就活において、最近感動したことを聞かれる場面は少なくありません。とはいえ、何も準備していないのに急にそんなことを聞かれても、スムーズに答えるのは難しいですよね。
あらかじめ対策しておくことで、本番でも余裕を持って答えられます。本記事で回答方法や注意点、例文について見ていきましょう。
就活で「最近感動したこと」を聞く意図3つ
就活で「最近感動したこと」が聞かれる意図は大きく分けて3つあります。
下記の3点を抑えておくことで、どういった意図での質問なのか、どう答えれば印象が良いのかについて把握できるので、確認していきましょう。
①人柄や価値観といった人間性を知りたい
就活の面接で「最近感動したこと」を問う意図は、応募者の技術や知識だけではなく、人間性や価値観を探るためであることが多いです。
感動のエピソードを通じて、どのような出来事や人々に対して感謝や共感を感じるのか、加えてその際に応募者の感じたことや取った行動から人間性を確認しています。
企業が応募者の人柄や適性を深く理解し、企業文化やチームにフィットするかを判断するための手がかりとして、重要な要素なのです。
②臨機応変に対応できるか見たい
「最近感動したこと」の質問は、応募者が物事に臨機応変に対応できるかどうかを探る手段として活用されることも多いと言えます。感動を覚える瞬間は予期せぬ出来事から生まれるものです。
応募者がどのような状況下で感動を覚え、それにどう対応したのか、どのような行動を取ったのかを知ることで、臨機応変な思考力があるか、行動力があるかを評価できます。
感動の瞬間やその後の行動が、柔軟性や適応能力があるかどうかの判断材料となることもあるため、企業は問題解決のスキルを見極めることも可能です。
③周囲の人へ気配りができるか知りたい
「最近感動したこと」を問う質問には「周囲の人への気配りができるか」という点を見極める意図も含まれています。
企業はこの質問を通じて応募者の他者への配慮や共感の深さ、チーム内での協力性やコミュニケーション能力を推測でき、実際に会社に貢献してくれるかを図っているのです。
気配りは職場での業務や顧客との関係構築においても非常に大切なので、この質問は非常に重要な指標となるでしょう。
「最近感動したこと」を答える時のポイント3つ

就活において「最近感動したこと」を伝える際のポイントは、大きく分けて3つあります。
下記の3点を押さえておけるかどうかで、採用担当の方に与えられる印象も大きく変わってくることでしょう。しっかり対策し、少しでも成功に近づけるよう、解説していきます。
①自分の言葉で伝える
「最近感動したこと」を答える際の重要なポイントとして「自分の言葉で伝える」ことが挙げられます。
ありきたりな言い回しや抽象的な表現ではなく、自分独自の視点や感じたことを具体的かつ鮮明に伝えることで、話す内容が説得力を持ち、相手に感情や状況が伝わりやすくなるでしょう。
また、自分の言葉で話すことでエピソードが本当に自分の体験であり、深く感じ取ったものだと相手に伝わります。
一方で、ありきたりな言い回しやフレーズを多用しすぎると、まるで定型文のあるように映りがちなので、独自の視点や感情を織り交ぜつつ自分の言葉での表現を心掛けること大切です。
②その経験から何を得たかまで伝える
「最近感動したこと」を答える際、単にその出来事や瞬間を述べるだけでなく、「その経験から何を得たか」までを伝えることが非常に重要です。
感動したエピソード自体はもちろんのこと、それを通じて自分がどのような気づきや学びを得たのかを明らかにすることで、エピソードが持つ意味や価値が一層深まります。
また、学びや気づきを共有することで、自分が日常的にどのような思考や態度で物事に向き合っているのか、成長や自己啓発を求める姿勢が伝わるでしょう。
企業側が聞きたいのはエピソードではなく、エピソードを通しての反省や学び、人間性や考え方、成長意欲です。
③企業にあったエピソードを選ぶ
「最近感動したこと」を答える際、企業の求める人物像や企業理念、目的に合致したエピソードを選ぶことは重要なポイントとなります。
企業は、面接や小論文を通じて、自社のビジョンや価値観に合致する人材を見つけるのが目的です。
