人を巻き込む力とは、具体的にどのような能力のことなのでしょうか?
良い評価が得られやすい強みですが、伝え方によっては悪い印象を与える場合もあるので注意が必要です。
そこで、本記事では周りを巻き込む力の定義や伝え方のポイントを解説します。ぜひ、これからの就活対策の参考にしてみてください。
周りを巻き込む力の意味とは
人々を巻き込む力とは、目標に向かって物事を進めるときに、周囲の人々から主体的な協力を引き出して、成果を出せる力のことです。
リーダーシップを持っているだけではなく、課題を解決するために自発的に行動することも含まれているのです。
リーダーシップと混同してしまう就活生が多くいますが、プラスアルファの能力であることを理解しておく必要があります。
周りを巻き込む力で企業が評価している3つのポイント
人を巻き込んでいくためには、いくつかの能力を併せ持っている必要があります。企業が評価するポイントは以下の3つです。
- 仲間をリードできる力
- 仲間に寄り添える力
- 仲間と力を合わせられる
①仲間をリードできる力
ただ周りを巻き込むだけでは評価はあまり高くなく、仲間を成功まで導く力を企業は評価します。
仕事をチームでやるうえで、一方的に業務を押し付けることを巻き込む力と勘違いしているビジネスマンが多く存在します。
しかしそれはただの仕事の押し付けになっていることも。
成功に導くためにも、巻き込む際の理由などをしっかりと共有できると好印象です。過去に仲間の成果を向上させた経験があれば伝えましょう。
②仲間に寄り添える力
仲間に寄り添う力があることも評価される対象になります。
ただ巻き込むだけでなく、目標を達成することが重要です。その達成率を上昇させるためにも、仲間のことを深く知る必要があります。
仲間の意見に耳を傾け、目線のすり合わせがとても重要なのです。他者をただ巻き込むだけでなく、その先の達成目標は何かを意識しましょう。
巻き込む力を示す際は、仲間に寄り添う力が目標達成には不可欠であることを伝えると好印象です。
③仲間と協力できる力
自分が主体的に行動することも大切ですが、それだけではなく仲間と協力して成果を出す力も評価されます。
大きな目標ほど仲間の協力が不可欠です。周りをしっかりと巻き込み全員で目標を達成することを念頭に置いた行動が重要となります。
巻き込んだ先で集まったチームメイトといかに良い物を作り上げていきたいかを伝えてみましょう。
自己PRで周りを巻き込む力を伝える際の3つのポイント
巻き込む力を示す際に、重要なポイントが3つあります。効果的に伝えるためにもしっかりと確認しましょう。
- どうして周りを巻き込む必要性があったのか
- どのような工夫をしたのか
- 周りを巻き込んだ結果どのような成果が生まれたのか
①どうして周りを巻き込む必要性があったのか
まず、周りを巻き込んだ理由を説明しましょう。
理由が不明確だと後先考えず周囲を振り回すタイプであると判断されかねません。
基本的には達成したい目標に対して、より早く高品質なパフォーマンスが出せることを念頭に置き行動したことを示しましょう。
目標達成のために協力が必要であったことを理解しているだけで周囲に差をつけることができます。
②どのような工夫をしたのか
巻き込む際にケアした部分を根拠をもとに伝えましょう。
周囲を巻き込むのは良いのですが、相手も人間なので一緒に仕事をするとなれば配慮が必要です。このケアができることを示しましょう。
伝える際に配慮した点を述べれば、入社後にも課題解決のために自分で考えて行動できる人材だと思われて、良い評価につながるでしょう。
③周りを巻き込んだ結果どのような成果が生まれたのか
巻き込んだ先で獲得した成果についても言及しましょう。
巻き込む目的が目標を達成することになるので、成果がないとなぜ巻き込んだのかに疑問が残ってしまいます。
不用意な行動をしたと思われないためにも、結果は根拠をもとに伝えましょう。
明確な成果を示すことで、目標達成のために逆算して行動できる証明にもなります。
自己PRにおける周りを巻き込む力の伝え方3ステップ
就活で良い評価を得るためには、伝え方が大切です。以下の3つのステップを意識して、自己PRの構成を作ってみましょう。
- 周りを巻き込む力を自分なりに具体的に伝える
- 周りを巻き込む力を発揮したエピソードを伝える
- 入社後に周りを巻き込む力をどのように活かせるかを伝える
①周りを巻き込む力を自分なりに具体的に伝える
巻き込む力を自分の言葉で具体的に伝えましょう。
ただ周囲を巻き込むことに意味はなく、その先の目的を達成することが考えにあるかが重要です。適切にアピールするためにも巻き込む力の定義は明確にしましょう。
最初に巻き込む力の自分なりの定義を伝えることで、理解が深いことを示せます。
