就活では資本金だけで企業を判断するのはNG|概念や捉え方も解説
就活では、企業研究が欠かせません。その中で、企業の資本金をチェックする人も多いのではないでしょうか。
ただ、「資本金は企業を判断する材料になるの?資本金が多い企業はいい企業なの?」と悩みますよね。結論、資本金は企業の判断材料にはなりますが、それだけで判断することはNGです。
本記事では、その理由を含め、企業の資本金について解説します。資本金の概念や捉え方も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
資本金について3つに分けて説明
まず、そもそも企業の資本金とは何かを紹介します。
- 経営者が運営のために用意するお金
- 多額の資本金は信頼につながる
- 資本金と自己資金は異なる
①経営者が運営のために用意するお金
企業の資本金は、その経営者が事業を運営するために投資する資金の総額を指します。これは法定の最低金額以上であり、事業の規模や性質に応じてその金額は異なるわけです。
資本金は、企業が将来的なリスクに備えたり、新規事業や設備投資に充てたりする際の安定した資金基盤として機能します。
また、資本金の額は企業の信頼性や安定性を示す指標ともなり、投資家や金融機関からの信頼を築く上で重要です。
②多額の資本金は信頼につながる
企業が多額の資本金を有することは、その信頼性を高める要因となります。なぜなら、資本金の多さは、企業が経済的に安定しており、将来的なリスクに対処できる証明になり得るからです。
信頼性が高いことで、取引先や投資家、顧客に「持続可能であり、業務の遂行に十分な資源を有している」と感じてもらいやすくなるのです。
また、多額の資本金は業界内での競争力向上にもつながり、突発的な問題や機会に柔軟かつ迅速に対応できる強固な基盤を築くことに繋がります。
➂資本金と自己資本は異なる
資本金と似た言葉に「自己資本」がありますが、両者の意味は異なります。
資本金は企業が発行した株式や出資を通じて調達され、財務基盤として役立ちます。これに対して、自己資本は企業が自らの活動により生み出した純利益や積み立てられた資産を指すのです。
自己資本は資本金に含まれており、企業の経営活動によって生じる利益や積み立てにより形成されます。企業の持続可能性や成長に重要な影響を与えているわけです。
資本金からわかること2つ
では、資本金を見ることでどのようなことがわかるのでしょうか?ここでは、2項目紹介します。
- 企業の信頼性
- 企業の規模
①企業の信頼性
企業の資本金を見ることで、企業の信頼性がわかります。資本金は企業の経済的安定性を示す指標であり、企業の強力な資金基盤を意味するからです。
これは信頼性に直結し、取引先や金融機関は資本力のある企業に対して信頼感を抱きやすくなります。また、高い資本金は業務の安定性や返済能力が高く、不測の事態にも対処できることを示しています。
従って、企業の信頼性はその資本金に基づいて判断され、取引企業や投資家に安心感を提供できるのです。
②企業の規模
資本金は、企業の経済的な強さや規模を示す重要な指標です。
資本金が大きいほど、企業の規模も大きいと考えられます。一方で、資本金が少ない企業は中小企業である可能性が高く、事業の規模や影響力が相対的に小さい傾向があります。
このように、資本金の規模を見ることで、企業の安定性や成長のポテンシャルを把握でき、企業研究に役立てられるのです。
資本金だけで会社を判断してはいけない3つの理由
資本金は企業の信頼性や規模を表しますが、その金額だけで企業を判断するのは危険です。その理由を3つ紹介します。
- 資本金はスタート時点のお金のため
- 最低資本金制度が撤廃されたため
- 資本金は売上や利益に影響されないため
①資本金は元手金でしかないから
資本金だけで会社を判断してはいけない理由は、資本金は会社運営の元手金だからです。つまり、企業の成長や実力が完全に反映されていません。
企業の価値は現在の事業状況、市場シェア、顧客基盤、経営陣の能力など、多岐にわたる要因によって形成されます。
資本金だけを基準にすると、過去の出発点にフォーカスし、成長や変化を見逃す可能性があります。したがって、企業評価や投資判断においては、総合的な視点で経営全体を考慮することが不可欠です。
②最低資本金制度が撤廃されたため
最低資本金制度が撤廃されたことも、資本金だけで会社を判断してはいけない理由のひとつです。
昔は最低300万〜1000万の資本金が必要でしたが、現在はその法律が撤廃され、わずかな資本金でも起業可能となりました。
つまり、資本金単独では企業の実態や業績を正確に判断できないということです。そのため、事業モデルや事業計画や実績、経営陣のスキルなど、多角的な視点から評価する必要があります。
➂資本金は売上や利益に影響されないため
資本金だけで会社を判断してはいけない理由は、資本金は売上や利益に直接影響を受けないためです。企業が赤字経営を続けていても黒字経営を続けていても、資本金自体は変動しません。
資本金はあくまで企業の出発点であり、経営の安定や成長を測る唯一の尺度ではないのです。企業の実力や将来性を評価するには、売上や利益などの経営指標を総合的に考慮する必要があります。
希望する企業の資本金を参考にしつつも多角的に企業を捉えよう
本記事では、企業の資本金について解説しました。
資本金は、企業の信頼性や規模を判断する材料となります。ただし、資本金は会社運営の元手金であるため、金額をそのまま企業の価値と判断するべきではありません。
就活の企業研究では、資本金はあくまで参考程度にとどめ、実際に会社説明会などに足を運んであなたの目で企業の良し悪しを判断しましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。