エントリーシートは、就活での書類選考の第一歩になります。中でも自己紹介は、エントリーシートで最初に採用担当者に見られる部分。軽く流してしまうとエントリーシートの段階で落とされてしまう可能性があります。
本記事では、自己紹介の書き方や例文を紹介します。エントリーシートの自己紹介にじっくり取り組んで、他の就活生と差別化を図るようにしましょう。
自己紹介で企業からの第一印象が大きく変わる!
面接にはたくさんのエントリーシートが提出されるため、採用担当者が読みたくなるような内容の自己紹介を書くことが大切です。
エントリーシートの後ろにある自己PRに印象深いことが書かれていても、初めの自己紹介でつまずいてしまうと、そこまで読んでもらえません。
自己紹介文で好感度をアップできれば、その後の選考でもプラスになるでしょう。自己紹介はエントリーシートのトップにくる内容です。自己紹介で第一印象が大きく変わることを理解しましょう。
自己紹介と自己PRは異なる
エントリーシートに記入していると「自己紹介」と「自己PR」という2つの欄が出てくることがあります。自己紹介と自己PRを混同してしまう人も多いようです。
自己紹介は、自分の基本情報を伝えるもので、経歴や今までやってきたことなどを紹介するのが目的です。自分に関する情報だけで簡潔にまとめます。
自己PRは、自分の強みや企業にアピールする点を紹介します。たとえば、自分を商品に見立て、企業にとってどれだけ役に立つのかを売り込む部分といっていいでしょう。
自己紹介と自己PRの目的の違いを理解して、それぞれ内容が被ってしまわないように注意しましょう。
企業がエントリーシートの自己紹介で見ている2つのポイント
エントリーシートの自己紹介は、通常300文字程度です。この短い文章の中で採用担当者は何を見ているのでしょう。採用担当者が重要視しているポイントがわかれば、的外れではない印象に残る自己紹介が書けますよ。
- 人間性
- 論理的思考力
人間性
企業の採用担当者は、たくさんのエントリーシートの自己紹介で「人間性」を見ています。「エントリーしてきた人と一緒に仕事がしたいと思えるか」を自己紹介の中から判断しているのです。
会社という組織は、信頼関係で成り立っています。そのため、人間性を非常に重要視しています。いくら優秀な学生であっても、人間性に問題がある場合は、採用しないことが多いようです。
自己紹介では、少しでも人間性が伝わり好印象を持ってもらえるような内容を考えましょう。
論理的思考力
社会人になると必然的に論理的思考力が求められます。自己紹介は、短い文章のなかで基本情報を伝えなくてはなりません。そのためには、的確な構成と言葉選び、わかりやすい文章の流れが必要になります。
まだまだ未熟な学生ですが、論理的思考力がベースにしっかりあって、これから磨けば光る要素があるかどうかを採用担当者は見極めようとしています。
エントリーシートの自己紹介の基本構成
エントリーシートの自己紹介では、一般的な基本構成があります。それぞれの内容には押さえておくべきポイントがあります。何を書いたらいいのか、どのような内容にしたらいいのかを確認しましょう。
- 大学名・学部・学科
- 氏名
- 学生生活で力を入れたこと
- 簡潔な自己PR
- 意気込み
①大学名・学部・学科
大学名・学部・学科は正式名称で記入します。誰でも知っているだろうと、例えば「東京大学」を「東大」と省略するのはマナー違反です。間違えて覚えていることもあるので、正式名称を大学のHPなどで確認するといいでしょう。
また、複雑で学部や学科の内容がわかりにくいケースもあります。その場合には、どのようなことを学んでいるのかを添えて記入すると伝わりやすくなるでしょう。
②氏名
エントリーシートの上部には、氏名を書く欄があります。自己紹介の欄にも氏名を書いておくと丁寧です。自己紹介の欄に氏名を書いておくことで、採用担当者の記憶に残るかもしれません。
自己紹介の欄に氏名を記入することにより、自己紹介の内容と氏名がリンクすることもあります。
③学生生活で力を入れたこと
自分の人物像を浮き上がらせるためにも、学生生活で力を入れたことは積極的に記入しましょう。大学で学んだことだけでなく、サークル活動、資格の取得、アルバイトの経験など力を入れたことであればなんでもOKです。
