就職活動の自己PRに観察力を書きたい就活生は、たくさんいるのではないでしょうか。企業側から高評価を獲得するためには、アピール方法が非常に重要です。
そこで、本記事では観察力の種類や書き方、注意点まで詳しく紹介します。ぜひ、これからの就活対策の参考にしてみてくださいね。
観察力は伝え方次第で自己PRでアピールできる
観察力は空気を読む力とも言われ、トラブルに対応できるイメージが強いので、仕事でも重要な能力です。
そのため会社で重宝されやすく、基本的には好意的に受け取ってもらえます。ただし、観察力には複数の種類があり、企業によっては評価されない可能性もあるため注意してくださいね。
ちなみに洞察力は、収集した情報を元に本質を見抜く力のことであり、洞察力には少し主観が入りますが、観察力とは力に優劣はありません。
観察力の種類3つ
観察力には以下の3種類があります。仕事に役立つと効果的にアピールするためにも、あなたの持つ能力がどれなのか、まず明らかにしましょう。
- 自己観察力
- 状況観察力
- 人間観察力
①自己観察力
観察力は大きく内側に向くものと外側に向くものに分類され、内側に向くものを自己観察と呼びます。自己観察力とは、自分自身の状況を客観的に把握する能力のことです。
自己観察力が高い人材は、自分を見極めてセルフコントロールできるため、内省的に物事を考えられます。ストレスの対処が上手で、高い目的達成能力を持っていることも特徴です。
②状況観察力
観察力のうち、外側に向くものを状況観察と呼びます。つまり状況観察力とは、自分の周囲の環境や状況を観察して、情報を的確に捉える力のことで、観察力と言われて一般的にイメージする能力です。
状況観察力があると周りの空気を読めて、イレギュラーな事態にも対応できるでしょう。
③人間観察力
観察力と聞くと、人間観察力を思い浮かべる人もたくさんいるのではないでしょうか?人間観察力に優れていると、周りの人を観察して情報を集めて、気持ちを細やかに捉えられるため、トラブルも回避できます。
人間観察力では言葉以外にも、表情や仕草によって相手の真意を読み取っているのです。
観察力を活かした自己PRの書き方3ステップ
選考で勝ち抜くためには、あなたの強みを魅力的に伝えることが大切です。自己PRを書く際には、以下の3つのステップを心がけましょう。
- 結論ファーストで書く
- 観察力を習得・発揮した具体的エピソード
- どう仕事に活かすかを述べる
①結論ファーストで書く
初めに要点を伝えてください。あなたがアピールしたい観察力の種類とその能力によって何ができるのか、簡潔に一文で書きましょう。
例えば、「私の強みは自己観察力であり、自分の状況を客観的に捉えることで、適切な選択ができます」と、話の結論をはっきり示すことが重要です。
最初に伝えたいことを提示すると、聞き手にも印象が残りやすくなります。
②観察力を習得・発揮した具体的エピソード
次にエピソードを具体的に述べましょう。採用面接の目的は信頼感のある仲間を探すことなので、エピソードに具体性がなければ信用できません。
あなたの観察力の信憑性を上げるためにも、これまでの経験を振り返って、具体的なエピソードを探す必要があります。
あなたの強みによって問題を解決したり、困難な状況を打破した経験をアピールできると、採用担当者にも好印象を与えられるでしょう。
③どう仕事に活かすかを述べる
最後にあなたの強みが、応募企業の仕事にどのように活かせるのかアピールしてくださいね。
入社後の業務で再現性を示せると、働く姿をイメージしてもらえるので、業績に貢献できると判断されれば、良い評価が得られるでしょう。
もし仕事への活かし方が見つからないなら、志望企業で観察力が適していないかもしれません。仕事に役立つことを明確にして、志望している職種との関係性を提示する必要があります。
観察力を自己PRでアピールする時の注意点2つ
観察力を伝える際の注意点は以下の2つです。悪い印象を与える自己PRを作成しないためにも、一通りチェックしてくださいね。
- 細かい人だという印象を与えるのを避ける
- 人間観察力は企業に評価されにくい
①細かい人だという印象を与えるのを避ける
じっくり人を観察して状況をうかがったり、時間をかけて観察してから行動に移ると、性格が細かいと思われる可能性もあり、企業にとって望ましくない能力だと認識されるかもしれません。
幅広い人材が集まる組織を円滑に回したり、仕事を効率よく遂行する上で、問題の指摘ばかりしていて細かいことを気にしすぎる人は、組織の足かせになる場合もあるからです。
したがって、観察力を強みに用いる際には、完璧主義だと思われないように気をつけてくださいね。
②人間観察力は企業に評価されにくい
自己観察力を持っている人は、セルフコントロールをして目標達成に向けて自己研鑽ができ、状況観察力がある人は臨機応変で柔軟な対応が得意です。
このように自己観察力と状況観察力は能動的なので、仕事で高い再現性が期待できます。その一方で人間観察力は、比較的受動的な能力です。
そのため、人間観察力は批判的になりやすいですが、カウンセラーのような特定の職種では強みとしてアピールできるでしょう。
【観察能力の種類別】自己PR例文3つ
観察力を自己PRでアピールするための例文を、能力別で3つ紹介します。例文を参考にすれば、どんな構成で書くべきか理解できるでしょう。
①自己観察力
