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航空業界への就職は業界理解が重要!職種や向いている人の特徴も解説

航空業界に興味があるけど、詳しく知らないという人は多いでしょう。

就職を志望するのであれば業界について理解を深めることが重要です。職種はさまざまで、仕事内容や必要な資格なども全く異なります。また、どのような人物像が求められるのかも気になりますよね。

今回は、航空業界の職種や向いている人の特徴、現状や課題についてご紹介します。

航空業界の市場の特徴と収益構造

航空業界には「飛行機を運行する航空会社」「離着陸する空港を運営する会社」「システムや建物の管理をする関連した会社」があり、他の業種と比べて独自の市場の特徴や収益構造があります。それぞれ1つずつ解説していきます。

  1. 市場の特徴
  2. 収益構造

①市場の特徴

航空業界はインフラ業界とも呼ばれており、国民にとって生活の基盤となる必要不可欠な機関です。その理由は、人だけでなく国内外に物流を輸送するサービスを行っているからです。

生鮮食品や医薬品、半導体といった身の回りにある多くのもの運んでおり、そのおかげで私たちの生活が成り立っています。

ビジネスや旅行で人を運ぶだけでなく、さまざまな生活必需品を届けてくれる、生活に欠かせない機関のひとつといえるでしょう。

②収益構造

航空業界の収益には2種類のビジネスモデルがあります。

  1. 航空業界が旅行代理店を介してサービスを提供する
  2. 航空業界が旅行代理店を介さないでサービスを提供する

例えば、旅行代理店で「往復航空券+宿泊費」といったセットプランをよく見かけませんか。これには付加価値がついているため、初心者や旅行先に詳しくない人が購入することが多いプランです。

一方で、航空会社から直接航空券を購入する人も多く、自由な旅行を求めている人に人気があります。

最近では、旅行先で気ままに過ごしたいという需要がより高まっており、さまざまなニーズに応えられるようにサービスを提供しています。

航空業界の10の職種

航空業界に関わっている職種はたくさんあり、必要な資格やスキルが異なります。仕事の内容だけにとどまらず、勤務スタイルも大きく異なるためしっかりと確認しておきましょう。

  1. パイロット
  2. 客室乗務員
  3. グランドスタッフ
  4. 航空整備士
  5. ディスパッチャー
  6. グランドハンドリング
  7. 航空管制官
  8. 入国審査官
  9. 税関職員
  10. 事務職

①パイロット

パイロットは、飛行機の操縦を行い目的地まで乗客や荷物を輸送します。

【パイロットの主な仕事】

  • 飛行機の操縦
  • 客室乗務員らと共にフライトプランや気象情報の確認
  • フライト後は機体の状態を整備しに報告

人の命を預かる非常に重要な職種であり、国家資格の「定期運送用操縦士」が必要です。資格をとるためには、航空会社に就職してから取得する方法と、航空大学校に入学してから在学中に取得する方法の2通りがあります。

②客室乗務員

客室乗務員は、フライト中の顧客が快適に過ごせるように、さまざまなサービスを行ってサポートする仕事です。

よく目にする業務に、手荷物の収納やシートベルト着用の確認、機内食の準備といったサポートがありますが、それだけではありません。機内での事故を防いだり、トラブルを対処したりと顧客の安全を守る保安要員でもあります。

【客室乗務員の主な仕事】

  • 機内アナウンス
  • 機内販売
  • 機内の設備確認
  • 顧客への飲み物や食べ物の提供
  • 非常時の誘導

仕事の性質上、早朝出勤や地方での宿泊といった不安定な面があり体力的にも大変です。基本的な英会話力は必要ですが、客室乗務員になるために必要な資格はありません

③グランドスタッフ

グランドスタッフは、空港内で顧客をサポートする仕事で地上業務全般を行います。

【グランドスタッフの主な仕事】

  • チェックインカウンターでの搭乗手続き
  • 手荷物預かり
  • 到着した顧客の乗り継ぎ案内
  • バックヤードでの情報確認と指示出し

飛行機の出発時間が遅れないよう、空港内でさまざまなトラブルにも迅速に対処するのが主な仕事です。特別な資格は必要ありませんが、さまざまな国の方を相手にするため基本的な英会話力は必要不可欠です。

