葬儀業界は、亡くなった方の葬儀を執り行う会社が属する業界です。しかし、葬儀業界の具体的な業務内容をイメージできない方も多いでしょう。
本記事では、葬儀業界の構造・職種・業界の現状や今後の動向・主要企業の具体例について解説します。
葬儀業界への理解を深めて就活に活かしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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葬儀業界の主な構造3つ

葬儀業界の構造を知っていれば、どのような企業が関わり合って業務を進めているのか把握しやすくなります。主な構造は、以下の3つに分類可能です。
- 専門葬儀社
- 葬儀仲介業者
- 冠婚葬祭互助会
①専門葬儀社
専門葬儀社は、さまざまな形式の葬儀に対応できるといった強みがあります。
お葬式を執り行える斎場を自社で保有していたり、火葬場との連携がスムーズだったりと、お通夜から火葬までを担当してくれることもあるのがポイントです。
また、葬儀では香典返しや精進落としを用意する必要があり、霊柩車を手配しなければいけません。
専門葬儀社であれば、葬儀に関連した事柄においても提携する会社が決められており、手配を任せられるのが利点です。
②葬儀仲介業者
葬儀仲介業者は、葬儀社を紹介するサービスを提供しているのが特徴です。
直接葬儀の実施に関わることはありませんが、複数の葬儀社の中から顧客の要望や予算、住んでいる場所に適した会社を探す事業を展開しています。
どこの葬儀社に頼めば決まっていない方から相談される場合が多いですが、葬儀の細かな内容についてなど、葬儀社によって回答が変わる質問には答えられないのがポイントです。
電話のほか、ネットを使って葬儀社を比較できるサービスなどを提供しています。
③冠婚葬祭互助会

冠婚葬祭互助会は、会員制の葬儀サービスを展開しています。
互助会の会員から毎月会費を受け取り、掛け金を超えた部分は別途支払いをしてもらった上で、斎場などを提供するのが特徴です。
互助会に入会すれば、身内の方が亡くなった場合に備えて葬儀社を決められます。
また、葬儀業者の中では、葬儀以外に結婚式なども担当するのがポイントです。
価格設定は高めですが、家族の冠婚葬祭の行事を任せられるといったメリットもありますよ。
葬儀業界の主な職種4つ

葬儀業界の職種を確認すれば、どんな業務に携わる機会があるのかチェックできます。主な職種は、以下の4つです。
- 葬祭ディレクター
- 納棺師
- エンバーマー
- 生花業者
①葬祭ディレクター
葬祭ディレクターは、厚生労働者が認定した資格を取得しなければ従事できない仕事です。
2級を取得すれば個人葬に、1級を取得すれば社葬などにも対応できます。
大切な方を亡くされた遺族の方と会い、葬儀のプランをスムーズに立て、進行する業務を担当します。そのため、責任感を強く持てる人に適した職種です。
亡くなった方の病院から葬儀場への移動・遺影写真の用意・返礼品や料理の発注・遺族が行う手続きの代行といった業務も行います。
②納棺師
納棺師は、葬儀を行う前のタイミングで亡くなった方を清め着替えさせて、お棺に納める業務を担当します。
お身体に触れて洗い、死装束などへの着替えをさせる必要があるため、丁寧な仕事が求められる職種です。
また、納棺では49日に必要な道具を遺族の方と共に納め、棺に入れたい物品を受け付け納める場合もあります。
ドライアイスを用いて状態を良好に保つための処置を行ったり、お化粧を施して見た目を美しく保ったりといった業務も担当するのが特徴です。
③エンバーマー

エンバーマーは、亡くなった方の着替えや化粧を担当するだけでなく、状態に応じて専門的な処置を施し、消毒や修繕・防腐処理を行います。
専門学校で学んだり、海外で経験を積んだりした上で、認定資格を取得することでなれる職種です。
エンバーマーは納棺師とは違い、傷跡の修繕や防腐のための切開など、科学知識も活用する点が異なります。
火葬が多かった日本でも近年は需要が高くなり、人手が不足している職種です。
④生花業者
生花業者は、冠婚葬祭で必要になる花を用意する職種です。
葬儀では、葬儀社からの注文に応じて斎場を装飾し、棺に納める花を加工し、用意する業務を担当します。
宗派や遺族からの希望に応じて、花の種類や飾り方を変更する必要があり、臨機応変な対応が求められるのが特徴です。
また、たくさんの花を用意して期日までに飾る、速やかなサービス提供が求められる職種でもあります。
会社や個人でお供えする生花の発注を受けて、花の配達をする場合もあるのがポイントです。
葬儀業界の現状と動向をそれぞれ解説

