成功体験は、企業との面接などで聞かれることもある質問です。しかし、どのように回答すればよいか困ってしまう方もいるでしょう。
本記事では、企業が成功体験を聞く意図・成功体験の具体例・回答時の例文・回答文のおすすめ構成・成功体験がない際の対処法について解説します。
「成功体験」で上手に自分をアピールできるように、面接対策をしっかりと行いましょう。

キャリアアドバイザー 鈴木
新卒で大手金融機関に入社したが、成長のスピードの遅さと、年功序列に懸念を抱き転職を決意。 転職する際、スピードの速さと裁量が持てるという2軸で転職活動をし、シーマインドキャリアに入社。 入社後、キャリアアドバイザーとして年間1000人以上の学生の就活相談をし、実績No.1を獲得。
企業が成功体験について聞く意図
企業がなぜ成功体験について聞くのか意図を把握していれば、企業が求めている回答を目指せるのが利点です。
企業が意図していることとしては、以下の2つが挙げられます。
目標達成のために努力した経験を知るため

企業が成功体験について聞くのは、目標達成のためにどんな努力を行った経験があるか知るためです。
成功に結び付けるために、どのように課題点を見つけて改善したのか聞けば、仕事上でも課題点に向き合って解決できるかどうか判断できます。
また、成功体験からどのような学びを得たか聞きたいといった意図もあるでしょう。
これまでの経験を今後にどう活かしていくのか確認すれば、仕事に取り組みながら成長していける将来性があるかどうかチェックできるのです。
挫折したときの乗り越える力があるかは社会人として重要になってくるため、とくに壁にぶつかった経験とともに伝えるのが効果的です。
成功に対しての価値観を知るため

企業が成功体験について聞くのは、成功に対しての価値観を図るためでもあります。
成功とひとえに述べても、さまざまな経験が含まれるため、どんな成功体験に価値を感じたか聞けば、性格や価値観を知るきっかけとなるでしょう。
性格や価値観を知ることで、志望者がどんなことにやりがいを感じるのかというところも見えてくるようになり、その人の人物タイプも知ることが可能です。
そのため成功体験について書く際には、企業が求めている性格や価値観を把握してから文章を作ることが重要になります。たとえば、どんなことに喜びを感じたかや、達成感を得ることができたかなど、詳しく説明するのも良いでしょう。
応募企業のカルチャーに沿った人物であるということを上手にアピールできれば、評価も高くなる可能性があります。
自身の価値観と企業の求める条件のすり合わせを行った上で文章を考えましょう。
成功体験の例を紹介!

成功体験の具体例を確認すれば、自身のどんな体験を紹介すればよいかイメージしやすくなるでしょう。成功体験として挙げられる事柄は、以下の通りです。
- 受験や試験に合格した
- 成績を伸ばした
- 部活動でいい成績を残した
- アルバイト先の売上を伸ばした
- ピアノのコンクールで入賞した
- 長期インターンシップで目標売上を達成した
- ビジコンで優勝した
学業で良い成績を修めた以外にも、アルバイトや習い事などに懸命に取り組み、成果を挙げたなどの経験も成功体験として紹介できます。
成功体験の回答例文を6つ紹介!

