建築業界は業績のいい会社が多く、就職先として選ぶ人も多いですよね。ですが、いざ建築業界を目指そうとしても、「どんな志望動機を書けばいいの?」と悩んでしまう人もいるでしょう。
本記事では建築業界向けの志望動機の書き方や作成のステップ、書き方の注意点まで詳しく解説します。ぜひ、これからの就活の参考にしてみてくださいね。
建築業界とは?理解を深めて志望動機に活かそう
建築は、ビルやマンション、一戸建てなどの建物を建設する仕事です。
建築や土木工事を請け負う業界で、東京オリンピックやアベノミクスによる公共投資の影響で以前より景気が良くなり、全体的に業績は好調と言われています。
しかし、職人の高齢化に伴う退職や少子化による働き手の不足など、業界全体で人手不足が問題視されている傾向です。
景気の底上げで仕事量は増加していますが、それに対応できる人材が補えない状況が続いています。今後、少子化が進行すれば業界自体が縮小する可能性もあると言えるでしょう。
建築業界の主要職種3選
建築業界と一言でまとめても、職種は多岐にわたります。職種が違えば業務内容も異なるので、建築業界を目指している人は主要な職種について学んでおきましょう。
ここでは、3つの主要な職種について紹介します。
- 設計
- 営業
- 施工管理
①設計
建築業界の設計は、建物の外観や内部を設計する意匠設計、電機や配管などのインフラを設計する設備設計の2つの仕事が挙げられます。
意匠設計は一般的な設計の仕事のイメージに近い仕事で、クリエイティブなデザインの仕事が中心です。
設備設計は設計のイメージより技術職寄りの仕事で、建築物を問題なく快適に使えるように、適切な位置に設計をしなければなりません。
いずれの仕事も建築には欠かせない、重要な業務となります。
②営業
建築物を必要としている人と、自社の技術提供を結びつけるのが営業の仕事です。
公共の工事を受注する官庁営業、一般企業の建築を受注する民間営業の2つにわけられ、それぞれ営業の仕方は異なってきます。
受注先のニーズに応えられるよう、設計や施工管理といった他の部門と連携しながら、業務を円滑に進めていくのが主な役割です。
ただ受注するだけで営業の仕事は終わりません。その後の工事をスムーズに進めて成功させられるかどうかは、営業の腕にかかっているのです。
③施工管理
施工管理は、建物を作っていくうえで、業務工程を管理して進めていく仕事です。
施工管理は、大きく分けて土木と建築、設備の3つがあげられます。それぞれの工程の管理や進捗の管理をおこない、業務をスムーズに進める施策を講じるのが施工管理の仕事です。
その他にも、材料の手配や施主への交渉など、工事全体を取り仕切っている重要な役割を担っています。また施工管理の業務には、「施工管理技士」という国家資格が必要です。
建築業界の志望動機を作成する際のポイント2つ
建築業界を目指している人は、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせるような、魅力的な志望動機作りを目指しましょう。ここでは、志望動機の作成のポイントを2つ紹介します。
- なぜ建築業界を志望するのか明確にする
- なぜその企業を志望するのか明確にする
①なぜ建築業界を志望するのか明確にする
なぜ建築業界を目指しているのか、相手に正しく伝わるようにはっきりと書きましょう。他の業界ではなく建築業界でなくてはならない理由を考え、内容に盛り込んでください。
ただし、志望動機はダラダラと長文で書くのは厳禁です。採用担当者に素早く正確に伝わるように、簡潔でわかりやすい内容を意識して作成しましょう。
また、建築業界の中でもどんな仕事に就きたいのかも明確にしておく必要があります。
②なぜその企業を志望するのか明確にする
建築業界の中でも、なぜその企業で働きたいのかをはっきりさせておきましょう。
例えば「建物を作って人の役に立ちたい」だけでは、他の会社でも通用すると受け取られてしまい、いい印象にはなりません。その会社でなければならない理由を、採用担当者にきちんと伝えてください。
会社によって作っている建物や主な取引先、実績は大きく異なります。志望先の会社について隅々まで調べて、その内容を志望動機に反映させましょう。
建築業界の志望動機を作成する方法3ステップ
志望動機の作成ポイントはわかったけれど、いざ作ろうとしても具体的に何を書けばいいのかわからないと悩んでしまう人も多いでしょう。
ここでは、3つのステップに分けて志望動機の作り方を紹介しています。悩んでいる人は参考にしてみてください。
- 結論ファーストで志望理由を伝える
- 志望理由を補強するエピソードを伝える
- 入社後の活躍の展望を伝える
①結論ファーストで志望理由を伝える
志望動機は結論ファーストを意識して作成しましょう。
結論とはつまり、相手に一番伝えたいことを指します。これを文章の冒頭に持ってくることで、相手に何を伝えたいのかを素早く正確に伝えられるでしょう。
「この人はこういう内容を伝えたいのだな」と意識して聞いてもらえるので、意思疎通のスピードが速くなり、スムーズなテンポで採用試験が進むようになります。
②志望理由を補強するエピソードを伝える
説得力のある志望動機にするには、その会社を目指したエピソードを盛り込むのが効果的です。エピソードトークを盛り込めば、話のイメージがしやすくなり、相手の同意が得やすくなるからです。
なぜその会社を目指したのか、その会社の独自の取り組みや理念などを絡めて、志望動機に盛り込みましょう。
一緒に働きたいと思わせる、前向きなエピソードを意識してくださいね。
③入社後の活躍の展望を伝える
採用された後にどんな活躍をしたいか、志望動機で展望を伝えましょう。具体的な展望を志望動機に盛り込めば、その展望のためにどんな努力や経験が必要かが見えてきます。