感動体験を共有する際、企業が求める人物像や理念に沿ったエピソードを選択することで、自らがその企業のカルチャーやビジョンに適合する人材であることをアピールできます。
事前に企業のホームページや資料を確認し、企業が大切にしている価値観や人物像を理解し、それに基づいて感動体験を選び、語ることで、相手に好印象を与えられるでしょう。
「最近感動したこと」を答える時の注意点3つ

ここまで面接の際に「最近感動したこと」を伝える際のポイントや流れについて詳しく解説してきましたが、注意点も大きく分けて3つあります。
それぞれのポイントを押さえておくことで、採用担当の方に好印象を与えられるのはもちろん、マイナスイメージを与えないのも重要です。
①嘘はNG
就活の際に「最近感動したこと」を答えるにあたり、最も基本的かつ重要な注意点は「嘘をつかない」ことです。
面接官は多くの学生の面接を経験しているため、虚偽のエピソードや不自然な表現を「見抜ける」とまでは言いませんが、違和感を抱きます。
また、嘘のエピソードは細部までの整合性や続きの質問に対する回答が難しくなり、最終的に、くだけた言い方をするならば「ボロが出る」ので、避けましょう。
②結論を後ろにしない
もう1つの注意点として、「結論を後ろにしない」ことが挙げられます。面接や小論文は、限られた時間や文字数の中で自身をアピールするための機会です。
結論やポイントを最初に伝えることで、何が言いたいかが分かりやすくなります。長い前置きや冗長な表現で内容がぼやけてしまうと、主張やポイントが何なのかが伝わりにくくなることが多いです。
また、結論を先に伝えることで、興味を惹き、話の展開に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
③言葉に詰まったり黙り込まない
「言葉に詰まったり黙り込まない」ことも非常に重要です。
「最近感動したこと」という質問はコミュニケーション能力や思考の整理能力を試す質問の1つでもあり、できるだけスムーズな回答を心がけることが望ましいと言えます。
黙り込んでしまうと、その質問に対して自分が何を感じ、考えているのか伝わらなくなり、コミュニケーション能力が不足しているという印象を与えてしまうことでしょう。
いざ本番となり、頭が真っ白になって、準備してきたエピソードを忘れてしまったとしても、最低限「明るく元気に、ハキハキと」答えることだけは忘れないようにしましょう。
「最近感動したこと」の例文4つ

「最近感動したこと」を回答する際のポイントや注意点を抑えたところで、例文も見ていきましょう。
それぞれの例文を参考にし、本番でも緊張しないよう、ぜひ自分の中の引き出しを増やしてください。
【例文①】友人関係
最近の友人関係で特に感動したことがあります。数ヶ月前、私が体調を崩して寝込んでしまった際、普段から親しい友人たちが私のために食事を作り、家の掃除まで手伝ってくれました。 大学の繁忙期で皆忙しかったにも関わらず、交代で訪問してくれたのです。彼らの行動からは義務感などは感じられず、心からの思いやりや信頼関係が伺えました。 今までの人生で、家族以外からここまで細やかなサポートや気配りを受けた経験は無く、感謝してもしきれません。 この経験を通じて、日常の些細なやり取りの中にも真の友情や絆が存在することを実感し、友人たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました。彼らとの関係性が私の生活の中でどれほど貴重であるかを改めて認識し、これからも大切にしていきたいと心から思います。 |
友人関係における感動したエピソードを具体的にわかりやすく解説しつつ、どのような点に感動したのかを説明しています。
また、感動した経験からどのようなことを学び、今後の生活に活かしていくかもわかりやすいです。
【例文②】映画・小説
最近、映画『生命の奇跡』を鑑賞し、今後の人生や、就職後の業務にも役立てられるであろう考え方を学びました。この映画は人間の一生を描いた物語で、多くの困難や選択、喜びや悲しみを経て、どれだけ人生を大切に生きるべきかを伝えことが目的だったのではないかと考えています。 特に印象的だったのは、主人公が困難な状況に直面しても、常に前向きな姿勢を保ち続け、言葉ではなく、行動で周囲の人々に勇気を与え、前に進むシーンです。 この映画を通して、人生の中での困難や試練は避けられないものであること、しかし、それを乗り越えることで得られる経験や人間関係の深まり、自分自身の成長があることを再認識しました。 この映画の観賞を通じて得た感動は、私の就業後の人間関係や業務に対する取り組み方にも影響を与えると確信しています。 |
