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リース業界の仕組みや将来性を解説!向いている人の特徴も紹介

就活を控えているものの、「名前は知っているけれど、どんな仕事をするのかは知らない」という業界がある方も多いのではないでしょうか。代表格として挙げられるのがリース業界です。

今回はリース業界の仕組みはもちろん、将来性や業務内容、向いている人の特徴などについて詳しく紹介していきます。

リース業界のビジネスモデル

まずはリース業界のビジネスモデルについて知っておきましょう。リース業界は一言で言うならば「顧客企業に対して物件や機器など長期で貸し、利子で利益を生む」というビジネスモデルです。

基本的に料金は毎月支払われ、定期的に収入が得られるので、ビジネスモデルとしても非常に安定しています。

顧客や顧客企業は初期投資を大幅に削減することができ、安く最新の設備や技術を利用できますし、お試し感覚で導入できるので、非常に需要が高いです。

リース業界の種類2つ

リース業界にはさまざまな種類があり、分類によっては5種類以上も業態がありますが、大きく分けると2種類です。

それぞれについて知っておくことで就活の際も企業を選びやすくなるので、詳しく解説していきます。

①ファイナンス・リース

ファイナンス・リースは業務上必要な設備などをリース会社が代わりに購入し、貸し出すビジネスです。金融取引に該当し、金融機関から融資を受けているのと近しい取引と言えます。

基本的に長期間の契約が多く、商品の使用寿命の大部分、あるいは全てをカバーします。

リース期間終了後には残価で購入できる企業も多く、「最終的には購入したいけれど、今は予算が足りない」といった機器やサービスの導入にも利用されることが多いです。

資産の減価償却は顧客の負担となることが多く、適用例としては重機や自動車、工場設備などが挙げられます。

② オペレーティング・リース

オペレーティング・リースはレンタルに近い仕組みで、物件や設備を借りる代わりにリース料を支払い、期間が終了したのち、物件や設備を返却するものです。

短期間の場合が多く、商品の場合は総寿命の一部だけがカバーされるのが基本。メンテナンスと修理はリース会社の責任になることが多く、顧客側のハードルが低いリースと言えます。

ファイナンス・リースは解約ができないこともありますが、オペレーティング・リースは解約可能なことが多く、この点も導入にあたってのハードルが低い理由です。

リースとレンタルの違い

ここまでリースについて解説してきましたが、「レンタルと何が違うのだろう」と感じた方も多いのではないでしょうか。

一言でリースとレンタルの違いについて定義するならば、契約期間が異なることです。

リースは契約期間が長く、短くとも半年程度、長い場合は10年前後です。レンタルは自転車や車、モバイルバッテリーなどのように数時間で返却するものもあります。

また、メンテナンスへの考え方も異なり、リースは企業側(ユーザー)が行いますが、レンタルの場合はレンタル会社が実施します。

リース業界の市場規模

リース業界の市場規模についても見ていきましょう。リーマンショック後、一時的に業績が悪化しましたが、近年は景気回復もあり、好業績となっています。

しかし、航空機などの大幅な業績の収縮に伴い、製造業は海外展開を加速し、国内のリース市場は頭打ちとも言える状況です。

特にコロナ禍においてテレワークが普及し、オフィスの備品やOA機器の必要性が低下したこともあり、「これからも伸び続ける市場」とは言い難いです。

とはいえ、すぐに仕事が無くなるわけでもないので、業務内容や企業に魅力を感じるならば、選択肢として悪くない業界と言えます。

参考:公益社団法人 リース事業協会「2020年リース需要動向調査報告書 全文」より

リース業界の将来性

これから就職を目指す業界の将来性について知っておくことは、キャリア形成という観点から考えても非常に重要です。

ここからは3つの論点に着目し、リース業界の将来性について考えていきます。

  1. 需要が停滞している
  2. M&Aが進む
  3. 海外進出が進む

①需要が停滞している

リース業界の需要が停滞していることは懸念点です。特に新型コロナウイルスの流行に伴い、テレワークが推進されたことでオフィス設備の需要は著しく低下しました。

また、近年は例を見ないほど金利が低い時代でもあり、銀行融資のハードルも大きく下がりました。これに伴い、投資金額が大きい土木系の企業も融資を受けられ、リースの優先順位が低下しています。

