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重工業業界とは?事業・業界構造や大手5メーカーを比較して徹底解説

重工業業界に興味がある就活生も多いのではないでしょうか。しかし、重工業業界の構造や主要メーカーに関してはよく知らない人もいると思います。

本記事では、重工業業界の特徴や事業構造、主要メーカーについて解説します

具体的な仕事内容や求められるスキルも紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。

重工業業界とは?

重工業業界は、主に大型機械や設備を製造する産業です。高度な技術力と大規模な設備投資が求められるため、大手企業が市場をリードしています。

重工業の製品は、国内外の様々な産業で使用され、経済発展に欠かせない役割を担っています。また、研究開発にも力を入れており、技術革新が常に求められる分野です。

また、重工業製品は長期間にわたって使用されることが多く、高い耐久性や安全性が求められます。以上の特徴から、重工業は高い技術力を持つ企業が競争する市場となっています。

重工業業界の業界構造

重工業業界は、多岐にわたる分野をカバーしています。ここでは、重工業業界を形成する5つの分野を解説します。

  1. 鉄道車両・船舶・航空部品の製造・販売
  2. 防衛設備の製造・販売
  3. 発電所建設
  4. ロボットの製造・販売
  5. 宇宙産業関連

①鉄道車両・船舶・航空部品の製造・販売

鉄道車両、船舶、航空部品の製造と販売は、重工業業界の基盤を形成しています。

鉄道車両・船舶・航空部品は、国内外の交通インフラや物流システムに不可欠であり、技術革新によって常に進化しています。

例えば、環境に配慮した省エネルギー型の車両や、安全性を高めた船舶の開発が進んでいるのです。また、航空部品に関しては、軽量化や耐久性の向上が求められ、精密な技術が必要とされます。

②防衛設備の製造・販売

防衛設備の製造・販売は、国の安全と直結するため、非常に高い技術力と信頼性が求められる分野です。

最新の技術を駆使した戦闘機、戦車、ミサイルシステムの開発は、国際的な軍事バランスにも影響を及ぼします。

防衛設備の分野では、厳格な品質管理と秘密保持が必要であり、国内外の市場で競争力を保つためには、技術革新とコスト管理が鍵となります。

また、国際的な安全保障の動向に敏感である必要があり、政治的な判断も重要な要素です。

③発電所建設

発電所建設は、エネルギー供給の安定と環境保護のバランスを取る必要がある分野です。

再生可能エネルギーの普及に伴い、太陽光発電所や風力発電所の建設が増加しています。太陽光・風力発電所は、持続可能なエネルギー供給のために不可欠です。

一方で、従来型の火力発電所や原子力発電所も、エネルギー需要に応じて重要な役割を果たしています。発電所建設では、技術革新に加え、環境への影響を最小限に抑えるための工夫が求められます。

④ロボットの製造・販売

ロボットの製造・販売は、産業の自動化と効率化を推進する重要な分野です。産業用ロボットは、製造ラインの自動化に欠かせず、生産性の向上に大きく貢献しています。

また、最近では、介護や医療分野でのロボットの活用も進んでおり、社会的なニーズに応える新たな市場が開拓されているのです。

AI技術の進展により、ロボットはより高度な作業をこなすことが可能になり、人間の作業を効果的にサポートします。ロボットの分野は、技術革新が絶えず進むため、継続的な研究開発が不可欠です。

⑤宇宙産業関連

宇宙産業関連は、重工業業界の中でも特に高度な技術と大胆なイノベーションが求められる分野です。

人工衛星の打ち上げや宇宙ステーションの建設は、通信、気象観測、地球監視など多岐にわたる用途に利用されています。

また、月面探査や火星探査などの大規模プロジェクトは、科学技術の限界を押し広げ、人類の知識の拡大に貢献しています。

宇宙産業では、国際的な協力が不可欠であり、技術開発だけでなく、政治的、経済的な側面も重要です。

重工業業界の3つの分類

重工業は、経済の基盤を形成する重要な産業です。ここでは、重工業業界の3つの分類を解説します。それぞれの特徴を理解することで、重工業業界の全体像が見えてきます。

  1. 重工業メーカー
  2. 造船
  3. 防衛装備

①重工業メーカー

重工業メーカーは、大型機械や設備を製造する企業です。三菱重工業、川崎重工業、IHIなどが重工業メーカーに該当します。

重工業メーカーの製品は、建設、鉱業、エネルギー産業など、幅広い分野で使用されます。高度な技術と大規模な設備投資を要求されるため、業界内での競争は非常に激しいのが特徴です。

