介護職は需要が高く、就職先や転職先の候補として挙げる人も少なくありません。ですが、いざ介護業界に入りたいと思っても「志望動機は何を書けばいいの?」と悩んでしまう人もいるでしょう。
そこで、本記事では介護職別の例文4パターン、志望動機の作成ポイント、作成の3ステップまで詳しく解説します。ぜひ、これからの志望動機作成の参考にしてみてくださいね。
【志望職種別】介護職の志望動機の例文4パターン
介護職の志望動機は、どの職種に就くかによって適切な例文が異なってきます。ここでは、主な4つの職種別に志望動機の例文を紹介しているので、書き方に迷っている人は参考にしてみてください。
- 介護施設の職員
- ケアマネジャー
- ホームヘルパー
- 介護福祉士
①介護施設の職員
私は大学時代に学んだ○○を通じて、介護業界への興味が芽生えました。そして需要が拡大する中、介護を必要とする方々の生活を支えたいという思いから、貴社の介護施設での職員募集に応募いたしました。 貴社を志望する理由は、その理念である○○に深く共感したからです。貴社のホームページで理念に基づく活動を知り、その姿勢に感銘を受けました。特に、貴社が提供する介護サービスにおいて、個々の尊厳を重視し、信頼と安心の環境を提供している点が印象的でした。また、資格取得のサポートが整っている点も、私にとっては魅力的なポイントです。 大学で学んだ○○や××の知識・経験を生かし、貴社で介護を必要とする方々に寄り添い、支えになれる存在となりたいと考えています。介護の分野で培ったスキルや人間関係の構築力を通じて、共に心地よい暮らしを築くお手伝いをしていきたいです。 |
自分のエピソードと絡めて志望動機を作成すると、説得力が増します。
数多くある介護施設の中からなぜそこを選んだのか、相手に納得してもらえる理由を考えましょう。
②ケアマネジャー
私は介護施設の職員としての3年間の経験を通じて、ケアマネージャーになることに興味を持ちました。この経験から得た知識とスキルを基に、より専門性の高いケアマネージャーとしての道を歩みたいと考え、貴社の求人に応募いたしました。 介護施設での勤務を通して、利用者様やそのご家族と直接関わりながら、最適なサービス提供の必要性を実感しました。そのため、より多くの方々に適切なサポートが届けられるケアマネージャーになりたいという強い思いが芽生えました。 これまでケアマネージャーになるため、介護における包括的な知識を積み重ねてまいりました。またケアプランの策定や外部機関との円滑なコミュニケーションにおいて、課題を解決し、サービス向上に努めてまいりました。 貴社では、これらの経験や知識を生かし、より高度な専門性を持ったケアマネージャーとして活躍していきたいです。 |
なぜ専門性が高いケアマネージャーを志したのか、具体的なエピソードを添えましょう。また、ケアマネージャになって具体的に何をしたいのか、併せて盛り込んでください。
将来の展望がはっきりしている人は、相手に好印象を与えられます。
ケアマネージャーは、介護を必要とする人のニーズに合うサービスを提供する仕事。やりがいや平均年収なども紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
ケアマネジャーの平均年収を紹介|仕事内容や将来性まで解説
③ホームヘルパー
私はケアマネージャーとしての経験を積み、その中で感じた利用者様により寄り添った介護の重要性に心を動かされ、ホームヘルパーの仕事に興味を持ちました。 ケアマネージャーとしての勤務を通じて、利用者様のニーズや生活状況を的確に理解し、適切なサポートを提供することが何よりも大切であると実感しました。その中で、直接的な支援が求められる場面でのホームヘルパーの存在が、利用者様との信頼関係の築き方や、生活の質向上に寄与できると確信しました。 ホームヘルパーの仕事は、利用者様のご自宅での日常生活をサポートする貴重な存在であり、これからますます需要が高まるであろう介護の分野において、多くの方に必要とされる職業だと考えています。 私はケアマネージャーとして培った経験と知識を生かし、より質の高いケアを提供するホームヘルパーとして、利用者様に寄り添った介護を実践していきたいです。 |
