採用活動の一環として、多くの企業が導入しているSPI試験。「能力検査」は高得点を取れば就活を有利に進められることもあり、対策に力を入れる学生も多いでしょう。
しかし「SPIの能力検査ではどんな問題が出題されるの?具体的にどう対策すればいいの?」と悩みますよね。
そこで本記事では、SPIの能力検査について徹底解説します。記事後半では、対策方法や問題例も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
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SPIとは

SPIは、リクルートが提供しているテストです。「能力検査」と「性格検査」に分かれており、能力検査はさらに4つの分野で構成されています。
- 能力検査
- 性格検査
能力検査
能力検査は、言語、数学、論理思考、抽象的な問題などの分野で個人の能力を測定し、企業に適した人材を見極めるために利用されます。分野ごとに詳しく解説します。
- 言語分野
- 非言語分野
- 英語
- 構造把握
①言語分野
言語分野では、文章の理解力や文章構造の把握、語彙力、文法などの問題が出題されます。
SPIの言語分野は、名前の通り言語能力を測る試験です。学生時代に受けた「国語」の試験に近いと考えるとよいでしょう。
「二語の関係」や「語句の意味」など、知識があれば解ける問題がある一方で「文章の並び替え」や「長文読解」など、回答に時間がかかる問題もあります。
言語分野の攻略に必要なのは、語彙力です。普段から多くの文章に触れて、語彙力を増やしておきましょう。
②非言語分野
非言語分野は、言語以外の能力を測定する重要な要素です。こちらは「数学」の試験に近いと考えるとよいでしょう。形やパターンの特徴、論理的な推理、空間認識能力など、幅広く出題されます。
非言語分野は、制限時間に対して問題数が多い傾向にあるため、時間がかかりやすい問題に慣れておくことが必要です。
特に「推論」は、図を書かなくても解答ができるレベルまで繰り返し練習しましょう。
③英語
SPIには、英語力を測定する試験もあります。英語のリーディング、リスニング、文法、語彙、表現力などの領域で受験者の英語能力を評価します。
なお、英語の試験が行われるかどうかは、企業によって異なります。
総合商社や外資系、旅行業界、メーカーなどの企業や、英語が重要視されている企業では英語分野の試験が採用されている場合も多いようですね。
対策としては、TOEICの勉強が効果的。難易度はTOEICの方が上のため、レベルの高い学習につながりますよ。
④構造把握
構造把握では、ものごとの背後にある共通性や関係性を構造的に把握する力を測定する問題が出題されます。
SPIの他の分野と比べて難易度がやや高く制限時間も短いため、苦手意識を持ってしまう人が多くなります。
ただ、対策として日常的に合理的に物事を考える意識を持つことで構造把握の力を鍛えることができます。具体的には、効率的な時間管理や優先順位の設定、課題の抽出や改善策の設定などです。
日常的に合理的な思考を実践することで、問題解決力が向上し、検査での正確な解答が可能となります。
性格検査
SPIの性格検査は、就職活動や転職活動において、応募者の性格や適性を評価するためのテストです。性格の特性や行動傾向を尋ねる質問に回答し、結果から個人の強みや向いている職種を導き出します。
コミュニケーション能力、協調性、リーダーシップなどの要素が評価され、企業にとって適切な人材を選ぶ手段として活用されています。
SPIの性格検査を通じて、自己理解を深めると同時に、自分に合った職場や環境を見つける一助になるでしょう。
SPIの受験方法4つ

