自動車部品業界を徹底解説|業界の概要や代表的な企業も10社紹介
就活生の中には、自動車部品業界に興味はあるけど、業界の仕組みやトレンドはあまりよく知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、自動車部品業界の仕組みやトレンド、主な職種について詳しく解説します。
代表的な企業についても詳しく紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
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自動車部品業界とは?

自動車部品業界とは、自動車を構成するさまざまなパーツを製造・供給する産業のことです。エンジンやブレーキ、タイヤ、内装、電装系など幅広い部品を扱い、それぞれが高度な技術によって作られています。
完成車メーカーのように目立つ存在ではないものの、自動車の性能や安全性、快適性を根本から支えている非常に重要な役割を担っている業界です。
この分野では、製品ごとに専門性が高く、緻密な品質管理と長年の技術蓄積が求められます。また、多くの企業が自動車メーカーと長期的な取引関係を築いており、安定性のある業界といえるでしょう。
近年では、製品開発においてもグローバルな視点が欠かせず、海外との連携や技術協力の機会も増えています。
さらに、電気自動車や自動運転技術などの進展によって、従来の部品に加えて新しい分野への対応力も求められるようになってきました。
たとえば、電子制御部品やセンサー技術など、ITとの融合がますます重要になっています。
自動車部品業界は、一見すると地味な印象を持たれがちですが、実際にはグローバルな舞台で日本のモノづくり技術が試される最前線です。
世界中の人々の安全で快適な移動を支えるという責任感と達成感を味わえる、やりがいのあるフィールドといえるでしょう。
自動車部品業界の構造

自動車部品業界は、完成車メーカーを頂点に、複数の階層に分かれたサプライヤー企業によって成り立っています。それぞれの層には異なる役割があり、必要とされる技術力や対応力も異なります。
ここでは、業界構造を理解するうえで重要な項目を順に紹介します。
- OEM
- Tier1サプライヤー
- Tier2サプライヤー
- Tier3・Tier4サプライヤー
① OEM
OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の略で、自動車業界ではトヨタやホンダ、日産などの完成車メーカーを指します。
これらの企業は車の企画、設計、生産管理、組立といった全体の流れを統括しています。
ただし、実際にすべての部品を自社で製造しているわけではなく、車の構成要素の大部分は外部のサプライヤーから調達されています。だからこそ、どの企業とどのような関係を築くかが極めて重要です。
調達先には、設計図どおりの精度で部品を仕上げる技術や、一定の品質を保ち続ける力、さらにコストや納期への柔軟な対応が求められます。
OEMはサプライヤー選定から品質管理まで一貫して管理責任を負い、最終製品の完成度に直結する立場にあるといえるでしょう。
OEMの役割を理解することは、自動車業界を志望するうえでの第一歩です。業界の仕組みを立体的に把握するためにも、全体構造の起点となるOEMの視点を持つことが大切です。
② Tier1サプライヤー
Tier1サプライヤーは、OEMと直接取引を行う主要な部品メーカーです。彼らはブレーキシステムやステアリング、パワートレイン、エアバッグといった機能の核となる部品を提供しています。
これらの製品は、安全性や性能に直結するため、非常に高度な技術と信頼性が求められます。
とくに近年では、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる技術革新の影響で、Tier1の立ち位置はより戦略的なものへと変化しています。
これまでのような部品提供だけでなく、車両全体のシステム設計にも関与する場面が増えているのです。また、グローバルに展開している企業も多く、語学力や異文化理解が求められることも少なくありません。
成長性や将来性、やりがいを重視する就活生にとって、Tier1企業は魅力ある選択肢となるでしょう。
一方で、企業によって専門分野や組織文化が大きく異なるため、エントリーの際はしっかりと企業研究を進める必要があります。
志望動機や自己PRでは、自分の特性がどのようにその企業の強みとマッチするかを具体的に伝えるよう意識してください。
③ Tier2サプライヤー
Tier2サプライヤーは、Tier1企業に部品や部材、素材を供給する立場の企業です。たとえば配線の絶縁材や小型プラスチックパーツ、ゴム製品、基板など、製品全体の機能を支える中間素材を担当しています。
こうした企業は、いわば自動車の「縁の下の力持ち」。あまり表に出ることはないものの、1台の自動車が安全かつ快適に動作するためには不可欠な存在です。
多くのTier2企業は、特定の技術に特化していたり、ニッチな分野で高いシェアを持っていたりします。
Tier1と同様、品質やコスト管理、短納期対応などの基本的な能力が重視されますが、加えて「多品種少量生産」に柔軟に対応できる生産体制が強みとなります。
そうした中で、若手社員が早い段階から幅広い業務を任されることもあり、自らの成長を実感しやすい環境といえるでしょう。
知名度が高くなくても、強みや独自性を持つ企業は数多く存在します。ネームバリューだけでなく、自分にとっての働きやすさや将来性にも目を向けることで、納得感のあるキャリア選びにつながります。
④ Tier3・Tier4サプライヤー
Tier3やTier4に分類される企業は、さらに下流の原材料や素材、簡易加工品などを供給しています。たとえば、鋼材の切削加工、ボルトやナットの製造、樹脂原料の供給などが該当します。
モノづくりの出発点を担う存在といっても過言ではありません。この層には中小規模の企業が多く、全社的な柔軟性や一体感を活かした経営が行われていることが特徴です。
少人数だからこそ、設計・製造・品質管理といった幅広い領域に関わる機会も豊富にあり、業務を通じて多くのスキルを身につけることができます。
また、大手メーカーの基準に合わせた製品供給が求められるため、高精度な加工技術や安定した品質を維持する努力も欠かせません。
とくに日本の製造業は「下請け」に支えられている面が強く、Tier3・Tier4の存在がなければサプライチェーン全体が成立しません。
