「非鉄金属業界の大手企業はどこなのか」と気になる就活生も多いでしょう。
たしかに非鉄金属業界には数多くの企業があり、どこが自分にあっているのか判断するのは難しいと感じるでしょう。
今回の記事では、非鉄金属業界の基礎知識・年収ランキング・売上高ランキング・魅力・将来性をわかりやすくまとめました。
ぜひこの記事参考にして産業の土台としての社会的役割を担う非鉄金属業界で、自分に合った企業を探しましょう。
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非鉄金属業界の基礎知識

非鉄金属業界は鉄以外のすべての金属を取り扱う分野として、日本の産業を支える重要な位置を占めています。
非鉄金属は自動車・家電・電子機器など幅広い製品に使用され、市場規模は経済産業省によれば10兆円超と言われていますよ。
また非鉄金属業界は原料の鉱石を海外からの輸入に依存するため、為替や原料の国際市況の影響を受けやすいのが特徴です。
そのため、近年非鉄金属業界の各社は海外鉱山の権益取得やリサイクル技術の開発に注力し、安定した原料確保を目指しています。
参考:経済産業省「非鉄金属産業の現状と課題」
非鉄金属の分類・種類
分類 | 特徴 | 金属の種類 | 主な用途 |
---|---|---|---|
ベースメタル | 生産量が多く、価格が安価。産業の基礎となる金属材料 | アルミ・銅・亜鉛 | 建築材料・電線・輸送機器 |
プレシャスメタル | 希少性が高く、耐腐食性に優れる。高付加価値製品に使用 | 金・銀・白金族 | 装飾品・電子部品・医療機器 |
レアメタル | 産出地域が限られ、採掘・精製が困難。ハイテク産業に不可欠な材料 | チタン・リチウム・ニッケル | 航空宇宙産業・バッテリー・特殊合金 |
非鉄金属は、高い耐食性・防錆性、非磁性、軽量性と優れた電気・熱伝導性などの特性を持つのが特徴です。
非鉄金属業界の構造
非鉄金属業界は以下の表のように、上流から下流まで3段階の工程で構成される垂直統合型の産業構造です。
工程 | 内容 | 特徴・収益源 | 主な製品例 |
---|---|---|---|
上流工程 | 鉱物資源の採掘とリサイクル原料の収集 | 日本では原料のほぼ100%を海外輸入に依存 | 鉱石・リサイクル原料 |
中流工程 | 鉱石や金属スクラップを製錬し、高純度の地金を生産 | 製錬マージンが主な収益源 | 高純度地金 |
下流工程 | 地金を加工して最終製品を製造。圧延、押出、鋳造、鍛造、ダイカストなどの加工技術を使用 | 多様な製品を生産 | 電子部品・自動車部品・建材 |
業界全体で従業員数は約14万人を数え、産業機械・自動車・情報通信機器など他産業の基盤となる重要な産業ですよ。
今後は「脱炭素社会実現への取り組み」「電気自動車の普及」「5G通信」などで、さらに需要が拡大すると予測されています。
非鉄金属メーカー年収のランキングトップ5社

非鉄金属メーカー年収のランキングトップ5社は、以下のとおりです。
高年収でキャリアアップが望める、自分に最適な非鉄金属メーカーをランキングから探しましょう。
参考:金融庁「EDINET」
1. フジクラ(845万円)
会社名 | 株式会社フジクラ |
売上(2024年度3月期) | 7,997億円 |
本社所在地 | 東京都江東区木場1丁目5番1号 |
設立年次 | 1910年 |
フジクラは平均年収845万円を誇る非鉄金属業界の有力企業で、2023年と比較して75万円増を達成しています。
平均勤続年数17.2年と社員の定着率が非常に高水準なため、長期的なキャリア形成が可能な企業です。
福利厚生面では20代独身者向けの月1万円の寮や、都内単身者向けの月6万円までの借り上げ社宅制度などが充実しています。
社員数は約2,000名と小規模ながら、高い技術力で光ファイバーや自動車部品など高付加価値製品を手がけているのが特徴です。
2. 日本軽金属ホールディングス(841万円)
会社名 | 日本軽金属ホールディングス株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 5,237億円 |
本社所在地 | 東京都港区新橋1丁目1番13号 |
