志望動機の記述にあたっては、企業理念に共感する旨をアピールすることも良い方法の一つです。
しかし実際に書いてみると、アピールにつながるかどうか不安になるのではないでしょうか。
志望動機に企業動機に共感していることを書くする際には、ポイントや注意点の理解が必要です。
本記事では、志望動機に企業理念に共感していることを入れる際のポイント・例文・注意点などを詳しく解説します。
企業理念とは?経営理念やバリューとの違い
企業理念とは、企業が最も大切にしている価値観や考え方のことです。「企業が存在する理由」や「どんな事業を展開したいのか」などを、企業理念は示しています。
企業理念は、社外に対してはブランドイメージを作り出し、社内においては意思決定の明確化につながるものです。
また、企業理念と混同しやすい言葉として、経営理念やバリュー(価値観)が挙げられますが、以下の通り別の意味を持つ言葉です。
- 経営理念:経営者が最も重視している価値観
- バリュー:その企業にしか生み出せない価値
企業の価値観を示すものが企業理念であり、経営者の価値観が経営理念であると言えます。バリューは、企業理念の構成要素(ミッション・ビジョン・バリューなど)の一つです。
企業理念に共感している志望動機の評価ポイント2つ
企業理念を理解することで、より効果的な志望動機の作成につながります。企業理念へ共感していることを示す志望動機が評価されやすい理由は、以下の2つです。
- 企業が求める人物像とマッチしている
- 企業への興味の強さ
①企業が求める人物像とマッチしている
企業理念と自らの考えが結びついていると伝えることで、企業が求める人材に自分が当てはまっていることを示せます。企業理念には、企業の価値観が端的に示されているためです。
たとえば企業理念が「人々を笑顔にする」ならば、「自分は人の笑顔を見ることが何より嬉しい」とアピールすることで、求める人物像と合っていると示せます。
「自社が求める人材である」と採用担当者に判断してもらえれば、エントリーシートや面接の通過率は一気に高まるでしょう。
②企業への興味の強さ
企業理念に共感していることを伝えることで、企業への興味の強さも伝えられます。
自社の理念をしっかりと理解している人材は、会社へ熱心に貢献してくれると判断されやすいためです。
採用担当者としても、自分たちと同じ方向を向いて働いてくれる人と一緒に頑張りたいと考えることが自然だと言えます。
事前に企業研究を綿密に行い、どんな考え方を元に活動している企業なのかを理解したうえで、「強い興味を持っている」とアピールしましょう。
企業理念に共感した志望理由の書き方4ステップ
企業理念に共感していることをアピールする志望理由の書き方は、以下の4ステップに整理できます。
- 企業理念を調べる
- 企業理念に沿った事業内容を調べる
- 企業理念に合った自分のエピソードを選定する
- 入社後にどのように貢献できるかを書く
①企業理念を調べる
志望利用を書く前にまず、企業理念を調べます。企業理念は基本的に各企業の採用ホームページに掲載されているため、気軽にチェック可能です。
企業理念は一言でまとめられていることが多く、簡単に覚えられるケースが多数です。
しかし言葉をただ覚えるだけでは、説得力のある志望理由作りにはつながりません。
深堀りして説得力を高めるためには、なぜその企業理念になったのか、つまり背景や経緯も一緒に調べるようにしましょう。
②企業理念に沿った事業内容を調べる
企業理念を把握したら、企業理念に沿った事業内容を調べます。企業の事業の根底には、基本的に企業理念が存在しているためです。
企業理念が表れている事業内容まで理解おくことで、面接時に深掘りされた場合に志望度の高さをアピールできます。
またただ事業内容を覚えるだけでなく、その根底にどんな理念があるのかを考えながら調べることで、より深い企業研究が可能です。
事業内容も一般的には各社のホームページに掲載されていることから、誰でも簡単に研究できます。
③企業理念に合った自分のエピソードを選定する
企業理念や事業内容を確認した段階で、企業理念に合った自分のエピソードを選定します。
研究を十分に行って企業理念を理解しても、自分の価値観と共通していることを示せなくては、残念ながら意味がありません。
「企業理念に共感した」と言うだけなら、誰にでも簡単にできます。他の就活生との差別化には、自分だけのエピソードの提示が重要です。
適切にエピソードを選定できなければ、「嘘をついているかもしれない」「誰でもすぐに思いつくような理由だ」などと思われる可能性があります。
④入社後にどのように貢献できるかを書く
企業理念と合ったエピソードを盛り込んだら、「入社後にどう貢献できるか」を簡潔に書いて文章を終えます。
採用担当者に入社後の活躍をイメージさせることで、採用されやすくなると考えられるためです。
企業側が最も知りたいことは就活生の人柄や価値観ではなく、「採用すれば自社にどう貢献してくれるのか」だと考えられます。
入社後にどのように貢献できるのかを明示することで、自分を採用するメリットを企業側に示すようにしましょう。
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企業理念に共感している志望動機の例文3つ
志望動機を作文する際には、例文を参考にすると効率的です。
ここでは、企業理念に共感していることを伝える志望動機の例文を以下の通り3つ紹介します。
