「学業で力を入れたこと」の書き方を解説!評価基準や例文も紹介
就職活動のときによく聞かれる質問の1つとして、「学業で力を入れたこと」があります。
この質問の回答を考えるときに、何を書けば良いのか、そもそも書き方がわからない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、「学業で力を入れたこと」をなぜ企業が聞くのか、その回答の評価基準や書き方について解説しています。
もし、「学業で力を入れたこと」の回答に悩んでいるのであれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
企業が「学業で力を入れたこと」を聞く3つの理由
就職活動のときに聞かれる「学業で力を入れたこと」ですが、企業側がこの問いをするのには理由があります。理由は主に以下の3つです。
①専攻を知りたい
1つ目は、専攻を知りたいからです。それぞれの企業には、新入社員に求めているものがあります。例えば、海外展開している企業なら、英語をある程度話せる必要があるでしょう。
もし英語を話せる必要がある場合、学生時代に英語に力を入れていた人は、審査のときに良い印象を与えられます。
ただし、企業の求めるスキルと自分が学んできた内容が一致していても、内容を整理できず上手に答えられなければ、逆に悪い印象を与えてしまう可能性もあります。
そのため、自分が学生時代に力を入れたことと企業分析の両方を行い、整理してから書き始めるようにしましょう。
②求める人物像にあっているか知りたい
2つ目は、求める人物像にあっているか知りたいからです。例えば、学生時代に力を入れていたことが複数個ある人がいたとします。
このような人の場合、「好奇心が旺盛なのかな」や「飽き性なのかな」など、その人の良い面と悪い面が見えてきますよね。
「学業で力を入れていること」からわかる人物像は、あくまでも一部分ですし判断材料の1つでしかありません。
しかし、少なくとも何も知らないところからその人のことを想像できるため、聞く企業も多くあります。
③経験を知りたい
3つ目は、経験を知りたいからです。例えば、英語を学ぶときに、スピーキング上達のために海外に行った経験があるとします。
これも立派な経験です。また、その人が英語を学ぶときにどのようにして学んだのか、困難な壁にぶつかったとき、どのようにして解決したのかも聞けます。
企業としては、これらの経験を活かして、自社でどのように活躍してくれそうか想像できるでしょう。
「学業で力を入れたこと」の3つの評価基準
企業は、ただ学業で力を入れたことが何かを聞きたいわけではありません。聞いたからには、その内容をもとに評価する必要があります。
実際に評価するときは以下の3つに注目しています。
①求める人物像であるか
基準1つ目は、求める人物像であるかです。企業は新入社員を募集するときに、どのような人材を募集するか、あらかじめ考えています。
例えば、仕事を教えてもらうだけでなく、自主的にスキルアップに努めてくれそうな人材が欲しいなどがあるでしょう。
そして、学生時代に目標を持って何かに取り組んでいたのであれば、入社後も自主的にスキル向上に努めてくれる可能性が高いです。
企業と就活生のミスマッチを防ぐためにも、質問からどのような人物なのか、ある程度想定しなければいけません。
②分かりやすく書かれているか
基準2つ目は、わかりやすく書かれているかです。内容が分かりにくく長い文章だと、理解するのに時間がかかる上に読むのに疲れてしまいます。
短く簡潔にまとめた方が、読み手も内容を忘れにくいですし、相手を不快にさせずに済みますよ。
また、文章を短く簡潔にまとめるスキルは、論理立てて物事を説明できる人と判断されるため、高い評価を得られやすくなります。
③自社で活躍してくれそうか
3つ目は、自社で活躍してくれそうかが基準になります。例えば、仕事のときに英語が必要なのであれば、学生時代に英語の勉強に力を入れてきた人の方が評価は高くなる傾向になるのです。
なぜなら、1から英語を勉強する人よりも、学生時代に英語を勉強してきた人の方が、即戦力の可能性が高くなるためです。
また、企業によっては資格取得を進めているところもあり、学生時代に取得していることで有利になる場合もありますよ。
「学業で力を入れたこと」を書き出してアピール内容を整理しよう