②周りを巻き込む力を発揮したエピソードを伝える
続いて、強みを裏付けるエピソードが必要です。
根拠がなければ信憑性がないので、目標から逆算して必要と判断したメンバーに声をかけて行動したことを具体例を用いて伝えましょう。
できる限り具体的に話せば、あなたの人柄を想像できるようになります。
③入社後に周りを巻き込む力をどのように活かせるかを伝える
最後に、入社後の活躍イメージを伝えましょう。
力があることを伝えても、面接官が気になっているのは入社後にも同様のパフォーマンスを発揮できるかです。
事業内容とも絡めつつ、自身が活躍するイメージをしっかりと伝えましょう。
【エピソード別】周りを巻き込む力を伝える例文3選
次に、周りを巻き込む力を効果的に伝えられる例文をエピソード別で3つ紹介します。自分に近いものをチェックして、自己PR作成の参考にしてくださいね。
例文①: アルバイト
私は周囲を巻き込んで、明るい雰囲気を作ることができます。 学生時代は、飲食店でアルバイトをしておりました。 当初は、お客様への挨拶はできていたものの、スタッフ同士の挨拶を疎かにする人が多く、スタッフ間の仲が深まらないという問題がありました。 新人でもより働きやすい雰囲気を作るため、私は誰よりも早くスタッフに大きな声で挨拶するように心がけました。 初めは戸惑っていた他のスタッフの方々も徐々に挨拶を返してくれて、それ以前と比べて全体的に明るい雰囲気になったと感じています。 この経験によって、まず自分から働きかけることで、周りにも良い影響を与えることができると実感いたしました。 チームワークを重視しチームでの目標を掲げる貴社においても、きっと活かすことができる強みであると思います。結束力の高いチーム作りに貢献し、必ず目標達成に繋げる所存です。 |
自己PRのエピソードに使う周囲を巻き込んだ経験は、一見誰にでもできそうな些細なことでも問題ありません。具体的にどう行動して、何を学んで、会社でどう活かすのか伝えることが大切です。
例文②: サークル活動
私の強みは、周囲の誰も置いてけぼりにせずに前向きな雰囲気を作る力です。 私が幹事長を務めていた合唱サークルでは、大事な大会で良い成績を残せず、メンバー全員のモチベーションが大幅に下がっていました。 次の大会に向けてメンバー全員のやる気をアップさせるためにも、話し合いの場を設けて課題を伝えつつ、練習以外にもイベントや飲み会を企画。サークル全体ではなく、メンバー一人ひとりと密に話す機会を設けることで、今の不満などを話しやすい関係の構築に努めました。 メンバーの団結力を高めた結果、自主的な練習参加者が増えました。「今のメンバーとならもう一度挑戦できる」という意識を全員が持つことで、練習1回に対する成長度が大幅に変化し、次の大会では優秀賞を受賞できました。 貴社で働く際にもこの力を活かしながら、主体的にチームの課題解決に貢献していきます。そして将来的に、メンバーを良い方向に導ける責任者になりたいと考えております。 |
サークルの幹事長として人を巻き込んで、成果を出したことが書かれています。具体的な取り組みを述べることで、主体性や行動力もうまくアピールできており、好印象を与えられるでしょう。
例文③: ボランティア活動
周りを巻き込む力が、私の強みです。 私は3年間、海岸で自主的なゴミ拾い活動をしております。 ゴミ拾いを始めたきっかけは、当時あまりにもゴミを捨てる人が多い一方で掃除をする人が誰もおらず、様々な環境問題を引き起こしていたためです。 初めは友人と2人だけでゴミ拾いをしていましたが、ゴミはほとんど減りませんでした。そこで、SNSを通して、ゴミ拾いの参加を呼びかけるメッセージを拡散。その際、現状の問題を詳細に伝え、綺麗になった海岸でできるイベントなどの提案も行い、周囲の当事者意識と環境整備への意欲促進に努めました。 結果として近くに住んでいる10名から連絡があり、毎週一緒に作業を行いました。今では以前と見違えるほど、海岸が綺麗になっています。 この経験から、自分の行動が周囲を巻き込み、大きな成果を生むこともできると学びました。御社のシステムエンジニアの一員として、周囲を積極的に巻き込み、チームでの目標達成、さらには御社の利益拡大に貢献できればと考えております。 |
ゴミ拾いを始めた動機が書かれているため、人々のために貢献したい気持ちが強い人だと伝わるでしょう。経験を仕事の抱負に結びつけており、仕事に熱心に取り組める意欲もアピールできています。
周りを巻き込む力をアピールして好印象を与えよう
今回は周りを巻き込む力を伝える際のポイントと例文を紹介しました。
ただ周囲を巻き込むのではなく、目標から逆算した行動であることを念頭に置きアピールしましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。