現場主義を貫く文化が根づいている企業が多いため、「モノづくりの現場で腕を磨きたい」「ゼロから完成品を支えたい」という思いを持つ人には、非常に適した職場といえるでしょう。
自動車部品業界の動向

近年、自動車部品業界は大きな変革期を迎えています。CASEやMaaSのような新技術の登場に加え、社会構造の変化も加わり、従来とは異なるビジネスモデルや製品が求められるようになっています。
ここでは、そうした自動車部品業界の変化のポイントを就活生向けにわかりやすく整理していきます。
- CASEによる業界の変化
- MaaSの普及と新たな市場機会
- 若者の車離れと販売台数の影響
- 高齢化と人手不足の課題
- EV化による部品構成の変化
- 自動車部品業界の市場規模と成長性
- M&Aや業界再編の動き
① CASEによる業界の変化
自動車部品業界では、「CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)」の進展により、産業構造が大きく変わり始めています。
従来はエンジンやトランスミッションといった機械的な構造部品が中心でしたが、今ではセンサーや電子制御ユニット、ソフトウェアなどの電装系技術の比重が高まっています。
今後、自動車が「走る機械」から「動く情報端末」へと進化するなかで、求められる部品や開発スキルも大きく変化していくでしょう。
こうした背景から、企業はITや通信分野との連携を強化し、ソフトウェア開発力を高める動きを見せています。
また、異業種との協業やスタートアップとの提携によって、新たな価値創出を図るケースも増えてきました。
これから業界に入る就活生にとっては、モノづくりに加え、デジタルやネットワークの視点を持つことが強みになります。
単にものを作る技術ではなく、「使われ方」や「つながり」まで意識できる人材が、より活躍の場を広げていくでしょう。
② MaaSの普及と新たな市場機会
MaaS(Mobility as a Service)の拡大により、自動車を取り巻くビジネスモデルが大きく変わりつつあります。
人々が車を「所有する」から「利用する」へと意識を転換し、移動をサービスとして捉えるようになってきたからです。この変化は、完成車メーカーだけでなく、部品メーカーにも大きな影響を与えています。
なぜなら、車両のシェアリング化や効率運用にともない、耐久性の高い部品やリアルタイムの通信システムなど、新たな技術ニーズが生まれているためです。
これまで部品メーカーは、BtoBの完成車メーカー向け供給が主流でしたが、今後はBtoBtoCやサービス業者向けの提案力も求められるようになります。
たとえば、移動データの収集・分析機能や、利用者に快適性を提供するインテリア機能なども重視されるでしょう。そのため、技術力だけでなく、顧客視点で価値を考えられる発想が重要です。
利用者の行動に寄り添い、移動体験そのものを設計できる人材が、今後ますます求められるはずです。
③ 若者の車離れと販売台数の影響
若者世代を中心に進んでいる「車離れ」は、自動車業界全体にとって無視できない課題です。
特に都市部では公共交通機関が整備されており、自家用車の必要性が薄れてきたことから、車を「持たない」選択をする若者が増えています。
その結果、新車の販売台数は頭打ちとなり、部品メーカーも売上や受注に影響を受けるようになりました。しかし、すべてがマイナスというわけではありません。
車を保有せずとも移動ニーズは存在するため、カーシェアリングやライドシェア、中古車市場の活性化など、間接的に自動車が使われるシーンは多くあります。
そうした場面では、交換部品やアフターマーケットの部品に対する需要が高まっており、新しい収益機会につながっています。
今後は、新車向けの大量供給だけでなく、長期間にわたるメンテナンスや改修に対応できる製品提案も重要になるでしょう。市場の縮小ではなく、多様化ととらえる視点が求められます。
④ 高齢化と人手不足の課題
日本全体で進む高齢化は、自動車部品業界においても人材確保や生産性の面で深刻な影響を与えています。
特に地方工場では若手の人手が集まりにくく、高齢のベテラン技術者が退職すると、技術継承や現場の運営に課題を抱える企業も出てきています。
人手不足は製造だけでなく、設計や品質保証など、あらゆる部門で人材の偏りを生んでいるのが現状です。
これに対応するため、企業は自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、省人化と業務効率の向上を図っています。
また、就業環境の見直しや福利厚生の充実を通じて、若者が安心して長く働ける環境づくりにも注力しています。
多様な働き方への対応や女性技術者の採用促進なども広がっており、今後は「人に優しい製造業」を志向する流れが加速するでしょう。
就活生にとっては、働きがいや将来性を感じられる職場を見極めるうえで重要な視点になります。
⑤ EV化による部品構成の変化
電気自動車(EV)の普及が進む中、自動車に使われる部品構成が大きく変わっています。
エンジンやトランスミッションといったガソリン車特有の部品は不要となり、その代わりにモーター制御やバッテリー管理、高電圧回路といった分野の部品が増えています。
結果として、部品点数は減少傾向にあり、サプライヤーのビジネスモデルにも影響を及ぼしています。
一方で、EVに求められる技術水準は高く、熱管理や安全性、軽量化などの面で新たな設計や素材開発のニーズが生まれています。
つまり、単に従来部品が不要になるのではなく、より高度で専門的な技術が求められるということです。
企業によってはEV関連に特化した新事業部を立ち上げたり、異業種からの技術導入を進めたりと、新たな挑戦が始まっています。
これから業界に入る学生にとっては、自分の専門性をどう活かすか、将来性ある分野にどう関わるかがキャリア選択の鍵になるでしょう。
⑥ 自動車部品業界の市場規模と成長性
自動車部品業界は日本の製造業の中でも非常に大きな位置を占めています。市場規模は約30兆円にのぼり、国内外の完成車メーカーを支える重要なインフラとなっています。
トヨタをはじめとする大手企業の系列には多くの部品メーカーが存在し、部品ごとに高い専門性を持つ企業がしのぎを削っています。
一方で、少子高齢化による国内市場の縮小や、海外メーカーとの競争激化により、安定成長だけでは立ちゆかない時代に入っています。
そのため、新興国市場での展開や、EV・自動運転といった次世代技術への投資が積極的に行われており、新たな成長分野に向けた布石が打たれています。
