就活ではほとんどの企業がその採用フロー内で適性検査を行います。その中でも多く実施されている適性検査の1位と2位が、SPIと玉手箱です。就活ではSPIと玉手箱の違いを見分け、高得点を取る力が必要です。
では、SPIと玉手箱の違いとはどのようなものなのでしょうか?この記事では2つのテストの違いと概要、見分け方を説明し、対策方法と一緒に解説していきます。
SPIと玉手箱の主な違いを解説
SPIと玉手箱は、似ているようで出題形式や主とする目的が異なります。前提としてこれらの情報を押さえておくことで、本番落ち着いて取り組めるでしょう。以下に、2つのテストの主な違いを解説していきます。
- SPI
- 玉手箱
SPIは基本的な学力を測定する適性検査
SPIは、リクルート社が開発している適性検査です。(SPI3公式サイト)
企業の規模や業界業種問わず様々な採用場面に対応が可能であり、その導入実績はトップであると言われています。リニューアルを繰り返しており現在は「SPI3」が最新版としてリリースされていますが、一般的には「SPI」と省略して呼ばれています。
SPIはパソコンで受験するタイプの適性検査ですが、企業によって受験形式が異なります。自宅受験は可能ですが、基本的にはテストセンターでの受験が主流となっています。
また、SPIは基本的な学力を測定する適性検査です。内容について、詳しくは「SPIの出題内容は主に4種類」で解説しているので参照してください。
玉手箱は論理的な思考力を重視する適性検査
玉手箱は、日本SHL社が開発している適性検査です。(「日本エス・エイチ・エルの商品」)
企業の規模や業界業種問わず様々な採用場面に対応が可能であり、その導入実績はSPIに次いで2位です。リニューアルを重ねて現在は「玉手箱Ⅲ」が最新のものとしてリリースされていますが、一般的には「玉手箱」と省略して呼ばれています。
玉手箱はパソコンで受験するタイプの適性検査です。企業によって受験形式が異なりますが、自宅受験が一般的です。なお、テストセンター受験の場合もあります。
SPIと比較して玉手箱は、情報処理の速さと論理的な思考力を重点的に測る試験です。そのため問題ボリュームが大きく、出題形式もSPIとは異なります。 内容について、詳しくは「玉手箱の出題内容は主に3種類」で解説しているので参照してください。
適性検査がSPIか玉手箱か見分ける方法
就活では自分の受ける適性検査が、SPIか玉手箱かを見分けられる能力が必要です。なぜなら、両者は出題形式が異なり問題対応の仕方も違うからです。たとえば、玉手箱は問題が複雑かつボリューミーで、的確で迅速な問題処理が求められます。
また、就活では適性検査を自宅受験で行うことが多くなっています。どの適性検査であるかは、企業側から告知がありません。
自分のパソコン上で案内のURLをクリックした瞬間から、いきなり本番が始まるのです。そのため、事前にどの適性検査であるか見分けるところから勝負は始まっています。
では、SPIか玉手箱かどのように見分けると良いのでしょうか。最も簡単で早いのは、受験用のリンクのURLから推測する方法です。
たとえばSPIのURLは、「http://arorua.net/」で始まります。玉手箱のURLは、「e-exams」や「tsvs」が含まれています。 まずこれらのURLを見つけたら、それに合わせて事前に準備をして臨みましょう。
SPIの出題内容は主に4種類
SPIは、基本的な学力や思考力を問う問題で構成されています。主な出題内容は4種類です。それぞれどんな能力が求められるか、どう判断して解き進めていくべきかについて解説していきます。
- 非言語分野
- 言語分野
- 英語
- 構造把握問題
①非言語分野
非言語分野は、いわゆる算数の問題です。具体的には、推論、図表の読み取り、集合、確率、順列・組合せ、割合と比などについて出題されます。
知識を問うというよりは、基礎学力や思考力が重視されています。 テストセンター受験では、電卓を使用することができません。裏を返せば、暗算で対応が可能です。
基本的な四則計算ができていれば十分であり、高い計算力は要しません。いかに適切な解法を使ってスムーズに問題を解けるかが焦点です。
②言語分野
言語分野は、いわゆる国語の問題です。具体的には、二語の関係、熟語の意味、語句の用法、長文読解などが挙げられます。
語彙力が重要な焦点ですが、基礎的な知識があれば対応が可能です。言語分野で注意が必要なのは、長文読解の分野です。ここでは思考力を試されます。問題の出題形式にあらかじめ慣れておくことが、有効でしょう。
③英語
英語では、語彙、文法、読解のそれぞれの力が試されます。ただし、実際に導入している企業はそれほど多くはないことを、あらかじめ把握しておきましょう。
問題の出題形式は、同意語・反意語、空欄補充、英英辞典、誤文訂正、和文英訳、長文読解などが挙げられます。共通テストレベルであることが多く、難易度はそこまで難しくありません。
④構造把握問題
構造把握問題は、テストセンター形式でのみ導入されています。また、導入企業はあまり多くないことをあらかじめ把握しておきましょう。
この問題では、事象をいかに構造化できるかどうかが試されています。出題形式としては、文章題の構造を問う非言語分野、文のグループ分けを行う言語分野の2種類が挙げられます。
玉手箱の出題内容は主に3種類
玉手箱では、情報処理の速さや論理的な思考力を問われます。主な出題内容は3種類です。実際の出題は、計数、言語、英語の各科目で1種類の出題形式に絞られます。
それぞれ、どんな能力が求められるか、どう判断して解き進めていくべきかについて解説していきましょう。