何かしらの経験を志望動機として盛り込みたいのであれば、経験年数を具体的な数字で書きましょう。数字に表すことで、志望動機を読んだ相手がイメージしやすくなります。
イメージがわきやすい志望動機は好印象を与えやすいです。
④介護福祉士
以前の仕事ではホームヘルパーとして、利用者様に寄り添った介護を提供してまいりました。その中で、単なるサポートだけでなく、ご家族様にも手を差し伸べる介護福祉士としての道に興味を抱くようになりました。 ホームヘルパーとしての経験から、利用者様が抱える課題だけでなく、その家族様にも寄り添い、支えることができれば、より深い介護が提供できるのではないかと感じました。この経験から、介護福祉士の知識やスキルを身につけ、家族全体に心温まるサポートを届けたいとの想いが芽生えました。 特に貴社を選んだ理由は、○○という理念と××の取り組みに心惹かれたからです。私はこれまでの介護の現場で培った経験や知識を活かし、貴社においてより質の高い介護福祉を提供する一員として貢献できると確信しております。 これからも家族と共に歩み、利用者様とそのご家族にとって心強い存在になるべく、精進してまいります。 |
別の施設でもいいのでは?と疑問に思われないような、具体的な志望動機を意識しましょう。
また、なぜ介護福祉士を志望したのか、エピソードを添えて相手に納得してもらえるような内容にしてください。介護福祉士としてこの人を採用したい、と思わせる志望動機を作りましょう。
志望動機の内容に悩んだり、書き出し方がわからないなら、まずは以下の記事を参考に「志望動機の基本」を知ることから始めていきましょう!
【例文8選】志望動機が書けない人の原因・対処法・書き方までを解説
企業が志望動機を尋ねる2つの意図

そもそも、企業が志望動機を尋ねるのはどのような理由があるのでしょうか。なぜ志望動機を知りたいのか、理由を知れば自然と魅力的な志望動機が作成できます。
以下の2つの意図を学び、魅力的な志望動機を作成しましょう。
- 業界や企業への志望度を確認するため
- 自社に適合する人材かを見極めるため
①業界や企業への志望度を確認するため
志望動機を聞くのは、介護業界や会社に対する志望度の高さを確かめるためです。志望度が高ければ高いほど、離職率は低くなります。
他の業界や会社ではなくなぜそこを選んだのか、具体的な理由を聞き出して、採用後のミスマッチを防ぐのが目的です。
また、介護業界は体力や気力で大きな負担になる場面が多いので、志望動機を聞くことで介護に対する抵抗感がないかを確認する意味合いもあります。
抵抗感が少なければ、長く働いてくれる貴重な人材になるからです。
②自社に適合する人材かを見極めるため
志望動機は、自社に適合する人材かどうかの確認ができる重要な項目です。なぜ他の会社ではなく自社なのか、説得力のある理由が確認できれば、採用後のミスマッチや早期離職のリスクを回避できます。
自社の理念や経営方針にマッチしている人材か、採用担当者は志望動機の内容で見極めるのです。
介護業界は早期離職が珍しくありません。企業側は、できるだけ長く働き続けてくれる人材を確保したいと考えています。
このため、志望動機で自社に適合する人材かどうかを、詳しく見ているのです。
介護職の志望動機を作成する時のポイント4点

介護職の志望動機を作成する際は、以下の4つのポイントを念頭に置いておきましょう。
志望動機の書き方に悩んでしまっても、このポイントを押さえておけば、スムーズに志望動機の作成ができるでしょう。
- なぜ介護業界を志望するかを明確にする
- なぜその職種を志望するかを明確にする
- なぜその企業を志望するかを明確にする
- 自分と企業の求める人材の適合性をアピールする
①なぜ介護業界を志望するかを明確にする
なぜ介護業界を志したのか、志望した理由をはっきりと書きましょう。他の業界ではなくあえて介護業界を選んだ理由を、相手が納得できるように書くのがポイントです。
