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土木業界の仕事・重要性を解説!現在の課題や今後・将来性まで紹介

就職活動の志望業界として、土木業界を挙げる人も多いでしょう。しかし「土木業界ってどんな業界なの?仕事内容は?」と思っている方もいると思います。

そこで本記事では、土木業界の仕事や重要性を解説します。現在の課題や将来性まで紹介しているので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

土木業界の概要・重要性を解説!

まず、土木業界の概要や重要性を解説します。

  1. 土木業界とは|生活基盤のインフラを整備する仕事
  2. 土木業界の重要性とは|インフラ整備・災害復興に欠かせない

土木業界とは|生活基盤のインフラを整備する仕事

土木業界は、生活基盤となるインフラを整備する重要な仕事です。公共の建造物の工事や、道路や橋、ダムなどのインフラ整備が主な業務内容となっています。

土木工事は、土石・木材・鉄材などを用い、海・川・山・地下などのあらゆる場所を対象としています。ビルやマンションを建てる前に地盤をならす工事も土木業の範囲に含まれます。

土木工事のほとんどは国や県などの公共機関からの依頼によって行われており、社会全体の利益のために必要な施設や設備の提供に貢献しているのです。

土木業界の重要性とは|インフラ整備・災害復興に欠かせない

次に、土木業界の重要性を紹介します。土木業界は、インフラ整備や災害復興において不可欠な存在です。

なぜなら、道路や橋、ダムなどのインフラ整備は経済活動や人々の生活の基盤を作っているからです。

また、災害が発生した際には、土木技術者が迅速に復旧・復興作業を行い、被災地の復興を支援します。このように、土木業界は社会の安定と発展に欠かせない存在なのです。

土木業界の仕事内容6つ

続いて、土木業界の主な仕事内容を6つ紹介します。

  1. 現場調査
  2. 設計
  3. 工事着工
  4. 建設設計・施工管理
  5. 建物の施工
  6. 電気設備の工事

①現場調査

現場調査は、その名の通り工事予定の現場を調査する仕事です。これには、地形、地質、気候、地域規制などの要因を含む現場状況を正確に把握することが含まれます。

調査チームは、地理情報システム(GIS)やGPSなどの技術を使用してデータを収集し、地形図や地質図を作成します。また、地下インフラや環境影響も評価します。

これにより、設計段階での問題やリスクを最小限に抑え、安全かつ効率的な建設を確保しているのです。

②設計

設計は、プロジェクトの骨子を作る重要な仕事です。概略設計では、基本的な計画や構想を立案し、プロジェクトの方針や大まかな仕様を確定します。

一方、詳細設計では、具体的な図面や計画を作成し、施工に必要な細部までを詳細に設計します。その際には、地形や地質を考慮した構造物の配置や材料の選定、耐震性や安全性の確保などが重要です。

また、技術的な要素だけでなく、予算やスケジュールにも配慮しながら、プロジェクトの成功に向けて設計を進めることが求められます

➂工事着工

計画や設計が完了し、必要な許可や手続きが整った後は、実際に建設作業が始まります

具体的な作業は、建設現場の整備や安全対策、資材や機械の配置などです。また、必要な施工図や工程表に基づいて、作業の進行管理も行われます。

工事着工はプロジェクトの成功に向けた重要なプロセスであり、効率的な作業の開始を確保することが求められます

④建設設計・施工管理

建設設計・施工管理は、発注者の要望やイメージを実現するための重要な仕事です。

建設プロジェクトの設計段階では、土木構造物や施設の設計図を作成し、発注者の要求や予算に合致するように調整します。

施工管理では、建設現場での作業を監督し、設計通りに工事が進行するよう確認します。

また、安全基準や法令を遵守しながら、品質の高い施工を実現するために、作業員や資材の調達、工程管理、進捗報告なども重要な業務のひとつです

⑤建物の施工

建物の施工は、建築計画に基づいて建物の基礎から屋根までの構造物を建設する仕事です。

作業は、建設現場での設計図に基づいて、建材の配置や工程の管理を行います。なお、施工中には様々な技術と専門知識が必要であり、建築士や建築技師などの専門家が関わっています。