- 計数
- 言語
- 英語
①計数
計数科目では、四則逆算、図表読み取り、表推測の内どれかが採用されます。注意点として、テストセンター形式では電卓の持ち込みができません。
四則逆算は、方程式の穴埋めを行います。問題処理能力の速さが試されます。
図表読み取りは、SPIやCAB・GABに登場する問題と類似しています。いかに必要な情報を探しだせるかが焦点です。
表推測は、表の中にある空欄を埋める問題です。論理的思考力、データ分析力、計算力が試され、難易度が高めです。
②言語
言語科目は、論理的読解、趣旨判定、趣旨把握の内どれかが採用されます。いずれも長文読解の問題です。
論理的読解は、GAB形式の長文読解問題です。具体的には長文を読み、複数の設問に答えます。正誤を回答する形式です。
趣旨判定は、長文の趣旨を読み取り、適切な選択肢を選ぶ問題です。
趣旨把握は、IMAGES形式の長文読解問題です。具体的には長文を読み、複数の設問に答えます。趣旨を読み取れるかどうかが焦点です。
③英語
英語科目は、論理的読解、長文読解の内どれかが採用されます。いずれも長文読解の問題です。
論理的読解は、GAB形式です。具体的には長文を読んで、設問の正誤を選ぶ問題で構成されています。
長文読解は、IMAGES形式です。具体的にはTOEICのように、長文を読んでから英語の設問に対して英語で適切な答えを選ぶ問題となっています。
SPIで高得点を取るための2つの対策法
就活ではほとんどの企業で、採用フローの序盤に適性検査を据えて足切りを行っています。そのため、事前の対策が必須です。
ではSPIで高得点を取るために、どのような対策をすべきなのでしょうか。以下に2つを挙げて説明していきます。
- 間違えた問題を繰り返し解く
- 言語は長文問題を優先して解く
①間違えた問題を繰り返し解く
SPIでは、間違えた問題を繰り返して解くことが重要です。なぜなら、似たような問題が本番でも繰り返し出てくる可能性が高いからです。
特にSPIでは、浅く広く基礎的な学力を問う問題が出題されます。そのため、取りこぼしがないように広い範囲をカバーしておくことが大切です。
具体的には、対策問題集を購入することがお勧めです。全ての問題に幅広く対応できる力が養えるでしょう。間違えた問題はその都度繰り返し解いて、次回以降落とさないことが大切です。
②言語は長文問題を優先して解く
言語は長文問題を優先して解きましょう。なぜなら、複雑で時間がかかりがちだからです。
また、長文問題以外は基本の語彙力を問う問題のため、対策が難しいと言えます。対策しなくても問題なく解けてしまう人も多いでしょう。
しかしながら長文問題は、初めてSPIに触れる人にとっては目新しいものであることが多くなっています。そこで出題形式に慣れておくことで、ある程度対策ができるでしょう。
玉手箱で高得点を取るための3つの対策法
玉手箱は、対策が必須の適性検査です。なぜなら出題形式が独特で、かつ迅速な問題処理が必要であるからです。
玉手箱の攻略にはとにかく「慣れ」が必要です。以下に、対策法について3つを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 出題形式に慣れておく
- 電卓の扱いに慣れる
- 1問にかける時間を決めておく
①出題形式に慣れておく
玉手箱においては、出題形式に慣れておくことが、なによりも重要です。
たとえば、四則逆算を練習しておくことで計算スピードを上げることが可能です。初見でいきなり方程式の穴埋め問題が出てきても、スピーディーに対応しきれないからです。
また、表の読み取りや空欄穴埋めはある一定の取り組み方が存在します。たとえば、どんな種類の表が出てどの情報に目をつければ良いのかという着眼点が挙げれます。
以上のように、問題の形式を把握して解く作業に慣れておくことで、格段に処理スピードは上がります。
②電卓の扱いに慣れる
電卓の扱いに慣れることも必要です。玉手箱はほとんどの場合、自宅受験になります。そのため電卓の使用がほぼ必須と言えるのです。
特に表の読み取りや空欄穴埋めでは、数字が莫大になることが多いでしょう。電卓を使用すれば、大きな数字にも難なく対応が可能です。
このように、電卓の使用はテストを有利に進めるため必要です。ここで電卓を早く打てるようになっていれば、対応力が上がります。数字記憶機能などを駆使して、より複雑な計算も1動作で行えればさらに処理スピードが上がるでしょう。
③1問にかける時間を決めておく
1問にかける時間を決めておくことも重要です。玉手箱では、限られた時間の中でより多くの問題を的確に解くことが求められるからです。
そのため、わからない問題はいさぎよく飛ばす選択が有効です。 どれくらいできなければ問題を飛ばすのか、またどんな問題を飛ばすのかをあらかじめ練習しておきましょう。そうすることで、問題の全体的な正答数を上げられます。
SPIと玉手箱の違いを把握して適切に対策を取ろう!
ここまで、SPIと玉手箱について、概要・違い・内容・対策法などを解説してきました。就活ではほとんどの企業において適性検査が導入されています。
基本的に序盤の足切りに使われるため、しっかり対策をしておきたい反面、あまり対策に時間をかけるべきではありません。
この記事を参考に、SPIと玉手箱の違いについて把握して効率的な対策を心がけましょう。たとえば、SPIで基礎固めをしてから玉手箱で応用力をつけるのもお勧めです。適性検査を攻略して、就活を大成功させられるよう祈っています。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。