医療業界に就職したくても、どうやって志望動機を書けばいいのかわからない人は多いでしょう。人の命や健康に関わる医療業界ですが、職種によっては医学部や薬学部でなくても志望は可能です。
ただし、志望動機をしっかりと作り込んで働く意欲を示さなければなりません。そこで今回は志望動機の考え方と向いている人について解説していきます。
医療業界の仕事の種類
医療業界にはさまざまな企業が属しており、業務の内容や役割も大きく異なります。まずは、どのような種類があるかをしっかりと理解することが重要です。ここでは主な4つをご紹介します。
- 病院・クリニック
- 製薬会社
- 製薬会社(MR)
- 医療機器メーカー
①病院・クリニック
医療業界と聞いて真っ先に思いつくのが、病院やクリニックといった医療機関です。病気や怪我の治療、手術や検査といった業務が行われています。
どちらの医療機関にも医師と看護師が在籍しています。大きな医療機関になると、医療事務や薬剤師、放射線技師といった専門の技師も働いており、職種が多い点が特徴的です。
また、病院とは入院設備が整った医療機関でベッド数が20床以上を指します。一方で、19床以下の医療機関がクリニックとされています。規模が大きく入院の受け入れ患者数が多いのは病院です。
②製薬会社
医師が処方したり、治療に使用したりする薬の開発を担うのが製薬会社です。医薬品の開発は、直接命に関わる非常に重要な役割をしています。
開発や生産にはさまざまな法的規制があるため、整合性が非常に重要な職種です。製薬会社で研究や開発に携わるためには、それなりに専門知識が必要になり就職はそう簡単ではありません。
③製薬会社(MR)
製薬会社の中でも営業担当であるMRも、医療業界の職種のひとつです。医療従事者に対して、自社の医薬品を提供して販売する役割を担っています。
専門知識は必要になりますが、製薬会社の研究・開発に比べると文系出身者が多いのも特徴です。
入社してから、ある程度の医療知識は必要となりますが、コミュニケーション能力があり、医療従事者と信頼関係が築ける人であれば、MRに向いているといえるでしょう。
④医療機器メーカー
CTといった検査で使用する機器や、注射針やガーゼの消耗品を取り扱うのが医療機器メーカーです。製薬会社と同じく、製品の生産をする製造担当と、医療機関へ販売を行う営業担当に分かれています。
医療機器は高度な精密機器が多いため、取り扱いに十分注意しなければなりません。そのため、医療機器メーカーはそれぞれの得意分野に特化した専門の製品製造をしているといった特徴があります。
また、製造に関しては専門知識が必要なことが多いですが、営業は専門知識が必須ではありません。
医療業界の志望動機の考え方3ステップ
医療業界の志望動機を考える際には、3つのステップに従って考えると伝わりやすくなります。面接官に対して、自社にとって必要な人材だと思ってもらえるような志望動機にしましょう。それでは1つずつ解説します。
- なぜ医療業界に興味を持ったのか
- なぜその企業なのか
- 入社したらどのように活躍できるか
①なぜ医療業界に興味を持ったのか
医療業界に対してどのような興味を持ったのかを示すようにしましょう。なぜ医療業界でなければならないのかがしっかりと伝わらなければ、志望動機としてやや弱い印象となってしまうからです。
命を救える、病気や怪我を負った人を助けられるといった特徴を活かして、興味を持った理由を述べると伝わりやすくなります。
例えば、身近な人の病気や自身が怪我をして入院したことがきっかけなど、エピソードを交えることでより説得力が増します。
②なぜその企業なのか
たくさんある企業の中から、なぜこの企業を選んだのかはっきりと伝えるようにしてください。
面接官に対して良いインパクトを残すためには、医療業界への興味だけでは足りないからです。この企業にどうしても入りたいという熱意を伝えなければなりません。
例えば、製薬会社であれば主力の医薬品名を出して、医療機関に売り込みたいといった熱意を伝えると良いでしょう。
そのためには、企業方針や企業が求める人材をしっかりと理解しておくことが重要です。自身の強みやアピールしたいことを紐付けて伝えるとより効果的といえます。
③入社したらどのように活躍できるか
入社後のビションを伝えることも非常に重要です。面接官に自社で活躍してほしいと思ってもらうためには、どのような貢献ができるのかを伝える必要があるからです。
例えば、製薬会社や医療機器メーカーの営業では、大学で学んだ医療知識を活かして販売に繋げたいといったことを伝えると良いでしょう。
