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出版業界に就職したい人必見|業界動向・課題と職種を徹底解説

出版業界は就活でとても人気のある業界であり、本が好きな人の憧れの職業ではないでしょうか。

しかし現在は「出版不況」とも言われており、出版業界を取り巻く状況は変化しているため、就活生に求められる適正も変化しつつあります。

そこで今回は、出版業界の動向と今後の課題、具体的な職種について徹底解説しています。

出版業界とは

出版業界とは、書籍や雑誌などの出版物の作成・流通・広告・販売などを行う業界のことを指します。

業界の人気は非常に高く、就活難易度が高くなりやすいため、対策をしっかりと行いましょう。

出版業界と聞くと、出版社での編集部門を思い浮かべる人も多いですが、大きく分けると「出版社」「取次」「書店」に分類されます。

中でも出版社は一見華やかなイメージをもたれますが、業界全体は斜陽産業と言われているなかで各社新事業を展開しています。職種も多岐に渡るため業界・企業研究が不可欠です。

出版業界の職種を4種類紹介

出版社の仕事と言えば、編集者を想像する人も多いのではないでしょうか。

出版社は、本の企画から発行までを行っており、1冊の本を出版するのにも様々な仕事が関わっています

今回は、出版社の代表的な職種を4つ紹介しますので、出版社での仕事のイメージを掴んでくださいね。

  1. 編集者
  2. 校閲・制作
  3. ライター
  4. 営業

①編集者

編集者は、雑誌や書籍の企画立案から編集、入稿までを行う仕事です

具体的には、企画立案、スケジュール管理、原稿執筆依頼、修正、デザイン、印刷手配など非常に多岐に渡ります。

業務が多岐に渡るため、コミュニケーション能力も求められることを覚えておきましょう。

また、取り扱う商材によって仕事内容も大きく変わってくるため、それぞれのジャンルのプロフェッショナルとしての活躍が求められます。

大企業では、部署が細かく分かれているため専業になることもありますが、中小企業では様々な業務を1人で担う場合もありますよ。

②校閲・制作

校閲の主な仕事は、誤字脱字や日本語の誤りの事実確認をし、訂正する仕事です。

時には引用に違反は無いか、差別的な表現が無いかを確認することもあり、作品の信頼に関わる非常に緻密な職種です。

一方、制作は雑誌の企画立案や外注対応、デザインの編集等を行う仕事で、編集者が一貫して担当することもあります。

出版社の信用に関わり、緻密さを要する業務が多いため、責任感と正確性に自身のある人におすすめの職種です。

③ライター

ライターは、企画に沿った原稿を執筆する仕事です。

編集者が用意した企画に沿って、書籍やインターネット、取材で素材を集め、期日までに原稿を完成させます。

時には、ライターが企画を持ち込む場合や、簡単なデザイン、写真撮影を行う場合もあり、執筆以外のスキルがあるライターは貴重な存在になることも。

企業ごとに専属ライターがいる場合もありますが、フリーランスやプロダクションに所属するライターを起用することが多く、外部から出版に携わることができる職種です。

④営業

出版社の営業は、「書店営業」と「広告営業」の大きく2つに分類されます。書店営業は書店に向けて、自社の本を置いてもらえないか交渉する営業です。

また、販売計画やマーケティング、イベント開催などを幅広く担います。実際に書店に足を運び、陳列作業や書店員とコミュニケーションを取る重要な業務です。

一方広告営業は、雑誌や書籍に広告を載せたい広告主を探す営業です。

雑誌に広告が掲載されているのを見たことがある人も多いでしょう。これらの広告枠を埋めることで利益が発生する重要な役割です。

出版業界の動向・課題

誰もがスマートフォンを持ち、SNSやインターネットメディアが発展した今、出版業界には課題も多くあります。

実際、この20年ほどで紙媒体の出版物は縮小し続け、今や出版業界は斜陽産業と言われています。

就活では、業界の動向や課題を理解した上で、自分の意見を話せるようにしておきましょう。

  1. 電子書籍市場は拡大
  2. 雑誌・書籍市場は衰退し、課題にもなる

①電子書籍市場は拡大

電子書籍市場は右肩上がりに拡大し続けており、2026年には8,000億円の市場に拡大すると予測されています。

紙媒体が縮小している今、電子コミックやオーディオブックなど、様々なサービスへのアンテナを張り、インターネットとの親和性の高いサービスに対応し続ける必要があるのです。