設立年次 | 1939年 |
日本軽金属ホールディングスは2024年3月期の平均年収841万円を記録し、非鉄金属業界でもトップクラスの給与水準です。
平均勤続年数31.93年は非常に高水準で、労働環境のよさや長期的な雇用を重視する企業文化が読みとれます。
従業員数は連結で12,489名、単体で81名と安定した規模を誇り、アルミ関連事業を中心に展開していますよ。
3. DOWAホールディングス(839万円)
会社名 | DOWAホールディングス株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 7,171億円 |
本社所在地 | 東京都千代田区外神田4丁目14番1号 |
設立年次 | 1937年 |
創業140年の歴史を持つDOWAホールディングスは、平均年収839万円と非鉄金属業界で第3位の給与水準となりました。
研究開発職・技術職の平均年収が高く設定されているため、専門的なスキルを磨きながら働きたい人にとって魅力的な企業です。
従業員数は連結で国内7,179名、海外4,238名を抱え、製錬・環境・リサイクル・電子材料などの分野で高い技術力を持っています。
4. 住友金属鉱山(823万円)
会社名 | 住友金属鉱山株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 1兆4,453億円 |
本社所在地 | 東京都港区新橋5丁目11番3号 |
設立年次 | 1952年 |
売上高1兆4,453億円の住友金属鉱山は、2024年3月期の平均年収が823万円と非常に高い水準を記録しました。
平均年齢が40.7歳と低めな環境のため若手社員の活躍機会が多く、良好な労働環境で平均勤続年数も17年と長めです。
住友金属鉱山は、以下の表のように役職によって大幅に年収がアップします。
役職 | 年収 |
---|---|
係長クラス | 835万円~905万円 |
課長クラス | 1,095万円~1,210万円 |
部長クラス | 1,315万円~1,515万円 |
福利厚生面では年2回約7か月分のボーナスにくわえ、人間ドック補助制度や非社宅補給金制度などが充実しています。
5. 住友電気工業(820万円)
会社名 | 住友電気工業株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 4兆4,028億円 |
本社所在地 | 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 |
設立年次 | 1897年 |
従業員約7,000名を抱える住友電気工業は、2024年度3月期の平均年収が820万円と前年比41万円増を実現しました。
平均勤続年数は17.5年で、「福利厚生の充実度」「労働環境のよさ」「社員の定着率の高さ」がうかがえます。導入されている役職に応じた明確な給与体系を、以下の表にまとめました。
役職 | 年収 |
---|---|
専門職 | 400万円~700万円 |
基幹職補 | 700万円~750万円 |
主査 | 750万円~900万円 |
主席 | 900万円~1,000万円 |
主幹 | 1,000万円~1,200万円 |
福利厚生面では「家賃の最大50%補助」「20日の年次有給休暇」「最大50日まで積立可能な休暇制度」などを整備しています。
2024年版!非鉄金属業界の大手企業売上高ランキングトップ10社

2024年版の非鉄金属業界の大手企業売上高ランキングトップ10社は、以下のとおりです。
- 1. 住友電気工業(4兆4,028億円)
- 2. JX金属(2兆1,167億円)
- 3. 三菱マテリアル(1兆5,406億円)
- 4. 住友金属鉱山(1兆4,453億円)
- 5. 古河電気工業(1兆565億円)
- 6. UACJ(8,927億円)
- 7. フジクラ(7,998億円)
- 8. DOWAホールディングス(7,171億円)
- 9. 三井金属鉱業(6,466億円)
- 10. 日本軽金属ホールディングス(5,237億円)
売上高から将来性や経営基盤について検討し、自分が活躍できるイメージを持てる非鉄金属メーカーを選びましょう。
