近年就職活動で、求められることが増えてきた「自己PR動画」。
どのように作ればいいのか分からず、苦労する方も多いようです。
本記事では、自己PR動画の作り方やおすすめの内容を紹介します。企業に興味を持ってもらえるような動画作りにチャレンジしましょう。
\先に例文を確認したい方はこちらから/
30秒の自己PR動画で企業が評価する3つのポイント
企業が自己PR動画を求める理由は、文面より熱意や人柄が伝わりやすいからです。
時間は30秒で設定されていることが多く、自己PR動画が魅力的な就活生は面接で深掘りする意図があります。
自己PR動画で企業が評価しているポイントは3つです。
- 伝達内容を簡潔にまとめられるか
- 聞き手を想定して伝え方を工夫できるか
- 全体的な雰囲気が社風とマッチするか
①伝達内容を簡潔にまとめられるか
ビジネスシーンでは、端的に分かりやすく話す能力が必要です。自己PR動画では短い時間の中で、伝えたい内容を分かりやすくまとめて伝える能力を試されています。
自己PR動画で指定される30秒の時間は、決して長くありません。分かりやすく説明できる就活生は、商談の場でも相手の時間を無駄にせず最適な商品の提案ができると思われています。
自己PR動画の時間を30秒と制限することで、就活生の持つ要約力を知ることが目的です。
②聞き手を想定して伝え方を工夫できるか
動画では履歴書と違い、通常の面接と同じく伝え方に工夫も必要です。
通常の面接に比べると、動画では話す内容が伝わりづらくなります。声のトーンを上げて、気持ちも高めで撮影しましょう。
自分では少しオーバーに感じる場合でも、動画では思ったよりも暗い印象に写ります。抑揚をはっきりつけて、ハキハキと話すよう意識が大切です。
カメラを友人に持ってもらって、話しかけるつもりで撮影すると上手くいきます。何度か撮影して、納得いく動画を撮影しましょう。
③全体的な雰囲気が社風とマッチするか
内容以外の、外見や雰囲気が社風とマッチするかも重視されているポイントです。
履歴書の写真では分からない、話しているときの雰囲気や外見がわかるのが動画のメリットです。明るい印象に見えるように、自然な笑顔を取り入れましょう。
動画を撮影するときの服装は、清潔感を意識して選んでください。会社から指定がある場合は、指定の服装で問題ありませんが、指定がない場合はスーツが安心です。
私服を指定された場合は、だらしない雰囲気にならないように注意しましょう。
30秒の自己PR動画は原稿だと150字~200字
30秒の自己PR動画の場合、適切なスピードで話すと150〜200文字程度の原稿が必要になります。
時間内で話せる情報は少なく、担当者に「もっと知りたい」と思わせるよう意識しましょう。
伝えたいことが多い場合は、もっとも伝えたい内容ひとつに絞る必要があります。いくつも情報を入れてしまうと、伝えたいことが伝わらなくなるため注意が必要です。
動画は対面で話すより聞き取りづらく、たくさん伝えたいことがあるからと早口になってしまうと、面接官からマイナスの印象を持たれる可能性があります。
30秒の自己PR動画の構成3ステップ
自己PR動画の作り方が分からない人のために、30秒の自己PR動画を作る3ステップをご紹介します。
コツを意識すれば、短い時間でも面接官にしっかりアピールが可能です。いきなり撮るのではなく、伝えたい内容を事前にまとめておきましょう。
- 結論
- 根拠となる具体的エピソード
- 仕事への活かし方
①結論
自己紹介動画を作るときは、「私の強みは〇〇です。」と結論をはじめに伝えるのが大切です。はじめに聞いた内容は印象に残りやすく、面接官の興味をひきます。
そのときに伝える内容は、志望先の業務とマッチする内容にしましょう。営業であれば「コミュニケーション能力が高い」、医療機関なら「臨機応変な対応ができる」といった内容です。
希望先の業務にマッチする強みにすることで、「入社後に戦力になってくれそう」と思ってもらえます。
②根拠となる具体的エピソード
次に強みがどのようなシーンに活かされたか、強みを形成した経験を伝えます。
具体的なエピソードを伝えると、面接官にも想像しやすく話に説得力が増すのがメリット。面接官が実際に会って、話を聞きたいと感じるエピソードを考えましょう。
時間は多く取れないため、端的に伝わりやすいエピソードを選ぶのも大切なポイントです。時間内に収まらない長いエピソードは、面接時まで取っておきましょう。
ここで伝えた自己PRは、面接で詳細を質問される可能性があります。質問に答えられるよう。準備しておくと安心です。
③仕事への活かし方
最後に、自分の強みをどう仕事に活かせるのかアピールしましょう。
