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【例題付き】そもそもGABとは?|テストの種類や対策方法も解説

適性検査のひとつであるGABを、新卒採用に取り入れる企業が増えてきています。ただ、他の適性検査とどのような違いがあるのか、どう対策すればいいのか、わからない点も多いのではないでしょうか。

本記事では、そもそもGABとは何なのか、他の適性検査との違いや対策方法について、例題も交えながら詳しく解説します。これから就活を始める方はぜひ参考にしてみてください。

そもそもGABとは?

GABとは、日本エス・エイチ・エル株式会社が提供している「Graduate Aptitude Battery(総合適性診断テスト)」の略称です。

主に総合商社や専門商社、証券・投資などの新卒総合職採用においてよく利用されている、受験者の知的能力や性格を測定する適性検査です。

高得点を獲得するには論理的思考力が求められること、問題数に対して制限時間が短くスピードも要求されることから、適性検査の中でも難易度が高いテストだといわれています。

他の適性検査との違いを解説

就職活動によく用いられる適性検査は、GABの他に下記の2つがあります。

  • SPI
  • CAB

CABはGABと同じ日本エス・エイチ・エル社が開発・販売している適性検査で、SPIは株式会社リクルートキャリアが提供している適性検査です。

ここではGABとSPIの違い、GABとCABの違いについて解説します。

①GABとSPIの違い

SPIは新卒採用で最もよく使われている適性検査です。SPIは熟語の意味や語句の用法、四則演算など、中高生レベルの基礎的な問題がメインです。難易度は低めですが、その分、ひとつひとつの問題を正確に解くことが求められます。

一方GABは、長文を読んで理解度を問われたり、グラフや図表を読み取って計算をして回答したりと、より論理的思考が必要となります。

さらに制限時間が短いため、正確さだけでなく回答スピードも重要です。全体的にSPIよりもGABの方が難易度が高いものとなっています。


②GABとCABの違い

一方CABは、主にシステムエンジニアやプログラマーなどコンピューター職への適性を測る検査のひとつです。

コンピューター言語への適応度やプログラミングにおけるデバッグ能力などをチェックするため、IT系の企業がよく利用する適性検査です。

GABやSPIで出題される「言語理解」がCABにはなく、暗算・法則性・命令表・暗号といった数学的な思考力を必要とする問題がメインです。そのため「難易度が高いGABを勉強すればCABもできる」わけではありません。CABはまた別に対策が必要だと考えるべきでしょう。

GABは3種類の受験方法がある

GABの受験方法は、下記の3パターンに分かれています。

  • GAB:企業が用意した会場で受験
  • C-GAB:テストセンターで受験
  • WebGAB:自宅で受験

受験会場だけでなく、テスト方式や問題数・回答時間にも違いがあります。

もし受験方法を選べるのであれば、最も自分がやりやすい方法で検査に臨みたいですよね。そのためにも3つの違いをしっかり押さえておきましょう。

①GAB

企業が指定する会場に行って受験するパターンです。テスト形式はマークシート方式の筆記試験となり、パソコンは使用しません。電卓の使用が許可されているため、必ず持参しましょう。

制限時間は90分で、言語理解テストが25分間、計数理解テストが35分間、性格適性検査テストが30分間となっています。問題数は公表されていません。

筆記試験なのでまず先に出題冊子の全体を確認し、ペース配分をおおまかに決めてから取りかかるのがおすすめです。

②C-GAB

全国に300ヶ所以上あるテストセンターに行って、設置されているパソコンで受験するパターンです。テストセンターでは不正防止のため、写真撮影を含む本人確認があります。電卓の使用はできません。

C-GABの特徴として英語の問題があることと、性格適性検査テストは事前に自宅で受験することが挙げられます。

制限時間は45分で、例題5分、言語理解テストが15分(32問)、計数理解テストが15分(29問)、英語が10分(24問)です。

③WebGAB

自宅のパソコンを利用して、Web上で受験するパターンです。電卓の使用が許可されていますので、準備して臨みましょう。

試験中に通信が切断されてしまわないよう、インターネット環境をしっかりと整えておくことも大切です。

制限時間は言語理解テストが25分(52問)、計数理解テストが35分(40問)です。そのあと性格適性検査テストが68問出題されますが、こちらは全問回答が条件となっており、制限時間は設けられていません。