参考:金融庁「EDINET」
1. 住友電気工業(4兆4,028億円)
会社名 | 住友電気工業株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 4兆4,028億円 |
本社所在地 | 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 |
設立年次 | 1897年 |
住友電気工業は2024年3月期が売上高4兆4,028億円となり、非鉄金属業界のトップ企業としての地位を築いています。
売上高の内訳は国内1兆6,648億円で37.8%、海外2兆7,380億円で62.2%とグローバルな事業展開が特徴です。
自動車関連事業では世界シェア25%を超えるワイヤーハーネスを主力製品とし、以下の分野でも高い競争力を持っています。
- 環境・エネルギー
- 情報通信
- 電子機器
- 産業素材の各分野
自動車用ワイヤーハーネス・防振ゴム・電力ケーブルの販売好調と円安効果により、売上高が過去最高を更新しました。
2. JX金属(2兆1,167億円)
会社名 | JX金属株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 2兆1,167億円 |
本社所在地 | 東京都港区虎ノ門2丁目10番4号 オークラ プレステージタワー |
設立年次 | 1905年 |
JX金属は2024年3月期に売上高2兆1,167億円を達成し、非鉄金属業界第2位の地位を確立しています。JX金属の事業は、資源開発、金属・リサイクル、機能材料・薄膜材料の3つの分野で構成されているのが特徴です。
とくに、半導体用スパッタリングターゲットでは、世界シェア60%を誇る圧倒的な競争力や技術力を持っています。
JX金属は2040年に向けた長期ビジョンを掲げ、「装置産業型企業」から「技術立脚型企業」への転身を進める見込みです。
3. 三菱マテリアル(1兆5,406億円)
会社名 | 三菱マテリアル株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 1兆5,406億円 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 |
設立年次 | 1950年 |
三菱マテリアルは2024年3月期に売上高1兆5,406億円を計上し、非鉄金属業界で3位にランクインしました。
三菱マテリアルの事業は、高機能製品・加工事業・金属事業・セメント事業・環境・エネルギー事業の5つから構成されています。
2024年は中期経営戦略2030の一環として、以下の3つの方針に三菱マテリアルは注力しています。
- 資源循環の拡大
- 高機能素材・製品供給の強化
- カーボンニュートラルの実現
2030年度には温室効果ガス排出量を47%削減する目標を掲げ、2045年度までにカーボンニュートラルを目指しています。
4. 住友金属鉱山(1兆4,453億円)
会社名 | 住友金属鉱山株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 1兆4,453億円 |
本社所在地 | 東京都港区新橋5丁目11番3号 |
設立年次 | 1952年 |
住友金属鉱山は2024年3月期に売上高1兆4,453億円を記録し、今回のランキングでは4位に入りました。
強みは資源・製錬・材料の3事業を一貫して展開する独自経営にあり、世界でも類を見ない垂直統合型の事業構造です。
資源事業では国内最大の金鉱山「菱刈鉱山」を100%保有し、2024年3月末時点で累計産金量268.5トンを達成しました。
また2030年に向けた長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」の実現に向けて、さらなる増産と成長を図っています。
5. 古河電気工業(1兆565億円)
会社名 | 古河電気工業株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 1兆565億円 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町2丁目6番4号 |