また、環境規制の強化や技術革新の進展により、持続可能な製品開発が求められています。

②造船

造船メーカーは、商用船や特殊船舶などの造船に特化したメーカーです。三井造船、日立造船は造船メーカーに含まれます。大型のコンテナ船やタンカー、豪華客船などが主な製品です。

造船業界は、国際的な市場競争が特徴で、特にアジア諸国の造船メーカーが強い影響力を持っています。技術革新により、環境に優しい船舶の開発や、自動化技術の導入が進んでいます。

また、安全性の向上や燃費効率の改善も、業界の重要な課題です。

③防衛装備

防衛装備メーカーは、軍事用の装備品やシステムを開発、製造する企業です。戦闘機や戦車、ミサイルシステムなども含まれます。住友重機械工業、コマツが主な企業です。

防衛装備メーカーは、国家の安全保障と密接に関連しており、技術の革新が常に求められます。また、国際的な政治情勢や軍事バランスの変化によって、需要が大きく変動することもあります。

防衛装備メーカーは、安全性や信頼性に対する要求は非常に高く、継続的な研究開発が不可欠です。高度な技術力と厳格な品質管理、そして政府や軍との強固な関係が成功の鍵となります。

重工業業界主要5メーカーを比較して紹介

日本には特に船舶、航空、宇宙などで世界的な影響力を持つ重工業メーカーが多数存在します​​。ここでは、重工業界の主要5メーカーの特徴を紹介します。

  1. 三菱重工業株式会社
  2. 川崎重工業株式会社
  3. 株式会社IHI
  4. 三井造船株式会社
  5. 住友重機械工業株式会社

①三菱重工業株式会社

三菱重工業は日本トップの重工業メーカーです。航空宇宙からエネルギー関連設備、さらには汎用機や特殊車両に至るまで、多岐にわたる製品を製造しています。

特に航空機や宇宙関連の分野では、その技術力は世界をリードしており、新しい発電システムや遠隔監視システムなど、デジタルソリューションの開発にも力を入れています。

社風は三菱グループの一員としての安定感があり、フレックスタイム制度や在宅勤務などの働きやすい環境が整っていますが、年功序列の影響が強いのが特徴です。

②川崎重工業株式会社

川崎重工業は、陸海空とあらゆる領域で重機を製造しているメーカーです。航空機や人工衛星の製造では特に優れた技術を持ち、鉄道車両やバイクの分野でも高評価を受けています。

社風は協調性を重視し、若手社員も発言しやすく、新しい仕事にチャレンジすることを奨励しています。また、社員のサポート体制がしっかりしており、チームワークを大切にしている点が特徴です

③株式会社IHI

株式会社IHIは、資源・エネルギー関連の機械から社会インフラの開発まで、多岐にわたる業務を展開している大企業です。

社風としては、年功序列の伝統が根強く、個々の成果が評価されにくいとの声もありますが、教育制度には力を入れており、技術職においては特に人員不足が課題となっています。

大規模プロジェクトに携わる機会も多く、それに伴うプレッシャーもあるが、休日はしっかり取れる環境があります。

④三井造船株式会社

三井造船は、船舶や海洋事業を中心に、機械・システム事業なども手掛けている企業です。

特に、船舶用ディーゼルエンジンでは国内トップシェアを誇り、大型コンテナクレーンでは世界シェア第2位を占めています。

社風は年功序列が強く、個々の努力が直接的な評価に結びつきにくい傾向がありますが、専門知識を身につけることで、やがて大きな責任を担うポジションに就ける可能性があります。