採用担当者は長く働いてくれる人材を採用したいので、活躍の展望を具体的に考えている人材は好印象になるでしょう。
ここで重要なのは、実現可能な展望を書くことです。突拍子もない内容は相手の同意が得にくく、逆効果になる恐れがあります。
建築業界の志望動機の例文3選
ここでは、志望動機の例文を3つ紹介しています。文章作成が苦手だという人や、志望動機の作り方がどうしてもわからないという人は、この例文を参考に自分のオリジナルの志望動機を作ってくださいね。
- モノづくりに興味がある
- 大学で建築を専攻していた
- 地図に残る仕事がしたい
例文①: モノづくりに興味がある
私は御社で設計の業務に携わりたいと思い、志望させていただきました。私が小さい頃、両親が注文住宅で家を作ったことがあります。そのとき設計士の方からいろいろとお話を聞いてからモノづくりに興味を持ち、大人になったら建築業界で働きたいと思っていました。 御社はお客様に寄り添った設計の提案や、他社と比べて回数を多く設けている綿密な打ち合わせの実施など、私が目指す「お客様ファーストの設計」をおこなっていると知り、志望させていただいた次第です。 また、貴社が掲げている「○○」というスローガンに深く共感したのも、志望した理由の一つです。私自身、○○を大切にして××などの取り組みを行ってきました。 設計士としてお客様に丁寧に寄り添い、一人でも多くの方に喜んでもらえる家づくりをしたいと思っています。 |
建設業界で働きたいと思ったきっかけは、エピソードトークとして盛り込むと説得力が増して効果的です。他の志望動機と差を付けたオリジナリティあふれる内容が作れます。
これにプラスして、会社独自の取り組みや社風などの内容も絡めて、志望動機に盛り込みましょう。
例文②: 大学で建築を専攻していた
私は、建築を通して国や社会に貢献したいと考えています。この夢を叶えるために、大学では建築を先行していました。大学時代に培った○○や××といった経験は、貴社のお役に立てると考えています。 建築業界を志したのは、祖母の介護がきっかけです。住宅のバリアフリーをおこなったのですが、祖母が大変そうにしている姿を見て、なぜ元からバリアフリーの建物じゃないのだろうと疑問に思いました。それから周りの建物を改めて見てみたら、バリアフリーの建物が少ないと気付いたのです。 日本では現在、急速に高齢化社会が進んでいます。住宅のバリアフリーの常識化は急務であると考えており、バリアフリーのリフォーム実績が多数ある貴社でなら、私の夢を実現できると思っています。 |
大学で建築を先行していた場合、即戦力として貢献できるというアピールができます。具体的に何を学んだのか、どのような知識があるかを、志望動機でアピールしましょう。
それにプラスして、何故その会社で働きたいか、はっきりした理由を盛り込んでくださいね。
例文③: 地図に残る仕事がしたい
私は小さい頃からモノ作りと地理が好きで、いつか地図に残る仕事がしたいと夢見ていました。中でも人の役に立てる仕事が出来たら素晴らしいなと思い、都市開発の実績が多数ある貴社を志望させていただいた次第です。 貴社は業務を通じて世の中の役に立っているだけでなく、洗練されたデザインと利便性を融合させた素晴らしい設計と建築で、地図だけでなく人々の記憶に残る仕事をしています。 私は大学時代、デザインを専攻していました。在学中に多数のコンクールに出展し受賞歴もあります。貴社でもこのデザインの経験を活かし、人の記憶に残るデザインで世の中の役に立ちたいと、強く願っています。 |
なぜ建築業界を目指したのか、結論を冒頭に持ってくることで、スピーディーかつ分かりやすく相手に伝えられます。
志望動機を通じて自分は何を伝えたいのかをよく考えて、一番に伝えたいことを冒頭に書きましょう。
建築業界の志望動機を作成する際の注意点2つ
志望動機作成のポイントやステップをきちんと守っていても、以下の2つに当てはまる内容があると悪い印象になりかねません。
作成する際には、以下の2つの内容が当てはまらないように気を付ける必要があります。
- 他の業界にも当てはまる志望動機は避ける
- 企業が求める人物像に沿っていない
①他の業界にも当てはまる志望動機は避ける
志望動機では、他の業界にも当てはまりそうな内容にならないよう、注意が必要です。志望動機を使いまわしているのでは?と思われてしまい、その後の採用試験に悪影響を及ぼすでしょう。
志望動機は、書き方ひとつでいい印象にも悪い印象にもなります。この会社で働きたいと思っていても、文章の印象から「他の業界にも当てはまる」と思われてしまっては、せっかくの熱意も無駄になってしまうのです。
建築業界のこの会社でなくてはならないという、説得力のある内容を意識して作成してくださいね。
②企業が求める人物像に沿っていない
建築業界と一言でまとめても、企業によって社風が異なります。その会社が求めている人物像を正確に把握して、自分の強みや特徴とうまく結びつけてアピールしましょう。
募集要項や会社の雰囲気、業務内容を隅々まで把握して、どんな人物像を求めているのか、具体的にイメージしてください。
求める人物像とかけ離れている志望動機では、いくら優れた能力を持っていても、採用担当者が採用後のミスマッチや早期退職を懸念して、不採用とする可能性もあります。
事前研究はきちんと行い、自分は求めている人物だとしっかりアピールしましょう。
なぜ建築業界かを明確にして志望動機を作成しよう
建築業界の志望動機を作る際に重要なのは、なぜ他の業界や仕事ではなく、あえて建築業界を選んだのかの理由作りです。
相手を納得させるような動機になるよう、本記事で紹介したポイントや作成のステップを念頭に置いて、文章を作ってみましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。