設立年次 | 1896年 |
古河電気工業は2024年3月期の売上高が1兆565億円と、非鉄金属業界で第5位の規模を誇る大手企業です。
インフラや機能製品といった事業に注力するとともに、主力である電装エレクトロニクス事業では売上高の61%を記録しました。
グローバル展開も積極的に進めており、海外売上高は5,452億円で全体の51.6%を占めるまでになりました。
現在は事業環境の変化に対応し、販売価格の適正化や原材料価格上昇への対策を進めながら、持続的な成長を目指しています。
6. UACJ(8,927億円)
会社名 | 株式会社UACJ |
売上(2024年度3月期) | 8,927億円 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1丁目7番2号 |
設立年次 | 2013年 |
UACJは2024年3月期に売上高8,927億円を記録し、非鉄金属業界で第6位にランクインしました。売上高は前年度比7.28%減の減収となりましたが、営業利益は313億7,800万円と前年度比で大幅に改善。
世界最高水準の板厚制御技術と世界最大級の大型圧延機を有する生産能力を強みとし、以下の分野で高い競争力を持っています。
- 板事業
- 自動車部品事業
- 押出・加工品事業
2024年は第4次中期経営計画において、素材提供企業から「素材+α」の付加価値提供企業への変革を目指しています。
7. フジクラ(7,998億円)
会社名 | 株式会社フジクラ |
売上(2024年度3月期) | 7,997億円 |
本社所在地 | 東京都江東区木場1丁目5番1号 |
設立年次 | 1910年 |
フジクラは2024年3月期の売上高が7,998億円と、非鉄金属業界で第7位の規模を誇る企業として存在感を示しています。
売上構成は情報通信・電子機器・自動車関連事業を主軸とし、グローバル展開によって海外売上高比率は約70%です。
業績面では営業利益695億円、経常利益697億円を達成し、純利益は510億円と3期連続で過去最高を更新。
将来に向けて核融合発電用の超電導線材事業にも注力しており、くわえて次世代エネルギー分野での展開も進めています。
8. DOWAホールディングス(7,171億円)
会社名 | DOWAホールディングス株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 7,171億円 |
本社所在地 | 東京都千代田区外神田4丁目14番1号 |
設立年次 | 1937年 |
DOWAホールディングスは2024年3月期に売上高7,171億円を達成し、非鉄金属業界ランキングで8位に入りました。
以下の5つの部門で事業が構成されており、売上構成比は「製錬42%」「電子材料25%」「金属加工16%」となっています。
- 環境・リサイクル
- 製錬
- 電子材料
- 金属加工
- 熱処理
カーボンニュートラルへの対応や新エネルギー関連製品の開発強化により、DOWAはさらなる成長を目指しています。
9. 三井金属鉱業(6,466億円)
会社名 | 三井金属鉱業株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 6,466億円 |
本社所在地 | 東京都品川区大崎1丁目11番1号 |
設立年次 | 1950年 |
三井金属鉱業は2024年3月期の売上高が6,466億円となり、非鉄金属業界で第9位の規模を誇る企業です。
2024年3月期に営業利益316億円・経常利益445億円・純利益259億円を達成し、前年比で大幅に利益が改善しました。
電子材料・金属・自動車部品の3つの主要セグメントで事業が構成され、極薄銅箔などの独自技術を活かした高収益製品が強みです。
モビリティ分野では電動車向けのバッテリー材料や軽量化部品の開発に力を入れ、環境負荷の低減と効率性の向上を目指しています。
10. 日本軽金属ホールディングス(5,237億円)
会社名 | 日本軽金属ホールディングス株式会社 |
売上(2024年度3月期) | 5,237億円 |
本社所在地 | 東京都港区新橋1丁目1番13号 |
設立年次 | 1939年 |