「学業で力を入れてきたこと」について考えるときは、まずアピールできそうな内容を出していきましょう。
企業によっては、自分が力を入れてきたことでも、アピールしない方がいいものもあります。
自分が力を入れてきたことでも、入社後にいっさい使わなさそうなスキルをアピールしても、あまり意味ないでしょう。
そのため、力を入れてきたことをそのままアピールするのではなく、一旦書き出し、行きたい企業でアピールできそうなものを選んでまとめるようにしましょう。
「学業で力を入れたこと」を書く5つのステップ
「学業で力を入れたこと」で、アピールできそうなものを素直に書いていくだけでは不十分です。書くときは以下の5ステップで進めていくといいでしょう。
①結論ファースト
ステップ1は、何について学んだのか簡潔に書きましょう。理由は、最初に書くことで、読み手が何について学んだのか探す手間がなくなり、内容を理解しやすくなるからです。
せっかくアピールできることがあっても、相手に伝えきれなくては意味がありません。最初に書いておくことで必ず目に入りますし、その後の文章構成も考えやすくなります。
また、結論は短くまとめましょう。結論の詳しい説明は、結論と一緒にするのではなく、その後に書くのがおすすめです。
②学んだ理由・根拠を示す
ステップ2は、なぜ結論で書いたことを学ぼうとしたのか、理由を書きましょう。学ぼうとしたからには、必ず理由があるはずです。
例えば、英語学習に力を入れたのであれば、将来海外で働くことが夢だからなどがあるでしょう。また、理由を漠然と書いて終わりにしてはいけません。
海外で働くときに、その時の自分に何が足りなくて、何を補うために英語の勉強をする必要があったのかなど、勉強するに至った経緯を詳しく書くのがベストです。
③学んだ過程を書く
ステップ3は、結論で書いた内容について、具体的にどのような取り組みをしたのか書きましょう。
例えば、英語を学習するにしても、「話す」「聞く」「書く」によって勉強の取り組み方は変わります。
また、学んだ過程を書くときは、ただ取り組んだ内容を書くだけで終わらせないようにしましょう。
学ぶ過程ごとに、何を意識して取り組んだのかを書くことで、他の人の内容と差別化できます。
④結果・学びを書く
ステップ4は、学んだ結果や何を得たのか書きましょう。ステップ4に関しては、自分が学んできたことに関する解説の総括になります。
例えば、英語学習に力を入れていたのであれば、海外に行き、現地の人と日常会話ができるようになったなどがあるでしょう。
また、英語学習を例に挙げると、英語学習するときは実際に海外に人と話してみるのが大事などと、学びから何を得たのか書くことも大事です。
⑤仕事への活かし方を書く
ステップ5は、学びから得たことが仕事にどう活きるか書きましょう。この点を書くことで、企業に自分の強みをアピールできます。
ステップ4をもとに例を挙げると、日本の人だけでなく海外の人にも商品の魅力を発信したり、海外の人と英語で商談できるなどの説明の仕方がありますよ。
また、企業分析を事前にしておかないと、自分の学んだことをどのように活かすのか考えられません。
そのため、自分の学んだことに関してばかり考えるのではなく、どのようにして仕事に学びから得たことを紐づけられるか考えながら進めると、文書を構成しやすいでしょう。
「学業で力を入れたこと」の例文
書き方の順番についても解説しましたが、いざ書こうとするとまだイメージが湧かない人もいるでしょう。
以下は「学業で力を入れたこと」の内容ごとに例文をまとめましたので、考えるときに参考にしてみてください。
【例文①】ゼミ
私は大学のゼミ活動で、プレゼンテーション資料の作成と発表のスキルを習得しました。このスキル習得を目指した理由は、資料をまとめたり人前で話すことに対する苦手意識の克服のためです。 プレゼンテーションに関する本を読み、学生同士の発表の際に習得した知識や学んだことを実践しておりました。 最初は学びを思うように活しきれず自己分析をして原因を探っていました。しかし定期的にプレゼンテーションを行なっていたため、少しずつ課題を解決し、現在は相手が理解しやすい資料作成や、相手が聞きやすい話し方を身につけられました。 以上の経験を活かし、貴社においても、論理的なプレゼンテーションや見やすさを第一に考えられた資料を提供し円滑な業務運営に貢献したいと考えています。 |