葬儀業界の現状や今後の動向を把握していれば、業界が直面している課題や将来性について確認可能です。
ここでは、業界の現状と動向の2つに分けて解説します。
- 葬儀業界の現状
- 葬儀業界の今後の動向
葬儀業界の現状
葬儀業界の現状は、主に2つのポイントに分けられます。ここでは、それぞれの概要や原因について紹介するので、ぜひ就活対策に活かしてみてください。
- 新型コロナウィルスの影響
- 葬儀の小規模化
①新型コロナウィルスの影響
葬儀業界では新型コロナウィルスの影響が大きく、たくさんの人を呼んで大規模な葬儀を行うことを避ける傾向が生まれました。
感染するリスクを軽減するため、料理の提供を頼まない顧客が多くなり、葬儀への参加者が少なくなりました。さらに、返礼品の発注数が減ったなどの影響もあります。
また、斎場の見学会などによる新規顧客の開拓が難しくなった分、ネットを活用して周知度を高める重要度が高まったのもポイントです。
②葬儀の小規模化

葬儀を小規模に行う顧客が増えたことで、1件あたりの単価も減少しています。家族葬など身内のみでの葬儀が増えた分、大きな葬儀よりも利益が出づらくなりました。
昔より、葬儀にかかる費用を節約する家庭が増えているため、スタイルの変化に合わせたプランを用意する必要があります。
一定の単価を得るための対策として、原価の節約に力を入れている会社もあるのがポイントです。
また、家族葬などに複数対応できるよう、斎場のレイアウトを変えるなどの対策も必要になっています。
葬儀業界の今後の動向
葬儀業界の動向を把握していれば、葬儀会社でどのように活躍できるのかをアピールしやすくなります。
今後の動向のポイントは、以下の2つです。
- 高齢者増加により需要が高まる
- 家族葬や1日葬の増加
①高齢者増加により需要が高まる
高齢者が増加した影響で、今後は需要が高まることが予想されます。
自身が亡くなった際にどこの葬儀社で葬儀を行ってもらうか、どんな形式の葬儀にするのか終活を通して事前に決める方が増えているのが特徴です。
そのため、顧客を増やしていくには生前から決められる葬儀プランを用意し、宣伝する必要があります。
高齢者にとってわかりやすい見た目の広告やCMを活用して、葬儀社としての知名度を高めたり、電話対応人数を増やしたりする施策も必要です。
②家族葬や1日葬の増加

今後は、家族葬や1日葬を頼む方が増加することも予想されます。
業界では、顧客のニーズの変化に合わせて家族葬を専門とする業者が増え、店舗を拡大させているなどの動きがあるのもポイントです。
また、会員制の冠婚葬祭互助会でも、家族葬を対象とし、払い切り型の料金制度を取り入れています。供養の儀式はせず、火葬だけで済ませる直葬を選ぶケースも増えているのが特徴です。
そのため、直葬で単価を確保するプランを用意するなどの対策が必要になるでしょぅ。
葬儀業界のやりがいや魅力を紹介

葬儀業界のやりがいをチェックすれば、自身が企業に惹かれるポイントをアピールしやすくなります。
ビジネスマナーを身につけられることや、様々な人々と関わりを持てることが、葬儀業界の主なやりがいです。
遺族の方に丁寧に接することが求められるため、失礼な印象を与えないようマナーを習得します。
また、葬儀社だけでなく生花業者や斎場の管理者など、様々な役割を担当する方と協力しながら計画的に進行する力を培えるのも利点です。
葬儀業界の主要企業3選

葬儀業界の主要企業について知識を深めれば、実際にある会社を確認しながら葬儀に関する事業の特徴を掴みやすくなります。主な企業は、以下の3つです。
- ベルコ
- 日本セレモニー
- セレマ
①ベルコ
ベルコは、互助会として結婚式や葬儀に携わるほか、老人ホームの紹介サービスも行っている会社です。
子どもの七五三や成人式、結婚記念日などに合わせて写真撮影を行えるスタジオも展開しています。
店舗で説明を行うほか、互助会への入会を検討している方を対象として、担当者が自宅に赴いて説明をするサービスも提供しているのが特徴です。
葬儀一式にかかる費用を30%から50%節約できるプランの提供や、生前にオーダーメイドできるプランの提供も行っていますよ。(参考:公式サイト)
②日本セレモニー
日本セレモニーは全国80か所に支店を持ち、25か所の結婚式や220か所の斎場を展開している互助会形式の会社です。
女性の結婚、男性の結婚、葬儀、成人式にそれぞれ備えられるプランを用意していて、会員数は100万人を超えています(参考:公式サイト)。
電話やメールで不明点を聞ける相談室を設置していて、典礼会館のCMを放映している企業でもあるのが特徴です。
③セレマ

セレマは結婚式と葬儀を担当する互助会を運営する会社で、年々全国に家族葬対応ホールを増やしているのが特徴です。
葬儀は24時間365日対応していて、結婚式ではディズニーのウェディングドレスなど、最新のドレスに対応しています(参考:公式サイト)。
また、家族間で権利を譲渡できるシステムも採用していて、子どものために積み立てもできるのがポイントです。
バスツアーなど、会員向けイベントを開催しているといった特色もあります。
葬儀業界について知り今後の就活へ活かそう!
葬儀業界について知れば、今後の就活対策に活かせます。葬儀業界は、専門葬儀社・葬儀仲介業者・冠婚葬祭互助会などの企業が属する業界です。
葬祭ディレクターや納棺師、エンバーマーなどの職種の理解も深めて、自身が就職したい会社や職業を探しましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。