成功体験の回答の例文を参考にすれば、どんな流れで答えればよいか想像しやすくなるでしょう。そこで、ここでは内容別に6つの例文を紹介していきます。
【例文①】学業編
【成功体験例文】学業編
私の成功体験は、ゼミで取り組んだ研究で優秀賞を受賞したことです。
研究はグループで行いましたが、最初にテーマを決める段階で躓いてしまい、リーダーを考え直さなければいけませんでした。そこで私はリーダーに立候補し、Zoomでメンバーと話し合い、テーマの希望を聞いて実現するための課題を整理しました。
さらに2日に1度30分のミーティングを実施し、それぞれの強みに合った役割を分担して効率よくレポートをまとめられるようにしました。余裕ができた時間で見直しを行い、完成度を高めたことで研究結果で賞をいただけました。
この経験から、私は共同作業の心掛けや作業効率を上げるやり方を学びました。
私は入社後も部署内で協力して作業効率を高め、売上アップに貢献したいです。
上記の例文では、チームで研究を行った際工夫したことについて説明しています。
リーダーとして貢献した経験から、入社後も作業効率を高められるよう働きかけたいと自身の強みを紹介しているのも特徴ですね。
この例文では成功体験と同時にリーダーシップ性や協調性もしっかりとアピールできていますね。
【例文②】趣味・特技編
【成功体験例文】趣味・特技編
私の成功体験は、大学時代に趣味で株を運用し、元手の3倍の金額に増加させたことです。
経済学部での株の講義をきっかけに、アルバイトで貯めた10万円を運用して3倍にすることを目標としました。毎日株価の値動きに着目しましたが、初めは運用方法に悩んで何度か損をしてしまいました。しかし、ニュースや株に関する記事を読んで知識を増やし、講義内容への理解を深めることで改善を目指しました。また教授にアドバイスを聞きに行き、新しい視点で考えるきっかけをいただきました。
結果として、運用を始めてから1年で元手の3倍の金額を達成しました。この経験から、学習内容を振り返り有識者の意見を取り入れることで、壁にぶつかっても突破口が見つかることを学びました。
私は入社後も基本的な知識や姿勢を大切に、目標を設定して改善方法を考え抜きたいです。
上記の例文では、株運用に成功した経験を紹介して、結果を数字で説明しています。
学んだことを振り返って意見を取り入れる大切さを実感したと得られた考えも伝えているのがポイントです。
この例文では学習意欲の高さも同時にアピールしています。周りからの意見もしっかりと取り入れて成功した過程をしっかりと説明できています。
【例文③】アルバイト編
【成功体験例文】アルバイト編
私の成功体験は、化粧品販売員のアルバイトで、販売成績上位を達成したことです。
私は元々化粧品の知識量には自信がありました。しかし、数か月経過しても販売成績は最下位のままだったため、友人に協力を仰いで接客し、自身の様子を撮影しました。そして、お客様の悩みをしっかりと聞けていないことに気づきました。その後はお客様のお話を聞きながら要望やお悩みを汲み取ることに力を注ぎました。
結果として、お客様から「いろいろなことを相談できる」と高評価をいただき、販売成績で上位に入りました。この経験から、私はお客様の話を聞いて要望を引き出し、適切な提案を行う大切さを学びました。
私は入社後も、客観視で課題点を見つけ改善のために行動することで、顧客満足度を向上させたいです。
上記の例文では、アルバイトで販売成績最下位になってしまったものの、自身を客観視して改善を図り、成績上位になったことを紹介しています。
入社後も自分から改善のために動く姿勢で仕事に携わると伝えているのがポイントです。
この例文では、自分の欠落している部分を探して改善したことをちゃんとアピールできています。そのうえ、結果を出せたことも伝えられ、企業側に好印象を残すことができるでしょう。
【例文④】部活編
【成功体験例文】部活編
私の成功体験は、高校時代バレーボール部で実力を磨き、結果としてレギュラー枠に入れたことです。
部活のメンバーは35人で、入部当時私の実力は中間に位置していましたが、半年後の大会でチームのメンバーになることを目標に設定しました。誰よりも早く、遅くまで練習に取り組むことを意識し、どんな時でも毎日練習を継続しました。さらに、自身が苦手にしているプレースタイルを分析して、ウィークポイントを強化するための練習に打ち込みました。
結果として大会のメンバー入りを果たし、試合の勝利にも貢献できました。私がこの体験で磨けたのは、毎日努力を継続する力と自分から考えて改善する力です。
私は入社後も仕事で必要なスキルを吸収してお役に立てるよう、努力を続けてまいります。
上記の例文では、部活動の練習に打ち込んでレギュラーのメンバーに選ばれたことを紹介しています。
目標達成のために工夫したポイントと、経験から培ったスキルを入社後にどう活かすかを説明しているのも特徴ですね。
この例文では、日々努力した過程をよく説明できています。成功体験とともに、努力家であることも伝えられるので良いアピールとなるでしょう。
【例文⑤】資格編
【成功体験例文】資格編
私の成功体験は中国語検定に合格したことです。
3年前からこの中国語検定に合格することを目標としていましたが、模擬試験を受けた際に圧倒的な単語力の欠落に気づいたものの遅く、1度受験はしましたが不合格となってしまいました。
その後1年間はその結果をバネに単語帳を作り、毎晩寝る前に10単語を覚えることを決め、通学時間も資格勉強に取り組み、結果的に念願の中国語検定に合格することができました。今回は4級だったので、次は3級に合格できるよう今も毎日勉強しています。
そのため入社後もなにか壁に当たっても、自分の課題点や不足点を見つけては、達成できるように精進していきたいと思っています。
上記の例文では、一度不合格になった資格試験に合格したことを紹介しています。
このようになにかに失敗した際に、自分の何が欠けていたのかを模索し乗り越えた過程を伝えることで、企業側に好印象を与えることができるでしょう。
この例文では、失敗を活かして成功へ導くことができたことがしっかりと説明されています。挫折してもめげずに立ち向かえたことが、企業側には良いイメージを抱かせるはずです。
【例文⑥】ボランティア編
【成功体験例文】ボランティア編
私の成功体験は、ボランティア経験により、地域の人から感謝されたことです。私は自分の住んでいる地域の、人と人との繋がりが少し希薄だと感じており、日々寂しさを感じていました。
そんなとき、地域で清掃作業のボランティアが始まるという話を家族から聞き、興味を持ったので参加してみました。思っていたよりもゴミが多く、大変なことも多かったですがボランティアチームの人と助け合いながら今も活動を続けています。
ボランティア活動をする中で、地域の人から感謝されることが増え、よく声をかけてもらえるようにもなりました。これは仲間と協調しあいながら行うことができたからこそ、成功したのだと思います。
入社後もこのように仲間との助け合いや協調性を大切にし、業務を進めていけるように精進していきたいと考えております。
上記の例文では、自分の気持ちが届いて人との繋がりが増えたり、感謝されたりしたことを紹介しています。
そもそも、ボランティア活動をしているだけでも就職活動においてメリットといえるでしょう。ボランティア活動を行っていた方は、成功体験に上手に結び付けて企業に伝えるのがおすすめす。
ボランティア活動自体が企業から高評価を得やすいうえ、上手に成功体験のエピソードとして伝えられているため、好印象をもたれやすいでしょう。
成功体験を回答する際の3つの構成