⑤住友重機械工業株式会社

住友重機械工業は、精密機械や建設機械、産業機械などの分野で幅広い事業を行っている企業です。

福利厚生が充実しており、給与面だけでなく、家賃補助や休暇制度においても良い待遇を提供しています。

大規模プロジェクトに対しても、高い度量で臨める社風があり、社内外の多様な人々と共に仕事を進めることで様々な経験を積めます。

重工業業界の仕事内容

重工業業界は、多岐にわたる職種が存在し、それぞれの役割が業界の発展に不可欠です。ここでは、重工業業界での主要な職種とその仕事内容について解説します。

  1. 事務系職
  2. 技術系

①事務系職

まず1つ目は、営業、総務、財務、経理、人事などの事務系職種です。

営業職は、製品やサービスの販売戦略を立案し、顧客との関係を構築・維持することが主な仕事です。総務では、社内の規則や環境整備を担当し、職場の円滑な運営を支えます。

財務や経理職は、企業の財務状況を管理し、健全な経営を支える重要な職種です。また、人事部門では、採用活動や社員のキャリア開発を通じて、企業の人材育成を行います。

事務系職種は、重工業業界の運営において中心的な役割を果たしています。

②技術系

2つ目は、設計、研究開発、生産技術、品質保証など技術系職種です。

設計職は、製品の設計図を作成し、機能性や安全性を考慮した製品開発を行うのが仕事です。研究開発職は、新しい技術や材料の開発に従事し、業界の進歩に貢献します。

生産技術職は、製造プロセスの効率化や品質向上を目指し、生産ラインの管理や改善を行います。品質保証職は、安全で信頼性の高い製品を提供するために製品の品質管理を担当している職種です。

技術系職は、重工業業界の技術革新と製品開発の中心であり、業界の競争力を高めるために不可欠な存在と言えます。

重工業業界で求められるスキル・人物像

重工業業界は、世界の産業や経済を支える重要な役割を担っています。重工業業界で働くために必要な資質やスキルについて解説します。

  1. 理系職では大学院卒業を必須とすることが多い
  2. 未来に挑戦する意欲的な人材
  3. 切磋琢磨できるチームプレイヤー

①理系職では大学院卒業を必須とすることが多い

重工業業界では、専門的な知識や技術が求められるため、多くの企業が大学院卒業を採用の基準としています。特に、工学系の専攻が重視される傾向にあります。

大学院での研究経験は、新しい技術や製品の開発に不可欠な創造性や問題解決能力を養うために重要です。

また、重工業業界では、技術の進歩が激しく、常に最先端の知識が求められるため、学ぶ意欲が高い人材が重宝されます。

②未来に挑戦する意欲的な人材

重工業業界は、常に革新的な技術や製品を生み出すことが求められる分野です。そのため、新しいことに挑戦する意欲が強い人材が必要とされています

重工業業界で成功するためには、単に既存の知識や技術を適用するだけでなく、未来を見据えた革新的なアイデアを生み出し、実現する力が求められます。

また、世界中のさまざまなプロジェクトに関わる機会が多いため、国際的な視野を持ち、異文化を理解し協働できる能力も重要です。

挑戦的な精神と共に、広い視野を持つことが、重工業業界での成長には不可欠です。

③切磋琢磨できるチームプレイヤー

重工業業界では、大規模なプロジェクトが多く、チームでの協力が必須です。そのため、チーム内での切磋琢磨ができる人材が重宝されます

チームプレイヤーとしての資質は、単にチーム内での協調性だけでなく、他のメンバーの意見を尊重し、共同で目標に向かって努力する姿勢を含みます。

プロジェクトの成功は、個々のメンバーの技術や知識だけでなく、チーム全体の協力によって成し遂げられることが多いため、相互の学びや経験の共有が重要です。

重工業業界は今後も拡大する魅力的な業界

重工業業界は、技術革新と市場の拡大により、今後も成長が期待される魅力的な業界です。新興国の経済発展や環境技術への関心の高まりにより、重工業業界は今後も拡大し続けるでしょう。

また、重工業界では、営業、調達、製造などの各部門がチームとして協力し、大きなプロジェクトを成功に導くことが求められます。

世界規模での貢献や大きなプロジェクトに携われることは、他の業界では味わえない独特の醍醐味と言えるでしょう。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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