あくまで映画の内容を詳しく解説することが目的ではなく、映画を通してどのようなことを学んだのか、そして今後どのように活かしていくかを伝えることが重要と言えます。
就職後、どのような意識で業務に取り組むかの心意義をさりげなく伝えている点もポイントです。
【例文③】学生生活
最近の学生生活で特に感動した出来事は、グループプロジェクトの経験です。私たちのチームは初め、意見の対立やコミュニケーションの不足でなかなか前に進めませんでした。 しかし、一緒に課題を乗り越えようと、全員で意見交換の時間を増やし、お互いの強みや弱みを理解し合うこと最優先に取り組み、困難を共に乗り越え、プロジェクトも成功しています。 その際、メンバーから温かい感謝の言葉を受け取った瞬間は、私の学生生活の中でも特に印象深いものとなりました。この経験は、1人では解決できない問題も、チームで協力すれば乗り越えられることを実感させてくれたものと言えます。 お互いを理解し、助け合うことの大切さを改めて感じさせてくれる感動的な瞬間をただ「いい経験だった」で終わらせず、今後の人生に活かしていく所存です。 |
学生生活において感動した出来事を挙げる際、授業やサークルにおけるグループプロジェクトの話は便利です。
集団の中でサポートし合い、どのように貢献して円滑に動かしていくかを説明することで、就職後の活躍も期待できます。
【例文④】アルバイト・サークル活動
先日、私が大学生の頃に務めていたアルバイト先のカフェに久しぶりに訪れたのですが、私が在籍時、慕ってくれていた後輩が店長として店を引っ張っている姿を見ることができました。 彼は私が働いていた頃はまだ新人で、仕事に慣れるのに時間がかかっていました。しかし、常に真剣に業務に取り組む姿に心打たれ、特に熱心に業務を教えていた後輩の1人です。 彼と話す中で、私が教えていたことや、当時の先輩たちのアドバイスを大切にして、少しずつ着実に課題を乗り越えてきたことを知り、彼の努力と成長に、心から感動しました。 この経験を通じて、アルバイト先でも自分の影響や取り組みが後輩や環境にどれだけの影響を与えるかを実感しております。仕事は単にタスクをこなすだけではなく、人との関わりや、その中での自己成長が大切であると再認識しました。 今後、社会人になってからも先輩から学び、そして自分に後輩ができた際は優しく導けるような人でありたいと考えています。 |
大学時代にどのようなアルバイト経験をしたのかを解説しつつ、「指導した後輩が成長し、店長になった」という経験を伝えることで優秀さや指導力をアピールしています。
そして、就職後もどのような姿勢で業務に取り組むかをアピールできている点も重要です。
「最近感動したこと」が思いつかない原因

「最近感動したこと」が思いつかない原因は1つではなく、いくつかの要因が考えられます。
まず、日常の出来事に対しての興味関心が薄い場合、些細な感動を見逃してしまうことが多いでしょう。日常の何気ない出来事にも目を向けることで新しい発見や学びが増えます。
さらに、周囲の環境へアンテナを張れていないと、新しい情報や出来事をキャッチできず、感動の機会を逃してしまうことがあるので、意識的に周囲の変化や情報を収集することが重要です。
最後に、人と関わる機会があまりないと、人間関係やコミュニケーションの中での感動を経験するチャンスが減少します。人との交流を増やすようにしましょう。
「最近感動したこと」は事前準備で好印象を与える回答をしよう
就活の現場において「緊張するな」というのは無理な相談ですし、その場で柔軟に質問に答えられる人は多くありません。
そこでよく聞かれる質問に対しての答えをある程度準備しておくことで、よりスムーズに回答できます。ぜひ本記事を参考に、あらかじめ好印象を与える回答を用意しておきましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。