学生時代のボランティア活動は、就活において付加価値をつけることのできる貴重な体験です。
この記事ではボランティアで学んだことの考え方やアピールのコツを紹介していきます。効果的にボランティア経験をアピールできるように、参考にしてください。
ボランティア活動から評価されるポイント
ここでは、ボランティア活動から得た経験から評価されるポイントを4つ紹介していきます。
- 活動に参加する行動力
- 社会関心の高さ
- 熱意
- コミュニケーション能力
①活動に参加する行動力
ボランティア=慈善活動ですので、金銭的な報酬もなければ、誰かに強制されてするものではありません。また誰かの役に立ちたい、と考えていてもなかなか実際に行動に移せる人は少ないでしょう。
そこで自発的にボランティアに参加する行動力は、企業が就活生に求める能力であり、遂行力の高さを証明するものになります。
「誰かに誘われたから」「就活の話題作りのために」といった受け身な理由ではなく、自主的に参加したことを伝えることが大切です。
②社会関心の高さ
一般的にボランティア活動は、社会問題(貧困・高齢化や少子化問題・自然災害など)にかかわっています。
ボランティア活動をするということは、社会関心の高さの表れといえます。現在は日本でも、慈善活動や社会貢献に注力する企業も増えていることからも、評価されるポイントになります。
社会問題への関心の高さから主体的にボランティア活動へ参加した経験は、良い印象を与えるでしょう。
③熱意
ボランティア活動の内容・学んだことを、効果的に伝えられれば、志望企業への熱意をアピールできるでしょう。
現場で実際に体験したことや見たことなどで入社後に活かせるものがあれば、ぜひエピソードとして披露しましょう。将来の仕事への熱意と感じてもらえれば、高評価につながります。
企業がどのような能力・資格・経験を持つ人材を望んでいるか、把握することも重要です。
④コミュニケーション能力
ボランティアに参加することで、普段の学生生活では出会わなような年齢層の人や、異なる国籍の人などと接する機会が増えます。そこで習得したコミュニケーション能力は、企業側からも大きく評価されるでしょう。
さまざまな背景を持つ人々と、円滑に活動を進めることのできるスキルは、会社内で良好な人間関係を保ちながら業務を遂行する上で重要です。
ボランティア活動を通して学んだコミュニケーション能力は、アピールポイントにとなります。
ボランティアで学んだことをアピールできる2つの場面
就活でボランティア経験を活かすには、いつアピールすればいいのでしょうか。ボランティアで学んだことをアピールできる2つの場面がありますので、それぞれ解説していきます。
- 自己PRやガクチカに入れる
- 面接のエピソードで話す
①自己PRやガクチカに入れる
自己PR やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に入れると、ボランティアで学んだことを効果的にアピールすることができます。
自分が経験したことを、具体的にエピソードとして伝えられるので、経験値の高さや魅力をより効果的に伝えられます。
ボランティアの内容や規模の大きさだけではなく、そこで何を学んで今後へどう活かしていくのかを企業側は重要視していることを忘れずに、アピールすることが大切です。
②面接のエピソードで話す
自信を持って語れるボランティア経験があれば、ぜひ積極的に面接のエピソードで話すことをおすすめします。伝え方を間違えさえしなければ、プラス要素になるはずです。
またエントリーシートにボランティア活動について記入していた場合は、面接官が質問してくるかもしれません。きちんと答えられるように、準備をしておく必要があります。
面接時でも同様に、ボランティアに参加してあなたが学び得たことを、どう入社後に活かすのかを話せると、好印象を与えられるでしょう。
ボランティアで学んだことをアピールする時の3つのコツ
あなたのボランティアの経験を、採用担当者の心へ響かせるにはコツがあります。
ここでは、ボランティアで学んだことをアピールする時のコツ3つを紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 学んだことをどう活かすかを述べる
- ボランティア活動に参加した理由も述べる
- 質問対策をしておく
①学んだことをどう活かすかを述べる