建物の施工は安全基準に則りながら進められており、建物が完成するまで品質管理や進捗管理が重要です。

⑥電気設備の工事

電気設備の工事は、建築物やインフラ構造物における電気設備の構築や改修を行う仕事です。

具体的な仕事内容は、電気配線の設置や配線ルートの設計、電力供給システムの構築、照明設備の取り付け、制御システムの設置などがあります。

また、電気工事の安全性や規制に関する法令を遵守し、施工プロセス全体を管理・監督する役割も持っています。さらに、施工中の問題解決や調整、顧客とのコミュニケーションも重要な業務です。

土木業界の工事の種類8つ

土木と聞くと「土木工事」を思い浮かべる人も多いでしょう。ただ、土木工事といってもその種類はさまざまです。ここでは、土木業界における工事の種類を8つ紹介します。

  1. 道路工事
  2. 水道関連工事
  3. 橋梁工事
  4. ダム工事
  5. トンネル工事
  6. 空港建設工事
  7. 河川工事
  8. 土地区画整理

①道路工事

道路工事は、交通インフラを整備するための重要な工事です。主に公共の道路や街路の建設、改修、維持管理を行います。

具体的には、道路の新設や幅員の拡張、舗装の施工、排水設備の整備などです。道路工事では、安全性や交通流量の向上を目指し、地形や環境に適した設計や施工技術が求められます。

また、交通を円滑にしたり、利用者の利便性を向上させたりするために、計画段階から地元住民や関係機関と連携することが欠かせません

②水道関連工事

水道関連工事は、生活に欠かせないインフラを整備するための工事です。水道管の設置や修理、配水設備の更新などが含まれ、安全で清潔な水の供給を確保します。

また、公共事業が多いのも特徴であり、自治体や政府の計画に基づいて行われます。道路や建物の工事と同様に、地域社会の基盤整備に貢献しているのです。

このように、水道関連工事は人々の暮らしと健康に直結する重要な工事であり、その役割は大きいため、安定した供給が求められます。

➂橋梁工事

橋梁工事は、人々の移動を可能にするために行われる重要な土木工事です。具体的には、道路や鉄道などの交通路上に橋を架け、地形の起伏や水路を跨ぎます。

橋梁は安全性や耐久性が要求されるため、設計段階から構造物の安定性や負荷への対応が重視されます

なお、橋梁工事は地域の経済や生活に密接に関わるため、様々な技術や知識を結集して計画・施工することが重要です。

④ダム工事

ダム工事は、その名の通りダムに関する工事です。その種類はダム建設工事、砂防ダム工事、貯水池工事の3つに分類されます。

ダム建設工事は、巨大なダム構造物の建設を行い、水を貯めるための基盤を整える工事です。砂防ダム工事では、地すべりや洪水などの自然災害から地域を守るためのダムが建設されます。

また、貯水池工事では、水を貯めるための貯水池が建設され、灌漑や都市の給水源として利用されます。これらの工事によって、地域の安全と水資源の確保に貢献しているのです。

⑤トンネル工事

土木業界におけるトンネル工事は、大きく分けて「山岳工法」「シールド工法」「TBM工法」の3つに分類されます。

山岳工法は山や丘などの地形をくりぬく方法であり、地質や地形の変化に応じた施工技術が求められます。

シールド工法は、地下を掘り進む際にシールドと呼ばれる装置を使用し、同時に周囲を支える方法です。

そして、TBM(Tunnel Boring Machine)工法は、巨大な掘削機を用いて地下を均一に掘り進む手法であり、高速かつ効率的な工事が可能です。

⑥空港建設工事

空港建設工事は、空港周辺の工事です。工事内容には、飛行機が着陸や離陸するための滑走路やターミナルビル、駐車場などの施設を建設することを含みます。

また、航空機の誘導や地上支援施設の整備も含まれます。これらの工事は、高度な技術と計画が必要であり、安全性や耐久性が必要です。

空港建設工事は、地形や地盤の調査や環境への配慮、航空法や安全基準の遵守など、様々な要素を考慮する必要があります。また、施工中は航空機の運航に影響を与えないよう、細心の注意が必要です。

