内容を記載しましょう。
採用担当者から高評価が得られる自己PRを作るために、3つのステップに分けて書き方を説明します。
①これまでの経験・実績をまとめる
まず、これまでに自分がしてきた仕事の内容を、徹底的に洗い出してください。具体的な作業内容や役職も挙げましょう。
続いて、洗い出した仕事内容に対して、できるだけ数字で表せる実績を付け加えます。
「年間で新規顧客を○件獲得」「売り上げ目標の○%を達成」のように、会社の利益に直接関係する方が伝わりやすいです。
もし難しい場合には、「○人が関わるプロジェクトを管理」「製造効率を○%上昇」のような内容でも構いませんよ。
②希望職種で必要な能力と合う経験・実績を選ぶ
次に、応募する企業や職種でアピールできる能力を考えてみましょう。
過去に仕事でいくら素晴らしい実績を残していても、応募した企業や職種で求められていないと、能力が評価されにくいです。
つまり自己PRでは、自分の強みをただ伝えるだけでは意味がありません。応募企業で求められる能力を理解するためには、しっかり求人情報を読み込む必要があります。
そして、企業で求められる能力と自分のスキルを、必ずマッチさせて組み立てることが大切なのです。
③経験・実績がどう活かせるのか書く
最後に、自己PRを100~200文字ほどの文章にまとめます。自分の経験や実績を、入社後にどう活かせるのか明確に記載するのがポイントです。
自分のアピール要素をたくさん伝えたいかもしれませんが、自己PRを記載するスペースは限られているので、絞り込んでアピールしましょう。
企業研究や自己分析によって内容を照らし合わせて、企業が必要としている人物像を理解しながら、自分の経験やスキルで合致した要素を見つけてくださいね。
履歴書に書くべき自己PRの例文10選

自己PRの例文を、職種別と強み別に5つずつ紹介します。経験した職種に似たものや自分の強みに近いものを参考にして、自己PRを作成してくださいね。
【職種別】自己PRの例文5選
まずは職業別に例文を紹介していきます。
①営業職
例文
広告制作会社の営業職として、3年間勤務してきました。その中で、提案力と傾聴力が強みだと認識しております。
商談につなげるために、問い合わせを頂いた際、現時点での課題を深堀りするためのアンケートを独自に作って送付しました。
その回答を踏まえて施策を提案したところ、打ち合わせの際に9割以上の受注を頂きました。
このように顧客の本来のニーズを聞き出して、効果的な施策を提案する力は、貴社でも活かせると考えております。
②製造・技術職
例文
私はコスト削減と納期厳守を意識して、業務を取り組んでおります。
生産リードタイムを縮める目的で、工場から送られてくる原料の発注計画を見直して、人員の再配置を提案しました。
現場の変動要因に注視するために、定例会議を頻繁に開くことで、進捗状況をチェックするメカニズムを構築しました。
結果的に、リーダーになってから現在までの納期遵守率は100%です。今後も業務の効率化を意識して、貴社でも活躍したいと考えております。
③事務職
例文
事務職として5年間、主に機器や備品を管理してきました。
依頼された仕事の目的を考えて、全体の仕事が効率的に進むように、常に頼まれたこと以上を実行するように心がけています。
具体的には、営業担当から受注が取れたと報告を受けたときには、翌日には契約書類を持参できるように全て揃えた結果、売上の向上にもつながったと評価されました。
オフィスのスムーズ化のために工夫してきた経験は、貴社でも活かしたいと考えております。
④IT・エンジニア職
例文
システム開発のプロジェクトリーダーとして、30名ほどのメンバーのスケジュールを、6ヶ月間管理しました。
パートナー企業と連携して、担当からの進捗報告を徹底。システムの品質を管理しながら、スケジュール通りに開発を進めました。
プロジェクト進行中に丁寧なヒアリングを行い、顧客との認識の行き違いによるトラブルの発生を防止できたため、顧客にも満足いただけています。
貴社でも社内外との調整力を発揮したいです。
⑤接客・販売職
例文
ショップスタッフとして接客をするときに、お客さまの要望を聞き出すため、会話をよく聞くことを心がけています。
ジャンルに関係なく、仕事以外のあらゆることに好奇心を持っているため、お客さまとの会話を膨らませる際に役立ちました。
常連のお客さまも増加して、ほとんど毎月個人予算を達成でき、支店内での売り上げは常にトップをキープしました。
今後はさらに、丁寧で地道な接客や個別対応に磨きをかけて、貴社でもエリアトップの販売員を目指していきたいです。
【強み別】自己PRの例文5選
続いて、強み別に例文を紹介していきます。自分の押し出したい長所がある場合はぜひ参考にしてみて下さいね。
①協調性
例文
私は企業の営業チームのリーダーとして、2年間働いてきました。部下や後輩の相談に乗りながら、売上目標を3ヶ月間連続で達成できたのは、私の大きな実績の一つです。
また、仕事上英語を使用する場面も多く、打ち合わせの段階から日本語を使わず、チーム内の英語力の向上に力を入れてきました。
その結果、お互いをフォローし合える関係を構築しました。貴社でも協調性を活かして、積極的に情報交換を行い、成果につながる仕事をしていきます。
②コミュニケーション能力
例文
前職では、基盤システム改善のためのプロジェクトマネージャーを務めていました。