拡大する電子書籍市場は紙媒体よりも小さい市場である他、課題もあります。

海賊版サイトの規制や、著作権保護、価格拘束制度など、従来の出版業界とは異なる視点での法や制度の課題を解決する必要があるのです。

出版業界を希望している学生には、WebやITの知識を積極的に活用した新しい視点が求められています。

②雑誌・書籍市場は衰退し、課題にもなる

インターネットが発展した今、書籍や雑誌に変わる娯楽や情報は簡単に入手できるようになりました。

その結果、雑誌や書籍市場が縮小し、掲載していた広告での利益がなくなり、休刊する雑誌も増えています。

さらに、出版業界独自の制度である「委託販売制度」や「再販売価格維持制度」は、出版物の縮小によって、返品率の高さや価格競争力の低下を引き起こしています。

通販サイトやフリマアプリも業界の脅威になっており、課題が山積しているのが現状です。出版業界を志望する学生には、業界の課題への向き合い方も非常に重要視されています

出版業界に向いている人の4つの特徴

前述の通り、出版社には様々な職種がありますが、どんな人に向いているのか気になる人も多いでしょう

出版社への就職は狭き門となる傾向があるため、適性があるのか、どのような面がアピールできるのかを具体的に知っておく必要があります。

  1. 本を読むことが好きな人
  2. 時代の流れやトレンドについていける人
  3. 思考力と発想力がある人
  4. 体力がある人

①本を読むことが好きな人

出版業界を目指す中で、本が好きなことはモチベーションのベースになります

本が好きだからこそ、クオリティの高いものを作るためこだわることができ、多忙な業務をポジティブに捉えることができるのです。

しかし、漠然と「本が好き」だけでは到底乗り越えられない仕事です。

具体的になぜ本が好きなのか、仕事にしたいほど好きと思えるポイントはどこなのかを明確にしておきましょう。

揺るがない「本が好き」という気持ちを持っている人には、出版社は天職と言えます。

②時代の流れやトレンドについていける人

出版業界は、トレンドを発信するポジションであるため、時代の流れやトレンドを追い求める好奇心の強さが必要です。

新しい情報をキャッチし、人々が求めている情報や、これから流行るものを企画に落とし込むことで成り立つ仕事のため、好奇心が弱い人は難しいかもしれません。

出版社の業務では一つのことを極めるよりも、幅広く興味を持って多角的な物の見方が必要とされます。国内外問わず、好奇心を持って様々な価値観に触れるようにしましょう。

③思考力と発想力がある人

柔軟な思考力と発想力がある人は、出版業界に向いていると言えます。

出版社では、人と違う視点を持ち、0から1を生み出す企画力が求められます。

アイディアを出すのが得意な人は、具体的にアイディアを出したエピソードを交えてアピールすると効果的ですよ。

しかし、全く新しいアイディアを生み出すだけでなく、今ある作品をより良くすることや、人におすすめすることが得意な人も、販促部門で適性が活かせるでしょう。

アイデア出しが得意かどうか、自己分析を通して確認してくださいね。

④体力がある人

一見華やかに見える出版業界ですが、実際には地道で体力勝負とも言われています。膨大な業務量を抱えるために長時間労働になる傾向も。

部署によって異なりますが、担当するプロジェクトの進捗状況によっては、プライベートな時間はほとんど無いなんてこともあります。

1つの作品を生み出すために、関係者の間で板挟みになることも多く、精神的にもタフであり、変化を楽しめる人が向いていると言えるでしょう。

出版業界の大手企業4社を紹介

出版社によって事業内容は大きく異なります。大手企業ではコンテンツ運営や慈善活動など、出版以外にも様々な事業を展開していることが多く、それぞれに特色がありますよ。

ここでは、大手出版社を4社紹介します。企業研究では、その企業の出版物だけでなく、社風やコンテンツについても深掘りをしておきましょう。

  1. 集英社
  2. 講談社
  3. KADOKAWA
  4. 小学館

①集英社

集英社は、小学館の娯楽誌出版部門として発足しましたが、現在では売上高トップの国内最大手の総合出版社です。

特に漫画部門に注力しており、代表的な『週刊少年ジャンプ』は少年コミック誌発行部数で1位を獲得しています。