企業が知りたいのは、「入社後に就活生が活躍できるのか」です。入社後のイメージを伝えると、実際に一緒に働いたときを想像がしやすくなります。
強みを仕事へ活かす内容を加えると、入社がゴールでなくその先を見越していると伝わり、入社への意欲が高いと思われるでしょう。
内定後も入社してくれる可能性が高く、企業にマッチしている人材とアピールできれば内定に近づきます。
【職種別】30秒の自己PR動画の例文3つ
職業によっては、自己PR動画の提出が求められることが多いこともあります。
自己PR動画の提出が求められることの多い、職業を3つピックアップしました。
企業から自己PR動画の提出を求められた方は、動画作りの参考にしてみてください。
①営業
私の強みは高いコミュニケーション能力です。これを活かし、アルバイトでは結婚式場のスタッフとして従事しており、常に他のスタッフとのコミュニケーションを大切にし、式がつつがなく進行するように努めてきました。 お客様の事を一番に考え、困っている様子がないか常に目を配り、何かあればすぐ声掛けして対応するよう意識しておりました。 この経験を活かし、貴社でも社員間のコミュニケーションを大切にしつつ、顧客の方の要望を汲み取れる人材になりたいと思っております。 |
上記の例文では自身のコミュニケーション能力と観察眼を発揮した経験について書かれています。営業職に必要な能力をアピールしつつ活かしていくことを伝えていることも特徴です。
②オペレーター
私の強みは傾聴力です。この傾聴力を活かし、学生時代のボランティア活動で高齢者施設に従事しており、利用者さんの話し相手をしていました。 高齢の方のお話は結論から入ることがあまりなく、はじめのうちは何を伝えたいのか理解することが難しいときもありました。しかし、相手の話を遮らずに聞き、適宜質問や相槌を挟むことで相手の伝えたいことがわかるようになってきました。 貴社でもこの経験を活かし、顧客の方の話を対話的な姿勢で傾聴し、希望を汲み取れる人材になりたいと思っております。 |
上記の例文では自身の強みである傾聴力を活かした経験を示しています。傾聴力を活かした経験を仕事に活かす姿勢を伝えているところもよい点です。
③アナウンサー
私の強みは柔軟性のある対応ができることです。学生時代はアルバイトでアパレルショップに勤務しており、お客様へ自社の商品を提案していました。 同じアイテムでもお客様によっておすすめポイントや使い方を変えて提案する必要があり、どんなお客様でもその方に合わせて、その場で柔軟に対応できる能力を身につけました。 この経験を活かし、貴社に入社した暁には何かあったときでも柔軟に対応できるアナウンサーになりたいと思っております。 |
上記の例文は柔軟性の強みを活かしてアルバイトで活躍した経験を伝えています。アナウンサーに必要な柔軟性をアピールしていることも大切です。
【強み別】30秒の自己PR動画の例文3つ
どのような強みをアピールすれば、面接官の印象に残るのか気になる方も多いようです。
自己PR動画でアピールするのに、おすすめな強みを3つピックアップしました。
動画内容に困った方は、ぜひ参考にしてみてください。
①協調性
私の強みは高い協調性です。学生時代のアルバイトでは、飲食店のホールスタッフに従事していました。ホールスタッフは、お客様とキッチンスタッフを橋渡しする仕事なので両方の状況を把握しながら動く必要があります。 お客様から個々の要望があればキッチンスタッフに伝え、最善の対応を模索してお客様に一番喜んでもらえるサービスを追求しました。 貴社でもこの経験を活かし、会社と顧客の方の間に立って両者の利益のために考えて行動できる人材になりたいと思っております。 |
上記の例文は具体的なエピソードを交えて、協調性を強みとしてアピールしています。入社後の自分のビジョンを明確にしているところがポイントです。
②継続力
私の強みは継続力があることです。学生時代に簿記2級の資格を取ることを目標にし、半年前から勉強の計画を立てて、普段の生活も管理していました。 長期間の計画のため思い通りにいかないことも多かったですが、その度に計画の見直しをして諦めずに勉強を続け、目標の資格を最短で取得できました。 この経験を活かし、貴社に入社した暁にはどのような仕事でも粘り強く努力し、結果に繋げられる人材になりたいと思っております。 |
上記の例文では継続力をアピールするために資格取得のエピソードを伝えています。資格を持っているアピールにもなり、さらに自身の強みを知ってもらえる文章になっています。
③向上心
