素直さを求めている企業は少なくありません。そのため、自己PRで素直さをどのようにアピールしたらいいのか悩んでいる就活生は、たくさんいるのではないでしょうか?
そこで、本記事では自己PRで素直さをアピールする際のポイントや例文を紹介します。ぜひ、これからの就活対策の参考にしてみてくださいね。
まずは確認!企業が素直な学生を高く評価する理由
企業が必要としている素直さは、「自分の意見だけを押し通そうとせずに、周りの意見も受け入れられること」を指します。
ここでは、4つの要素に分けて詳しく見ていきましょう。
①周りの意見を受け止められるから
企業が素直な学生を評価する大きな理由として、周囲からの意見を素直に受け止め、行動に移せる点が挙げられます。
特に入社直後は、上司や先輩から多くのアドバイスや指導を受ける機会が多いですが、この時素直に意見を受け入れ実践できる人材は、企業にとって非常に魅力的です。
逆に、自分の考えに固執したり、周囲の意見を受け入れられない場合、チーム内での対立を引き起こしたり、企業側からすると扱いづらい人材となるでしょう。
素直な姿勢は、チームワークを重視する現代のビジネス環境において、非常に重要な資質として評価されています。
②成長速度が速いから
素直な人は、成長のために必要な要素を自然と備えているため、成長スピードが早いことが特徴です。
周りからのアドバイスを受け入れて実践でき、かつうまくいかないときでも後ろ向きにならず、周りのできる人を見ても自分を卑下しないでいられるのが、成長速度が速い人と言えますね。
また、上司の目線から見ても、素直な人にはもっといろいろなことを教えてあげたい、応援したいと思うものです。
上司を味方につけて応援してもらえるという点でも、素直な人は成長が早いと言えます。
③環境の変化にも対応できるから
企業が素直な学生を高く評価する理由の1つに、環境の変化への適応力があります。
ビジネス環境は常に変化する中で、素直な人材は、変化を素直に受け入れ新しいことを学ぶ姿勢が備わっているため、環境の変化に柔軟に対応できる可能性が高いです。
例えば、業務システムの変更や組織再編など、大きな変化が起きた際にも抵抗感が少なく適応できるでしょう。
また、新しい部署への異動や新規プロジェクトの立ち上げなど、未経験の環境でも前向きに取り組めます。
④自分の欠点を認めて改善できるから
素直な人は、自分の欠点や弱みを認め改善に向けて行動を起こせる力があり、これは企業にとって非常に重要な資質です。
入社後は誰でもミスや失敗を経験しますが、素直な人材は自分の非を認め、上司や先輩からのアドバイスを真摯に受け止めて改善に活かすのが重要。
一方で、素直さに欠ける人は自分の欠点を認めたがらず、言い訳や正当化をしてしまい、同じ失敗を繰り返す傾向にあるでしょう。
企業は長期的な成長を期待して採用を行うため、自分の弱みと向き合い、それを克服しようとする姿勢を持った人材を求めています。
自己PRで「素直さ」が高評価になりやすい企業の特徴
素直さは多くの企業が重視する資質ですが、特に評価されやすい企業の特徴があります。
ここでは、素直さを特に重視する企業の特徴を詳しく見ていきましょう。
①スピード感のある事業をしている
スピード感のある事業展開を行う企業では、市場の変化に迅速に対応する必要があり、新しい施策や方針の導入が頻繁に行われます。
そのため、上司からの指示や新しい取り組みに対して、素直に受け入れ、すぐに実行できる人材が重宝されるのです。
特にIT業界やベンチャー企業では、技術革新のスピードが速く、常に新しいスキルの習得が求められるでしょう。
また、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢や、周囲からのフィードバックを真摯に受け止める態度は、事業の成長スピードを維持する上で大きな強みとなります。
②少人数のチームで仕事をしている
少人数のチームで働く環境では、メンバー同士の密接なコミュニケーションが不可欠です。
そのため、素直な性格の人材は、チームの雰囲気づくりや円滑な情報共有に大きく貢献できます。
特に、上司や先輩からの指導をしっかりと受け止め実践できる人材は、スキルの習得が早く、チームの生産性向上に寄与するでしょう。
また、少人数チームでは、各メンバーの性格や考え方の違いが業務に大きな影響を与えるため、素直に他者の意見を受け入れ、柔軟に対応できる人材は重宝されます。