次に、SPIの受験方法を4つ紹介します。それぞれ受験会場や問題形式が異なるので、しっかりチェックしておきましょう。
- webテスト
- テストセンター
- ペーパーテスト
- インハウスCBT
①webテスト
SPIのwebテストは、オンライン上で受験する試験形式です。一般的に言語、数学、論理思考が出題され、時間制限がある中で解答します。
特徴として、柔軟な受験スケジュールやリモート環境での受験が可能である点が挙げられます。
注意点としては、リモート試験のため、インターネット接続や環境整備に注意しておく必要があることです。受験直前に慌てないよう、事前にチェックしておきましょう。
②テストセンター
テストセンターの試験は、専用の会場で行われます。会場は、全国7都市(東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・福岡)にあるリアル会場、またはオンライン会場です。
テストセンターで受験するのは「能力検査」のみで、性格検査は、事前に自宅で受けなければなりません。
テストセンターの受検結果は使い回し可能です。満足できる得点を取れれば、再度テストを受ける必要がありません。
そのため、スケジュールの調整や移動の負担を軽減できます。
③ペーパーテスト
SPIペーパーテストは、応募先の企業のオフィスや指定された会場で受験する形式です。企業が学生の能力や適性を客観的に評価し、採用の判断材料とすることが目的で行われます。
受験者にとっては、企業の面接と同じような環境で試験を受けられることが特徴であり、適度な緊張感を持って試験に臨めます。
なお、ペーパーテストはマークシート方式です。マークがズレてしまったり、薄くて読み取れなかったりなど、実力以外の部分で点数を落とさないように細心の注意を払う必要があります。
④インハウスCBT
SPIのインハウスCBTは、応募企業または応募企業が指定した場所に訪れてテストを受ける試験形式です。
試験は、企業指定のパソコンで受験します。
学生が企業へ出向いて受験するため、面接日にSPI実施をすれば、適性検査から結果の確認・面接までを1日で完了します。
企業がSPI受験を導入する2つの理由

ここでは、企業がSPI受験を導入する理由を2つ紹介します。
- 企業が求める人材か判断するため
- 選考プロセスを効率化するため
①企業が求める人材か判断するため
1つ目の理由は、企業が求める人材がどうか判断しやすいからです。
SPIは言語、数学、論理思考などの能力を測定できます。
応募者の総合的な能力や問題解決能力を評価でき、企業が自社のニーズに合った適切な人材を選抜できるのです。
そのため、SPI能力検査の得点が低いと足切りに合う可能性も否定できません。苦手な科目は参考書の問題を解いて、しっかりと試験対策を行いましょう。
②選考プロセスを効率化できるから
2つ目の理由は、選考プロセスを効率化できるからです。
SPIを導入することで、多くの応募者の能力を一度に測ることができ、効率的かつ客観的な選考が行えます。
あらかじめ点数によるボーダーラインを設定し、それ以上の得点を出せた人を面接選考に繋ぐようにすれば、採用担当者の手間も省けるでしょう。
また、入社後も周りの人と一緒に仕事を進めていけるだけの基礎能力があるかどうかも判断できます。
こうした選考プロセスがあることを理解しつつ、次の面接段階までの通過を目指していきましょう。
SPI能力検査の問題例4つ

次に、SPI能力検査の問題例を分野ごとに4つ紹介します。力試しとして解いてみてください。
- 言語問題例
- 非言語問題例
- 英語の問題例
- 構造把握の問題例
①言語問題例
最初に示された二語の関係と同じ関係の対を作りたい。○○にあてはまる適切な語句を選びなさい。 太陽:恒星 地球:○○ 【選択肢】 A 行星 B 鉱物 C 宇宙 D 惑星 E 空気 【正答】D 惑星 |
【解説】
「太陽」と「恒星」の関係が示すように、太陽は恒星の一種です。同様に、「地球」と同じ関係を考えると、地球も「惑星」の一部となっています。
したがって、正解はDの「惑星」です。
②非言語問題例
問題:A、B、C、D、Eの5人を1列に並べる場合、以下の問いに答えてください。 AとBが隣り合っていることが条件とされた場合、その並び方は何通りか。 A 12通り B 24通り C 36通り D 48通り E 60通り F 72通り G 84通り H 120通り 解答:D 48通り |
4つの要素(A・B、C、D、E)を1列に並べる順列の数は4!(4の階乗)通り。また、AとBのグループ内での並び方は2!(2の階乗)通りあります。
したがって、全体の並び方の数は4! × 2! = 24 × 2 = 48通りとなります。
③英語の問題例
問題:次に示された語句と、最も近い意味を持つ語を選択肢より選びなさい。 provide A order B supply C apply D request 解答:B.supply |
解説:provideは「~を供給する」という意味なので、同意語のsupplyが正解です。
A order:注文する
B supply:供給する
C apply:適用する
D request:要求する
④構造把握の問題例
問題:アからオの文章を「文の構造」によってPグループ(2つ)Qグループ(3つ)に分類した時Pグループに分類されるのはどれでしょう。 ア:両親に水泳教室に通わせてもらえるように頼んだが、叶わなかった。 イ:ゲームは得意だが、勉強は苦手だ。 ウ:友達はたくさんいるが、親友はあまりいない。 エ:カブトムシを取りに森へ行ったが、一匹も取れなかった。 オ:人気のお菓子を買いに行ったが、売り切れていて買えなかった。 解答:イとウ |
解説:すべての文を分類すると、Pグループには、「逆説的・対比的な関係」を持つ2つの文が分類されます。Qグループに関しては「行動の結果」示す文が3つになっています。
今回は2つのPグループに属する分を判断するので「逆説的・対比的な関係」になっている文を見つければ良いです。
今回すべての文章を見たところ、イ・ウが「逆説的・対比的な関係」にある文章なことが分かり、ア・エ・オは「行動に対しての結果の関係」にあることが分かります。
したがって、解答はイとウです。
SPI能力検査の対策方法3つ