成功体験を回答する際には、構成を重視するとスマートな文章に仕上げられます。具体的な構成のポイントは、3つあります。
①まずは結論を述べる
まずは結論を述べて、どんな成功体験をしたのか回答しましょう。結論を述べる際には、簡潔に伝えることも大切です。
一度結論として言い切ることで、採用者に内容が伝わりやすい文章になります。
成功体験について伝える際には、いつ、どんな場面で成果を出したのか紹介しましょう。
売上アップや成績の上昇など、どんな成果を出したのか数字も含めて説明すると、自身の主観だけでなく客観的な事実を伝えられますよ。
②エピソードは具体性を持たせる
結論の次には、具体性を持たせたエピソードを紹介しましょう。成功体験の詳細な内容として伝えるエピソードは、わかりやすく伝えることが重要です。
どんな点に苦労したか・どう改善したのか・周囲とどう協力したのかなどを順序だてて説明しましょう。
また、とっつきにくい印象を与えないよう、専門用語などは使いすぎないことも重要です。用語を使わなければいけない場合は簡単な説明を行いましょう。
③入社後にどう活かすかまで述べる
体験の内容を入社後にどう活かすか述べて、将来性を伝えることも重要です。
成功体験から学んだことや成長して強みになった部分を、入社後にどう発揮できるのかまで盛り込むことで、人材としての魅力を強調できます。
また、入社後の話では会社の事業内容にも言及して、自身ができる事柄を結びつけて答えるようにしましょう。
自己分析だけでなく、企業研究もしっかりと行っている印象を与えられるため、志望度が高いことをアピールできます。
成功体験がない場合の対処法