特殊な専門的内容になるときには、採用担当者がわかりやすいように、一般的な言葉に置き換えた表現にすると伝わりやすでしょう。
④簡潔な自己PR
自己PRの欄は別に設けられていることが多いので、自己紹介では前振りとして少しだけ触れておくといいでしょう。自己PRである趣味や特技、強みといった内容に触れる必要はありません。
キーワード程度に留めることで、自己PRへの流れもスムーズになります。
⑤意気込み
意気込みは、エントリシートの「志望動機」と内容が被ってしまうことがあります。採用担当者へのアピールが強すぎると、自己紹介のはずが意気込み紹介になってしまいます。
意気込みは自己紹介の締めで使うといいでしょう。たとえば「御社の〇〇に魅力を感じ、エントリーさせていただきました。」などです。
エントリーシートの自己紹介の書き方5つ
エントリーシートの自己紹介を作成する前には、押さえておきたいポイントがいくつかあります。それは、採用担当者に伝わりやすいかどうかということです。エントリーシートを書く前に確認しておきましょう。
- 伝えたいポイントを決める
- 簡潔な文を書く
- 具体的な内容を書く
- 企業のニーズと結びつける
- 結論から書く
①伝えたいポイントを決める
採用担当者に伝えたいポイントを決めることです。志望企業への思いが強く、たくさんのことをアピールしたいという気持ちもあるでしょう。しかし、たくさんのことを盛り込み過ぎてしまうと何を主張したいのか、採用担当者に伝わらなくなってしまう恐れがあります。
自己紹介では、基本的な名前・学校・学部以外の要素は1つか2つに絞って選ぶようにしましょう。
②簡潔な文を書く
自己紹介は、簡潔な文章を心がけましょう。同じ文章を何度も繰り返さない、ひとつの文を長くし過ぎない、難しい語句は使わない、まわりくどい表現はしないなどです。
自分でも何度か読み返して、引っかかるところや削った方がいいところなど、徹底的に添削しましょう。また、自分だけでなく家族や友人などにも読んでもらった方がブラッシュアップしやすくなります。
③具体的な内容を書く
採用担当者の中には、オリジナリティーを重視する人も多くいます。エントリーシートのマニュアル通りに書かれた自己紹介では、印象に残りません。
オリジナリティーの高い自己紹介を書くためには、その人が実際に経験した具体的なエピソードなどを盛り込むといいでしょう。
たとえば、資格を持っているだけでなく、資格を取るための苦労や挫折など具体的に表現できれば、人間性をアピールすることができます。
④企業のニーズと結びつける
自己紹介を企業のニーズと結びつけるのもひとつのテクニックといっていいでしょう。企業が求めている人材であることをさりげなくアピールした内容にします。企業のニーズと結びつけるためには、さらなる企業分析や業界研究が必要になってきます。
ただし、無理に企業側のニーズに合わせてしまっては、入社したときのミスマッチにつながってしまいます。あくまでも、自分に正直になりながらマッチポイントを見つけてください。
⑤結論から書く
簡潔に要点をまとめ、相手に伝わりやすく書くポイントは、結論から書くことです。
最初に結論を伝えることによって、相手に「この人はこういうことを言いたいんだな」と目星がつきます。
次に理由と結論を裏付けるエピソードなどを盛り込むことで、自己紹介に厚みが出ます。再び最後に結論を強調して締めましょう。
多くのエントリーシートに目を通さなければならない採用担当者にとって、最後まで結論がわからない自己紹介は印象が悪くなります。
エントリーシートの自己紹介の3つの注意点
エントリーシートは、企業に対して提出する重要な書類です。提出先の企業に失礼のない書類を出すことは、社会人のマナーとして当たり前のこと。書き終えたからといって安心せず、何度も読み返してチェックをしましょう。ここでは、やってしまいがちな注意点をピックアップしました。
- 誤字脱字は必ずチェックする
- 話し言葉を使わない
- 文字数を意識する
①誤字脱字は必ずチェックする
自己紹介の文章がいくら魅力的であっても、誤字脱字があると評価は下がってしまいます。確認不足、注意力散漫、いい加減といった悪い印象を持たれてしまうからです。提出前に何度も読み返してチェックしましょう。