介護の仕事は体力や気力が必要が求められます。ときには重労働になり、負担が大きくなりやすい仕事です。なぜ大変な介護業界を志望したのか、説得力のある志望動機を作成しましょう。
具体的なエピソードを盛り込むと説得力が増します。さらに、介護業界を志望した理由は冒頭に持ってくると、より相手に訴えかけられる志望動機が作成できます。
以下の記事で介護・福祉業界について詳しく分析を重ねておき、説得力のある志望動機を作成しましょう。
福祉業界に興味のある就活生必見!業界の特色や主要企業について解説
②なぜその職種を志望するかを明確にする
介護職と一言でまとめても、その職種は様々です。介護施設職員やケアマネージャー、ホームヘルパーや介護福祉士など、介護の仕事は多岐にわたります。
その中でなぜその職種を選んだのか、はっきりとわかりやすく書くようにしましょう。職種を志望した具体的なエピソードを盛り込むと、志望動機が作りやすくなります。
職種未経験の場合は、志望する動機に加えて、自分のどのような部分がその職種に適正があるかをアピールしてください。
③なぜその企業を志望するかを明確にする
介護の需要は年々増加する一方です。需要に比例して、介護にかかわる企業数も増加傾向にあります。
数多くある介護の企業からなぜその会社を選んだのか、納得できる理由を志望動機に盛り込みましょう。
他の会社でもいいのでは、と疑問に思わせる志望動機はNGです。会社の企業理念や取り組みなど細かい部分まで調べて、志望動機に落とし込みましょう。
企業独自の特徴と自分の考えを絡めて、ありきたりな志望動機にならない内容にしてください。
④自分と企業の求める人材の適合性をアピールする
自分自身の特性と企業の求める人材が、いかに適合性が高いかをアピールするのも重要です。
介護業界は常に人手不足で、企業側は長く働いてくれる人材を求めています。企業が求める人材と自身のマッチング率が高ければ、早期離職や採用後のミスマッチによるトラブルを回避できるのです。
ただし、相手が求める人材に無理やり合わせるのはNGです。せっかく採用されても長続きしないでしょう。適合性が高い企業を見つけて応募するのも、就活を成功させるポイントです。
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介護職の志望動機の書き方3ステップ

いざ志望動機を書こうとしても、どこから手を付けていいかわからない人もいるでしょう。そんなときは、以下の3ステップに沿って書いてみてください。
基本の3ステップを守れば、スムーズに志望動機が作成できます。
- 志望理由を結論ファーストで書く
- 志望理由の根拠となるエピソードを簡潔に書く
- 入社後の活躍の展望を書く
①志望理由を結論ファーストで書く
志望動機は結論ファーストで書きましょう。結論を冒頭に持ってくることで、文章に説得力が増します。
また、短い文章でも相手に伝わりやすいので、話の内容がごちゃごちゃせずすっきりとまとめられるのです。
文章作成が苦手な人でも、結論ファーストにすれば比較的文章作成がしやすくなる利点もあります。
②志望理由の根拠となるエピソードを簡潔に書く
志望動機に説得力を持たせるには、根拠となる具体的なエピソードが必須です。
なぜ介護業界を志したのか、相手が納得できるようなエピソードを盛り込みましょう。
このとき重要なのが、エピソードは簡潔に書くことです。だらだらと長く書いてしまうと「結局何が言いたいの?」と、相手を苛立たせてしまうでしょう。
③入社後の活躍の展望を書く
志望動機には、採用後の活躍の展望も盛り込みましょう。相手に「採用したい」と思わせる展望を書くのがポイントです。
また、活躍の展望は、自分を採用したらこんなメリットがあるというアピールにもつながります。
ここで重要なのが、独りよがりな内容にしないことです。一緒に働きたいと思えるような展望を書きましょう。
入社後に活躍できる人材だとアピールできなければ、採用の可能性は低くなってしまいます。志望企業でどのように成長していきたいか、以下の記事を参考に示しましょう!