成功体験がないと感じる場合には、これまでの経験を通して学んだことを書き出して、どんな成長ができたか振り返ってみましょう。
成功体験は、「部活で優勝した」、「売り上げを伸ばした」などの大きな成功だけに限定されるものではありません。
些細な日常生活の過程の中でも学びが得られていれば、十分にアピールできます。
そこで、「成功体験がない場合の対処法」を4つ紹介します。
苦手を克服
苦手を克服することで、成功体験につなげられるでしょう。
嫌いな事や苦手なものに直面し、自分の弱点を克服することは困難を乗り越えた経験ととらえることができます。
困難を乗り越えた経験こそが、成長へとつながり成功体験となるでしょう。
具体的な例
私の成功体験は、苦手だった英会話を克服したことです。筆記試験ではそれなりの点数は取れていたのですが、英会話となると急に話せなくなっていました。そこで、少しでも英会話に慣れようと、いいと言われているものはほとんど試しました。
まず、「単語やフレーズの暗記」、「オンライン英会話」、「英語のアプリ」、時には活きた英語に触れるため外国人を紹介してもらい英会話の練習も行いました。短い期間でしたが、1年間海外留学の経験もあります。今までは、何を言っているのかさえ聞き取れなかったのですが、活きた英語に触れることで自然と日常会話にも慣れ、今では海外旅行に行っても困らない英語力が身につきました。
貴社に入社した際にも、留学で培った英語力を活かしてビジネスのお役に立てればと考えております。
苦手を克服した経験を振り返ることで、成功体験を見つけられます。
失敗から学ぶ
失敗した経験からも成功体験を見つけられますよ。
「失敗は成功の基」という言葉があるように、人は失敗からたくさんのことを学べますよね。
失敗した経験をすることで、「どこがいけなかったのか」「次成功するためにどうすればいいのか」を考え、失敗から学びを得、のちの成功体験へとつなげていくのです。
具体的な例
私の成功体験は、1年間の浪人生活の末大学に合格したことです。私は、高校3年間サッカーに明け暮れ、勉強をあまりしていませんでした。大学受験を控えていても、見たいテレビを見て、友達と遊んで、ゲームもたくさんしました。当然、大学受験に受かるはずもなく、大きな挫折を味わいました。
私は、大学に落ちたことをきっかけに一念発起し、寝る時間と食べる時間、お風呂に入る時間を除いては毎日10時間の勉強を自分に課しました。お正月もクリスマスも勉強に明け暮れた結果、1年浪人の末念願の〇〇大学に合格することができました。この経験で私は、一生懸命頑張れば頑張った分だけ喜びに変わることを学びました。
貴社に入社しても、何事も全力で取り組み、成功した時の喜びを分かち合いたいと考えております。
失敗した経験を振り返り、成功体験を見つけてみましょう。
成功のハードルを下げる
成功のハードルを下げることで、成功体験へとつなげられます。
面接で成功体験を聞かれると、大きな成功体験や華々しい実績を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、少しハードルを下げた小さいな成功でも、入社後に活かせる経験であれば問題ありません。
具体的な例
私の成功体験は、誰とでもスムーズにコミュニケーションが取れるようになったことです。私は、もともと人見知りの性格で、人から話しかけられることを待つタイプだったので、友達も少ない方でした。しかし、それでは楽しい大学生活が送れないと思い、とても活発な人たちが集うレクリエーションサークルに入り、1日3人に自分から話しかけるというミッションを課しました。
初めは、挨拶程度でしたが、徐々に会話を交わすようになり人と話すことが楽しくなって友達も次第に増えて大学生活も有意義なものになりました。あの時に勇気を出して自分から積極的に話しかけたことで、今では初対面の方とでも笑顔でお話しできます。入社後も、自分から積極的にコミュニケーションをとって仕事も円滑に進むように努力していきたいと考えております。
成功のハードルを下げることで、成功体験を見つけられますよ。
成功体験をこれから作る
成功体験がないと思っている方は、これから成功体験を作りましょう。
まず、成功体験と自信をもって言えるような目標を立てることが大事です。
目標を立てたら、その目標が成功するようにポジティブな気持ちで取り組みます。
具体的な例
私の成功体験は、つい先日ファイナンシャルプランナーの試験に合格したことです。私は、夢や目標をかなえる上で、計画的な資金計画は欠かせないと考えております。そこで、これからの長い人生において計画的なお金の使い方ができるように「ファイナンシャルプランナー」の資格を取ろうと考えました。
そこで、資格取得のために毎日1時間の勉強を1年間欠かさず行った結果、1発で合格することができました。貴社に入社した際にも、目標達成のためにコツコツ努力し、仕事を全うしたいと考えております。
成功体験は、成功する確率が高い目標を立て、完璧にこだわりすぎず、小さな目標でもコツコツ努力することで作り出せます。
成功体験は誰にでもある|自分らしさを面接官へアピールしよう!
成功体験は誰にでもあり、聞かれたのであれば自分らしさを面接官に伝えるチャンスです。
部活動やアルバイト、習い事などを通して成果を出したことや目標を達成した経験以外に、誰かから感謝されたことも成功体験として伝えられます。
また、企業側が志望者の成功体験を聞く意図をしっかりと把握できていれば、さらに質の高い成功体験を伝えることができるはずです。
成功体験を伝えて、仕事でどんな実力を発揮できるのかアピールしましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。