今後の成長のカギは、変化を先取りし、スピード感を持って対応できる柔軟さにあります。自ら成長の場を見つけていける学生にとっては、大きなやりがいがある業界といえるでしょう。
⑦ M&Aや業界再編の動き
近年、自動車部品業界ではM&A(合併・買収)や業界再編が急速に進んでいます。
背景には、CASEやEVへの対応といった新たな技術的要請があり、単独の企業では開発力や資金力が追いつかないという事情があります。
そのため、同業種同士の合併や、異業種との連携によって、競争力を高めようとする動きが活発になっています。
これにより、業界の勢力図は変わりつつあり、就職活動においても企業の安定性や成長戦略を見極めることがより重要になっています。
たとえば、大手グループに属する中堅企業は、安定性と柔軟性を兼ね備えている場合が多く、働きやすさや成長機会の両立が期待できます。
また、統合後の新しい社風や組織体制の中で、自ら価値を発揮できるかを意識することも必要です。変化の大きい時代だからこそ、自分に合った企業文化を見極める姿勢が求められます。
自動車部品業界の主な職種

自動車部品業界では、多くの専門職が連携しながら製品づくりを支えています。
技術や役割の違いによって、さまざまな職種が存在するため、自分に合った道を見つけるには、それぞれの特徴を理解することが大切です。ここでは、自動車部品業界で代表的な8つの職種について紹介します。
- 開発職
- 設計職
- 生産技術職
- 品質管理職
- 営業職
- 調達職
- 企画職
- 海外業務職
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① 開発職
開発職は、自動車に使用される部品やシステムの新たな技術を研究・開発する役割を担います。たとえば、燃費向上を図るエンジン部品の改良や、衝突時の安全性を高める構造材の開発などが挙げられます。
近年では、EV(電気自動車)や自動運転、コネクテッド技術の普及により、従来とは異なる視点での開発が求められるようになっています。
この職種では、理工系の知識や実験・解析スキルに加え、論理的な思考力やクリエイティブな発想力も必要です。新しいアイデアを具現化するには、試作や検証を何度も繰り返す地道な努力が求められます。
さらに、特許の出願や技術的な裏付け資料の作成など、対外的な対応も重要な業務の一部です。
最先端の技術と日々向き合い、自分が手がけた技術が実際の車に使われる喜びを味わえるのは、この職種ならではの魅力でしょう。
② 設計職
設計職は、開発された技術をもとに、製品として具現化するための詳細な設計を担当します。具体的には、CAD(設計支援ソフト)を用いて図面を作成し、部品の形状や構造、素材の選定を行います。
また、強度や耐久性のシミュレーションを通じて、安全性や機能性が十分であることを確認します。設計には、見た目の美しさや機能性だけでなく、製造コストや組み立てやすさも考慮する必要があります。
設計者は、製造現場や品質管理部門、さらには営業や調達とも連携し、複数の条件をバランスよく満たす図面を描きます。そのため、社内外のコミュニケーションも欠かせません。
また、自分の設計がそのまま製品化されるため、責任も大きい一方で、完成品を目にしたときの達成感は格別です。緻密なものづくりに喜びを感じる人には、特に向いている職種といえるでしょう。
③ 生産技術職
生産技術職は、製品を大量かつ高品質に生産できるように、工程設計や設備の導入・改善を担当します。
たとえば、効率的なライン配置の検討、ロボットの自動化導入、不良品を減らすための工程変更などが業務に含まれます。
この職種は、開発や設計で考えられた製品を、実際に量産体制へ移行させるための橋渡しをする存在です。
そのため、設備メーカーや現場の作業員との連携が不可欠であり、実務経験を積むことで、現場感覚に根ざした判断が求められるようになります。
さらに、カーボンニュートラルやDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進にともない、省エネ化やスマートファクトリーの実現にも関与する機会が増えています。
技術革新と現場の融合を担う、生産技術職の重要性は今後さらに高まっていくでしょう。
④ 品質管理職
品質管理職は、製品の信頼性や安全性を維持・向上させるために、検査や分析を通じて品質を管理する仕事です。
完成品の抜き取り検査だけでなく、製造工程でのチェックや、トラブル発生時の原因追及・対策立案なども含まれます。
品質不良が顧客に届けば、企業の信用を大きく損なうおそれがあるため、非常に責任感が求められるポジションです。
分析には統計的な手法や品質管理の知識が活かされるため、理論と実践を行き来できる柔軟さが必要です。
また、品質問題が発生した際には、設計部門や生産現場、取引先と迅速かつ的確に連携を取らなければなりません。冷静な判断と、根気強く問題解決にあたる姿勢が問われます。
目立たない業務ではありますが、「品質の番人」として製品の信頼性を支える、非常に重要な職種といえるでしょう。
⑤ 営業職
営業職は、取引先企業との窓口として、部品の受注から納品、フォローアップまでを担当する役割です。具体的には、顧客の要望をヒアリングし、自社の技術部門と調整しながら提案を行います。
また、納期や価格の交渉、数量の管理も重要な業務です。この職種では、商品知識や業界動向の把握に加えて、相手のニーズをくみ取るコミュニケーション力が求められます。
ときにはクレーム対応も必要になるため、誠実で粘り強い対応が信頼につながります。自動車部品業界では、数年単位の長期契約が一般的なため、一度築いた関係性が中長期的な成果に直結します。
また、営業成績が売上に影響することもあり、自分の成果が数字で見える点も特徴です。文系・理系問わず活躍でき、社内外の調整力が試される職種です。
人と関わることが好きな人にとっては、やりがいのある仕事といえるでしょう。
⑥ 調達職
調達職は、製品の製造に必要な部品や材料を、必要なタイミングで最適な条件で確保する仕事です。主な業務には、サプライヤー選定、価格交渉、納期管理、在庫調整などがあります。
調達の仕事は、コスト削減だけでなく、製造現場への安定供給を守る点で非常に重要です。
納期が遅れれば、生産ライン全体に影響を与える可能性があるため、リスクを先読みしながら対応する力が求められます。