③勤続年数が長い人が多い
勤続年数が長い企業では、素直さを持つ人材が特に高く評価される傾向にあります。
このような企業では、長期的な人材育成を重視し、社員一人ひとりの成長に時間をかけて投資する文化があるためです。
また、長期的な視点で自己の成長を捉えられ、一時的な困難や変化にも柔軟に対応できます。
素直さは、長期的な雇用を前提とする企業文化と非常に相性が良く、結果として高い評価につながります。
自己PRで「素直さ」をアピールするポイント3つ

就活で的確に長所を伝えるためにはポイントが3つあります。企業側が納得できるような自己PRを目指してくださいね。
①素直さがゆえの短所についても話す
素直さが長所だと、「素直さが裏目に出る可能性もあるのでは?」と思う面接官もいます。
そのため先回りして短所を述べると、客観的に自己分析できていると評価されて、好印象を与えられるかもしれません。
自分の持っている素直さが具体的にどんなタイプなのか考えてみて、素直さを別の言葉に言い換えたり、具体的な言葉に落とし込みましょう。
長所だけでなく短所を踏まえながら、何に注意しているのか述べることも大切です。
②主体性を持って行動できたエピソードを話す
あなたの素直な性格に信憑性を出すために、過去の体験談を話しましょう。
周囲の意見を聞いて、自分で考えてから行動したエピソードを述べることが大切です。
ただし、素直に人から言われた内容を受け入れるのは良いことですが、受け身で主体性がないと思われてしまうリスクもあります。
どうして素直な行動を取り、何を考えていたのか、相手にも納得できるエピソードを準備してくださいね。
③仕事でどう活かせるのかまで考えて話す
素直さは、仕事の場面で具体的にどう活かせるのかを説明すると、より説得力のある自己PRとなります。
例えば、「上司からの指摘を素直に受け止め、すぐに改善行動を取れる」「新しい業務にも積極的に挑戦できる」などの具合です。
また、素直な性格は、チームワークを重視する職場での円滑なコミュニケーションにも役立ちます。
相手の意見を受け入れる姿勢があることで、周囲との関係性が良好になり、結果として業務効率の向上にもつながるでしょう。
「素直さ」を自己PRで効果的にアピールした例文4選

次に、自己PRに素直さをアピールできる例文を4種類紹介します。魅力的な内容に仕上げるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【例文①】アルバイト
アルバイト
私は年齢に関係なく、人のアドバイスを受け入れられる素直さがあります。
私は大学2年生のときに、レストランでの接客のアルバイトを始めました。そこには私よりも先に始めた大学1年生のスタッフもアルバイトをしていましたが、仕事上の先輩にあたるため、年齢の概念にとらわれずに、接客態度や細かなマニュアル、効率的な業務の進行方法を彼女からたくさん吸収しました。
その結果、仕事にすぐに慣れることができ、責任感を評価していただいて今ではバイトリーダーを務めています。
アルバイトでの経験から、入社後にも年齢に関係なく、経験者の意見には素直に耳を傾けることを意識したいです。素直さがなければ、コミュニケーションをうまく取れず、チームが効率的に機能しないと考えており、私は素直な性格を活かして、貴社の業務を円滑に進めたいと思っております。
以上の例文では、年齢に関係なく素直に指導を受け入れたエピソードが述べられています。
社会人になると、年下の上司や取引先の人とも仕事をするので、年齢を気にせず話を聞ける素直さは、仕事を進める上で重要です。
【例文②】部活動・サークル
部活動・サークル
私は他者の意見を取り入れて、客観的に自分を見つめなおすことが得意です。私は高校時代にテニス部に所属していましたが、初めは試合に出ることができませんでした。小柄な体格なので、高身長の相手と比べると不利な場合が多いためです。
試合に出れずに悔しい思いをしているときに、部活顧問から「基礎練習を続けるように」とアドバイスを頂きました。基礎練習は上達の実感がすぐにわかないため、練習方法があっているのか不安が続きました。
それでも自分に足りない部分を補うために、毎日黙々と練習に励んだところ、3年生になるとようやく基礎練習で培ったテクニックが活き、結果が出るようになりました。
