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水産業界の仕組みと代表企業5社を紹介|今後の動向も徹底解説

水産業界は、漁で捕まえた魚類を加工して販売する事業を行っているのが特徴です。しかし、具体的にどんな企業が属しているのかがわからず、就活対策時に悩んでしまう方もいるでしょう。

本記事では、業界の仕組みや知名度が高い企業・動向やトレンド・向いている人の特徴を解説します。業界の傾向を掴んで、就活に活かしたい方は、ぜひチェックしてみてください。

水産業界の仕組み

水産物に関わる業界の仕組みをチェックすれば、業務への理解も深まります

漁業で獲得した水産物は卸売りで売られ、水産メーカーに購入されてから小売店に販売されて消費者に届く、といった流れになっているのが特徴です。

業界は、さらに以下の3つに分類されます。

  1. 漁業
  2. 卸売業界
  3. 水産メーカー業界

①漁業

漁業は、長い日数で世界の海を渡り漁を行う遠洋漁業・3日ほどで帰ることが可能な距離で行う沖合漁業・日帰りで行える沿岸漁業の3種類に分類できます。

全体の生産量のうち、漁船を使った沖合漁業によって捕まえられるサバやイワシ・サンマ・アジなどが半分以上を占めているのが特徴です(参考:水産庁)。

生産量は1984年に1282万トンを記録しましたが、2018年には442万トンまで減少しています。

また、水産物を捕まえるほか、養殖業を営んでいる世帯も漁業経営体としてカウントされるのがポイントです。

②卸売業界

卸売業界では、漁業で水揚げされた水産物が集まる全国の市場を対象にセリを行い、適した値段に調整して流通させる事業を展開しています。

盛んにセリが行われる市場として知られている豊洲市場で取り扱われる水産物の量は年々減少していますが、取引される合計金額は大きく変動していません。

2023年3月期には豊洲市場に拠点を持つ卸会社の売上高が前期比で12.8%増加していて、ある程度売り上げが回復してきているのも特徴です(参考:日本経済新聞)。

③水産メーカー業界

水産メーカー業界には、さまざまな水産加工食品などを生産する会社が属しています

水産物を冷凍食品や冷蔵食品、練り物などに加工することで扱いやすくし、消費者が買うスーパーマーケットなどで販売する業務を行うのが特徴です。

鮮度を保つための技術やうま味を劣化させない加工技術などを持っていて、消費者のニーズを叶える商品作りに活かしている会社が多い、といった傾向もあります。

水産業界の代表企業

有名企業について知っていれば、業界で活躍している会社が展開している事業内容について知識を深められるのが利点です。

ここでは、企業の特徴や展開している事業について紹介します。

  1. マルハニチロ
  2. 日本水産
  3. 東洋水産
  4. 横浜冷凍
  5. 極洋

①マルハニチロ

会社名マルハニチロ株式会社
設立年月日1943年3月31日
売上高1兆204億円
事業内容・漁業、養殖業、水産物の加工・販売・輸出入業
・食品製造・加工・販売業
・食肉や飼料原料の輸入・加工・製造販売業
引用:公式サイト

マルハニチロは世界中を対象に漁獲を行うほか、養殖事業や加工食品業・流通業・ファインケミカル事業・畜産業なども展開している会社です。

練り製品やレトルト食品などの加工品を販売するだけでなく、畜産で使われる飼料の原料を輸入する業務も行っています。

②日本水産

会社名株式会社ニッスイ
設立年月日1943年
売上高7,681億円
事業内容水産事業・食品事業・物流事業・ファインケミカル事業
引用:公式サイト

日本水産は、冷凍食品・サラダチキン・お魚ソーセージ・レトルト食品・缶詰・練り製品のほか、スキンケア用品や健康食品なども取り扱っている会社です。

ファインケミカル事業を行う工場や加工工場、総合工場などを日本各地に7つ所持しています

③東洋水産

会社名東洋水産株式会社
設立年月日1948年4月5日
売上高4,358億円
事業内容・水産事業
・麺類や魚肉食品・レトルト食品・かつお削り節などの加工販売業
・冷蔵冷凍保管業
・運輸業
・通関業
引用:公式サイト

東洋水産は魚介類を仕入れて加工し販売する事業のほか、即席麺や魚肉製品・風味調味料・レトルト食品の製造販売業も行う会社です。

マルちゃん製麺などの製品で知られていて、倉庫管理業や運輸業も展開しています。

④横浜冷凍

会社名横浜冷凍株式会社
設立年月日1948年5月13日
売上高1,152億円
事業内容・冷蔵倉庫業
・農畜産物や水産品の輸出入・加工・販売業
・製氷業
・養殖業
・通関業
・不動産賃貸業
・貨物運送事業
・食堂や喫茶店などにおける食品販売業
引用:公式サイト