私の強みは高い向上心です。高校時代では部活動でチアリーディング部に所属しており、部長としてチームメイトをまとめていました。 大会で成果を出すために部活内だけでなく帰宅後にも練習を重ね、目標の大会で優勝することができました。大きな大会でしたが、諦めずに努力を続け、チーム一丸となって得られた結果だと思っています。 この経験を活かし、貴社でもどんな仕事にも向上心を持って望み、結果を残せる社員になりたいと思っております。 |
上記の例文では自身の向上心と、部長に必要なリーダーシップを具体的なエピソードでアピールしています。入社後のビジョンが明確になっているところもポイントです。
30秒の自己PR動画作成のコツ2つ
動画作成をしたことがある就活生は、多くありません。初めてでも魅力的な自己PR動画を作るには、どうしたらいいのでしょうか。
自己PR動画作成には、2つのコツがあります。動画撮影時に意識して、撮影に臨みましょう。
- 丸暗記に頼らない
- フリップや小道具を使うのもアリ
①丸暗記に頼らない
自己PR動画を撮影するときは事前に書いた原稿の内容を丸暗記せず、自分の言葉で話すよう意識しましょう。
作ってあった文章を読み上げるだけだと、棒読みに感じられロボットのように思われる可能性も。
実際に撮影するときは原稿の重要な部分のみを覚えて、自分らしく話しましょう。話し方の抑揚の付け方や、身振り手振りをつけることで実際に会話しているような魅力的な動画に仕上がります。
面接官の印象にも残りやすく、書類選考率がアップするでしょう。
②フリップや小道具を使うのもアリ
提出用の自己PR動画を作るとき、フリップや小道具を使うのもおすすめです。
小道具があると他の就活生と差別化ができ、短い時間でも面接官の印象に残りやすくなります。
フリップにする内容は、伝えたい内容だったり話に出てくアイテムの実物だったりさまざまです。プレゼン風に成果をグラフで作成しても、耳からの情報だけより伝わるでしょう。
他の就活生が使わないような、印象に残りやすいアイテムがないか考えてみてください。
30秒の自己PR動画の撮影準備に関するポイント3つ
撮影を開始する前の、準備にも注意点があります。
何も考えずに撮影してしまうと、いい動画ができなかったり撮影に行き詰まってしまう可能性も。
動画撮影に慣れていない方は、ぜひ参考にしてください。
- 機材はスマホで十分
- 背景は白やグレーの壁がおすすめ
- 画角は強調したいところ次第
①機材はスマホで十分
自己PRを撮ったことがない人が悩みがちな撮影機材は、手持ちのスマホで十分です。
面接官は、就活生の動画編集技術を知りたいのではありません。動画のクオリティは選考に著しい影響は出ないため、今ある機材で対応しましょう。
部屋の暗さが気になるなら、YouTuberが使用しているLEDリングライトの購入もおすすめです。
ライトを購入しなくても、照明の位置を意識して撮影場所を決めたり、自然光の入る時間を狙って撮影したりしても、明るさが確保できます。
②背景は白やグレーの壁がおすすめ
撮影時の背景は、白やグレーがおすすめです。
動画に本人以外が映ると、面接官が自己PR内容以外に集中する可能性があります。本人以外何も映らないよう、背景に部屋の物が映るときは片付けましょう。
家の壁紙が濃色だったり、大きさの関係で物が映らない配置が難しいならば、大学の一室を借りる方法もあります。
自己PR動画撮影のために借りたい旨を伝えれば、問題なく借りられることがほとんどです。
撮影場所に意識して、見やすい自己PR動画を作りましょう。
③画角は強調したいところ次第
撮影時の画角は、強調したい部分によって最適な位置が変わります。画角を決める前に、自分が撮影時にどのような撮影がしたいか考えておくとスムーズです。
表情やジェスチャーで表現したい場合は、胸元まで写すバストショット。フリップや小道具を使って撮影する場合は、腰まで写すミディアムショットに設定しましょう。
スマホの撮影位置に悩む場合は、スマホ用の三脚が便利に使えます。好きな高さや位置において撮影できるため、場所を選びません。
ズームで適切な画角にしても問題はありませんが、画質が落ちてみづらくなる可能性には注意が必要です。
30秒の自己PR動画を工夫して選考を突破しよう
近年選考で増えてきた自己PR動画は、動画撮影初心者には難しく感じて悩むポイントです。
しかし、コツを掴めば初心者にも撮影は難しくありません。書類だけでは伝えられない、笑顔や人柄をアピールするチャンスになります。
撮影前に話す内容を整理し、原稿を作りましょう。もっとも伝えたいことをはじめに伝えるのは、印象に残りやすくなる重要なポイント。
撮影場所や表現方法を工夫して、他の就活生と差別化するのもおすすめです。
面接官の印象に残る動画を撮影して、選考を突破しましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。