職種に応じた活躍をするためには、自身の強みや資格を交えつつこのような活躍ができますといったアピールをしなければなりません。
やる気だけではどれだけ会社に貢献できるのか伝わりにくいため、具体的なポイントを述べるようにしてくださいね。
医療業界の志望動機を書く時の3つのコツ
志望理由を書く際には3つのコツがあります。コツを掴むことで熱意が伝わり、より印象深い志望動機になるでしょう。ここでは1つずつ解説していきます。
- 具体的なエピソードを入れる
- 結論ファーストで書く
- 他の業界でも該当することは書かない
①具体的なエピソードを入れる
医療業界に興味を持った経緯や、活かせる経験を示す具体的なエピソードを盛り込みましょう。具体的なエピソードを入れることで、面接官に良いインパクトを与えられるからです。
自身が経験したことを盛り込むだけで、熱意だけではなく志望動機への説得力が増します。
志望している企業の方針も理解しておくことで、我が社に向いていると思わせられる志望動機を書くことが可能です。そのためには、企業調査や分析をすることも忘れてはなりません。
②結論ファーストで書く
志望動機を書く際に重要なのは、結論から述べることです。初めになぜ志望したのかを簡潔に述べたうえで、理由やエピソードを書きます。最初に結論を述べることで、相手に内容が伝わりやすくなり、印象を残しやすくなりますよ。
例えば、結論を伝えないまま、理由やエピソードを書いてしまうと、読み手としてはストレスになります。
話が脱線して言いたいことが伝わらないだけでなく、伝える能力が低いと評価されてしまうことも少なくありません。伝わりやすい文章構成としてPREP法を用いて書くように意識してみましょう。
【伝わりやすい文章構成PREP法】
- P:結論 ○○は××です
- R:理由 なぜなら○○だからです
- E:具体例 例えば○○、○○です
- P:結論 そのため、○○は××です
③他の業界でも該当することは書かない
医療業界に限らず、他の業界でも該当するような内容は避けましょう。誰でも考えられるような内容であれば、医療に携わりたい強い思いが伝わらないからです。
そのほか、製薬会社であれば、他の製薬会社でも該当するような志望理由でも熱意を伝えることはできません。医療機関や医療機器メーカーも同様で、この企業でなければならない理由を明確にすることが重要といえます。
どの業界でも、どの企業でも使えるようなありきたりな内容には注意してください。どうしても医療業界で働きたいと示す具体的な理由をしっかりと伝えるようにしましょう。
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医療業界の志望動機の例文3選
志望動機は構成だけでなく、興味を持ってもらえるエピソードやしっかりとした理由を書くことが重要です。ここでは3つの例文をご紹介します。書く時の参考にしてみてくださいね。
- 感染症を治す薬の製作に携わりたい
- 人々の健康を促進したい
- 病院などの医療機関をサポートしたい
例文①感染症を治す薬の製作に携わりたい
私が貴社を志望するのは、感染症に立ち向かう医薬品の製造に携わり、その社会的貢献に参加したいからです。貴社は新薬の開発においてトップクラスの実績を誇り、特に予防医療の視点から積極的な研究を進めている点に深い興味があります。 私自身、家族が感染症による後遺症に苦しんでおり、その経験から感染症への対策が急務であることを痛感しています。家族の苦しみを目の当たりにし、感染症に特化した新薬の開発を志しました。患者だけでなく、医師や看護師といった医療関係者の声を取り入れ、より効果的で効率的な医薬品を開発することが私の目標です。 大学では薬学部に所属しており、幅広い医薬の知識を習得しました。新薬の研究において、これらの私の経験や知識を活かし、貴社での最先端の医薬品開発に貢献したいと考えております。 |
医薬品の研究開発では、医療知識が非常に役立ちます。自身の経験と強みがマッチしており、インパクトのある志望動機になるでしょう。このように、自身が持っている知識もしっかりと示すことが重要です。
例文②人々の健康を促進したい