日本軽金属ホールディングスは2024年3月期の売上高5,237億円と、非鉄金属業界ランキング10位でした。
営業利益は182億円と前期比141.3%増、経常利益は190億円と前期比114.8%増と大幅な増益を達成。
2024年は自動車関連製品の需要回復やパネルシステム部門の好調で収益性が改善し、ROEが4.23%まで上昇しました。
米国での新工場操業や自動車部品事業の統合により発足した日軽金ALMOを通じて、グローバル展開も進めています。
非鉄金属業界ホワイト企業ランキングトップ5社

非鉄金属業界ホワイト企業ランキングトップ5社を、以下の表にまとめました。
順位 | 企業名 | 平均残業時間 | 平均勤続年数 | 福利厚生 | 平均年収 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 日本軽金属 | 5時間 | 31.93年 | ★★★★ | 841万円 |
2 | フジクラ | 27.5時間 | 17.2年 | ★★★★★ | 845万円 |
3 | DOWAホールディングス | 20.5時間 | 16.5年 | ★★★★★ | 839万円 |
4 | 住友金属鉱山 | 18.3時間 | 17年 | ★★★★★ | 823万円 |
5 | 住友電気工業 | 24時間 | 17.5年 | ★★★★ | 820万円 |
ランクインしたのはすべて大手企業であるため、平均年収は820万円~845万円の範囲で推移し、かなり高水準です。
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、正社員の平均年収は530万円のため、約300万円上回っています。
平均残業時間は日本軽金属が5時間と少なく、平均勤続年数では日本軽金属が31.93年と他社より約15年長いのが特徴的です。
福利厚生はフジクラ・DOWAホールディングス・住友金属鉱山が最高評価の5つ星を獲得し、充実した待遇を提供しています。
福利厚生の星の数については、健康経営優良法人・くるみん・えるぼしなどの各種認定制度に認定されている数で決定しました。
非鉄金属業界の市場動向

非鉄金属業界の市場動向を知るために注目するべきポイントは、以下の3つです。
非鉄金属業界の市場動向を押さえておき、将来性や自分のキャリアパスについて検討しましょう。
①国際市況と為替の影響
主要な非鉄金属の国際価格は、中国経済の不透明感や世界的な需要減少への懸念から、前期を下回る水準で推移しています。
一方、円安基調の継続により国内企業の収益は下支えされており、非鉄金属大手8社のうち5社が増益を達成。
欧米主要国の利上げ停止の可能性の高まりは、非鉄金属市況に影響を与える重要な要因の1つです。
銅鉱山の減産や事業再編の影響などもあり、2025年3月期は多くの企業が減益予想を発表し、慎重な見通しを示しています。
②需要と供給の変動
2024年は需給バランスが大きく変動し、金属種によって異なる市場動向を示しているのが特徴的です。
銅・亜鉛市場では「パナマの銅鉱山閉鎖による鉱山生産が伸び悩み」「生産トラブルが頻発」などで原料供給が不足しています。
一方、ニッケル市場は供給過剰の状態が続いており、多くの鉱山が安定的な生産を継続しているため価格下落が予測されていますよ。
2025年は銅・ニッケル・亜鉛のいずれも供給が需要を上回ると予測されており、市場関係者は需給動向の見極めに慎重です。
③製造プロセスの効率化と再エネ導入
非鉄金属業界では、製造プロセスの効率化と再生可能エネルギーの導入により、環境負荷の低減を進めています。
非鉄金属業界で進められている取り組みについて、以下の表にまとめました。
取り組み内容 | 詳細 |
---|---|
製造プロセスの効率化 | 高効率な炉の導入や最新の自動化技術の活用によりエネルギー消費を削減 |
デマンドレスポンスシステムの導入 | 電力需給にあわせた柔軟な操業体制を構築 |
再生可能エネルギーの活用 | 太陽光発電や風力発電を工場に導入し、製造過程をクリーンエネルギーに置き換え |
製錬プロセスの効率化 | 高効率な炉の開発や新しい触媒技術の研究により、製造過程でのエネルギー消費とCO2排出量の大幅な削減が期待される |