GABの知的能力検査3種類の例題と解説

ここでは、実際にGABではどのような問題が出題されるのか、例題をまじえて解説します。下記の3種類に分けて具体的に見てみましょう。

  • 言語理解テスト
  • 計数理解テスト
  • 英語

①言語

言語理解テストは、300~600文字程度の長文読解問題です。単語や文章を記述して回答するのではなく、問いの文章が本文に「合致している」「合致していない」「合致しているとも、合致していないとも言えない」といった3択から回答します。

【例題】

▼本文
「多くの企業では、夏休みに学生を雇うことにメリットがあると考えています。常勤のスタッフの多くは、この時期に休暇を取ることを希望します。また、夏季が繁忙期に当たり、追加のスタッフを必要とする企業は少なくありません。夏休みの雇用を通じて学生を引きつけることによって、卒業時に十分な資格を得た新入社員として企業に戻ってくることが期待できます。学生が企業についてより多くのことを学べるようにすることで、常勤で働くことに関心を持たせることができます。企業は、通常の有給休暇または病気休暇の権利を与える必要なしに、固定給を学生に支払います。」

▼問題
問1 休暇中の常勤スタッフは、その仕事を学生に行わせることができる。
問2 夏休みに雇用された学生には、常勤スタッフと同じ有給休暇手当が支払われる。
問3 学生は、企業の標準的な懲戒および苦情申し立て手続きに従う。
問4 一部の企業では、学生が夏休みのアルバイトを求める時期にちょうど仕事が増える。

▼選択肢
A:この文には正しい内容が含まれている
B:この文は間違っている、本文の内容と一致しない
C:本文の内容から正しいか間違いかを判断できない
引用:GABの出題内容と対策方法を徹底解説!|JAIC

【回答】

問1:A 問2:B 問3:C 問4:A

ひとつの長文問題に4つの問いが出題され、WebGABの場合だと全52問出題されるので、長文が13問出てくるということです。制限時間は25分なので、1問30秒ほどで回答しなければなりません。

②計数

計数理解テストは表やグラフが出題され、営業利益率や割合などを計算して回答します。こちらも選択式となっており、具体的な数値を記載して回答することはありません。

【例題】

S社の月別業績推移(2020年)

4月5月6月7月8月
売上高(百万円)4,0006,0008,0009,50010,200
営業利益(百万円)6007008409201,000
2021年の売上高の同月前年度比(%)20-1013-12-5

【問】2021年におけるS社の売上が最も高かったのは、4~8月のうちで何月か。

  • 4月
  • 5月
  • 6月
  • 7月
  • 8月

【回答】

2023年の売上は、例えば4月なら前年度比20%増加なので、4,000×120%(1.2)=4,800、5月なら10%減少なので6,000×90%(0.9)=5,400、といった形で計算します。正解は8月(10,200×0.95=9,690)です。

売上だけでなく営業利益率もすぐに出せるようにしましょう。基本的には割合、前年比基礎、グラフの読み取りなどの理解力が必要です。

③英語

C-GABには英語問題も出題されます。こちらも言語理解テストと同様に長文問題です。

問いの文章が本文に「合致している(TRUE)」「合致していない(UNTRUE)」「合致しているとも、合致していないとも言えない(You CANNOT SAY whether the statement is true or untrue, or follows logically, without further information)」の3択から回答します。英単語などを記述して回答する問題はありません。

【例題】

Read the text and choose the best description for each of the questions that follow.

 Japan hopes to keep its population above 100 million,but recent government data suggests this may be a losing proposition. The number of births in Japan fell by 7,400 to a record low of 1,029,800 in 2013, according to data released Wednesday by the Ministry of Health,Labor and Welfare. Deaths increased by 12,000 to 1,268,400, resulting in a natural population decline of 238,600-an all-time high.
Even though the total fertility rate-the average number of children born to a woman over the course of her lifetime-rose 0.02 percentage point from 2012 to 1.43 last year, Japan’s population is expected to continue shrinking.

(Q) Japan’s natural population decline in 2013 was greater than ever before.

