「慎重な性格」は強みとして書いて評価されるのか、悩んでいる就活生はたくさんいるのではないでしょうか。少し地味な強みにも聞こえますが、社会人にとって求められることが多い素質です。
そこで、本記事では自己PRで慎重さを使う際のポイントや注意点を詳しく解説します。ぜひ、これからの就活対策の参考にしてください。
自己PRで慎重さは効果的!理由を解説
慎重な人は注意深く観察することで間違えることなく物事を進められる傾向にあります。自己分析によって、あなたが慎重な性格だと思ったのであれば、就活が有利になるかもしれませんよ。
なぜなら「慎重さ」は、ビジネスの世界で重要な能力だからです。しかし、基本的に慎重であることは長所となりますが、過剰な場合には短所にもなりえます。
したがって、伝え方次第では就活で不利になる可能性もあるので、アピールの仕方に注意してくださいね。
慎重な性格の人に共通する2つの特徴
慎重な性格の人は、具体的にどんな特徴を持っているのでしょうか。アピール内容を考える前に、以下の2つの特徴を確認しておきましょう。
- 周囲の状況を踏まえて行動できる
- 物事を考えてから行動に移せる
①周囲の状況を踏まえて行動できる
慎重な人は、自分のことだけでなく周囲の状況も確認してから行動に移せます。周りを意識できるので、自己中心的に突っ走ることがありません。
もし予想外のことが起こったとしても、落ち着いてすぐに事態を把握して、状況によっては他の人々にも指示が出せるでしょう。
しかし、慎重な人材はチームで協力する仕事をする際には特に強みを発揮しやすいですが、周りの目を意識して気を遣いすぎることも特徴です。
②物事を考えてから行動に移せる
慎重な性格の場合、どんなことでも注意深く観察しつつ、熟考してから行動に移せます。そのため、感情に流されて軽率な行動によって、周りの雰囲気を悪くしないことも長所の1つ。
したがって、想定外なことが起きても、さらに大きいリスクを冒す行動を取らないため、会社で仕事をする上で重要な素質と言えます。
ただし、他の人よりも出遅れたり間に合わなかったりと、決断に時間がかかる場合があるのも特徴です。
自己PRで慎重さをアピールする方法3ステップ
慎重さをアピールする際には、伝え方が重要です。以下の3つのステップを意識して、自己PRを作ってみましょう。
- 結論ファーストで慎重さを具体的に伝える
- 慎重さを発揮したエピソードを伝える
- 入社後に慎重さをどのように活かすことができるか伝える
①結論ファーストで慎重さを具体的に伝える
まず、結論であるあなたの強みを具体的に伝えてください。ただし、慎重と言われてイメージする性格は人によって異なるため、具体的にどんな強みなのか示すことが重要です。
例えば、「丁寧に作業を進められる」「リスクを予測できる」「物事に疑問を持って、課題を見つける」のように、あなたの強みを明確に提示しましょう。
②慎重さを発揮したエピソードを伝える
あなたの強みを漠然と伝えただけでは、信憑性がありません。採用担当者に印象を残すためには、具体性のあるエピソードを話すことが大切です。
どんな場面でどういった行動をしたため、あなたの性格が慎重だと言えるのか伝えてくださいね。
長所のおかげで目標達成や課題解決につながったエピソードがあれば、仕事でも同様に活躍してくれそうだと好印象を与えられるでしょう。
③入社後に慎重さをどのように活かすことができるか伝える
あなたの長所を、採用後にどう活かすのか言及してから話を終えましょう。
企業側は仕事で活躍できる人を求めているので、あなたが入社後に成長できるとアピールするためにも、強みの活かし方を伝えることは重要です。
あなたの持っている強みが、企業が重視している価値観や求める人物像にも合っていると判断されれば、良い評価につながるでしょう。
自己PRで慎重さをアピールする際の2つのポイント
慎重さを正しくアピールするためには工夫が必要です。そこで、以下の2つのポイントをチェックしてくださいね。
- 自分なりに慎重さを言い換えて伝える
- 企業が求めている慎重さをアピールする
①自分なりに慎重さを言い換えて伝える
採用担当者によっては、「心配性」「消極的」のように、用心深い性格に対してネガティブなイメージを持つ人もいます。
そのため長所であると思われるように、自分らしい表現に強みを言い換えて伝えてくださいね。
例えば、「真面目」「計画的」「仕事が丁寧」「細かい作業に注意できる」「リスクを予測できる」とも変換できます。正しく言い換えれば、仕事に役立つスキルだと思われるでしょう。
②企業が求めている慎重さをアピールする
自己PRで長所を伝える際には、強みが仕事に活かせることをアピールする必要があります。慎重な人物だと述べただけでは、どういう形で仕事に活かせるのかイメージできません。
したがって、具体的な業務内容や慎重さが役立つシチュエーションを絡めて伝えることが重要です。
あなたの長所をどのように入社後に活かせるのか考えを固めてから具体的なアピール内容を作ってくださいね。
【エピソード別】自己PRで慎重さをアピールした例文3選
