公務員の面接で、自己PRはどのような内容を伝えればいいのか、悩む方も多いようです。
公務員は民間企業に比べて、仕事を決められた順番に確実に行う能力が求められます。そこで本記事では、公務員志望におすすめの面接時の自己PRポイントや、自己PRを伝えるときの注意点を解説します。
自己PRが重視される公務員の面接で、いい印象を与える自己PRを作成しましょう。
公務員志望にとって自己PRはなぜ重要?理由を解説
公務員の選考の中で面接が重要な理由は、就活生の人柄で採用を行っている自治体が増えているからです。
自治体によっては、筆記試験よりも人物重視の採用に切り替え、公務員に適した人材か判断しています。
筆記試験の負担が重いと、民間企業や他の自治体との併願が難しく、地方公務員は地域によって候補者の確保が難しくデメリットもあります。
他の企業と併願しやすいように面接を重視し、応募者数を増やす目的もあるでしょう。
公務員には個性よりも、協調性や真面目さが求められますが、その部分は筆記試験では判断できない部分です。実際に会って就活生と会話をし、公務員に適した人材であるか判断しようとしているのです。
自分の強みが公務員に合っているのか、今一度確かめてみましょう。
地方公務員か国家公務員かで自己PRの長所は変えるべき

地方公務員と国家公務員で業務の内容が大きく異なるため、併願している方は自己PRもそれぞれ別のものを用意しましょう。
地方公務員は対個人への対応力が重視され、地域に根付いたアピールが求められます。一方、国家公務員は俯瞰的な視点と全体最適を考える能力をアピールすることが重要です。
地方公務員は地域住民との直接的なコミュニケーションや地域課題の解決に向けた姿勢を、国家公務員は社会全体を見据えた政策立案や広い視野での課題解決能力をアピールしましょう。
それぞれの職務内容を十分に理解し求められる人物像に合わせた自己PRをそれぞれ作成することが重要です。
公務員の自己PRで有効な強み6選

公務員の自己PRで、有効になる強みを6つ紹介します。
どの強みも職種や自治体に左右されずにアピールできるため、ぜひ参考にしてください。
強みを上手にアピールして、面接を有利に進めましょう。
これらの強みが発揮された自分の経験があったら、ぜひそれをアピールしていきましょう!
①協調性
協調性は、公務員に限らずどの仕事でも重視される強みです。
公務員の仕事内容は、同じ部署内や外部の企業などの人との関わりが多い仕事がほとんどです。協調性がない人材だと、職場の人間関係を構築できず、業務がスムーズに回りません。
個性が強すぎる人材は他の職員と関係性が築けないからと採用されない可能性も高いため、同僚や上司と関係性を築ける点をアピールしていきましょう。
②傾聴力
公務員の面接では、傾聴力のアピールも有効です。
地方自治体は窓口業務も多く、地域に住んでいる人たちと密接な関わりがあります。窓口に来た人たちとのやりとりがスムーズに進まなければ、業務が滞る危険性もあるでしょう。
どのような理由で窓口に来たのか傾聴し、要望を叶える力をアピールしましょう。
ただし、傾聴力は他のアピールポイントと違いその場で面接官がチェックできます。自己PRではあると言っているのに、態度で傾聴力がないと思われると、むしろマイナスな印象に変わる可能性もあるため、注意しましょう。
③責任感
仕事への責任感は、公務員では大事なポイントです。
公務員は国民の生活を支える仕事となり、期日が決まった仕事も多くあります。多くの市民の個人情報にも触れるため、扱いには厳重な注意が必要です。
責任感がない人材では、途中で仕事を投げ出したり個人情報を漏洩したりする危険性があるため、採用側もそこは厳しく見ていると思っていいでしょう。
そのような点から、公務員の面接では責任感の高さは重要視されるポイントです。
④冷静さ
公務員に求められる冷静さは、単なる落ち着きではなく、複雑な状況下でも適切な判断と対応ができる能力です。
市民対応や行政サービスにおいては、感情に流されず、論理的かつ公平な対応が必要になります。
そのためには住民からの様々な要望や苦情に対して、感情的にならず冷静に傾聴し、組織の方針に基づいた適切な解決策を提示できる能力が必要です。
緊急時や困難な状況においても、冷静さを保ち迅速かつ正確な対応ができる能力は、公務員として高く評価される強みとなります。
⑤論理的思考力
公務員に求められる論理的思考力は、複雑な社会課題を体系的に理解し解決策を提示する能力です。
行政サービスにおいては、多角的な視点から問題の本質を捉え、筋道を立てて解決策を導き出すことが求められます。
具体的には、データや根拠に基づいて政策立案や業務改善を行い、ステークホルダーに分かりやすく説明できる能力が必要です。
市民の利益を最大化するための筋道を、明確かつ説得力のある形で示す必要があることから、公務員にとって論理的思考力は重要な評価ポイントと言えるでしょう。
⑥処理能力
正確かつ迅速な事務処理スキルも公務員には必要です。資料作成、データ整理、文書管理などを効率的に行い、膨大な事務作業を滞りなく処理できる能力は日々の業務で大いに活躍します。
例えば、マニュアルに基づいた事務作業を正確に遂行し、業務の効率化に貢献した経験を示すことで、処理能力の高さをアピールできるでしょう。
正確性と迅速さを兼ね備えた事務処理能力を持つ人材は、公務員として活躍できるポテンシャルを持っており、採用側からも高く評価される可能性が高いですよ。
公務員の自己PRを作成する際のポイント2選