例文①のポイントは、苦手を克服できることをアピールできている点です。就職後は必ず自分の好きな、あるいは得意な仕事だけをできるわけではありません。
例文①では苦手なことでも、コツコツ課題解決に向け努力できることを知ってもらえるため、就職後も根気強く頑張ってくれるのではないかと、評価してもらえる可能性があります。
【例文②】資格勉強
私は学生時代、簿記の資格を習得するために、簿記の学習に力を入れました。将来経理として働きたいという私の目標を達成するには、少しでも知識を習得しておきたいと考えたからです。 独学だったため、主に書籍やYouTubeなどの動画サイトを活用し知識を習得しました。理解しにくい分野もありましたが、根気強く取り組んだ結果、簿記1級まで取得することができました。 学んだ知識と粘り強く努力し続けられる私の長所を活かし、貴社でも経理担当として活躍したいと考えています。 |
例文②のポイントは、学生時代から将来を見据え、スキル向上に努められることをアピールできている点です。
もし、就職後も何か必要なスキルが出てきたときに、自分自身で学習し知識を習得できるため、高い評価をもらえる可能性があります。
【例文③】授業
私は英語学科に所属していたことから、学生時代は英語学習に力を入れてきました。英語学習に力を入れた理由は、英語を話せるようになり、海外の人とコミュニケーションを取れるようになりたかったからです。 学習方法としては基礎的な読み書きを重視し、さらに英語学科の学習では話すことにも力を入れていました。基礎を磨いた上で実践できたことが大きく、在学中に1人で海外旅行に行けるようにまで英語力が向上しました。 この経験と英語力を活かし、貴社でも英語でのコミュニケーションに力を入れ、商品の良さを国際的に宣伝していければと考えております。 |
例文③のポイントは、英語のスキルを就職後も活かせることです。
商品販売において海外展開している場合だと、英語を話せるため即戦力として活躍できることをアピールできます。
また、英語のスキルだけでなく、コミュニケーション能力についても高い評価を受けられる可能性がありますよ。
「学業で力を入れたこと」の良くない2つの例文
「学業で力を入れたこと」について書かれていても、あまり相手に良い印象を与えない文章があります。例文を2つ解説しますので、実際に書くときは注意しましょう。
【例文①】学んだことが書かれていない
私は学生時代に、運動系のサークルに所属しておりました。サークルでは主にリーダーとして、メンバー全員の技術力が上がるよう、練習メニューの考案などに力を入れてきました。 貴社でも、在学中の経験を活かし、活躍できればと考えております。 |
例文①では、学生時代に力を入れたことについてしか書かれていません。力を入れたことについて、どのようなことを学んだのかを書く必要があります。
また最後の就職後の目標についても、学んだことをどのように活かすのか書かれていないため、企業側に熱意が伝わりにくいでしょう。
【例文②】取り組み内容が抽象的
私は、学生時代に英語学科に所属しており、英語学習に力を入れていました。理由としては、英語学科に所属するまでは英語を話せなかったからです。 主に講義で出題される課題をこなし、英語のスキルアップを目指しました。その結果、以前より英語を話せるようになりました。 貴社でも、在学中の経験を活かし、活躍できればと考えております。 |
例文②は、力を入れたことについて書かれているものの、どのように英語学習を進めてスキルを付けていったのか、具体的に解説されていません。
結果についても、どの程度英語が話せるようになったのか書かれていると、企業側もどの程度英語を話せる人なのかイメージしやすいでしょう。
「学業で力を入れたこと」を通して自分の魅力をアピールしよう
「学業で力を入れたこと」は、回答次第では自分のスキルの高さや、企業への熱意を伝えられます。しかし、一歩間違えば上手に伝えられず、周りの就活生の差をつけられません。
もし、「学業で力を入れたこと」の解答に困っているのであれば、本記事を参考に考えてみてくださいね。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。