私は、医療業界において人々の健康を促進する一翼を担いたいという想いから、貴社を志望しています。 幼少時に経験した病気による入退院で多くの方々に支えられ、将来は医療業界で恩返しをしたいと考えるようになりました。特に入院中に感じたことから、医療環境の向上に貢献できる医療ベッドの開発に興味を抱きました。 私が入院していた病院のベッドは寝心地がさほど良くなく、子供ながらに夜中に目覚めて、怖くてナースコールを押してしまうことも多かったです。高齢の患者さんも「腰が痛い」とこぼしていたことがあり、患者さんにも看護師さんにも負担がかかっていたのではないかと思います。 この経験を通じ、より良い医療ベッドが、患者の心身のケアに直結すると確信しました。そのため、貴社が医療ベッドのトップシェアを誇り、先進的な技術を有することに魅力を感じました。 入社後は利用者のニーズ調査を徹底し、貴社の先進的な技術と共に、新しい医療ベッドの開発において自らの力を発揮したいと考えております。 |
自身の体験が元となった志望理由を示すことで、仕事に対する意欲や熱意が感じられます。入社後は、経験を活かして仕事に取り組みたいと伝えることで、面接官に対しより好印象を与えられるでしょう。
例文③病院などの医療機関をサポートしたい
私は医療事務を通じて医療機関の円滑なサポートを担い、患者とその家族に安心感を提供したいと思い、貴院を志望しました。 私自身、病気で何度か入院をした経験があります、その際、入院費に対する疑問や書類の作成など、医療事務の方のわかりやすい説明が、私と家族に心強い安心感を与えてくれたのです。この経験から医療事務の仕事に携わり、患者やその家族に安心を与えたい思いが生まれました。現在はメディカルクラークの資格取得に向けて勉強も積極的に行っています。 大学時代には事務職のアルバイトをしており、書類の作成やパソコン作業など幅広く業務を行ってきました。また、他のアルバイトの指導も行うようになり、コミュニケーションやチームワークを大切にすることも学べたと感じております。 貴院は様々な診療科を有し、広い年齢層の方々と関われることに魅力を感じています。入職後はコミュニケーションを大切にし、これまで培ったスキルを活かして患者やその家族に寄り添っていきたいと考えています。 |
仕事に活かせるスキルがある場合は、しっかりと伝えましょう。企業にマッチした資格やスキルがあることで評価は高くなります。その際は、企業方針や企業が求めている人材について理解と分析をすることが重要です。
医療業界に向いている人の3つの特徴
医療業界に向いている人には3つの特徴があります。責任感の強さや人を助けたいと考えている人でなければ医療業界での就職は難しい可能性が高いでしょう。ここでは1つずつ解説していきます。
- 責任感の強い人
- 人を助けたいという意思がある人
- 冷静さを保てる人
①責任感の強い人
医療業界を志望するには、責任感の強さが大切です。医療業界は、人々の命や健康を守ることに直結しているからです。他の業界と比べて非常に責任が重いといえます。
例えば、薬の飲み方を誤ったり、医療製品の使い方を誤ったりすると、大きな事故につながることも考えられます。
医療事務といった直接関与していなさそうなところでも、医師と患者さんをつなぐパイプ役となるため、いつトラブルに発展するのかわかりません。
このようなことも含めて、全ての言動にしっかりと責任が持てる人材が求められます。
②人を助けたいという意思がある人
人を助けたいという思いがあることも必要です。人々の苦しみや悩み、痛みを目の当たりにすることが多い業界だからです。
辛さや悲しみを背負っている人たちを助けるにはどうすればいいのかということを常に考えて行動することが求められます。
ただし、独りよがりの気遣いにならないように注意することも必要です。人々を助けるためには、どのように考えて行動できるかが非常に重要な業界といえます。
③冷静さを保てる人
冷静さを保てる人は、医療業界に向いている人といえるでしょう。業界内は、人の命に直接関わる職種が非常に多いからです。その際には、患者さんを第一に考えて冷静に行動できる人でなければなりません。
冷静さが保てずパニックになってしまうと、逆に患者さんを不安にさせてしまうことになります。どのような状況下においても常に冷静さを保ち、最善の策を見つけられる人は向いているといえるでしょう。
医療業界に興味を持ったきっかけを見直して志望動機を考えよう
医療業界で働くためには、好印象を与えられるような志望動機を書くことが重要です。そのためには、興味を持ったきっかけをもう一度見直して、しっかりとした志望動機を書く必要があります。
なぜ医療業界でなければならないのかを示すことは、選考で勝ち抜くために非常に重要です。面接官に良い印象を与えられるよう、説得力のある志望動機を考えましょう。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。