先述したように、企業はボランティア活動の内容よりも、経験から何を学んだかが重要と考えているため、アピールする際には学んだことをどう活かすかを述べることが必須です。
自主的に学べる人材であること、そして具体的に学んだことの活かし方を述べると、採用担当者はあなたの入社後の活躍するイメージを抱きやすくなるでしょう。
②ボランティア活動に参加した理由も述べる
ボランティア活動に参加した理由も述べることも大切です。参加した動機を示すことで、あなたの問題意識や価値観を採用担当者に知ってもらえます。
ボランティアは義務や強制ではないため、自発的な意思と奉仕心が必要です。明確な理由を述ることで、あなたの行動力や社会的関心の高さがアピールポイントになります。
その活動に魅力を感じた理由や、どのように役に立ちたかったのかを話してもいいでしょう。
③質問対策をしておく
エントリーシートに、ボランティア活動について記入していた場合は、面接官に深掘りされる可能性が高いので、質問対策をしておく必要があります。
せっかく有意義なボランティア経験があっても、上手くアピールできなければ意味がありません。面接官に深掘りされそうなことは事前に考えておき、本番で焦ることのないように準備しましょう。
「理由」「学び」「活かし」を3本の柱にして、簡潔に分かりやすく話せるように練習しておきましょう。
ボランティアで学んだことを伝える際の3つの注意点
ボランティア経験を語っても、ポイントがずれていると逆に好ましくない印象を与えてしまう可能性があります。ボランティアで学んだことを伝える際の3つの注意点を説明しますので、確認していきましょう。
- 団体の紹介のみにならないようにする
- 自慢にならないようにする
- ボランティアとビジネスの違いを理解する
①団体の紹介のみにならないようにする
よくありがちなのは、ボランティア団体の功績や、素晴らしさを語りすぎてしまうケースです。就活でボランティア活動を語る際は、団体の紹介のみにならないようにしましょう。
もちろん社会に貢献していることは素晴らしいことですが、採用担当者にとっては団体の活動内容ではなく、あなたがボランティア活動で何を学んだか、ということが大事なのです。
ボランティア団体の紹介や活動内容は、簡潔かつ手短に説明するようにします。
②自慢にならないようにする
自慢にならないように伝えることも、注意点の1つです。ボランティア活動をしたことを自慢するような内容は、悪い印象を与えてしまう可能性が高くなります。
「どれだけ人の役に立てたか」「スケールの大きなボランティア活動だった」など、アピールしたい気持ちは理解できます。
しかしそればかりを語ってしまうと、ボランティアをした自分に酔っているだけで学びがない、と判断されてしまい逆効果になってしまうので要注意です。
またボランティア活動は、自己満足のためだけにするものではない、ということを念頭に置いておきましょう。
③ボランティアとビジネスの違いを理解する
ボランティアとビジネスの違いを理解しておきましょう。ボランティアは報酬・利益のない慈善活動で、ビジネスは利益を生むことが大前提の営利活動です。
奉仕する心はとても素晴らしいですが、その気持ちだけでは企業は利益を追求できません。そのため奉仕・慈善の気持ちを押し出しすぎても、採用側にとってはメリットを感じられないのです。
ボランティアからの学びを活かし、企業人として会社と社会に貢献していきたいことをアピールしましょう。
ボランティアで学んだことを伝える際の例文3選
ここからは、ボランティアで学んだことを伝える際の例文3選を紹介していきます。ボランティア経験を語るときには、「理由」「学び」「活かし」を軸にしてまとめるように心がけましょう。
例文①社会問題に関心があり活動に参加した
現在日本では、国内に住む外国籍の家族が、社会的弱者になるという問題が起きています。 私は小学生時代に海外で生活をしていた際、言葉の壁で辛い経験をしたことから、同じ状況の外国籍の子供達を手助けしたいと思い、日本語を教えるボランティア活動に参加しました。 実際にこの活動に参加してみると、子供の言葉の問題だけでなく父兄たちの日本語力の低さから、災害時に助けを求められなかったり、社会福祉を受けられなかったりと、その背景には更なる問題が潜んでいることを知りました。 ここでのボランティア活動から、異なる視点で物事を見ることで、問題の本質を見抜く洞察力を学ぶことができました。 この経験で培った洞察力や問題解決能力を御社の〇〇業務で活かし、貢献していきたいと思っております。 |
