物流業界は、市場規模が安定して拡大している分野の1つです。
そんな物流業界について「物流業界にはどのような課題がある?」「今後どうなると予想されている?」と疑問を持つ就活生も多いのでは?
今回は、物流業界の現状・課題・予測できる今後の動きについて詳しく解説します。
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物流業界の現状を解説

はじめに、物流業界の現状を紹介します。昨今の物流業界に見られる主な特徴は以下の2つです。
- 宅配便の取り扱い数の増加
- 安定して市場規模は拡大
それぞれ詳しく解説します。
①宅配便の取り扱い数の増加
宅配便の取り扱い数は、ここ数年にわたって毎年増加しています。
国土交通省公表の「令和3年度 宅配便取扱実績について」内の資料によると、平成29年度から令和3年度の宅配便等取扱個数の推移は以下の通りです。(単位:百万個)
平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 |
4,251 | 4,307 | 4,323 | 4,836 | 4,953 |
宅急便などの取り扱い数が増加傾向にある理由として、通販市場の拡大が考えられます。宅配便の取り扱い数は今後も増え続ける見込みです。
②安定して市場規模は拡大
物流業界の市場規模は拡大傾向にあります。株式会社矢野経済研究所が実施した物流17業種市場に関する調査から、「物流17業種総市場規模推移・予測」のデータを紹介しますよ。
物流17業種総市場規模推移・予測(億円)
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度(見込) | 2023年度(予測) | 2024年度(予測) |
205,400 | 200,405 | 231,860 | 246,005 | 239,630 | 244,700 |
2020年度には一時的に市場規模が縮小していますが、こちらは新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済の停滞が主な原因。
その後、事業活動の再開に伴い市場規模も拡大しています。また、運賃等の物流費の高騰も市場規模が拡大となった理由の1つです。
2023年度以降は食料品等の値上げによる消費活動の低迷が影響し、取り扱い物量は横ばいと予測されています。ただし、物流費の上昇によって市場規模そのものは拡大する見込みです。
市場規模の大きさは年によって多少の上下があるものの、長い目で見れば安定して拡大傾向といえるでしょう。
物流業界の主な課題と解決策2つ

現状の物流業界における主な課題として、以下の2つが挙げられます。
- 【課題①】人材不足
- 【課題②】燃料が高騰している
それぞれ詳しい内容と、考えられる解決策を紹介します。
【課題①】人材不足
人材不足は、物流業界における大きな課題です。トラックドライバーが不足していると感じている企業は増加傾向にあります。
(参照元|国土交通省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」)
物流業界における人材不足が進む主な原因は、過酷な労働環境や長時間労働等のイメージです。このような課題の解決策として、以下の例が挙げられます。
- 採用基準の見直し
- 労働環境の整備
- AIやロボットでの業務の効率化
物流業界の市場拡大に対応するため、人材不足を解消するための施策が必要不可欠です。
【課題②】燃料が高騰している
燃料の高騰も、物流業界における課題になります。燃料価格は世界情勢による影響が大きい上、様々な要素が絡んでおり、今後の見通しが難しいのが事実です。
また、昨今は個人向け配送物の増加により、配達ルートの複雑化および再配達率の上昇もみられます。配送時の走行距離が長くなる分、燃料の消費量も大きくなりますよ。
燃料価格の高騰・燃料の消費量の増大は物流コストが重くなる原因です。このような課題の解決策として以下の3つが挙げられます。
- 再配達の防止
燃料の消費量およびドライバーの業務量を抑えるために必要な対策です。 - 物流拠点の見直し
物流拠点を増やす・見直すことで、より効率的な配送が実現します。 - AIやドローンの活用
テクノロジーを上手く活用できれば、より効率的な配送ができるでしょう。詳しくは後述します。
物流業界の動向|今後も市場拡大が期待される

宅配需要は今後も高い水準を保っていくことが予想できます。したがって、物流業界は今後さらなる市場拡大が期待できる分野です。
ただし前章で紹介したように、物流業界には大きな課題が存在します。宅配需要に応えて市場拡大を続けるために、今後は物流業界で以下の動きが必要になるでしょう。
- 人材獲得へ取り組む
- IT・AI技術を積極的に活用する
- 配達方法の多様化
それぞれ詳しく解説します。
①人材獲得へ取り組む
物流業界の大きな課題である人材不足を解消するため、人材獲得への取り組みが必要不可欠です。
前章で紹介したように、物流業界における人材不足の主な原因は、過酷な労働環境や長時間労働等のイメージ。
国土交通省は「トラック運送業の現状等について」の中で、労働条件の改善に向けて必要なこととして以下の2つを挙げています。
- 労働条件の改善
トラックドライバーは全産業平均と比較して低賃金・長時間労働の傾向です。このような状況の改善が求められています。
- 長時間労働の改善
長時間労働の改善のため、荷待ち時間の削減・荷役作業の効率化を必要としています。
人材獲得は物流業界で急務といえる取り組みであり、人材獲得のためには労働環境の改善が欠かせないのです。
②IT・AI技術を積極的に活用する
今後、物流業界ではIT・AI技術の積極的な活用も進むでしょう。
物流業界でIT・AI技術を活用する方法や期待できる効果として、主に以下の3つが挙げられます。
- 物流システムや物流ロボットの導入
人の手で行っていた作業の自動化により業務効率化が期待できます。 - ドローンやトラックの自動運転
配送の機械化が実現し、長時間労働の改善・業務負担の削減につながるでしょう。 - データ活用
これまでの業務で蓄積されたデータの活用・分析によって、オペレーションの見直しや効率化が可能です。
IT・AI技術の活用により、業務の効率化や長時間労働の改善が期待できます。
③配達方法の多様化
宅配需要に応えて市場拡大を続けるため、今後は配達方法の多様化が進むでしょう。
前項で紹介したように、今後はドローンやトラックの自動運転による配送が登場すると考えられます。IT・AI技術を活用した配達方法の導入で、長時間労働の改善や業務負担の削減が期待できますよ。
また、今後は共同配送も増えるでしょう。共同配送とは複数の物流企業が連携し、複数の企業の荷物を同じトラックで配送する方法。積載効率の向上や配送コストの削減が見込めます。
物流業界は今後も成長が期待できる業界!

物流業界は市場規模が拡大傾向にあり、今後も安定した成長が期待できる分野です。ただし、人材不足や燃料コストの増大等、解決するべき課題も存在します。
就職活動に向けた業界研究では、その業界の魅力だけでなく懸念事項や課題もしっかり調べる必要があります。
今回紹介した内容を押さえた上で、物流業界についての業界研究を進めて就活に活かしましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。