さらに、グローバル調達が当たり前になった今では、為替変動や貿易摩擦など、国際的な経済環境にも目を向ける必要があります。英語での交渉や契約書の読解力など、語学力が求められる場面も増えています。
経営的視点を持ちながらサプライチェーンを支える、裏方でありながら影響力の大きな仕事です。
⑦ 企画職
企画職は、企業の方向性を定める戦略づくりや新商品の開発に関わる仕事です。業界や市場の動向、顧客のニーズを調査し、そこから将来のビジネスチャンスを見出して、具体的な企画を立案します。
この職種では、論理的な分析能力と、柔軟な発想力の両方が求められます。また、立案した企画を実現するためには、複数の部門と連携しながらプロジェクトを推進するリーダーシップも不可欠です。
自動車部品業界は、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)への対応や、カーボンニュートラル推進など、将来に向けた変革が続いています。
そのため、企画職の役割はますます広がっているといえるでしょう。変化の激しい時代において、柔軟かつ前向きに挑戦を続けられる人には、大きなチャンスがある職種です。
⑧ 海外業務職
海外業務職は、グローバル市場に向けた輸出入管理や、海外拠点との連携、現地法人との交渉を担う職種です。
多くの部品メーカーが海外に生産拠点や取引先を持っており、その橋渡し役としての役割が重要になります。語学力はもちろん、異文化理解や柔軟な思考が求められるのが特徴です。
たとえば、商習慣や価値観の違いによるトラブルが起きた際にも、冷静に対応し、双方にとって納得のいく解決策を導く力が必要です。
また、貿易実務の知識や通関対応、国際規制への理解も欠かせません。実際に海外出張や長期駐在の機会もあり、現地での意思決定やマネジメントを任されることもあります。
世界を舞台に活躍したい人にとって、挑戦のしがいがある仕事といえるでしょう。
自動車部品業界の主要企業・代表的メーカー

自動車部品業界には、世界を舞台に活躍する大手企業や、特定の分野で世界トップクラスのシェアを持つ専門メーカーが数多くあります。
ここでは、業界研究や志望動機を考えるうえで知っておきたい代表的な企業10社を取り上げ、それぞれの特徴をわかりやすく紹介します。
- デンソー|電子部品・センサー分野で世界トップクラス
- アイシン|トランスミッションを中心とした駆動系の大手
- ジェイテクト|ステアリングシステムとベアリングに強み
- 日立製作所|電動パワートレイン技術に注力
- 住友電気工業|ワイヤーハーネスなど電装系部品で国内上位
- ブリヂストン|タイヤメーカーとして世界的な存在感
- ニデック|モーター技術に特化した電動化分野の注目企業
- 小糸製作所|自動車照明機器で世界的シェア
- 豊田自動織機|カーエアコン用コンプレッサーで世界シェアトップ
- NOK|シール製品に強みを持つ老舗部品メーカー
① デンソー|電子部品・センサー分野で世界トップクラス
デンソーは自動車部品業界の中でも、とくに電子制御やセンサー分野に強みを持つグローバル企業です。
先進運転支援システム(ADAS)や自動運転、さらにはEV(電気自動車)の心臓部ともいえるインバーター、バッテリー管理システムなど、未来のクルマづくりに欠かせない技術領域に幅広く関与しています。
とくに注目すべきは、自社で研究開発から量産まで一貫して対応できる体制です。これは、高度な品質管理や短納期対応が求められる現代の自動車産業において、大きなアドバンテージとなっています。
世界中の完成車メーカーと取引があり、製品の8割以上を海外で販売しているという点もグローバル志向の学生には魅力といえるでしょう。
新技術の社会実装に関心があり、ものづくりの最前線で働きたい方にとって、デンソーは理想的な職場環境を提供してくれる企業です。
② アイシン|トランスミッションを中心とした駆動系の大手
アイシンは自動車の駆動系、特にオートマチックトランスミッションの分野で世界有数のシェアを誇る企業です。
その強みは、設計から製造、アフターサポートまでをトータルで行える技術力と生産体制にあります。
また、近年では電動化に対応するe-Axle(モーター内蔵駆動ユニット)の開発にも力を入れており、時代のニーズに即した製品展開を行っています。
同社はトヨタグループの中核企業でもありながら、ホンダやスズキ、海外メーカーとも取引があるため、さまざまな完成車に搭載される部品の開発に携わるチャンスがあります。
技術開発だけでなく、生産技術や品質保証、グローバル調達など多様な職種があるのも特徴です。
将来的には、走行性能と省エネルギーの両立が求められる自動車の「走る・曲がる・止まる」を根幹から支える存在としての重要性はさらに増すでしょう。
海外志向と専門性の両方を磨きたい方には非常に適した企業です。
③ ジェイテクト|ステアリングシステムとベアリングに強み
ジェイテクトは、車の「曲がる」動作を担うステアリングシステム、そして車体やエンジンの回転部分に欠かせないベアリング製品の2本柱で事業を展開している企業です。
なかでも電動パワーステアリング(EPS)の開発では世界的に高い評価を受けており、環境性能・安全性能の両面から存在感を強めています。
自社の強みは、トヨタグループの一員として安定した受注を持ちながら、独自の技術でグローバル展開を果たしている点にあります。
ベアリングにおいては自動車以外にも鉄道や産業機械にも使われるなど、応用範囲が広いため景気変動にも比較的強いといえるでしょう。
開発拠点が世界各地にあり、若手でも早くから海外での挑戦が可能な環境が整っています。
機械工学や制御技術に関心がある方はもちろん、多様な価値観の中で働く経験を積みたい方にもふさわしいフィールドが広がっています。
④ 日立製作所|電動パワートレイン技術に注力
日立製作所は総合電機メーカーとして知られる存在ですが、自動車関連事業では電動パワートレインを中心に革新的な技術を提供しています。
モーターやインバーター、制御ユニットなどの電動化部品を通じて、EV化やハイブリッド化を進めるメーカーの重要なパートナーとなっています。
特筆すべきは、車載向けの製品でもエネルギー効率や小型・軽量化といった厳しい要件を満たす高い技術力です。
また、日立Astemo(旧:日立オートモティブシステムズ)として自動車事業を再編し、より専門性を高めた開発体制を敷いています。
グローバル展開にも力を入れており、海外メーカー向けの製品開発や現地生産も活発です。
電気・電子分野に限らず、組み込みソフトウェアやAI技術を活かした開発も進んでいるため、文理を問わず幅広い専門性が活かせる職場といえるでしょう。