6社のパートナー企業と、2年間のプロジェクトです。チームで常駐して、改善要求に応じていました。
開発の遅れのようなトラブルが生じたときには、役割分担を明確にして、開発の遅れをカバーしました。プロジェクト内で意思疎通を図ることで、予定通りに納品できました。
私のコミュニケーション能力を活かして、貴社でも貢献に尽力していきたいと思います。
自己PRでコミュニケーション能力をアピールするポイントは以下の記事で解説しています。
③責任感
例文
ここ4年間で取り組んだ後輩育成の業務を通じて、私自身の強みは責任感だと捉えるようになりました。
4年前、私は新人5人の教育担当を引き受けて、成果が出せない新人の不安要素をなくすために、日頃からミーティングの時間を取っていました。
新人メンバーは少しずつ成果が出るようになって、直近の1年では新人メンバー全員が目標を達成しています。
メンバーの課題を解決するために行動する責任感を、今度は貴社で活かして貢献したいです。
④忍耐力
例文
前職では、新商品のラベルに誤記載が発覚したことがあります。そこで、1万個のサンプル用の訂正ラベルを作って、貼り付ける作業が必要でした。
サンプルの配布日は3日後で、変更できないため、間に合わせる必要があります。
周囲の協力を得ながら、諦めることなく根気強く作業を行い、全ての訂正ラベルを貼り付け作業を3日で完了させられました。
根気よく作業をすれば、どんな困難な状況でも乗り越えられると実感できました。貴社でも忍耐力を武器にして、貢献してまいります。
自己PRで忍耐力をアピールするポイントは以下の記事で解説しています。
⑤リーダーシップ
例文
私は営業マネージャーとして、常にリーダーシップを意識しております。
まず課題を明らかにするため、気軽に相談できるチャットツールを導入しました。毎日達成状況をチェックして、未達成のメンバーを積極的にサポートしました。
着任当初の目標達成率は90%でしたが、1年後に110%に伸びて、メンバーとの信頼関係も深まったと感じた経験です。
前職で培ったリーダーシップを活かして、貴社の事業拡大にも貢献していきたいと考えております。
自己PR作成の注意点

自己PR作成の際には以下のポイントに注意しましょう。いずれも、自己PRを正しく魅力的に伝えるために重要です。
作成後に再度以下のチェックポイントに引っかかっていないか見返してみてください。
①客観的に評価できる自己PRか
自己PRの内容は誰がみても明確に評価できるような客観的な内容にしましょう。そのためには、主観的な表現を避け、具体的な事実と成果を示すことが重要です。
単なる自己賞賛ではなく、実際の経験や数値、他者からの評価を交えることで、客観的な信憑性を担保できます。
「頑張った」「熱心に行った」といった抽象的な表現を避け、「プロジェクトで売上を20%向上させた」「チームリーダーから高い評価を受けた」のように、客観的に検証可能な内容を盛り込みましょう。
他者からの評価や具体的な成果を示すことで、自己PRの説得力を大幅に高められます。
②企業の求める人材像に合った自己PRか
企業の求める人材像にマッチした自己PR内容でないと、「企業への理解が低い」「マッチしていない」と捉えられかねません。
そのため自己PR作成の際は募集要項や企業情報を徹底的に分析し、求められる能力や資質を的確に反映させることが重要です。
単に自分の強みを羅列するのではなく、企業が求める具体的な人材像に自分のスキルや経験をマッチさせる必要があります。
例えば、「チームワーク重視の企業」であれば、チームプロジェクトでの協働経験を、「イノベーション志向の企業」であれば、新しい課題に挑戦した経験を中心に自己PRを構成すると効果的です。
③過剰にアピールしていないか
自己PRは淡々と伝える文体が理想であり、大げさな表現や誇張された成果はかえって信頼性を損なう可能性があります。事実に基づいた冷静な表現を心がけましょう。
具体的には、「世界一」「最高」「完璧」といった極端な表現を避け、具体的な数値や客観的な事実で自分の強みや経験を伝えてください。
例えば、「プロジェクトで売上を10%向上」「チームメンバーから信頼される」といった控えめで事実に基づいた表現を選びます。
自分の能力を誠実かつ謙虚に伝えた方が、採用担当者にすんなりと受け入れられやすいです。過度な自己賛美ではなく、冷静で論理的な自己PRが求められていることを押さえておきましょう。
履歴書と面接の自己PRの違い
自己PRで責任感をアピールするポイントは以下の記事で解説しています。
履歴書に記載した自己PRと面接で話す自己PRの内容は、同じで良いのか悩む人もいると思います。
面接で質問されたときにも、履歴書に書いた内容と同じでもOKです。ただし、履歴書の内容を暗記して読み上げるのは避けてくださいね。
面接では端的に結論から述べることを意識しましょう。話す時間は1分が目安で、文字数では300字程度です。
ただし、回答時間を指定されるケースもあります。時間の長さに合わせて数パターン作っておくと安心ですね。
履歴書の自己PRで自分の魅力をしっかりアピールしよう
今回は評価される自己PRの書き方や例文を紹介しました。
自己PRの書き方と伝え方のポイントを理解しておくと、面接担当者からの印象は良くなるでしょう。
本記事を参考にして、自分の魅力をアピールできる自己PRを作ってみてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。