勤務スタイルはシフト制が多く、他の職種に比べて安定しているといえるでしょう。

④航空整備士

空港整備士は、飛行機の整備や点検を行う仕事で、安全な輸送にはなくてはならない重要な職種です。

【空港整備士の主な仕事】

  • フライト前後の飛行機の点検、整備
  • 飛行機の部品を外して精密にチェック

航空整備士になるためには国家資格が必要ですが、受験資格を得るためには整備経験がなければなりません。専門学校であれば整備経験を積むことができ、在学中や卒業してから受験することも可能です。

⑤ディスパッチャー

運行管理者のことをディスパッチャーと呼び、気象情報や機体の状態によって飛行プランを作成する仕事を担っています。

【ディスパッチャーの主な仕事】

  • フライト中の気象状況等を確認しパイロットや管制官に指示を出す
  • 運行路の状況や必要な燃料の量を計算してフライトプランを作成
  • 搭乗人数の管理や搭載貨物の重量管理

ディスパッチャーは国家資格が無いとなれません。ただし、入社前に資格は取得できず、航空会社に就職してから実務経験を積むことで受験資格が得られます。

国家資格だけではすぐにディスパッチャーにはなれず、最終的には社内審査にも合格しなければなりません。正式に働き始めるまでには勉強が必要で、入社してからある程度の時間を要します。

⑥グランドハンドリング

グランドハンドリングは、飛行機の誘導や貨物コンテナの積み降ろし作業といった、地上支援業務全般を行います。

【グランドハンドリングの主な仕事】

  • 到着した飛行機の誘導
  • 貨物コンテナの積み降ろし
  • 飛行機のプッシュバック(駐機スポットから誘導路まで移動)
  • 降機する乗客のお出迎え

グランドハンドリングに特別な資格は要りません。ただし、仕事の内容が多岐にわたるため、業務によっては大型特殊自動車免許といった資格が必要です。

⑦航空管制官

航空管制官は、飛行機が安全にフライトできるようにパイロットに対して指示を出す仕事です。

【空港管制官の主な仕事】

  • 離着陸の許可を出す
  • 飛行経路の指示を出す
  • 管制塔から目視航空機を捉えて着陸順序を決定する

航空管制官になるには「航空管制官採用試験」に合格しなければなりません。試験は非常に難しく、英語力や空間把握・短期記憶に関しては高い能力が必要です。

⑧入国審査官

入国審査官は、日本に出入国する外国人のパスポートやビザを審査して、入国の可否を決める仕事です。

【入国審査官の主な仕事】

  • 在留している外国人の在留資格の変更許可
  • 不法入国等による違反審査
  • 難民に対しての認定業務

入国審査官になるためには国家公務員一般職試験を必ず受験しなければなりません。

合格後は、面接を経て管理庁職員になります。特別な試験はありませんが、勤務年数を重ねることで入国審査官になることが可能です。

⑨税関職員

税関職員は、輸出入貨物の検査を行い、不正取引や薬物、危険物がないかを確認する通関業務を行います。

【税関職員の主な仕事】

  • 税関の業務運営・制度の改善(総合職)
  • 各国との国際交渉(総合職)
  • 税関にて申告の書類審査(一般職)
  • 薬物や危険物の取り締まり(一般職)

税関職員は総合職と一般職で働き方が異なります。

財務省に属するため、国家公務員一般試験に合格しなければなりません。試験のレベルは高く、特に総合職の難易度が非常に高いとされています。

⑩事務職

航空会社にも事務職があり、機内ではなく地上スタッフとして働きます。データ入力やさまざまなサービスの業務を行うことが主な仕事です。

航空会社によっては、一般的な事務職だけでなく、財務や経理、人材育成といった仕事の内容になることも。

資格取得が必須の航空業界の中では、比較的就職のハードルが低く選択しやすい職種といえるでしょう。

国内2大航空会社の特徴

国内の航空会社では、全日本空輸(ANA) と日本航空(JAL)のが大手企業です。航空業界での就職を希望する場合、就職先にかかわらず代表する2社の特徴を確認しておきましょう。