デマンドレスポンスシステムとは、電力需要に応じて消費者側の電力使用量を調整し、電力供給の効率化や安定化を図る仕組みのことです。
非鉄金属業界で働く魅力

非鉄金属業界で働く魅力やメリットは、以下のとおりです。
どういった魅力やメリットがあるのかを理解し、自分に適した仕事なのかどうかを見極めましょう。
①グローバルな活躍の機会
非鉄金属業界は海外売上高比率が50%を超える企業が多く、グローバルな活躍の機会が豊富に用意されているのが魅力です。
東南アジア・中国・欧州・米国・オーストラリアなど世界中で事業を展開しており、海外企業などとの取引機会が数多くあります。
加えて新卒1年目から海外出張の機会がある場合も多く、若手のうちからグローバルな視点でビジネスを学べますよ。
②安定した年収と福利厚生
非鉄金属業界の平均年収は630万円前後といわれており、正社員の530万円を100万円近く上回る高い水準です。
また、大手企業が多いため安定した雇用環境が整備されており、新卒者の職場定着率も高い傾向にあります。
福利厚生面では家賃補助や寮制度が充実しており、若手社員の住居支援が手厚いのも非鉄金属業界の特徴ですよ。
年功序列的な評価制度を採用している企業が多く、勤続年数に応じた着実な昇給が期待できるのも魅力の1つです。
③高い将来性
非鉄金属業界は2024年以降の電子機器産業の好転により、さらなる成長を期待されています。
AIやデータセンター投資の回復で電子材料などの需要が急速に拡大し、日本企業の高い技術力が世界市場で評価。
また、環境負荷の軽減に向け、非鉄金属スクラップ市場は年平均10.5%の成長が予測されているのも特筆すべき点です。
ほかにも、電気自動車の普及でバッテリー材料や軽量化部品の需要が拡大し、事業拡大の機会が多く存在します。
さらに、脱炭素化の流れを受け、「グリーン製品の開発」「環境配慮型の製造プロセス」といった市場機会の広がりも見逃せません。
④多様な職種とキャリアパス
非鉄金属業界では技術系総合職から事務系総合職まで、幅広い職種でのキャリア形成が可能です。
非鉄金属業界の多様な職種の一例を、以下の表にまとめました。
職種 | 概要 |
---|---|
技術系総合職 | 材料・部材の研究開発から量産化までの技術全般を担当し、製品の特性や性能を評価 |
研究開発職 | 新機能製品や金属加工技術の開発を担当し、市場動向や顧客ニーズを分析して革新的な製品開発を推進 |
製造部門 | 原材料の製錬から加工までを担当し、品質管理や生産効率の向上に貢献 |
営業職 | 製品提案や顧客ニーズの把握を担当し、技術知識とコミュニケーション力を活かして活動 |
生産管理職 | 原材料の調達から生産管理までを行い、安全性と効率性を重視した現場マネジメントを担当 |
キャリアパスとしては技術系のエキスパートコースと、マネジメント層を目指す総合職コースの2つの方向性があります。
非鉄金属業界における自分の適性を見極めて、どういった方向性のキャリアパスを描くのか検討しましょう。
⑤やりがいを感じられる高い社会貢献性
非鉄金属業界はさまざまな産業の土台であり、環境保護と産業発展の両立を実現する重要な社会的役割を担います。
非鉄金属業界でのさまざまな取り組みの一例を、以下の表にまとめました。
取り組みのテーマ | 概要 |
---|---|
資源リサイクルの推進 | 鉱物資源の節約と廃棄物削減を通じ、地球環境保護に貢献 |
先住民との対話 | 相互理解を深めながら、資源確保と素材の安定供給を実現し、産業や社会の発展に貢献 |
環境負荷低減技術の推進 | 電気自動車用次世代電池や軽量化部品の開発を通じ、脱炭素社会の実現に貢献 |
SDGs・カーボンニュートラル実現 | 2030年のSDGs達成と2050年のカーボンニュートラル実現に向けた行動計画を策定・実行 |
非鉄金属業界各社は2030年に向けたSDGsの目標達成や、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて取り組んでいます。
高い社会貢献性を持つ非鉄金属業界の仕事は、社会の土台を支え発展させる取り組みが多く、やりがいを感じられるでしょう。
非鉄金属業界の今後の将来性