身近にある社会問題に関心を持ち、自分の辛かった経験を活かし活動に参加したエピソードです。
活動を通して、言葉の問題の先にある更なる問題の存在を知り、問題解決に必要な洞察力を学んだことをアピールしています。
例文②ボランティア活動ではコミュニケーション能力を活かして取り組んだ
私は日本に留学している学生の交流の場を提供する、ボランティア活動に参加しています。 同じ大学にいる留学生が、日本人学生や他の留学生と知り合う機会が少ないという悩みを聞き、自分のコミュニケーション能力を活かせるのではないかと思ったことがきっかけです。 この活動では積極的に声がけを行い、まず人の名前を覚えバイネームで呼びかけることを意識すると、お互い名前を呼び合うことで更に仲間意識が強まり、絆が深まっていくのを実感しました。 この経験から、人とのコミュニケーションでは相手に興味を持ち、相手を理解しようとする姿勢が大切だということを学びました。 この私のコミュニケーション能力を活かして、〇〇として御社に貢献していきたいと思います。 |
実際に活動を通して、人とのコミュニケーションで大切なことを学び、さらにコミュニケーション能力が上がったことをアピールしています。
そしてそのスキルを活かして、企業に貢献したい旨を伝えています。
例文③活動を通してやりがいのある仕事が好きだと分かった
私は愛犬と共に、介護施設でのドックセラピーとしてボランティア活動をしています。 きっかけは亡くなった私の祖母も、犬に癒されていた思い出があり、自分も愛犬と共にたくさんのお年寄りへ癒しを届けたいと思ったからです。 最初は表情が固かったお年寄りの方々も、施設に通うたびに笑顔が増え表情豊かになっていき、犬たちも可愛がってもらって癒されている姿がとても印象的でした。 この活動の経験から、人も動物も大切に思われているという自己肯定感が、生きる上では大切なことだと身をもって学ばさせていただきました。そして癒しを与え、生き甲斐を持ってもらうことをお手伝いできる仕事にやりがいを感じました。 この気持ちは、御社の企業理念にも一致するのではないでしょうか。この経験を活かし、御社の〇〇として、活躍したいと考えています。 |
ボランティアの経験から、自分がやりがいを感じられる仕事がどのような業種なのか、気づいたことをアピールしました。
またそのやりがいが志望する会社の企業理念と一致することで、志望度の高さを伝えています。
ボランティア活動で学んだことを聞かれる2つの理由
これまでも就活ではボランティアの内容ではなく、経験からの学びが大切だということをお話ししてきました。
ここでは改めて、ボランティア活動で学んだことを聞かれる2つの理由を解説していきます。
- 得た学びを生かそうとしているかを確認している
- 行動力があるかを判断している
①得た学びを活かそうとしているかを確認している
採用担当者は、経験から得た学びを生かそうとしているかを確認しているのです。なぜなら、自ら何かを感じ学び得ることができる人は、成長できる人材と捉えられているからです。
そして企業側は、その経験からの学びを活かして将来的にどう会社で活躍できるかを、期待の気持ちを込めて見ています。
経験した現状だけに満足することなく、学びを将来の仕事に活かそうとする姿勢が大切です。
②行動力があるかを判断している
もう1つの理由として、行動力があるかを判断しています。社会問題に関心を持って、自発的にボランティア活動に参加できる行動力のある人は、企業にとっても魅力的な人材です。
常に問題意識を持ち、自主的に考えて行動できる能力は働く上でも必要になるため、そのような行動力のある人材を企業は求めています。
ボランティア活動で培った行動力を、仕事でどのように活かせるかまで提示すると、説得力のあるアピール材料になります。
ボランティアで学んだことを伝える時は働く上で活かしたい部分も考えよう
前述してきたとおりボランティア活動の経験は、プラス要素になりますが、伝えた方によってはマイナス要素にもなりかねません。
貴重な経験を有効的なアピール材料にするために、ボランティアで学んだことを伝える時には働く上で活かしたい部分も考えて、アピールできるようにしましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。