2社とは別会社でも、何らかの関連がある場合も少なくありません。大手企業を知っておくことで、航空業界全体への理解をより深めることができます。

  1. 全日本空輸(ANA)
  2. 日本航空(JAL)

①全日本空輸(ANA)

全日本空輸(ANA)は、前身となる「日本ヘリコプター運送株式会社」を1952年に設立。純民間の航空会社としてゼロから始め、現在では旅客数で世界のトップ20に入っています。

2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響で、航空業界を取り巻く環境は一気に変化しました。

厳しい経営状況が続いていましたが、行動制限緩和によって2023年3月には3期ぶりの黒字となり、営業利益は1,200億円と回復しています。

全日本空輸(ANA)は、民間会社からスタートしたこともあり、挑戦的な姿勢が根底にある企業です。新規路線開拓などにも積極的で、量の面での実力は圧倒的。

日本で初めて、全席通路側のスタッガードシートを取り入れたり、グローバル化を意識した機内食を展開したりと常にチャレンジすることを恐れていません。

②日本航空(JAL)

全日本空輸(ANA)よりも、1年早い1951年に設立されたのが日本航空(JAL)です。日本で一番長い歴史を持つ航空会社で、特に地方航空に強い特徴があります。

お客様第一としたサービスを提供している強みがある会社です。コロナ禍で運行停止だった最中、路線再開を迅速に行なったこともあり、有事の際に強い航空会社ともいえます。

ANAと同様、コロナ禍の影響で厳しい経営状態が続きました。しかし、行動規制緩和により航空需要が伸び、2023年3月期の営業利益は約650億円と徐々に回復しています。

日本航空(JAL) は2010年に一度経営破綻を経験している企業です。そこから会社一丸となり、団結の精神で急成長を成し遂げ現在に至ります。

周りと協力する姿勢を大切にしているため、社員の考え方や価値観を重要視し、協調性を軸としている企業といえるでしょう。

航空業界で求められる3つの人物像

たくさんの職種との関わり、協力しながら働くことが必要不可欠な航空業界。外国の方や老若男女さまざまな方との関わりが非常に多い業界でもあります。

そのため、お客様との関係をしっかりと築くことができ、チームワークも大切にできる人物が求められます。特に、以下のような素質を持っている人材であることが重要です。

  1. ホスピタリティがある人
  2. 協調性のある人
  3. 責任感が強い人

①ホスピタリティがある人

客室乗務員やグランドスタッフにおいては、特に、ホスピタリティがある人物であることが重要です。

接客業が基本のため、おもてなしの心を持ってお客様と楽しくコミュニケーションをとり、良好な関係を築ける人でなければなりません。

また、接客業だけでなく、会社の運営を支える職種やサービスを考える職種でも同様といえます。売上を伸ばし、安定した経営を続けるにはホスピタリティを持つことが非常に重要です。

②協調性のある人

協調性があることも航空業界で求められる人物像のひとつ

航空機を安全に運行することを一番の目標としているため、すべての社員が協調性を持って一丸となり、業務に取り組む必要があるからです。

特に緊急時においては、パイロットと客室乗務員、管制官との連絡がしっかりと取れていなければ安全の確保ができません。

また、安心安全に運行するということは、経営にも大きく影響を及ぼしますよね。航空業界では、独りよがりにならず協調性を持って業務を遂行できる人が求められます。

③責任感が強い人

航空業界で働くためには、責任感が強い人も求められる人材です

人の命や大切な荷物を預かり、安全に目的地まで運行しているという自覚を持ち、責任感が強くなければなりません。どのような業種でも、仕事への責任感は重要ですが、航空業界では少しの気の緩みが大事故につながってしまいます