基礎がしっかり身についていたので、厳しい状況でも相手に負けない運動能力を得られることができました。その結果、大会では準決勝まで進めました。
すぐに望んだ結果が得られない場合でも、自分を客観的に見つめなおすことを忘れずに、アドバイスに従って行動して、貴社の売上アップに努めてまいります。
上の例文では、すぐに成長が望めない状況でも、部活顧問の意見を取り入れて、ひたすら打ち込んだため、良い結果を出せたとアピールしています。
素直にアドバイスを受け入れて、行動できる人材だと伝わるでしょう。
自己PRや面接で、部活動の経験を活かす方法については、以下の記事を参考にしてくださいね。
【例文③】学業
学業
私は自分の成長のために、周りのアドバイスを聞いて学べる素直さがあります。この強みを発揮したのは、大学時代の授業です。
大学1年生のときに第2外国語として中国語の授業を受けていましたが、教科書の内容だけでは、中国の分化や人々の生活まで理解することはできないことに気づきました。
自己成長のために、中国語の先生のもとに通いつめて、アドバイスに従って中国語での会話を徹底し、1年間通い続けたところ、現在では中国人留学生と日常会話ができるレベルになりました。
私がこれほどまでに先生からのアドバイスを重視したのは、「学ぶことは上級者を真似ることから始まる」と信じているからです。言語を学ぶことは現地の人々の生活を学ぶことにもつながり、第二外国語を学ぶチャンスを存分に活かすことができました。
入社後には、自己成長のために人から学ぶ姿勢を忘れることなく、成長のチャンスを逃さずに貴社の利益に貢献していきます。
素直に上級者のアドバイスを受け入れて、苦手なものを克服した例文を以下に示します。吸収力もアピールできて、人物像をイメージしやすい内容です。
【例文④】インターンシップ
インターンシップ
私は、自分の知識不足を素直に認めて、謙虚に学ぶことが得意です。
私は広告企画を専門とする企業で長期インターンシップを経験しましたが、初めのころは専門知識を持っていなかったため、仕事の進め方が全く分かりませんでした。
そこで私が試したのは、専門書を10冊読破して仕事に活かすために知見をノートにまとめることと、上司の仕事の仕方をことで模倣することです。この2つを実践した結果、上司と同じようなクオリティとスピードでも業務ができるようになり、責任感と成長速度が評価されて新たなプロジェクトのリーダーを任せて頂きました。
インターンシップでの経験から、身近なお手本を参考にしたり、先人から学ぶことがとても重要だと学ぶことができました。入社後にも自分の知識不足に直面した際には、学ぶ姿勢を忘れずに、貴社の事業に貢献していきたいです。
以上の例文には、素直に先人から学んだり、身近な上級者を参考にして、知識不足を補った内容が書かれています。
見たり読んだりして、真面目に学習できることも素直さだと言えるでしょう。
自己PRで「素直さ」をアピールする時の注意点
気をつけるべきこともあります。以下の2つの注意点も把握して、説得力がある自己PRをしてくださいね。
①素直を別の表現に変える
素直の意味は広いため、自分の長所を正しく伝えるためにも、他の言葉に言い換えてみましょう。
例えば素直な人の中には、自分の間違いを隠さずに認めたり、先輩だけでなく後輩からも良い部分を学んで吸収できる人もいます。
周りからのアドバイスを受け入れて実践でき、他人の意見を受け入れられるなら、「協調性がある」とも言い換えられるかもしれませんね。
②素直=優柔不断にならないようにする
短所に対する考え方を言及して、改善方法を述べる必要があります。
長所として素直さをアピールしたつもりでも、優柔不断で主体性がない印象を与えるかもしれません。
つまり、すぐ誰かの言うことを信じてしまい、たくさんの意見を取り入れようとして混乱するのではないかと、面接官に思われないことが大切です。
アピール方法を間違えると、面接官にマイナスなイメージを与える場合があるので、素直を短所だと思われないように工夫してくださいね。
「素直さ」を自己PRで伝えてポジティブな印象をもってもらおう!
今回は自己PRで素直さをアピールする場合の書き方と例文を紹介しました。
周りのアドバイスを聞き入れて、成長につなげられる人を求めている企業は少なくないでしょう。本記事の内容を参考にして、志望する企業の選考を突破してくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。