【例文付き】志望動機で成長したいとうまく伝える方法を解説
介護職の志望動機の陥りがちなNG例
介護職の志望動機を書く際、単なる思いつきや表面的な理由では、面接官に誠意が伝わりません。
以下で紹介するNG例を参考に、自分の経験や具体的なエピソードを交えながら、独自性のある志望動機を目指すことが大切です。
- 給料や福利厚生など待遇ばかりに触れている
- 具体的なエピソードがなく説得力に欠けている
- どこの介護施設でも当てはまる内容になっている
①給料や福利厚生など待遇ばかりに触れている
介護職の志望動機では、給与や福利厚生などの待遇面にのみ言及するのは避けるべきです。
「給与が良い」「福利厚生が充実している」といった待遇面ばかりを強調すると、介護の仕事に対する意欲や熱意が感じられず、マイナスな印象を与えてしまいます。
代わりに志望動機では、介護職を目指した理由や、利用者様へのサポートに対する意欲、将来のキャリアビジョンなどを中心に記載しましょう。
なお、待遇面は面接時の質問で尋ねられた際に、適切な表現で回答するようにしてください。
②具体的なエピソードがなく説得力に欠けている
志望動機では、単に「人の役に立ちたい」「介護の仕事に興味がある」といった抽象的な表現だけでは説得力に欠けます。
例えば、「人と接するのが好きなので介護の仕事を志望しました」という志望動機は、なぜ介護職なのか、他の対人サービス業ではなく介護を選んだ理由が不明確です。
「祖父の介護を通じて介護の仕事の重要性を実感した」「ボランティア活動をした際に、利用者の笑顔に触れて魅力を感じた」など、具体的な体験に基づいて志望理由を説明すると、熱意が伝わるでしょう。
また、その体験から何を学び、どのように介護の仕事に活かしていきたいのかまで言及すると、より説得力のある志望動機となります。
③どこの介護施設でも当てはまる内容になっている
「どこの介護施設でも当てはまる内容になっている」志望動機は、採用担当者に具体性や熱意が伝わりにくいため避けてください。
「高齢者の方々の生活を支援したい」「介護の仕事にやりがいを感じる」といった一般的な表現ではなく、応募先の施設の特徴や理念を踏まえて具体的に書くことが重要です。
施設の公式サイトやパンフレットなどで、提供しているサービスや取り組みを事前に調べ、それらに対する共感や自分の経験・スキルとの関連性を述べましょう。
「この施設だからこそ」という思いを伝えることで、志望度の高さや仕事への意欲をアピールでき、印象に残る志望動機につながります。
介護職の志望動機が思いつかない場合の対処法
介護職の志望動機を考えるのに悩んでいる方は多いですが、まずは自分の経験や想いを整理するのが重要です。
ここでは、介護職の志望動機が思いつかない方向けに、具体的な対処法をいくつか見ていきましょう。
- 介護職を志望したきっかけを思い出してみる
- 説明会や企業分析で仕事内容をしっかり理解する
- 本音の志望動機を言い換えてみる
①介護職を志望したきっかけを思い出してみる
介護職を志望したきっかけを思い出すことで、志望動機のヒントが見つかるかもしれません。
家族の介護経験や、介護職の方との出会い、ボランティア活動など、どんなきっかけで介護職を目指したのか、その原点を振り返ってみてください。
また、人と接する仕事がしたい、社会に貢献したいといった思いから介護職を選んだ場合もあるでしょう。
自分の過去の経験や価値観を振り返り、なぜ介護職に興味を持ったのか、どんな思いで志望したのかを整理してみるのがポイントですよ。
②説明会や企業分析で仕事内容をしっかり理解する
企業の開催する説明会や、資料を読み込んでの企業分析は、志望動機を考える上で重要な情報源です。
施設の理念や特徴、具体的な業務内容を理解することで、自分の価値観や目標との一致点を見出してみてください。
具体的な方法としては、オンライン説明会や施設見学、ウェブサイトの詳細な閲覧など、様々な方法で情報収集を行いましょう。
得た情報を基に、なぜその施設で働きたいのか、どのように活躍したいのかを具体的に考えることで、説得力のある志望動機を作成できます。
③本音の志望動機を言い換えてみる
本音の志望動機を言い換えてみることで、より適切な表現を見つけられる可能性があります。
例えば、「給料が良いから」という理由は、「安定した収入を得て、自己実現を図りたい」と言い換え可能です。
また、「やりがいのある仕事がしたい」という漠然とした理由は、「人の役に立つ喜びを感じられる仕事に就きたい」とより具体的に表現できるでしょう。
このように、自分の本音を丁寧に分析し、より前向きで具体的な表現に置き換えることで、採用担当者に伝わりやすい志望動機を作成できます。
例文を参考に介護職の志望動機を作成して夢への一歩を踏みだそう
介護業界は人手不足が深刻ですが、だからといって誰でも採用されるものではありません。
介護職の志望動機を書く際は、具体的な経験や理由を盛り込むことが重要です。
具体的な例文も多数紹介していますので、この記事を参考に、自分らしい志望動機を作成してみてください。
志望動機は採用担当者に自分をアピールする重要な機会なので、丁寧に作成し、面接でも自信を持って伝えられるよう準備しましょう!
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。