トラブルになった際には、最後までしっかりと対処できる責任感の強さが、より大切になってくるでしょう。

航空業界の就職に必要な学歴や資格

航空業界の就職は誰でも受けられるわけではありません。

職種や航空会社によっても異なる部分はありますが、ある一定の学歴や資格が必要です。

  1. 4年制大学以上の学歴
  2. 客室乗務員はTOEIC600点以上

①4年制大学以上の学歴

基本的には4年性大学以上の学歴が必要です。学部や学科に決まりはなく、どの職種にも偏りはありません。

ただし、客室乗務員に関しては例外で、専門学校卒業以上で受験資格が得られます。客室乗務員やグランドスタッフを養成する、エアラインスクールといった学校もありますよ。

②客室乗務員はTOEIC600点以上

客室乗務員として就職するのであれば、TOEIC600点以上は必要です。航空会社によってTOEICのスコアは多少異なりますが、語学力は必須条件といえます。

一度で取得するのは難しいため、早い段階から受験をして600点以上を目指しておきましょう。

また、TOEICの証明書類を求められる場合があります。証明書の発行期限は2年と決められているため、過ぎていないか前もって確認をしておいてください。

海外の乗客と接する機会もあるため、語学力を磨くことは常に意識しておきましょう。

航空業界の現状・動向・課題

航空業界はきらびやかで収入が高いイメージですが、景気やさまざまな動向の影響を受けやすく、課題が多い部分もあります。

航空業界での就職を検討している場合には、このような点もしっかりと理解しておきましょう。

  1. 航空業界の現状
  2. 航空業界の動向
  3. 航空業界の課題

①航空業界の現状

2020年には新型コロナウイルス感染症の影響で、世界全体の経済が落ち込みました。旅客需要が大幅に縮小し、厳しい経営環境に置かれた航空業界もその1つです。

航空業界が影響を受けるのは、コロナ禍をはじめとする感染症の流行だけではありません。

気候変動や金融危機、国際的な関係の悪化といったさまざまな要素で影響を受けることで、景気が低迷してしまいます。

景気が戻れば旅客需要も伸びて回復傾向になるでしょう。しかし、長期間になってしまうと人員削減や倒産に陥る可能性もゼロではありません。

②航空業界の動向

コロナ禍には、航空業界全体で旅客数が大幅に減少しました。各航空会社は赤字決算に転落し、回復するためさまざまな対応や取り組みを現在も続けています。

例えば、行動制限があった際には、通常の旅客機を貨物物として利用し、国際輸送の需要を増加させました。

さらに、少しでも旅気分を味わってもらうためにオンライン販売も拡充。自宅で楽しめるような工夫は現在でも力を入れて行われています。

そのほか、業界大手のJALが特に力を入れているのがLCC事業です。国際線の運行を拡大し、コロナ禍後のインバウンド旅客の需要に向けた取り組みを続けています。

③航空業界の課題

航空業界全体の課題として、クリーンなフライトへの取り組みが行われています。

現在注目されているのが、持続可能な航空燃料といわれる「SAF(サフ)」です。

航空事業では、二酸化炭素量が全体の約2〜3%排出されている現状があり、地球環境を守るためにSAFが開発されました。次世代の航空燃料と呼ばれており、化石燃料と比較して二酸化酸素の排出量を削減できるとされています。

また、燃料だけでなく、機体の重さにも注目しています。

旅客機が軽くなれば、燃費を向上させて二酸化炭素の排出を削減することができますよね。そのため、食事の際に使用する食器や食事を運ぶカートといった機内の搭載物に注目し、機体以外の軽量化にも取り組んでいます。

航空業界への就職は業界理解が重要!

航空業界への就職を志望している場合は、仕事内容だけでなく業界全体を理解することが非常に重要です。

特に、どの航空会社へ就職する場合でも、国内を代表する全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)についてはしっかりと理解を深めておきましょう。航空業界の全体だけでなく、現状も分かるはずです。

航空業界では、憧れの職種や人気の職種が数多くありますが、誰でも簡単になれるわけではありません。

資格や実務経験が必要なだけでなく、それ以上に責任感が強く、チームで連携し合って業務に取り組める人材が求められます。業界の理解と共に、求められる人材についても確認しておきましょう。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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