最後に、SPI能力検査の対策方法を3つ紹介します。
- 参考書を使って問題を解く
- 知識で解ける言語で点数を稼ぐ
- SPIの問題形式に慣れる
①参考書を使って問題を解く
参考書を繰り返し解くことは、SPIペーパーテストの対策として最も重要な対策のひとつです。自分が間違えやすい問題を把握しながら、何度も解くようにしましょう。
同じタイプの問題に慣れることで理解が深まり、間違えた理由を把握することで、再度間違えることも防げます。
ただ暗記するのではなく、理解を重視した問題解決に取り組みましょう。なお、SPI対策のアプリを活用すれば、隙間時間を活用して何度も問題を解けますよ。
②知識で解ける言語で点数を稼ぐ
SPI能力検査の対策方法のひとつは、知識で解ける「言語」で点数を稼ぐことです。
SPIの言語問題には、もともと持っている知識だけで解ける問題があります。
たとえば「二語の関係」や「語句の意味」などは、知識だけでも解ける人も多いでしょう。
言語問題は、慣れれば解ける問題も多いため、非言語分野の問題に自信がない人は、言語分野に力を入れて補ってみてください。
③SPIの問題形式に慣れる
SPIの問題形式に慣れることも重要です。具体的には、過去問を解く、過去の出題傾向を分析するなどし、問題のパターンを把握しましょう。
問題集を何度も解いているうちに、傾向やパターンがわかるようになります。何度も解く時間がない人は、SPIの対策アプリを使うことでスキマ時間に対策できるのでおすすめです。
パターンを覚えたら、制限時間内で問題に取り組む練習もしてみましょう。試験当日に余裕を持って問題に取り組めますよ。
SPI能力検査の対策を始める時期・時間

最後に、SPI能力検査の対策を始める時期・時間の目安を紹介します。
- 【時期】大学3年生の後期から始める
- 【時間】約30時間~60時間をかけて勉強する
SPI能力検査は、ある程度慣れも必要なので、計画的に取り組むようにしましょう。
【時期】大学3年生の後期から始める
SPI能力検査の試験対策は、大学3年生の後期辺りを目安に始めてください。
ただし、大学3年生の後期からは、大学4年生の就活本番までに準備することも多いため、できるだけ隙間時間を見つけて取り組むようにしましょう。
「SPI能力検査 アプリ」で検索すると、さまざまなアプリがあるので、スマートフォンなどのデバイスにダウンロードして活用するのもおすすめです。
【時間】約30時間~60時間をかけて勉強する
SPI能力検査の平均試験対策時間は約30時間~60時間といわれています。
しかし、推論問題のような難問も出題範囲になっているので、個人の能力に合った時間を費やしましょう。
また、本番前には必ず無料で受験できる模擬試験を受けてみることをおすすめします。
制限時間内に全問解答ができたか、問題の解答に迷いは生じなかったか、自分で再度振り返り納得することが大切です。
最後まで手を抜くことなく、集中して取り組みましょう。
SPI能力検査は参考書を使って対策できる!
本記事では、SPI能力検査について解説しました。
SPIの能力検査は、対策次第で点数を大きく伸ばせます。参考書や問題集を活用しつつ、何度も練習して高得点を目指しましょう!
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。