数年・数十年で仕事が無くなる業界ではありませんが、今後大きく伸びるとは言い難いでしょう。

②M&Aが進む

国内市場の成長が見込めないとなると、M&Aが進んでいくことでしょう。

M&Aとはつまり吸収・合併のことで、主に大手のリース会社が小規模のリース会社を買収していくことが見込まれます。

小規模なリース会社が買収され、リース会社自体は少なくなっていく可能性が高いです。

市場が大幅に縮小されることは考え難いですが、就活の際は可能な限り安定している、または規模の大きい会社を選びましょう。

③海外進出が進む

製造業が海外に拠点を移している流れに沿って、リース業界も海外への進出を始めています。特にアジア圏は経済発展を見込める国が多く、早い段階で手を出している会社も増加するでしょう。

三井住友ファイナンス&リースは中国はもちろんのこと、タイ、マレーシアなどアジア諸国に拠点を増やしています。

今後も海外に進出するリース会社は多いと予想されるので、外国語のスキルは就活の際に役立つことでしょう。

リース業界の4つの職種

リース業界には大きく分けて4つの職種があり、それぞれ求められるスキルが異なり、向いている人も異なります。

「自分がリース業界において、どの職種に就きたいか」を考えながら就活をすることで、より具体的なES作成や面接での受け答えを準備できるはずです。

  1. 営業職
  2. 経理職
  3. 審査・法務職
  4. 資産管理職

①営業職

リース会社に入社してすぐは多くの人が営業職に就くでしょう。メインの業務は他社からリース契約を勝ち取ることで、製品ごとに営業チームを組むことが多くなります。

顧客のビジネスモデルや戦略について深く理解し、的確なリース契約の提案ができる人は、特に営業職に向いていると言えます。

営業職で結果を残せば、この後紹介する経理職や審査・法務職、資産管理職なども目指せるので、まずは地に足を付け、着実に業務をこなすことが大切です。

②経理職

経理職は主にリースに関わる税務処理などが業務内容で、リース契約のタイプに応じて正しい会計処理や収益の管理を行います

よって財務や会計のスキルはもちろんのこと、金融や経営などに関する知識やスキルが求められるので、通常の企業の経理職よりも高い能力が求められる傾向が強くなるでしょう。

また、リース期間終了後の資産価値の変動リスクなども適切に評価する必要があるので、多角的なスキルが求められる仕事とも言えます。

③審査・法務職

審査・法務はリース契約を結ぶにあたって、相手の支払い能力をチェックします。

リース申請者の財務状況や経営状態、信用履歴などをしっかりと確認し、契約後も相手が料金を支払えるかどうかを判断

リース契約書の作成や内容確認などは法務部門の業務であり、リース契約に当たって法的な問題が無いかなども確認なども業務の1つです。

複雑な財務データを分析する能力や、審査において的確な判断を下す意思決定力などが求められる仕事と言えるでしょう。

④資産管理職

資産管理職はリース会社において会社の資産運営を任される仕事で、リースで使用する商品の契約の管理や商品の廃棄などが主な業務内容です。

資産を正しく評価し、まだリースで利用できるのか否か、廃棄にかかる費用はいくらか、なども計算します。中古の製品を売却し、利益を出すこともあります。

一言で言うならばリース会社における資産運用担当なので、正確に会社の資産を評価し、扱う能力も必要です。

リース業界の主要企業3つ

リース業界の主要企業についても3つ、ご紹介しておきます。多くの人が知っている大企業ですが、詳しく知っておくことで就活に役立つことでしょう。

また、リース業界は拡大する見込みがあまり無いので、可能ならば下記の有名企業への就職も目指すことをおすすめします。

  1. オリックス
  2. 三井住友ファイナンス&リース
  3. 東京センチュリー

①オリックス

リースという新しいビジネスを日本に持ち込んだのは、実はオリックスです。

多角的に金融系のサービスを提供している大企業で、世界にも30カ国以上事業展開を行っており、リース業界では最も有名な企業の1つと言えます。

不動産、生命保険などリース以外にもさまざまな事業を展開しており、磐石の経営態勢を誇るので、安心して就職できる企業の1つと言えるでしょう。

大企業ですが、新しいことに挑戦し続ける社員を応援するベンチャーのような社風なので、仕事で結果を残し、積極的に昇進を目指したい人、仕事に対して情熱がある人におすすめの企業です。