⑦河川工事

河川工事は、水害を未然に防ぐために行われる重要な工事です。工事には、堤防や護岸の建設、河川の流路改修、洪水調節池の設置などが含まれます。

これらの施設は、豪雨や台風などの自然災害による洪水被害を軽減し、周辺地域の安全を確保する役割を果たします。

また、河川工事は地域の環境保全にも貢献し、河川生態系の維持や水質の改善にも欠かせません。常に地域の安全と豊かな環境を考慮し、計画的かつ効果的な工事が行われるように慎重に実施されます。

⑧土地区画整理

土地区画整理とは、都市や地域の土地利用を改善し、不動産の有効活用を図るための工事です。

土地の区画を再編し、道路や公園、住宅地などのインフラを整備し、都市計画に基づいたまちづくりを行います。

地域の発展や住民の利便性向上に貢献する重要なプロジェクトであり、総合的な計画や地域住民との連携が欠かせません

土木業界の現状の課題3つ

続いて、土木業界の現状の課題を紹介します。業界研究の一環として、土木業界が抱える問題を知っておきましょう。

  1. 女性が働きにくい
  2. 若年層が不足している
  3. 離職率が高い

①女性が働きにくい

土木業界の課題として、女性が働きにくいことが挙げられます。2005年の国勢調査によると、土木技術者に占める女性技術者の割合はわずか2.2%であり、技術者全体の7.7%の1/3以下の水準でした。

土木業界に女性が少ない主な理由は、労働環境面での課題が多いことです。

たとえば、女性用トイレや更衣室などの環境が整っていないこと、出産や子育てとの両立が難しいこと、資材や工具の大きさや重量が女性向きでないことなどが挙げられます。

②若年層が不足している

土木業界では、若年層の就職率が低く、その結果人手不足が課題となっています。

理由としては、体を酷使して長時間労働であるにもかかわらず賃金が低いことや、昔ながらの体育会系の体制が残っているイメージがあることが挙げられます。

また、土木業界には3K「きつい(kitsui)、汚い(kitanai)、危険(kiken)」というイメージを持つ人も多く、若者に敬遠される要因となっているようです。

➂離職率が高い

土木業界では、離職率の高さが大きな課題となっています。その原因はいくつかありますが、主な原因はとされるのは労働環境や労働条件の厳しさです。

具体的には、土木現場での過酷な労働や長時間労働、さらには給与面やキャリアの見込みの不透明さなどがあります。これにより、多くの人材を他の職種へと流出させているのです。

また、技術やスキルの習得に時間がかかることや、安全意識の向上が進んでいない現状も離職率の高さの要因となっています。

土木業界の今後の展望を2つの視点から解説

最後に、土木業界の今後の展望を2つの視点から解説します。

  1. 最先端技術による働く環境の改善
  2. 工事需要の増加

①最先端技術による働く環境の改善

土木業界では、省人化・省力化を目的として、ICTやAIなどの最先端技術を導入し、労働者が効率的に働きやすい環境を整えることで生産性の向上を目指しています。

実際、国土交通省では、建設・土木分野のスマート化の取り組みとして「i-Construction」と呼ばれる施策を進めており、就労環境改善を重要項目として定めています。

特に建設業界では、2024年4月の働き方改革関連法の適用に向けて、働き方改革の推進や労働環境の整備が急務となっています。

②工事需要の増加

土木業界の今後の展望として、工事需要が増加すると考えられます。

理由はさまざまですが、自然災害を未然に防ぐことの重要性が高まってきていることが大きな要因です。実際、国土交通省は国土強靭化基本計画を策定し、巨大災害に対する取り組みを実施しています。

また、インフラ設備の老朽化による補強・補修工事が今後も増加傾向が続くと予想されています。これらの理由から、今後も防災関連の工事受注が増加すると予測されているのです。

生活の基盤を支える土木業界で働いてみよう

本記事では、土木業界の仕事・重要性を解説しました。

土木業界は、人々の生活の基盤を支える重要な業界です。その仕事内容は多岐に渡り、工事の種類も多いため、業界研究ではそれぞれの特徴や内容を知っておくことが重要となります。

ぜひ、この記事も参考にしながら土木業界への理解を深め、就活に役立ててみてくださいね。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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