- 「お客さまを笑顔にする」が企業理念の例
- 「食生活からお客さまの生活を豊かにする」が企業理念の例
- 「チームでの協力を重視する」が企業理念の例
①「お客さまを笑顔にする」が企業理念の例
貴社を志望するに至った理由は、企業理念である「お客さまを〇〇の力を通じて笑顔にする」に深く共感したためです。 大学時代、私は結婚式場でアルバイトをしていました。最初は仕事がなかなか覚えられない上、致命的なミスばかりしてしまい、アルバイトを続けるか悩んでいました。しかし、結婚式場でたくさんの人々の心からの笑顔に触れ、笑顔がもたらす力の大きさを知りました。 そこからより多くの人を笑顔にする手助けをしたいと感じ、現在に至るまでそのアルバイトを続けており、企業選びの軸として、「相手を笑顔にできるかどうか」を第一に考えて就職活動を行ってきました。 入社後は、お客様に感動を提供し、笑顔を届けることが使命であると捉え、アルバイト経験で培った対応力や課題発見能力を活かし、一人でも多くのお客様に幸せな瞬間を提供できるように尽力していく所存です。 |
上記は、結婚式場でのアルバイトのエピソードを盛り込んだ例です。
この経験を通して、人々の笑顔に関わる仕事に就きたいと考えるようになったと具体的に述べられているのが良いですね。
②「食生活からお客さまの生活を豊かにする」が企業理念の例
私が貴社を志望する理由は、「人々の生活の中心である食生活から、お客さまの人生を豊かにする」という企業理念に深く共感したためです。 浪人をしていた際に、周りの優秀さに気後れし、勉強への意欲やモチベーションを喪失しかけていました。しかし、「週に1度だけ大好きな食べものを食べる」と決意したことで、私の気持ちは一変しました。 美味しい食事のためにもっと頑張ろうと思え、モチベーションを保てると同時に、毎日を前向きに過ごせるようになったのです。このことから、私は食を通して人生を健やかで豊かなものへする手助けをしたいと考えるようになりました。 貴社は、レストランの味を冷凍食品という形で日常的に楽しめる商品を開発しており、まさに食により豊かさや幸せを追求する事業を展開しています。 入社後は営業部に所属し、商品の魅力を1人でも多くの人に伝え、お客さまの生活をより豊かにする手助けをしていきたいと考えています。 |
上記の通り、「志望理由」「エピソード」「入社後の展望」の順に盛り込むことが基本です。
3つのブロックを意識すると論理的な文章が書きやすく、文章作成がよりスムーズになりますよ。
③「チームでの協力を重視する」が企業理念の例
私は貴校の「チームでの協力を重視する」という企業理念に共感し、志望しました。 私は大学時代、学習塾で塾講師のアルバイトをしていました。小さな学習塾でしたが、雰囲気の良さや塾長の人柄に惹かれた私は、塾のことを少しでも多くの人達に知ってほしいと思いました。 そこで塾長を交えて他のアルバイト講師と話し合い、公式ホームページのより親しみやすいデザインへの刷新とホームページのURLを載せたチラシの作成をチームに分かれて実施しました。 結果として半年後には塾生は30%増加し、現在では2つ目の教室を開くことも決定しています。この経験を活かして貴社への入社後もチームで問題解決に向けて協力し合うことを大切にし、業務に貢献する所存です。 |
上記のように、共感を伝えるだけでなくさらに自分の活動をアピールすることも効果的です。
実績をアピールする場合は、「○位」「○%」とできるだけ数値を入れることで説得力が増しますよ。
志望動機に企業理念に共感することを書くときの注意点2つ
企業理念への共感していることを志望動機に書く際の注意点としては、以下の2点が挙げられます。
- 汎用性の高い理由にしない
- 間違った解釈をしない
「企業理念を安易に利用している」と採用担当者に思われないように、ここでチェックしておきましょう。
①汎用性の高い理由にしない
企業理念への共感を志望動機とする際には、汎用性の高い理由は避ける必要があります。
誰でも言える理由では、他の志望者との差別化ができません。またどの企業にも使える内容であれば、「他の企業でも良いのでは?」と思われる可能性があります。
志望理由の一部だけを変えて使い回しをすれば、就職活動の負担は減るでしょう。
しかし使い回しできる志望理由では採用担当者に熱意が伝わらないことから、その企業独自の志望理由を考えることが重要です。
②間違った解釈をしない
企業理念を元に志望動機を考える際には、間違った解釈をしないように調査を抜かりなく行うことも大切です。
企業理念の解釈が間違ったまま志望動機を考えると、自社の理念とは異なる価値観を持っていると判断されかねません。
また、調査不足のまま応募してきているとの印象を、採用担当者に与える可能性もあるでしょう。
企業理念を調べる際には、理念を持つに至った背景や理念が反映されている事業の内容まで理解を深めることが大切です。
企業理念に魅力を感じた志望動機は評価されやすい!
企業理念への共感を志望動機に盛り込むと、高評価を受けやすいと言えます。
ただし採用担当者へアピールするためには、企業理念をしっかりと理解してその企業ならではの動機を考えることが大切です。
本記事をぜひとも参考にして、効果的な志望理由の作成につなげてくださいね。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。