非鉄金属業界の今後の将来性をひもとくためのポイントは、以下のとおりです。
非鉄金属業界の将来性について検討し、自分が長期にわたって働ける仕事かどうかを見極めましょう。
①脱炭素社会への貢献
非鉄金属業界は2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、革新的な技術開発と環境負荷低減の取り組みを推進しています。
たとえば、製造過程では高効率な炉の導入や廃熱回収システムの活用し、エネルギー消費とCO2排出量の削減を実現しました。
リサイクル分野では、アルミ二次合金の生産にかかるCO2排出量を約30分の1に削減する技術も開発されています。
ほかにも、低CO2ニッケル新製錬法・直接リチウム抽出法など、温暖化ガス削減技術の実用化に取り組んでいますよ。
参考:日本鉱業協会「非鉄金属製錬業界における地球温暖化対策の取組」,日刊産業新聞「脱炭素社会へー切り開く未来ー非鉄編(1) リサイクル アルミ二次合金・地金 資源・環境保全に貢献 再生原料使用自体が付加価値」
②海外市場への進出の活発化
非鉄金属業界は国内需要の減少を背景に海外市場への進出を積極的に展開しており、海外売上高も増加しています。
たとえば、日本の非鉄金属メーカーが進めている海外市場への進出事例は、以下のとおりです。
企業名 | 海外進出の概要 |
---|---|
住友金属鉱山 | ケブラダ・ブランカ銅鉱山の大型プロジェクトに参画し、銅精鉱の生産立ち上げを進めている |
三菱商事 | ケジャベコ銅鉱山の開発プロジェクトに参画し、銅精鉱の生産を開始している |
UACJ | 世界第3位のアルミ圧延能力を獲得し、日系自動車メーカーとの関係を活かして海外展開を加速 |
住友電気工業 | シーメンスと提携し、大規模送電システムを欧州・アジア市場で展開 |
古河電気工業 | 北米・アジア・インドで通信用光ファイバー事業を展開 |
非鉄金属業界は新興国の人口増加に伴う需要拡大が見込まれており、さらなる海外展開の加速が予想されます。
MONOist「三菱電機と住友電工、車載製品分野での協業を開始」,三菱商事株式会社「三菱商事、次世代電力供給ネットワークに関する取り組み」,住友電気工業株式会社「住友電工、2021年3月度プレスリリース」,古河電気工業株式会社「古河電工インフラグループの紹介」,株式会社UACJ「UACJの事業戦略 | 採用情報」
③リサイクル技術の向上による成長
非鉄金属業界のリサイクル技術は、「AIや機械学習の導入」「新技術の開発」により飛躍的な進化を遂げています。
リサイクル技術の向上を示す事例を、以下の表にまとめました。
技術・仕組み | 概要 |
---|---|
ハイドロメタルジー・バイオリーチング | 環境負荷を抑えつつ高い金属回収率を実現する新しい抽出技術 |
AI自動選別システム | 金属廃棄物からの有価金属抽出を迅速かつ正確に行い、リサイクル効率を向上 |
クローズドループリサイクル | 製品ライフサイクル全体の廃棄物を新たな製品として再生する循環型モデルを構築 |
世界の非鉄金属リサイクル市場は2021年の2億5,889万ドルから、2030年には3億3,825万ドルに達すると予測されています。
参考:Global Market Research and Industry Analysis「Global Non-ferrous Scrap Recycling Market Share, Analysis and Forecast to 2031」
非鉄金属業界の優良企業をランキングで探そう!
非鉄金属業界は鉄以外のすべての金属を扱う分野として、日本の産業を支える重要な位置を占めます。
業界構造は上流から下流まで3段階の工程で構成され従業員数は約14万人、平均年収は630万円前後です。
今後は「脱炭素社会の実現」「電気自動車の普及」「5G通信の発展」などで、さらなる需要拡大が期待されています。
非鉄金属業界への就職を検討している人は、将来性や福利厚生を確認し、自分にあった企業をランキングから探しましょう。
このメディアの監修者
rina
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