自己PRでは、専門学校の経験を紹介するのも有効なアピール方法となります。しかし、どんな構成を意識すれば相手に好印象を与えられるのかがわからず、困ってしまう人もいるでしょう。
本記事では、専門学校での出来事を上手く伝えるポイントや書き方を解説します。
専門学校経験を自己PRにするポイント4つ
専門学校で経験したエピソードを伝える際のポイントを把握すれば、自身の魅力を強調しやすくなります。ここでは、4つのポイントを紹介します。
①専門的な知識・技術をアピール
特定の資格を持っている場合は文章に盛り込んで説明することで、ほかの候補者と差別化を図れるのがメリットです。
特に、仕事に活かせる英会話・プログラミング・簿記などの資格を取得していることを表記すれば、入社後に活躍している姿をイメージさせやすくなります。
また資格がなくても、実際に注力して学んだ分野についてわかりやすく述べれば、スキルを認めてもらいやすくなるのがポイントです。
②スキルを磨く継続力をアピール
スキルを磨く継続力を強調するのも、人材としての魅力を伝える手段の1つとなります。
専門学校では1つのスキルを学び続けられる環境が整っているため、おのずと継続力を身につけやすいのがメリットです。
物事を投げ出さずに一定の目標を達成するまで取り組み続ける姿勢は、仕事に対する責任感などにも関連付けられるでしょう。
長い期間粘り強く尽力する必要がある仕事への適性を示したい時には特に有効ですよ。
③専門学校に入学した目的をアピール

専門学校への入学を目指したきっかけについて説明すれば、目的意識を持って行動する習慣がついていることを印象付けられます。
なぜ専門知識を身につけたいと思ったのか、当初の目的についても触れて順序立てて伝えることで、自身に根差した考え方やバックボーンを紹介しやすくなるでしょう。
学んだ事柄と仕事の関連性だけでなく、社風と自身の人間性の共通点を伝えることで、採用率を高めやすくなります。
④スキルを学ぶ上で意識したことをアピール
スキルを学ぶ際に、どんな事柄を意識していたのかを明確に説明すれば、自身の成長性を強調しやすくなります。
ただ学んだ物事を並び連ねて紹介するのではなく、どんな姿勢で物事にあたり、今の自分にどう生きているのかを伝えることで、将来会社に役立つ人材になる可能性をアピールできるでしょう。
また、自身で意識していたポイントを具体的に伝えれば、ほかの候補者と被らな個性的な回答にもなりますよ。
専門学校の自己PRの書き方3つ

ここでは、書き方を3つの手順に分けて説明します。専門学校での出来事について記載する際には、書き方の流れを把握しておくとスムーズに作成できます。
①アピールポイントを簡潔に書く
まず、自身の特性の中でアピールできる部分を簡潔に述べるようにしましょう。
手始めに自身の魅力を一文で言い切ることで、質問に対しての回答を明確にできます。
最初から長々とした言い回しを取り入れたり、出来事の説明を始めてしまうと、何が言いたいのかわかりづらくなってしまいます。
相手の要望に沿った答えを用意できる対話力があると伝えるためにも、結論から提示することを意識しましょう。
②具体的なエピソードを伝える
次に、自身の強みが発揮された具体的な出来事について述べ、回答の説得力を高めます。
なお、結論を補強する理由を伝える際には、具体的でないと信憑性に欠けるため、注意が必要です。
数字を使ったり、背景を細かく解説したりすると、相手の印象にも残りやすくなります。
また、苦労した点や改善のために意識した事柄、行動によって得られた結果を説明すれば、独自性のある文章になるのもポイントです。
③アピールポイントをどう活かすか伝える
最後に、自身の特性を仕事にどう活かすのかを伝えて自身が入社後に活躍する姿をアピールしましょう。
過去の出来事から現在、そして将来について説明すれば、自然な流れの文章になるでしょう。
また、入社後について言及する際には、企業の業務内容にも触れて説明するようにしてくださいね。
【分野別】専門学校の自己PR例文5つ