とくにうろ覚えの漢字は、辞書を引いて確認することが大切です。また、パソコン入力の場合は、変換ミスにも注意しなくてはなりません。
誤字脱字は、意外と目立ってしまいます。誤字脱字のないように完成度を高めましょう。
②話し言葉を使わない
普段あまり文章を書き慣れていない人に多いのが、話し言葉を使ってしまうことです。
たとえば「ら」抜き言葉です。「見られる」を「見れる」、「食べられる」を「食べれる」と書いてしまうなどは、話し言葉と書き言葉を混同しています。
このような文章を自己紹介で書いてしまうと、面接担当者は「教養がない」と判断してしまうでしょう。知らず知らずに使っていることもあるため、意識して読み返してくださいね。
③文字数を意識する
文字数を意識するようにしましょう。400文字程度で自己紹介を書くように指示されている場合、9割程度を目指します。文字数が少ないと、余白が目立ってしまい、やる気がないと採用担当者に思われてしまいます。
文字数は自己紹介の構成にも関わってくるので、文字数のバランスを考えながら作成すると読みやすい自己紹介が書けますよ。
エントリーシートの自己紹介の例文4選
自己紹介の内容は、大学名、学部、氏名など基本的な情報にプラスして高評価につながる内容にすると採用担当者の目に留まりやすくなります。具体的にどのような内容をプラスしたらいいのか、例文を紹介します。
- 資格
- 研究課題
- 学生時代に力を入れたこと
- 趣味
①資格
応募する企業の業務内容に関わる資格を持っている場合は、自己紹介の中でアピールしましょう。仕事内容とあまり関係のない資格でも、取得に対する努力をアピールするのがおすすめです。
<例文>
〇〇大学△△学部の□□です。高校時代から美術部に所属し、色彩に興味を持ちました。大学では色彩検定1級を取得し、自信を持って色を選ぶことができるようになりました。この資格をインテリアを取り扱う御社で活かすことができたらと思います。 |
②研究課題
大学での研究課題に関係する業種に応募する場合、自己紹介で簡単に触れておいた方が有利になります。専門用語を多用すると採用担当者に伝わらない可能性もあります。キーワードを考えながらわかりやすくアピールしましょう。
<例文>
〇〇大学△△学部の□□です。大学では材料学を専攻し、ゼミでより深く学ぶことができました。現在御社が研究・開発されている〇〇素材に非常に興味を持っており、今までの研究成果を活かすことができればと考えております。 |
③学生時代に力を入れたこと
「学生時代に力を入れたこと」は自己紹介でも頻出するため、高評価を得るためには題材選びがポイントとなります。自分の価値観をわかりやすく文章にしましょう。
<例文>
〇〇大学△△学部の□□です。私は、中学生から大学生まで10年間空手を続けてきました。ハードな練習に弱音を吐きそうになりながらも、高校ではインターハイにも出場することができました。空手で身につけた体力と精神力、そして礼儀を武器に御社の営業職に就きたいと考えております。 |
④趣味
趣味といってもかなり専門的な趣味もあります。また、趣味には個性や人柄も投影されるため、趣味をアピールすることで、性格や価値観を伝えられます。
<例文>
〇〇大学△△学部の□□です。私は旅行が趣味で、日本国内を始め、海外のさまざまな国に旅行に行きました。その土地ならではの料理に興味を持ち、材料や作り方などをコレクションしてきました。食を大切にしている御社の理念に共感し応募しました。 |
エントリーシートの自己紹介で周りに差をつけよう!
エントリーシートの自己紹介は、最初に企業が目にする項目です。そのため自己紹介の内容によって企業の第一印象は変わってきます。手を抜かず、企業が興味を示すような内容を心がけましょう。
自己紹介で企業が見ているポイントは「人間性」と「論理的思考力」です。また、最初の「つかみ」である自己紹介で採用担当者に興味を持ってもらえれば、周りに差をつけられます。面接への道は大きく開けるでしょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。