⑤ 住友電気工業|ワイヤーハーネスなど電装系部品で国内上位
住友電気工業は、電線や光ファイバーなどの総合電線メーカーとしての顔を持ちながら、自動車分野では「ワイヤーハーネス」で国内トップクラスのシェアを誇っています。
ワイヤーハーネスとは、車内の電気信号や電力を各パーツに届ける配線の集合体で、自動車の神経ともいえる重要部品です。
車両の高度化にともない、電装部品の数が急増しており、1台あたりの配線距離は数キロメートルに達します。
住友電気工業は長年の技術蓄積と品質管理の強さを活かし、軽量・高耐熱・高信頼性の製品開発を進めています。
最近では自動運転やEVに最適化されたワイヤリングシステムの開発にも力を入れており、進化し続ける領域です。
さらに、グローバル展開にも積極的で、アジア・北米・欧州に製造・開発拠点を有し、現地ニーズに即した製品提供を行っています。
材料工学や電気通信に関心がある方だけでなく、グローバル志向を持つ方にも最適な環境が整っています。
⑥ ブリヂストン|タイヤメーカーとして世界的な存在感
ブリヂストンは、乗用車・商用車・モータースポーツ用など、多種多様なタイヤ製品を展開している世界最大級のタイヤメーカーです。同社の強みは、高いゴム加工技術と設計技術にあります。
製品は安全性・耐久性・燃費性能を兼ね備え、世界各地で高い評価を受けています。
また、最近では「エアフリータイヤ」や「スマートタイヤ」といった次世代タイヤの開発にも取り組んでおり、単なる消耗品から“情報を持つ部品”へと進化させることを目指しています。
データ分析やIoTと組み合わせた新たなサービス展開も進行中です。環境への配慮も強化しており、再生資源の活用やCO₂排出量の削減といった取り組みを通じて、サステナブルなモノづくりを推進しています。
モノづくりにこだわりたい方はもちろん、環境技術や新規事業開発に挑戦したい学生にも魅力のある企業です。
⑦ ニデック|モーター技術に特化した電動化分野の注目企業
ニデックは、精密モーターや車載用モーターに特化した企業で、「すべての回転を電動化する」をキーワードに、世界中の産業を支えています。
とくにEVの台頭によって車載モーターの需要が急増するなか、同社はその技術力を武器に急成長を遂げています。
製品群には、駆動用モーター、EPS用モーター、ポンプやコンプレッサー用のサブモーターなどがあり、自動車の電動化に欠かせない存在です。
さらに、M&Aを通じた積極的な事業拡大も特徴で、新たな市場や技術領域への進出を加速しています。
経営トップが掲げるビジョンのもと、スピード感のある意思決定がなされ、若手にも早い段階から大きな裁量が与えられる風土が根づいています。
技術職のみならず、企画・営業・生産管理など多様なキャリアパスがあるため、主体的に挑戦したい方にとってやりがいの大きい環境です。
⑧ 小糸製作所|自動車照明機器で世界的シェア
小糸製作所は、自動車用のヘッドランプやテールランプなど、照明機器の開発・製造に特化した企業です。
とくにLEDランプやアダプティブライトシステム(自動配光システム)といった高度な製品で、世界中の自動車メーカーから高い評価を受けています。
照明は安全性に直結するだけでなく、車の「顔」となる重要なデザイン要素でもあります。
同社では、光学設計や造形技術、電子制御技術を融合させた製品づくりを行っており、美しさと機能性の両立が求められます。
さらに、自動運転技術に対応する「ライト×センシング」の分野にも積極投資しており、未来の車づくりに貢献しています。
製品開発では、自社で光学から金型、制御、評価までを内製化しており、総合的なものづくり力が身につく環境です。
光学、機械、デザイン、情報工学など幅広い分野の学生にとって、専門性を発揮できる魅力的な企業です。
⑨ 豊田自動織機|カーエアコン用コンプレッサーで世界シェアトップ
豊田自動織機は、その名の通りもともとは織機メーカーとして出発しましたが、現在では自動車部品や物流機器の分野でも世界的に活躍する企業へと進化しました。
なかでもカーエアコン用のコンプレッサーでは世界トップシェアを持ち、燃費や快適性に影響を与える重要な製品を支えています。
同社のコンプレッサーは、高効率・高耐久・コンパクト設計が特徴で、HVやEVなど幅広い車種に採用されています。
また、電動コンプレッサーやインバーター制御機能を備えた製品の開発も進めており、電動化の流れにも的確に対応しています。
グローバルに展開する生産拠点を活用し、現地開発・現地生産を推進している点も、海外志向のある方にとっては魅力です。
熱流体力学や電気制御など、専門的な工学知識を実践で活かしたい方にとって、高度な開発環境が整った企業といえるでしょう。
⑩ NOK|シール製品に強みを持つ老舗部品メーカー
NOKは、オイルシールやガスケットといった“シール製品”の分野で長年の実績を持つ老舗メーカーです。
これらの製品は車の駆動部や油圧系統など、内部の圧力や液体を外部に漏らさないようにする重要な役割を果たしています。
シール製品は目立たない存在ではありますが、自動車の性能や耐久性、安全性に直結するため、高度な設計と素材開発が求められます。
同社は独自のゴム配合技術や成形ノウハウを武器に、他社には真似できない高精度な製品を提供しています。また、NOKは多くの完成車メーカーと取引があり、国内外で安定した需要があります。
自動車以外にも、産業機械や電子機器分野にも製品を展開しているため、景気変動に強い経営基盤を持っている点も安心材料といえるでしょう。
縁の下の力持ちとして、クルマの信頼性を支える役割に誇りを持ちたい方には、非常に相性の良い企業です。
自動車部品業界で求められる人物像

自動車部品業界では、グローバルな競争が激しさを増す中、多様な価値観とスキルを持つ人材が必要とされています。とくに、ものづくりへの情熱やチームでの協働力、課題解決への主体性が重視されています。
ここでは、企業が実際に重視する人物像を5つの観点から紹介します。
- 向上心を持って成長できる人材
- コミュニケーション能力に優れた人材
- モノづくりへの関心と情熱がある人材
- チームで協働できる人材
- 自主的に課題解決に取り組める人材
「自分の強みが分からない…本当にこの強みで良いのだろうか…」と自分らしい強みが見つからず不安な方もいますよね。
そんな方は強み診断をまずは受けてみましょう!3分であなたらしい強みが見つかり、就活にもっと自身を持って臨めるようになりますよ。
① 向上心を持って成長できる人材