ここからは、分野別に5つの例文を紹介します。作成前に例文を確認して、どんな表現で自身の人柄を説明すれば好印象につながるのか理解しましょう。
①看護系専門学校の自己PR
看護系専門学校の自己PR
私の強みは、強い責任感を持って物事に対処できることです。看護実習では慎重さと正確さを重視しながらも、スピード感のある対応を心がける必要があると痛感しました。
そのため、実習中は課題の作成を進めるだけでなく毎日の振り返りを行うノートを作成し、自身の意識を常にアップデートできるように工夫しました。
目の前の物事に全力を尽くすだけでなく、自身の行動を振り返る機会を作ることで、業務の進め方のコツを掴みやすくなり、先輩の行動や状況を俯瞰しやすくなりました。
私は実習経験で学んだ知識や姿勢を活かし、患者様から信頼される存在になれるよう、責任感を持って業務を遂行してまいります。
上記の例文では、看護系の実習で得られた新たな気付きや、改善のために取った行動について詳しく説明しています。
経験を今後にどう生かすのか述べて文章を締めているのも特徴です。
②美容師専門学校の自己PR
美容師専門学校の自己PR
私の長所は、相手がリラックスして過ごしやすい雰囲気を作り出せる会話力です。
私は専門学生時代、友人から悩みを相談される機会が多くありました。
そしてさまざまな話を聞くうちに、ただ相手の話を聞いて受け入れるだけでなく、相手の要望に合わせて賛同や対応策の提示、返答の仕方などを工夫する必要があることを知りました。
また、相手の表情や話し方から求めていることを読み取り適切な対応を選択できれば、素敵な笑顔を引き出せることを実感しました。
今後も私はお客様の立場に寄り添う姿勢を貫き、どんな方にも安心して施術を任せていただけるような美容師を目指したいです。
上記の例文では、これまで人と関わった経験を具体的に述べて、経験の中で実感したことや達成感につながった出来事を紹介しています。
自身の特技を生かすことでお客様にどんなサービスを提供できるのか伝えているのもポイントです。
③保育士専門学校の自己PR
保育士専門学校の自己PR
私の強みは状況を把握して即座に適した行動をとれることです。
私は実習で保育スタッフを務めた際、先輩から施設をご利用になる親御さんに対しても気配りを行うことの大切さを学びました。
ある時たくさんの大きな荷物を抱えて何かを探している様子の親子の方を見かけた際には、相手の視線が届く場所から声掛けをして、タクシーをお呼びできることを伝えました。
するとお客様はちょうどタクシーに乗りたいと考えていた、とホッとした表情で返答してくださり、感謝の言葉と共にタクシーに乗車してお帰りになりました。
私は保育士として、子どもだけでなく親御さんの立場でも考えて状況判断を的確に行い、すぐに実行に移すことを重視していきたいと考えています。
上記の例文では、実習中に特技を生かした出来事について具体的に説明しています。保育士の仕事で発揮できる強みを述べて文章をまとめているのも特徴です。
④ブライダル専門学校の自己PR
ブライダル専門学校の自己PR
私の長所は、どんな困難があっても笑顔を忘れずに努力を続けられることです。私は実習当初、要領よく物事をこなせないことに焦りを感じていました。
しかし、暗い表情を続けてマイナスな考え方をしても改善は図れないと考え、できるだけ笑顔を浮かべることを心がけました。そして積極的にアドバイスを聞きながら参考にして、ひたむきに取り組み続けました。
その結果、明るい表情を意識すれば周囲からも声をかけてもらいやすくなり、協力してくれる方が増えることを知り、最終的に実習チームのリーダーに選んでいただけました。
私はウェディングプランナーとしてもお客様の不安を取り除けるよう笑顔できめ細やかな対応を心がけてまいります。
上記の例文では、接客をする上で大切な笑顔に焦点をあてて、表情が曇るような状況でも明るく努力し続けた経験を紹介しています。
自身が意識したことによって周囲に現れた変化も伝えて、自身を採用するメリットを強調しているのが特徴です。
⑤情報系専門学校の自己PR
情報系専門学校の自己PR
私の強みは、自分から問題点を見つけ改善案を考え、実行できることです。
私は専門学校でのチームプロジェクトで、利用者の要望に適したサービスを紹介するシステムを作成した経験があります。
作成する際には機能性を追求するだけでなく、実際に使う方がまた使いたいと感じる作りにする必要があると感じました。
そして進捗報告時に改善点を話し合う機会を設け、利用者の立場で見やすいレイアウトや、利用時のデータから最適化を行う仕組みを取り入れるようにしました。積極的な行動で連携力を高めた結果、完成度が高いシステムであると表彰をいただきました。
私は今後も自分から課題を探して、お客様の要望に先回りして対応できるシステムをチームで作れるよう努力してまいります。
上記の例文では、チームで完成度の高いシステムを作り上げた経験を、自分から働きかけた行動も含めて説明しています。
潜在的な課題に先回りする分析力や行動力を強調しているのがポイントです。
専門学校の自己PRを作る際の注意点3つ

続いて専門学校でのエピソードを伝える際の注意点も確認し、マイナスな印象に陥らないよう対策していきましょう。具体的な注意点は、以下の3つです。
①知識・技術だけをアピールしない
文章の作成後は、知識や技術だけに言及した文章になっていないか確認しましょう。
専門学校出身の候補者はほとんどが知識やスキルを持っているため、ただ自身が身につけた技術を伝えても印象に残りにくくなってしまいます。
仕事に活かせるスキルだけでなく、スキルを身につける中で得られた学びや今後への活かし方を説明することが重要です。
状況に応じた対応を自身で考えて積極的に動く姿勢があることを強調するようにしてくださいね。
②専門用語をなるべく使わない
専門用語はなるべく使わず、相手に伝わりやすい言葉を用いることが大切です。
学んだ知識について説明する際には専門的な言葉を用いてしまいがちですが、受け取り手によっては独りよがりな印象の文章になるリスクがあります。
自身が話したことがしっかりと相手に伝わるように、視点を変えて文章を見直し、わかりづらい表現がないかチェックしましょう。
簡単な表現に変更して、伝わりやすい文章を心がけることが重要です。
③自己PRと志望動機を区別する
自己PRで述べた内容と、仕事を志したきっかけが似通ったものにならないよう注意してください。
ただ同じ内容を言い替えただけでは、真剣に回答を練っていない印象に陥りがちです。
志望した動機は将来への抱負や意気込みをメインに、自己PRについては自身を採用することで企業が得られるメリットをメインに据えて説明しましょう。
企業が求めている人間性と能力を兼ね備えていることを強調できますよ。
専門学校経験を自己PRにして自分アピールしよう
専門学校での出来事を自己PRに取り入れて、自身の魅力を強調しましょう。
回答時には、ただ会得した技術やスキルを述べるだけでなく、自身の考え方の変化や工夫した行動も伝えれば、将来性があることを印象付けやすくなります。
相手の視点でわかりやすい表現かどうかもチェックして、仕事への適性を示していってくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。