その他にも、有名ファッション誌や文庫本、文芸書、美術書や辞典など取り扱いは多岐に渡り、その幅広さと、各部門のブランド価値からコンテンツ力が強みと言えます。

集英社は「その種を、育てよう」を採用メッセージにしており、人を育てることを大切にしている組織風土と言えるでしょう。

②講談社

講談社は、「おもしろくて、ためになる」を追求し続けてきた総合出版社です。

創業110年を超える総合出版社として、各部門で業界首位を獲得していますが、特に小説部門では有名作家を多く輩出してきた実績もあり、業界トップクラスと言えます。

現在は、「出版の再発明」と掲げて動画配信や映像化の強化、電子書籍事業などのデジタルシフト戦略や、ライツ強化を積極的に展開しています。

出版以外では、テーマパークへのアトラクション提供やクリエイター支援事業、読書推進課活動などの文化事業も積極的に行っています。

③KADOKAWA

KADOKAWAは、出版物だけでなく映像、ゲーム、教育、インバウンドといった、出版社として止まらない多彩な事業展開を特徴としています。

出版社として、文庫の自社レーベルやコミック等も多く発行していますが、2014年にIT企業のドワンゴと統合したことによって、デジタルコンテンツの強みが頭角を表しました

動画プラットフォームの「ニコニコ動画」や、世界最大のアニメソングイベントを主催するなど、今後もデジタルとリアルを融合したサービスで世界を巻き込んでいくでしょう。

④小学館

小学館は、教育専門出版社として小学生向けの学習雑誌を発行していました。

現在は年齢層問わず幅広く出版物を発行していますが、現在でも児童書や図鑑、辞典を得意としています

「ポケットモンスター」や「ドラえもん」といった国民的キャラクターを有しており、アニメやゲーム攻略本、漫画など幅広く活用できることも強みの1つです。

理念には「人生の中で大きく実となり、花開く種子をまく」を掲げており、学歴よりも個性に重きを置いているため、あなた自身の個性をアピールすることが必須になります。

出版業界の志望動機を書く時の2つのポイント

出版業界の志願者には、強い憧れを持っている人が多数います。その中で選ばれるには、志望動機に具体的かつ、あなたの個性がわかるエピソードを盛り込みましょう。

ここでは、出版業界の志望動機を書く時のポイントを2つ紹介します。また倍率が高い業界ですので、なるべく早い段階から選考対策を始め、志望動機もブラッシュアップしていきましょう

  1. どんな作品を手掛けたいのかを述べる
  2. 本が好きな理由を具体的に述べる

①どんな作品を手掛けたいのかを述べる

出版社は企業によって、強みや特色が大きく異なります。

志望する出版社がどのような作品を扱ってきたのかを事前に調べ、自分の志向とマッチしているのかを判断しておきましょう。

具体的にその出版社の作品を例に出し、自分が手がけたい作品とその企業がいかにマッチするかを述べることで、熱意や情熱を伝えることができますよ。

また、現在出版業界は大きな分岐点を迎えており、大手と呼ばれる企業でも挑戦を続けています。

斜陽産業と呼ばれる出版社で、あなたが出版業界の活性化のために携わりたい事業も合わせて述べられると良いでしょう。

②本が好きな理由を具体的に述べる

出版社を志望する人の多くが本が好きですので、本が好きという漠然とした理由だけでは、個性や適正をアピールすることができません

本が好きな理由を述べる際は、なぜその本が好きなのか、その本によって自分は何が変わったのか等を具体的なエピソードを交えて述べることで、あなただけの個性を引き出すことができますよ。

好きな本を生み出してくれた出版社で、自分は何を実現したいのか、どのような面で貢献できるのかも合わせて述べられるようにしましょう。

出版業界のトレンドは電子書籍の市場展開

出版業界全体が転換期と言われている中、現在のトレンドは電子書籍の市場展開にあります。

それぞれの出版社がどのように状況を捉え、どのような事業に取り組んでいるのかを分析し、自分の考えに落とし込む必要があります

出版不況と言われる出版業界ですが、就活の倍率は依然として高いため、一朝一夕で準備ができるような業界ではないことも踏まえた上で憧れの出版業界の内定を獲得しましょう。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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