自動車部品業界は、EV化や自動運転といった次世代技術の波にさらされています。だからこそ、新しいことを素直に吸収し、自ら学び続ける姿勢が非常に重視されます。
今ある知識だけではすぐに通用しなくなるため、変化に対応する柔軟性と、それに向けた行動力が求められるのです。
たとえば、新しい設計ツールの導入や、海外との共同開発案件など、技術や環境は常に変わっていきます。その中で、知識やスキルを自主的に習得しようとする人は、企業にとって大きな戦力となるでしょう。
成長意欲の強い人は、新しい業務への適応も早く、先輩社員からも信頼を得やすい傾向にあります。
過去にどんな努力をしてきたか、何を乗り越えてきたかといったエピソードを通じて、自身の成長姿勢を具体的に伝えると効果的です。
② コミュニケーション能力に優れた人材
自動車部品業界では、開発、調達、製造、品質管理など多くの部署が関わり合いながら製品を作り上げます。
こうした環境では、単に話す力や聞く力だけでなく、「相手の意図を正しくくみ取る力」や「必要な情報をタイミングよく共有する力」が不可欠です。
現場では、情報の伝達ミスや認識のズレが重大な不良や納期遅れに直結することもあるため、周囲との信頼関係を築く力も重視されます。
技術職であっても、専門用語を噛み砕いてわかりやすく説明する工夫ができる人は、部署間の橋渡し役としても活躍できます。
また、海外とのやりとりが増えている企業も多く、多様な価値観に配慮したコミュニケーション力が求められる場面も少なくありません。
学生時代の経験を通じて、どんな工夫で人と協力したか、どんな壁を乗り越えたかをエピソードとして語れるようにしておくと、より具体性が増すでしょう。
③ モノづくりへの関心と情熱がある人材
自動車部品は、1つひとつの品質が全体の安全性や信頼性に直結する重要な要素です。だからこそ、単なる作業としてではなく、ものづくりの本質に向き合う姿勢が求められます。
興味や関心が強い人ほど、製品の細部に目が届き、改善点に気づける可能性が高まるのです。製造工程では、わずかな誤差や材料の違いが大きな性能差につながることもあります。
そのため、「どうすればより良いモノがつくれるか」と考え抜く力や、完成品に責任を持つ姿勢が非常に大切です。日々の作業にも情熱を持って向き合える人が、結果として高品質な製品を生み出しています。
企業は、技術そのもの以上に「モノづくりを楽しめるか」「こだわりを持てるか」という点を重視します。
学生時代の制作経験、実験、工学系の学習などを通じて、自分なりのものづくりへのこだわりを表現できれば、強いアピールとなるでしょう。
④ チームで協働できる人材
自動車部品の開発・生産では、個々の能力よりもチーム全体での成果が問われます。各部署の専門性をつなぎ、課題を共有しながら最適な解決策を導くためには、協働する力が不可欠です。
自分の役割だけでなく、チーム全体を見渡しながら動ける視野の広さが評価される場面も多くあります。実際の現場では、設計から試作、評価、量産までの各段階で緊密な連携が求められます。
そこでは、相手の考えを尊重しつつ、自分の意見も適切に伝え、課題を共有する姿勢が大切になります。
一方的に意見を押し通すのではなく、折り合いをつけながら進めていく力があると、チーム全体の成果にもつながりやすくなります。
大学生活におけるサークル活動、ゼミ、アルバイトなどでも、チームで何かを成し遂げた経験があれば、それを振り返ってみてください。
役割分担や衝突の乗り越え方など、実践的なエピソードを用意しておくと説得力が増すでしょう。
⑤ 自主的に課題解決に取り組める人材
自動車部品の現場では、予定外のトラブルや不具合が日常的に発生します。そうした状況で、上司の指示を待つのではなく、自分で問題点を見つけて解決に動ける人は、大きな信頼を得られる存在になります。
特に現場業務では「自分で考えて動く力」が成果に直結するケースも少なくありません。
具体的には、不良品の原因分析や、納期の調整、設備トラブルへの対応など、即時判断と行動が求められる場面が多くあります。
その際、問題を的確にとらえ、必要な人や情報に自分からアクセスする力があると、職場全体のパフォーマンスも向上するでしょう。このような姿勢は、企業側から見ると非常に頼もしく映ります。
たとえば、学生時代にイベント運営やプロジェクトなどで自発的に提案を行った経験があれば、それを具体的に伝えてみてください。
自ら課題を見つけ、改善策を立てて実行した経験があるかどうかが、評価の大きなポイントになります。
自動車部品業界で働くやりがい

自動車部品業界には、就活生にとって魅力的なやりがいが数多くあります。
完成車メーカーを支える存在として、製品開発から生産、供給までに深く関わるこの業界では、自分の仕事が社会に貢献している実感を得られるでしょう。
ここでは、自動車部品業界のやりがいを4つの観点から紹介します。
- 製品が形になるモノづくりの達成感がある
- 社会インフラを支えている実感がある
- グローバルに活躍できるチャンスがある
- 最先端技術に関与できる機会がある
① 製品が形になるモノづくりの達成感がある
自動車部品業界の仕事では、自分の関わった部品が実際に車に搭載され、製品として社会に送り出される場面に立ち会えます。
設計や試作、テスト、生産ラインへの導入など、モノづくりのプロセスに深く関わることができる点が大きな魅力です。
とくに現代では、安全性能や燃費、快適性など、さまざまな要素を支える複雑な部品設計が求められており、1つのパーツが車全体の性能を左右する場面も珍しくありません。
だからこそ、完成した車両に自分の手がけた部品が使われていることに気づいたとき、大きな喜びと達成感を得られるでしょう。
また、プロジェクトが長期間にわたることもあり、苦労した分だけ完成したときの感動もひとしおです。目に見える成果を実感できる仕事に携わりたい方にとっては、非常にやりがいのある業界です。
② 社会インフラを支えている実感がある
自動車は人や物の移動に欠かせない交通手段であり、都市部だけでなく地方や災害時など、さまざまな場面で社会インフラとして重要な役割を果たしています。
その中で、自動車部品業界は車の基盤を構成する存在として、間接的ながらも生活や経済の基礎を支える役割を担っています。
特定の部品が不具合を起こせば、車全体の性能や安全性に影響するため、品質や信頼性が非常に重視されるのも特徴です。
品質管理や安全設計に真剣に取り組むことが、人々の安心や信頼につながるという点で、大きな責任と誇りを持って働くことができるでしょう。