A. The statement is patently TRUE or follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
B.The statement is patently UNTRUE or the opposite follows logically, given the information or opinions contained in the passage.
C.You CANNOT SAY whether the statement is true or untrue, or follows logically, without further information.
引用:GABとは|問題例や解き方、対策方法|OfferBox

問題は「2013年の日本の人口の自然減少数は過去最大であった」が正しいかどうかです。

本文の3つめの文章に『Deaths increased by 12,000 to 1,268,400, resulting in a natural population decline of 238,600-an all-time high.』(死亡数は1万2,000人増えて126万8,400人となり、人口の自然減少数は 23万8,600人で史上最高という結果になった)』とあるため、正解はA(TRUE)となります。

英語の長文をただ読めばいいだけでなく、さらに論理的思考も必要になります。

GABの効果的な対策方法3つ

SPIよりも難易度が高いGABですが、それではどのような対策が必要となるのでしょうか。ここでは、GAB対策として重要なポイントを3つ紹介します。

  • 回答スピードを上げる
  • スキマ時間を活用する
  • テストの種類を確認しておく

ひとつずつ詳しく解説します。

①問題集になれて回答スピードをあげよう

上記で紹介した例題の通り、言語理解テストや英語は長文読解力が、計数理解テストでは表やグラフを読み取って計算をする能力が求められます。

さらにGABは問題数に対して制限時間が短いという特徴があるため、問題集をどんどん解いて出題傾向に慣れ、回答スピードを上げていくことが大切です。

制限時間はあらかじめわかっていますので、日頃の勉強からタイマーを利用するのもおすすめ。正解率はもちろんですが、回答スピードも重視して取り組みましょう。

②スキマ時間を有効活用しよう

言語理解テストは長文読解なのでまとまった時間で勉強することになりますが、計数理解テストや英語の勉強はスキマ時間を活用するのがおすすめです。

例えば英語であれば、長文読解に必要となるのは単語力です。単語帳や参考書、アプリを利用すれば、電車で移動中などのスキマ時間にも勉強ができます。

また計数理解テストは、数値や表記が変わるだけで、表やグラフにはパターンがあります。問題数をこなして慣れることが重要ですので、1日15~30分と短い時間でも毎日コツコツと反復学習をしましょう。

③エントリー前にテストの種類を確認しておこう

上記「GABは3種類の受験方法がある」の項目でも触れましたが、GABには種類があり、受験場所や出題内容にも違いがあります。応募予定の企業がどのスタイルでGABを実施しているのかは必ず確認しておきましょう。

自宅でのWebGABだと思っていたらテストセンターに行く必要があった、昨年まではGABだった企業が今年からC-GABになったから英語も勉強しないといけなくなった、など予定外なことも起こりかねません。エントリー前にしっかりと調べておくのがおすすめです。

GAB対策におすすめの参考書3つ

GAB対策の問題集や参考書はかなり種類があるので、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。ここでは、当サイトおすすめの参考書を3冊紹介します。ぜひ参考書選びの参考にしてみてください。

  • これが本当のCAB・CABだ!(2025年版)
  • 最新最強のCAB・GAB超速解法(2025年版)
  • CAB・CAB完全対策(2025年版)

①これが本当のCAB・GABだ!(2025年版)

人気の「本当の就職テスト」シリーズから出ている、最新版のCAB・GAB対策本です。2025年度版にあたる今作では大改訂がされ、ほぼすべての問題をリニューアル。より効率的に学習できるようになりました。

GABだけでなくCABやWeb-CAB対策、簡易版の総合適性検査であるIMAGES(イメジス)対策にも利用できます。

実際の出題範囲や出題内容を忠実に再現しており、問題数の多さ・解説の丁寧さにおいて評価が高い一冊です。

②最新最強のCAB・GAB超速解法(2025年版)

こちらもGABだけでなく、CABやIMAGESの対策も一緒にできる参考書です。問題形式をできるだけ実際のテストに近い形で掲載。本番さながらの練習問題に取り組めます

GABについては、GABの概要解説や出題パターン分析、攻略テクニックと問題集を収録。C-GABについての出題形式や問題も掲載されています。解答欄を隠せる赤シートが付いているのも便利です。

GABと同じ日本エス・エイチ・エル株式会社が開発した性格検査「OPQ」の出題形式や模擬問題も入っています。

③CAB・CAB完全対策(2025年版)

CABとGABに対応した参考書で、実際のテストの難易度に近い問題を数多く収録しています。

また、高得点を獲得するための必勝テク「カンタン攻略法」も紹介されているので、スムーズに問題を解くコツを掴みたい方におすすめです。

内容はPart1がCAB(概要/暗算/法則性/命令表/暗号)、Part2がGAB(概要/計数/言語)、Part3が性格の3部構成。はじめてGAB対策をする入門編としてもおすすめの一冊です。

GABはしっかり対策して本番に備えておこう

多くの企業が取り入れている適性検査「GAB」について、テストの種類や出題内容を詳しく解説しました。

GABはSPIよりも難易度が高く、論理的思考と回答スピードが要求されるテストです。ぜひこの記事を参考に、しっかりと試験対策をして挑戦してみてくださいね。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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