私の強みは、自身の失敗を成長に活かすために原因を分析する自己観察力です。 私は大学時代にイベント会場で配膳のアルバイトをしていました。仕事量が増えてくると、忙しさからつい簡単な業務から手を付けてしまい、業務が悪循環に陥ってしまうことが何度かありました。 常に効率的に業務を進めるためには、面倒なことでも優先順位を意識して取り組むべきだと客観的に判断したため、それ以降は自身の行動を改め、仕事の順番を重視して落ち着いて業務を遂行しました。 結果的に、ミスなくスムーズに仕事を進められるようになったと思います。この自己観察力を活かして、ミスを客観的に見つめなおして学び続ける人材として、貴社で活躍したいです。 |
自己観察力によって、仕事の優先順位を意識して取り組めるようになったと述べられています。入社後にも効率的に業務に取り組んでくれそうな印象を与えるでしょう。
②状況観察力
私は状況観察力があり、周りが求めることを的確に把握して行動できます。私は東日本大震災をきっかけにボランティアに興味を持ち、大学時代に熊本地震のボランティアに出向きました。 炊き出しの班では状況を観察しながら、乱れた配膳の列を整備したり、配膳が足りなくなりそうなときには紙皿を取りに行ったりというように周囲を見ながら動いた結果、他のボランティアの人たちから、働きやすかったと言ってもらえました。 このボランティア経験によって、周りの状況を見ながら適切に判断して、臨機応変に対応できる力を身につけたと思っております。 入社後には状況観察力を活かして、営業職としてお客様の様子を観察しながら、潜在的なニーズを見極めた提案を常に心がけたいです。 |
状況観察力によって周りの状況を把握して、周りをサポートできたと書かれています。企業でも顧客の潜在的なニーズに合わせて提案できると思われるでしょう。
③人間観察力
私は人間観察力があり、メカウンセリングが得意です。大学時代に私はバレーボール部に所属していましたが、メンバーの部活への参加率が下がっていたことが問題になっていました。 参加率が低い理由は、メンバーが練習に関して不満や悩みを持っていたためです。そこで私は、定期的に個別に連絡を取りながら、不満や悩みのあるメンバーの言動を読み解き、相手が欲している言葉をかけたり、真摯に相談に乗ったりしたところ、退部を引き留め、参加率も上昇させることができました。 結果的に、メンバー同士の仲も深め、部活の雰囲気の改善につながりました。入社後には人間観察力を活かして、周りの社員の些細な変化を汲み取りながら、寄り添いながら話をして、あらゆる問題を解決していきたいと考えております。 |
人間観察力は受動的な印象を受けやすいので、カウンセラーを代表とする特定の職種でのみアピールできるでしょう。
観察力がアピールになる職種3つの自己PR例文
観察力をアピールできる例文を、職種別に3つ紹介します。全体像を把握して、自己PR作成に役立ててくださいね。
①営業
私の強みは、相手の本心を考え抜いて提案できる観察力です。 私は、時代に所属していた野球部の活動で、周りと打ち解けられずにいる後輩がいることに気付きました。何気ない会話から理由や背景を確認し、些細な心掛けを意識しました。相手の本心を探っていくと、一番の理由は練習についていけてなかったためだと分かりました。 練習方法や改善点などを指導しながら日々練習に打ち込んでいくと、次第にチームメイトとの壁がなくなっていく様子を見守ることができました。 先輩として後輩と向き合い、悩みを解決に導くことができて嬉しかったです。 この経験から、相手の本心を汲み取ることで、深いニーズにたどり着けると感じました。貴社の営業として、顧客ニーズを考え抜いた提案をして、売上に貢献したいと考えております。 |
観察力を活かして、後輩の悩みを解決できたと書かれた例文です。深いニーズを把握して、営業として活躍してくれそうなイメージを与えます。
②看護・介護
私の強みは、普段からよく相手を観察し、些細な体調変化にも気が付けることです。その強みを活かして、介護職員実務者研修を修了し、介護職として入居型の施設で働いています。 常にご利用者の表情や様子を観察して、些細な変化を察知できる観察力を利用して、迅速に往診医に知らせたり、冷静な対応を取ったりした結果、大事に至らずに済んだことが、これまでに何度かあります。ご家族の方々からも感謝の言葉をいただくことが嬉しく、介護職としての仕事にやりがいを感じています。 貴事業所でも介護職として、些細な変化を察知して、病変にも真っ先に気が付くことで、ご利用者の健康維持に貢献したいです。 |
些細な体調変化にも察知できる観察力がアピールされています。病変にも気が付ける強みは、介護職で期待されるでしょう。
③マーケター
わずかな変化にも気づく観察力が、私の強みです。週末にはよくウィンドウショッピングをしていますが、なぜ多くの人がハイブランドのディスプレイに魅了されるのか気になりました。 そこでハイブランドの店舗のインテリアや配置の特徴を観察してみると、マネキンが季節ごとにポーズを変えて、世界観を引き出しているためだと思いました。 小さな発見かもしれませんが、私が観察を重視している理由は、日常生活で新しい発見を繰り返すほど、人生は面白くなると感じているためです。 データや人の心理に対する観察力を活かして、入社後には世間の動向を見ながら、継続的に商品が売れるための仕組みを構築したいと考えております。 |
観察を重視する理由が示された例文です。採用後にも能力を再現してくれそうだと、良い評価が得られるでしょう。
観察力を自己PRで上手にアピールして選考突破に繋げよう
今回は自己PRで観察力を使う場合の書き方と注意点を解説しました。
観察力と言っても能力の種類は幅広いので、どんな種類の力で、どう活かせるのか明らかにしましょう。あなたの長所をうまく提示して、高評価を獲得してくださいね。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。