②三井住友ファイナンス&リース

三井住友ファイナンシャルグループと大手商社の三菱商事が半分ずつ出資したリース会社が三井住友ファイナンス&リースです。

主に航空機のリースを提供しており、その他さまざまなリースに対応しています。

メガバンクグループと総合商社としてそれぞれ強固な顧客基盤を持っているため、苦戦が予想されるリース業界の中でも安定している企業の1つです。

リースは基本的にモノを扱いますが、それに加えて三井住友ファイナンス&リースではデジタルサービスなども提供し、時代に即したリースのサービスを提供しています。

③東京センチュリー

東京センチュリーは情報通信機器を中心に提供しているリース会社で、さらに国内オート事業も強みとしており、リース業界の中でも安定した業績を収めている企業です。

母体が伊藤忠商事ということもあり、非常に安定している企業です。リース業界でも常に上位を走り続けています。

最近では海外進出も活発であり、グローバルかつ高い専門性と独自性を持つ企業としてさまざまな国に新しい領域の開拓を行っている、積極的な企業である点も特徴です。

リース業界に向いている人の特徴2つ

ここまでリース業界について解説してきましたが、「自分はリース業界に向いているのだろうか」と疑問に思う方も多いでしょう。

そこでここからはリース業界に向いている人の特徴について解説します。当てはまらなかった方でも、可能な限り近づけるよう取り組んでみてください。

  1. 多様な業界に関わりたい人
  2. 顧客と長く良い関係を築いて仕事をしたい人

①多様な業界に関わりたい人

ここまで読んだ方ならばわかることかもしれませんが、リース業界の顧客は多種多様であり、さまざまな業種に対してリースを行います。

1つの業界に対する理解を徹底的に深めることも大切ですが、豊富な業種と関わることも考え、多様な業界に対しての理解を広く深めることが大切です。

色々な業界に興味があり、学んでみたいと考えている方にはぴったりの業種と言えます。

②顧客と長く良い関係を築いて仕事をしたい人

リースはレンタルと異なり最低でも半年、長いと10年程度も契約を結ぶことになります。つまり顧客と長く良い関係を築ける人にはぴったりの仕事です。

コミュニケーション能力が高く、顧客のニーズを理解し、的確な提案ができる人はリース業界でうまくやっていけるでしょう。

また、一度契約が終了しても再度契約を結ぶことがあります。契約の決め手は料金や製品の質はもちろん、「担当の人を気に入ったから」なんてことも少なくありません。

顧客と良い関係を築き、互いに尊重できるような人にとってリース業界はまさに天職でしょう。

リース業界の選考対策2つ

リース業界への就職を目指すにあたって、覚えておいてほしい選考対策は大きく分けて2つあります。

いずれも知っておき、対策をするとしないとでは大きく合否に関わるポイントなので、しっかりと確認してきましょう。

  1. 行動力をアピールする
  2. 企業研究を徹底的にする

①行動力をアピールする

行動力をアピールすることは他の業界と同じく、リース業界での就活でも大切です。

常に業務に熱心に取り組み、積極的に社内でも、顧客に対しても提案できる人材は非常に重要と言えます。

前向きに業務に取り組む姿勢は面接官から見てもプラスに映るので、業務に対していつも前向きに取り組める人材であるという点をアピールしていきましょう。

リース業界は今後苦戦が予想されるので、工夫を凝らし、積極的に意見の出せる人材はどの企業からも重宝されるはずです。

②企業研究を徹底的にする

企業を徹底的に研究することも非常に大切です。これはリース業界に限ったことではありませんが、面接の際に会社について事前知識をアピールすることは大きくプラスに働きます

「リース業界で待遇が良いならば、別にどこでも良い」と考えておらず、「この会社で働きたい」と熱心に志望していることが伝わるからです。

特に企業の長期ビジョンについて理解し、共感していることは伝えるようにしましょう。長くその企業で働きたいと考えている姿勢を理解してもらえます。

リース業界のことを深く知って就活に役立てよう

今回はリース業界について仕組みや将来性、向いている人の特徴などについて詳しく解説してきました。

リース業界は大きく伸びている企業とは言えませんが、仕事が無くなるほど不安定な業界ではありません

しっかりと対策すれば大企業への就職も目指せますし、興味のある方はぜひインターンなどに参加してみてください。

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若林

この記事を書いた人

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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