続いて公務員に志望する際の、自己PRを作成するポイントを2つ紹介します。
公務員を目指すには、面接内で話す自己PRはとても大切なポイントです。
以下のポイントに沿って面接官の印象に残るような自己PRを考えましょう。
①志望先によってアピールする強み・長所を変える
志望する自治体や職種によって、アピール内容は変えましょう。
公務員試験は、国家公務員や地方公務員、職種もさまざまにあります。求められる人材も自治体や職種によって変わるため、アピールポイントが同じまま複数の面接に臨むのはおすすめできません。
地方公務員であれば、希望する地域に合わせて内容を考え、国家公務員であれば省庁に合わせてアピールポイントを考えましょう。
自分がなりたい公務員像を棚卸しし、自己PR作成に役立ててください。
なりたい公務員像を明確にするために、インターンシップの参加やOB訪問も大事です。
②公務員として活かせる強みをアピールする
公務員として、活かせる強みをアピールするのも大切です。
そのためには、自分のどの部分が強みになるか考えましょう。
公務員の仕事は、一般的に決められた仕事を確実に行えるかが重視されます。協調性や真面目さをアピールし、与えられた役割をしっかりこなせる点をアピールするのがおすすめです。
仕事に対する責任感も、大切なポイントになります。公務員の仕事内容とは離れすぎないよう、自分の人柄をアピールしましょう。
公務員の自己PRを伝える方法3ステップ

続いて、公務員の面接で自己PRを伝える3ステップを紹介します。
自己PRは正しい伝え方を意識すると、面接官に伝えたい内容がわかりやすく伝えられるのがメリットです。
自己PRの伝え方を意識して、面接官の印象をアップしましょう。
①結論ファーストで自分の強みを伝える
自己PRを伝えるときは、結論ファーストにで自分の強みを伝えましょう。
先にだらだらとエピソードを伝えてしまうと、面接官には就活生が何を伝えたいのかわからず、大切な部分の印象が残りません。
はじめに強みを伝えると、この後のエピソードは「強みを活かした具体的なエピソード」と認識されます。話す順番に意識して、自分の強みを面接官の印象に残しましょう。
②強みを発揮したエピソードを伝える
強みをはじめに伝えたら、次に強みを活かしたエピソードを具体的に話します。
エピソードを面接官に伝えると、話の説得力が増すのがメリットです。
エピソードが見つからない場合は、自分の過去を棚卸しするのがおすすめです。自己分析して、印象に残るようなエピソードを考えておきましょう。
③公務員として自身の強みをどのように活かせるか伝える
最後に、公務員として自分の強みがどのように活かせるか伝えましょう。
活かし方を伝えると、入社後に面接官が就活生と働く姿が想像しやすくなります。具体的な業務内容も伝えると、業務への理解が深いと印象付けられるでしょう。
自分がなりたい人材をイメージして、入社後のイメージを膨らませてください。
自分の強みをアピールするだけでなく、公務員の仕事でどう生かせるかも伝えましょう。
【強み・長所別】公務員の自己PR例文3選