ここで、慎重さを効果的にアピールした例文をエピソード別で3つ紹介します。自己PR作成の参考にしてみてくださいね。
例文①: アルバイト
真面目で、周りをよく見ている点が私の長所です。 大学時代は、飲食店でアルバイトをしていました。 テレビや雑誌で紹介される人気店で、昼時は長蛇の列ができるほど混雑します。 私はキッチンとして働いていたため、料理の準備にはかなりのスピードと正確性が必要でした。 さらに、キッチンはその時間の責任者でもあるため、常にホールの人との連携を取れるよう周囲の状態を見ておかなければいけません。 料理作りに専念してしまい検品に手が回らないスタッフもいましたが、私はどんなに忙しいときでも検品だけは必ず行い、ミスによって時間を無駄にしてしまわないように努めました。 また、料理を作りながら都度ホールの人に確認を取り、出来るだけトラブルが最小限になるように気を配っていました。その結果、慌ただしい店内でもトラブルを1件も出さず、お客様の満足度アンケートでも最高5.0点のうち4.5と高評価をいただくこともできました。 営業事務として働くうえでも、私の強みを最大限発揮できると考えております。 営業担当と顧客の橋渡し役となり、業務を滞りなく進めることで、営業のサポートに全力を尽くす所存です。 |
アルバイトでの経験を例に挙げ、一切ミスが生じないように対応できると述べられています。
ビジネスの世界ではたった1つのミスが莫大な損失につながる場合もあるため、事前にミスを防げる人材は重宝されるでしょう。
例文②: 部活動
想定外の展開が起こっても、周りの状況を踏まえて何をすべきか冷静に判断できることが私の強みです。 私は大学の軽音楽部に所属しており、ライブや合宿も実施されていました。 ライブや合宿では、予想外のトラブルが起こることもよくあります。 ライブでの音響トラブルは音響担当と連携を取り、合宿では宿泊施設や他の人々と連携しながら、冷静にトラブルに対応してきました。 しかし、ライブ中に一度トラブルが起きてしまうと、部員を混乱させ本番の演奏に影響が出ることもあります。 そこで、事前にトラブルを防止するため、よく起きがちなトラブルを洗い出して確認すべき事項をまとめ、チェックリストを作成して裏方のスタッフに配布しました。 その結果、ありがちだったトラブルの発生は0件に抑え、部員たちに感謝の言葉をかけてもらうことができました。 リスクを最小限に抑える力は、円滑な業務のために必須の力であると思います。 入社後、周囲の様子を見つつ自分ができることを最短で見つけ主体的に行動できればと考えております。 |
部活動の例を根拠に挙げ、周囲の様子を見ながら予想外のトラブルにも対応できる冷静さがアピールされています。
入社後に仕事で想定外のトラブルが起きた際にも、落ち着いて取り組める人材だと思われて、高評価につながるでしょう。
例文③: サークル活動
私の長所は、物事に対して先のことを考えながら行動できることです。 学生時代は、美術サークルに所属していました。 美術サークルでは、高校の運動会に使用される応援看板などの作成依頼も受け付けていました。 所属メンバーも多いため、普段は順調に作業を進めることができます。しかし、看板作成依頼を受け付けた時期に、風邪の流行などで欠席者が増え始めたことがありました。 そこで、さらなる感染拡大の可能性を考え、各日程ごとに作成計画を細かく立て、進捗状況の連絡ルールを定めて全員が共有できるようにしました。その結果、感染者は増えましたが、無事に締め切りまでに完成させることができました。 入社後は、先のことを予想して丁寧に行動できる長所を活かして、事前のトラブル発生に努めたいと考えております。そして、チームのメンバーが最大限力を発揮できる環境を作り、プロジェクト成功に繋げる人材として貢献したいです。 |
サークル活動での経験を例に、予想されるトラブルを回避するために、用心して行動できたと述べています。
採用後にも手堅い行動を選択して、トラブルを回避しながら仕事を進められそうな印象を与えられるでしょう。
自己PRで慎重さをアピールする際に注意すべきこと
慎重な性格は、状況によってはネガティブな印象を与える可能性もあるので気をつけましょう。例えば、物事に用心深い人は判断に時間がかかりやすいため、優柔不断だと捉えられるかもしれません。
慎重さゆえに仕事が正確にできるのであっても、決断力がなくてビジネスチャンスを逃しそうだと思われてしまえば、マイナス評価につながるでしょう。
また、行動力がないと思われる場合も。注意深すぎると考えすぎて行動に移せないため、チャンスを逃す可能性があるためです。したがって、これらの懸念を払拭できるエピソードを用意してくださいね。
自己PRで慎重さをアピールして面接官に良い印象を残そう
今回は自己PRに慎重さを用いるときのポイントと注意点を紹介しました。
慎重なことは仕事に役立つため、ビジネスに求められる長所です。素晴らしい強みをあなたらしい言葉で表して、具体的なエピソードとともにアピールしてくださいね。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。