さらに、高齢化が進む日本では、自動ブレーキや運転支援技術など、社会課題の解決につながる機能の開発にも部品メーカーの存在が不可欠です。
自分の仕事が日常生活の安全や便利さを直接支えていると実感できることが、この業界で働く大きなやりがいとなります。
③ グローバルに活躍できるチャンスがある
自動車部品業界のもう一つの特徴は、グローバル市場との強い結びつきです。世界中に自動車メーカーの拠点が存在するため、部品メーカーも自然とその流れに沿って海外展開を進めています。
結果として、若手のうちから海外との取引や現地プロジェクトに関わる機会が豊富です。
例えば、現地工場の立ち上げ支援や、海外顧客との技術打ち合わせ、さらにはグローバルサプライチェーンの調整など、語学力や異文化対応力を活かせる場面が多くあります。
単なる出張にとどまらず、長期赴任や海外駐在という選択肢も現実的に用意されています。
また、異なる国や地域ごとのニーズや規格に合わせて製品を調整する必要があるため、柔軟な発想や国際感覚も身につけることができるでしょう。
国境を越えて活躍したいという希望を持っている方には、非常に恵まれた環境です。
④ 最先端技術に関与できる機会がある
自動車業界は現在、かつてないほどの変革期に突入しています。
電動化や自動運転、コネクテッドカー、AI制御など、次世代のモビリティ社会に対応するため、部品メーカー各社も競って新技術の開発に取り組んでいます。
部品1つひとつにも高度な制御技術やセンサー、ソフトウェアが組み込まれるようになっており、かつては「機械中心」と言われていた部品製造も、今では「デジタルと融合した総合技術産業」となっています。
このような環境の中で働くことで、常に最新技術の知見に触れ、スキルを磨くことが可能です。
また、新しい製品を生み出す段階では部署を越えた連携が不可欠であり、設計、試作、営業、品質保証など、さまざまな立場の人と協力してモノづくりに挑むことになります。
その過程で得られる学びや成長は大きく、技術革新の最前線にいることを肌で感じられるでしょう。変化を恐れず、新しい分野に挑戦したいという気持ちがある方には、まさに最適な業界です。
自動車部品業界で評価される志望動機の書き方

自動車部品業界は、自動車産業を支える重要な存在です。そのため、就職活動では、業界への深い理解と自分自身との関連性を明確に伝えることが求められます。
ここでは、評価されやすい志望動機の書き方について、4つのポイントから具体的に解説していきます。
- 業界の特徴を踏まえて動機を言語化する
- 自身の強みと企業のニーズを結びつける
- 入社後のキャリアビジョンを明確に伝える
- 志望企業ならではの理由を具体的に示す
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① 業界の特徴を踏まえて動機を言語化する
自動車部品業界は、完成車メーカーと密接に連携しながら、安全性・燃費・快適性など、さまざまな面で車の性能を支える役割を果たしています。
しかも、最終製品には見えない部分の改善や改良に絶え間なく取り組むことが求められるため、目立たないながらも技術的貢献度が極めて高い業界です。
こうした特性を理解したうえで、「完成車には現れにくいが、安全性や耐久性を陰で支えていることに魅力を感じた」などと動機を述べると、業界への理解度が伝わりやすくなります。
一方、車そのもののデザインやブランドにしか触れていない志望動機では、「部品業界ではなく完成車メーカーを希望しているのでは?」と受け取られるおそれもあります。
自分がなぜこの業界に強く惹かれたのかを考え、その関心の源が業界の特性とどう関係しているのかを整理してみてください。
技術の進化に寄り添いながら社会の基盤を支える存在としての自動車部品業界の役割に注目することが、効果的なアピールにつながるでしょう。
② 自身の強みと企業のニーズを結びつける
評価される志望動機には、単なる自己PRではなく「自分の強みが企業でどう活きるか」という具体的な関連づけが欠かせません。
自動車部品業界では、高精度な製品づくりのために綿密なデータ分析力や問題解決力が求められます。また、製造現場では小さな違和感にも敏感に気づく観察力や、改善を続ける粘り強さも重要視されます。
たとえば、「研究室での実験で想定外の結果が出た際、要因を何度も検証して改善を重ねた経験がある」といったエピソードを持ち出すことで、理論と実践の両面での力を伝えることができます。
さらに、ものづくりにおける品質の大切さを理解し、自分の力で支えていきたいという意志を加えると、説得力が一層高まります。
また、海外拠点とのやり取りが発生する企業も多く、語学力や異文化理解力が強みであれば、それを活かせる業務にも自然と結びつけられます。
このように、自分の強みを企業の実際の業務や価値観に照らし合わせて言語化することで、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえる動機につながるでしょう。
③ 入社後のキャリアビジョンを明確に伝える
企業が採用活動で重視するのは、「入社後にどのように成長していくか」というビジョンを持っているかどうかです。
自動車部品業界は技術革新の波にさらされており、EV(電気自動車)や自動運転技術、カーボンニュートラル対応など、次世代の課題に直面しています。
この変化の中で、自分はどんな専門性を深め、どのように貢献していきたいのかを語れるかが重要なポイントです。
たとえば、「環境負荷を低減する新素材に関心があり、材料開発や耐久試験の知見を深めて社会課題の解決に取り組みたい」というビジョンであれば、業界の動きと自分の関心がしっかりつながっています。
こうした視点を盛り込むことで、「この人は長期的に会社と一緒に成長してくれそうだ」と受け取ってもらえる可能性が高まるでしょう。さらに、希望職種に対する理解も示すと効果的です。
「製品設計に携わることで、お客様の使い勝手や安心感を高めるような改善提案を実現したい」など、将来像を具体的に描くことが大切です。
明確なビジョンは、それ自体が志望意欲の証明となり、採用担当者にも好印象を与えるはずです。
④ 志望企業ならではの理由を具体的に示す
数ある企業の中でなぜその会社を選んだのか、という問いに答えられないと、志望動機の説得力は大きく下がってしまいます。
自動車部品メーカーは、取り扱う部品の分野も異なれば、得意とする技術や方針もさまざまです。志望先企業の独自性をきちんと把握し、それに共感した理由を明確に伝えることが求められます。