公務員の自己PRに使える例文を紹介します。
自己PRの内容は人によってさまざまですが、何を書いていいのか分からず悩んだときは、ぜひ参考にしてください。
自己PRの書き方がわからないという方は必見です!
例文①: 協調性
例文①協調性
私の強みは、協調性があることです。アルバイトで働いている飲食店では、学生アルバイトが多く、人数が多い土日では10名近くが出勤していました。
人数が多い分、指示系統が混乱しやすいのが悩みで、各業務を細分化してその日の担当を割り振るようにしました。
常に現状の声かけを行うように決めてコミュニケーションをとり、困ったことがあれば相談しやすい環境作りを意識しました。
結果的にスタッフ同士のコミュニケーションがスムーズにとれるようになり、お客様にも満足いただけるサービスが提供できました。
この経験を活かし、〇〇市役所に入社した暁には、部署内他部署問わず協調性を持った行動を行いたいと思っております。
飲食店アルバイトで協調性を発揮した自己PRです。協調性をアピールするために具体的に行ったことを伝え、面接官に理解されやすい内容となっています。
例文②: 傾聴力
例文②傾聴力
私の強みは傾聴力があることです。学生時代のボランティア経験で、高齢者施設に従事しました。
私の業務は、施設の清掃や利用者さんの対応が主でしたが、普段話さない高齢の方との会話は初めは上手くいきませんでした。
しかし、根気強く話を聞きボランティアの回数を重ねると、次第に利用者さんの要望がわかるようになりやりとりがスムーズに進みました。
今では利用者さんにも、「次いつくるのか」「また来てほしい」と言っていただけ、私にとってもかけがえのない空間になっています。
この経験を活かし、〇〇市役所に入社した際も、窓口業務で市民の方の要望をしっかり把握できるスタッフになりたいと考えております。
ボランティアで高齢者施設に従事した方の、「傾聴力」をアピールする自己PRです。年齢が違う方でも根気良く話をきき、関係性を築けた部分をアピールしています。
「窓口業務」と業務内容を具体的にしぼることで、実際に勤務したときの姿をイメージしやすくしたのが特徴です。
例文③: 責任感
例文③責任感
私の強みは責任感があることです。アルバイト中に与えられた仕事はもちろん、手が空いた時間も無駄にしないよう常に考えて行動していました。
勤務していた飲食店は、夕方にアイドルタイムが発生しやすく、スタッフによっては会話を楽しんでいても店長は咎めませんでした。
しかし、アイドルタイムでも賃金が発生している以上は無駄にできないと考え、お客様がいない時間だからこそできる作業に従事しました。
具体的には、清掃や物品の補充を常に行い、開店前には手が届かない細かい部分も丁寧に清掃しました。店長からも喜ばれ、とても達成感があったと覚えています。
この経験を活かし、〇〇市役所に入社した暁には、責任感と主体性を持って行動できる人材になりたいと考えています。
アルバイトで飲食店に勤めている学生の、「責任感」をアピールする自己PRです。
自分で考え行動したことをエピソードと話すことで、責任感だけでなく主体性もアピールしています。
公務員の自己PRを伝える際に注意すべき2つのこと

最後に、公務員の自己PRを伝えるときに注意すべき2つのポイントを紹介します。
丁寧に作った自己PRも、伝え方を誤ればマイナスの印象に傾いてしまうでしょう。
面接時は下記の点に注意して、自己PRを伝えてください。
①自己PRをアピールした時にネガティブな印象を持たれないようにする
自己PRをアピールしたときに、ネガティブな印象を持たれないよう注意しましょう。
例として、「主体性がある」点をアピールするとします。
面接官によっては、主体性を個性の強さと考えて、公務員に必要な協調性を持っていないと判断する可能性も否定できません。
自分の強みがマイナスに働く可能性があるときは、懸念を払拭できるエピソードを用意しておくと安心です。
面接官が感じた不安を解消でき、マイナスの印象を避けられます。
②自己PRの内容と面接時の態度が矛盾しないようにする
自己PRの内容が、面接時の様子と矛盾していないかも注意が必要です。
自己PRで「傾聴力」をアピールしていたのに、面接官の話を聞かなければ面接官からは「本当に傾聴力があるのか?」と疑われてしまうでしょう。
自分が伝えた自己PRの内容をふまえて、面接中は行動するようにしてください。
面接時に緊張から自己PRとそぐわない行動をしてしまいそうなときは、最初の挨拶で緊張していると伝えておくのもおすすめです。
面接前には、自分がどのようなことを話すのか確認してから臨みましょう。
公務員の自己PRでは自身の適性をアピールしよう
公務員の自己PRでは、自身の適性をアピールしましょう。
公務員の仕事内容に合った自己PRを作成すれば、面接が有利に進みます。自己PRの内容に悩んだときは、「協調性」や「責任感」をアピールしましょう。
上手に自分の適性をアピールして、内定を獲得してください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。