横浜冷凍は日本を6つの地域に分け、地域の要望に適した対応力を備えた物流事業や冷蔵倉庫業を提供している会社です。

仲卸を担当する会社や食品メーカー会社を対象に、水産物や農作物、畜産物のカテゴリーで製品の原料や食材を流通しています

⑤極洋

会社名株式会社極洋
設立年月日1937年9月3日
売上高2,721億円
事業内容・水産事業
・ロジスティクス業
・生鮮事業
・食品事業
引用:公式サイト

極洋は水産物の調達力や専門的な加工力を活かして、水産事業や生鮮食品事業を展開し、物流事業なども手掛けている会社です。

市販用に缶詰や冷凍食品を販売し、業務用には骨取りや味付けなど、調理しやすい加工をあらかじめ施してから加工した冷凍食品を販売しています。

水産業界の動向

業界の動向を把握すれば、将来に向けてどんな対策を取る必要があるのか、自分の考えを答えやすくなるのがメリットです。

ここでは、以下の3つのポイントに分けて動向を説明します。

  1. 市場規模は減少傾向にある
  2. 漁業従事者の減少が課題点
  3. 将来性は低いと推察される

市場規模は減少傾向にある

1975年頃に比べると業界の生産量が減少していて、市場規模も減少していることが推察されます(参考:水産庁)。

漁業を行う人と加工会社・外食会社・小売会社が直接取引を行い、コストダウンを図る動きも増えてきていて、市場での取引量が減ってきているのも特徴です。

またインターネットを活用し漁業と消費者を繋げて直売を行えるようにするサービスも展開され始めています。

漁業従事者の減少が課題点

漁業従事者の母数が減ってきている、といった課題もあります。

65歳以上の人材が5.8万人いるのに対し、24歳以下の人材が0.5万人となっていて、漁業を担う人の年齢が高齢化しているのも特徴です。

新しく漁業に参加する人材も減少しているため、従事者の人数の減少をどのように食い止めるのか、方法や具体的な計画を考えて実行していくことが重大な課題になっています。

将来性は低いと推察される

水産業界の将来性は、他の業界と比べると低いことが推察されます。

今後対策を取らなければ漁獲作業を行う従事者が減少してしまい、料理として魚を消費するニーズが減ってきていることが主な理由です。

漁業従事者の高齢化を防ぎ、漁業や養殖業の効率化を高めていくためには、DX化やインターネットの導入をより推進していかなければいけません

業界を発展させていくために、新しい技術と水産業を掛け合わせることで、可能性を広げていく姿勢が求められています。

水産業界のトレンド

水産業界のトレンドをチェックすれば、今後どのような事業が展開していくのか予想しやすくなりますトレンドとなるのは、以下の2つです。

  1. DX化が進む
  2. 養殖産業が増加

①DX化が進む

DX化が進むことで、IT技術を活用した業務の効率化が促進されることが期待されています。

より正確に素早く水産物の品質を評価したり、漁業の担い手に発生する負担を減らしたりできるのが特徴です。

また、水産業に携わるハードルを低くして若者が参加しやすい環境作りを進める働きも期待されています。

DX化が実現すれば漁業を行う人の負担が減るだけでなく一人当たりの給料帯が上がるとされているのが利点です。

その一方導入までにコストがかかり、IT技術を活かせる人材が少ないことが懸念点となります。

②養殖産業が増加

漁獲によって水産物を生産するのではなく、養殖産業によって水産物を生産する会社が増えることが見込まれます

今後は畜産物や農作物のように、より安定的に水産物を生産できる体制を作ることが重視され、養殖産業へのニーズが高まるのが特徴です。

また近年は、水産庁により養殖業が産業としてより成長していけるよう働きかける活動が行われていて、一例として魚粉の代替となる飼料の導入が実施されています(参考:水産庁)。

水産業界に向いている人の2つの特徴

業界に向いている人材の特徴を確認済みであれば、自分のどんな強みを主張すれば好印象になるか判断できます。向いている人の特色は、以下の2つです。

  1. 海・川への関心が高い人
  2. 体力のある人

①海・川への関心が高い人

海や川への関心が高い人は、水産業界で求められる知識やスキルを自発的に見につけやすいため、業界に向いていると言えるでしょう。

現代では環境への負荷を少なくしながら、より効率的に水産物の生産量を高めていくことが求められるのが特徴です。

ITを水産業に活用するためには新しい知識を集める必要もあり、環境面の改善にもやりがいを感じて取り組める人が活躍しやすくなっています。

魚介類の加工技術や鮮度を保つ技術開発に取り組み、美味しさを届ける方法を追求する姿勢を持っているかどうかも重要です。

②体力のある人

体力がある人も、水産業界には向いています。漁業や市場に出向いてセリを行う卸売業などは体力を必要とするため、バイタリティに自信があることを主張すれば高評価を受けやすいです。

コツコツと作業を続けられる力や、最後まで粘り強く成果を生み出せる力なども必要になります。

顧客や企業だけでなく、海や川などの自然を相手にして事業を展開しなければいけないため、天候や季節に大きく影響されても、諦めずに対策を考える姿勢も求められるのが特徴です。

水産業界は漁業人口の減少が課題

水産業界の課題には、漁業に携わる人口が減少していることなどが挙げられます。

取り扱う水産物の質を高め、ニーズに合った加工を施して販売することで売り上げを維持している企業が多いのが特徴です。

DX化や養殖産業の発展がトレンドとなっていることも踏まえて、就活対策に活かしましょう。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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