たとえば、「御社が手がけるセンサ技術は、他社にない精度と量産性のバランスがあり、その仕組みに強い関心を抱いた」といったように、具体的な技術や製品に触れることで、調査の深さが伝わります。
また、企業理念や開発方針に共感した点を述べるのも効果的です。さらに、自分の経験や関心がどう企業とマッチするかまで踏み込むと、より説得力が高まります。
「ゼミで人の動作データを扱った経験が、御社の安全支援システム開発に役立つのではないか」といったように、自分の視点で企業の魅力を再解釈する姿勢が大切です。
他社でも使い回せるような一般論ではなく、「この企業だからこそ入りたい」という理由を明確に伝えてください。それが志望の本気度を示す一番の方法です。
自動車部品業界で評価される自己PRの書き方

自動車部品業界では、論理的で説得力のある自己PRが重視されています。ただ自分をアピールするだけでなく、企業が求める人物像と自分の経験がどう一致するのかを、明確に伝える必要があります。
ここでは、評価されやすい自己PRを構成するうえで重要な4つのポイントを紹介します。
- 結論・エピソード・成果を構造的に整理する
- 技術力や論理的思考力を根拠とともに伝える
- チームでの役割や課題解決力をアピールする
- 学生生活での経験を強みに結びつける
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① 結論・エピソード・成果を構造的に整理する
自己PRで最も大切なのは、最初に結論を明確に伝えることです。何を一番伝えたいのかを冒頭に述べることで、読み手の理解が深まりやすくなります。
その後に、結論を裏付ける具体的なエピソードを述べ、最終的にどのような成果を得たのかを示すことで、話に一貫性と説得力が生まれます。
たとえば、「粘り強さがある」と伝えたい場合には、困難な状況でも諦めずに取り組んだ経験を具体的に記し、その結果として得られた成功や評価を明示すると効果的です。
特に成果については、「売上が〇%向上した」「表彰を受けた」など、数字や事実で裏づけると信頼性が増します。
多くの学生が自分の努力や工夫を語る際に、エピソードに終始してしまい、結局何をアピールしたいのかが曖昧になることがあります。
だからこそ、最初に結論をはっきりと述べ、全体の流れが結論を支える構成になっているかを意識すると、読み手の印象に強く残る自己PRになるでしょう。
② 技術力や論理的思考力を根拠とともに伝える
自動車部品業界では、緻密な設計や安全性を担保するための理論的な検証が求められます。そのため、技術力や論理的思考力を示す自己PRは、非常に高く評価されやすい傾向があります。
ただし、これらの能力は感覚的な表現では伝わりにくく、根拠となる具体的な経験や実績を通じて示すことが重要です。
たとえば、研究室でのテーマに取り組んだ際、複雑な課題に直面しながらも仮説を立て、検証と修正を重ねた結果、より高い精度の成果が出たという経験をどう伝えるか考えましょう。
この経験を効果的に伝えるのであれば、それを通じて「どのように考え、どう解決したのか」を筋道立てて説明してください。
また、工学的な知識を用いて分析し、結果を論理的にまとめて発表した経験なども効果的です。
さらに、分析や考察だけでなく、試行錯誤の過程における失敗とその乗り越え方も加えると、思考の深さや柔軟性が伝わりやすくなります。
技術力や論理性を主張する場合は、自分の行動に「なぜそうしたか」という理由づけを丁寧に加えることが、読み手の理解と納得を生む鍵になるでしょう。
③ チームでの役割や課題解決力をアピールする
自動車部品の開発や生産工程では、部署間の連携が密であり、チームでの協働が不可欠です。したがって、個人としての能力だけでなく、チームの一員としてどのように貢献できるかを示すことが自己PRでは重要な要素となります。
単に「協力しました」と書くのではなく、自分がどのような役割を担い、何を意識して行動したのかを明確に伝えてください。
たとえば、意見が食い違うチーム内で調整役を務めた経験や、情報共有が不足していた状況でコミュニケーションツールを導入した経験などについて考えてみましょう。
それらの経験によって得られた成果や周囲の変化も含めて述べると、実行力と影響力の両方を伝えることができます。
さらに、自分の強みをチーム全体の成果にどう活かしたかを意識することで、より実践的な能力があると印象づけられます。
チーム経験は就活生にとって共通の話題ですが、その中でどれだけ主体的に動き、結果に導いたかを具体的に語ることが差別化の鍵となるでしょう。
④ 学生生活での経験を強みに結びつける
採用担当者は、学生時代の経験からどのような学びを得たのか、そしてそれを入社後にどう活かせるのかを重視しています。
したがって、自己PRでは学生生活の中で得た経験をただ紹介するのではなく、自分の強みと業界の特性を結びつけて語る必要があります。
たとえば、アルバイトで業務効率を上げる提案を実行した経験があるなら、それが自動車部品業界の生産性向上や品質改善の場面でどう活かせるかを具体的に説明してください。
あるいは、部活動で役割を持ちながら計画的に行動した経験が、納期厳守やスケジュール管理とどう結びつくかも有効です。
また、学業以外の場面での工夫や自主性を取り上げることも、主体性を伝える手段になります。
重要なのは、「経験→学び→活用」という流れを意識して構成し、自分がどのように成長し、それを将来の業務に応用できるのかを読み手に想像させることです。
どのような経験であっても、それをどう解釈し、どのように強みとして言語化できるかが評価されるポイントになります。
経験に自信がなくても、結びつけ方次第で強い自己PRになる可能性があるでしょう。
自動車部品業界を理解し、未来を見据えたキャリアを築こう!

自動車部品業界は、OEMからTier4までの多層的なサプライチェーン構造を持ち、CASEやEV化といったトレンドに大きく影響を受けています。
特に市場規模や成長性が高く、M&Aや業界再編も活発に進行中です。また、開発職や品質管理職など多様な職種が存在し、主要メーカーではグローバル展開も盛んです。
モノづくりの達成感や社会貢献を実感できる点が働く魅力であり、自動車部品業界では、向上心やチームでの協働力を持つ人材が求められます。
今後のキャリアを考えるうえで、この業界が持つ可能性とやりがいは非常に大きいといえるでしょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。