就活において重要なことといえば、もちろん自己アピールを事前に準備しておくことです。
どの企業も応募者の自己アピールを通じて、その人の特徴を細かく判断しようとします。
だからこそ、これから就活を始める人は自己分析を忘れてはいけません。
本記事では具体的なアピールポイントの探し方から、ESや面接でどう伝えればいいのかまで詳しく紹介します。
企業が就活で自己アピールを求める理由

どの企業に応募したとしても、自己アピールは必ずといってもいいほど求められるでしょう。
その具体的な理由は、以下の2つです。
- 職場環境に適応できるか判断するため
- 入社後の活躍をイメージするため
それぞれ詳しく解説します。
①職場環境に適応できるか判断するため
まずどの企業も、できるだけ自社で長く働いてくれる人材を求めています。
例えば企業ごとにそれぞれの社風があるので、自己アピールを通じて相性を量りたいと考えることがあります。
いくら応募者が優秀だったとしても、場合によっては社風と合わないから採用しないといったケースも珍しくありません。
だからこそ、自己アピールを通じて本当に適応できそうなのかどうかを判断します。
ちなみに人間関係で辞めてしまう人も世の中にはたくさんいるので、他の従業員とうまくやっていけそうなのかどうかも、ここから見抜くことになるでしょう。
②入社後の活躍をイメージするため
応募者が実際に入社した際に、どんな活躍をしそうなのかを自己アピールから判断することも少なくありません。
例えば応募者にとって、やりがいを感じることは具体的に何なのかを聞き出します。なぜなら自社の仕事に対して、向上心やモチベーションを抱いてくれる人を採用したいからです。
企業の成長には従業員の活躍がとても大事なので、自己アピールを通じて本当にマッチする人材なのかどうかを判断します。
だからこそ、自己アピールをする際には自分を採用するメリットがどこにあるのかを明確にしましょう。
就活でアピールポイントを伝える場面

就活においてアピールポイントはどのような場面でどのように伝えるのでしょうか。
主に以下の3つがアピールのシーンですので、それぞれどのような内容にすべきかシミュレーションしておきましょう。
①自己紹介の場面
自己紹介でのアピールは簡潔でOKです。氏名や出身大学を伝えた後、「〜〜をしており、〇〇が得意です。本日はよろしくお願いします。」と言ったように自己紹介の次いでとして簡単に伝えましょう。
氏名とあいさつだけでは味気なく、またどのような長所があるのか分からないと採用担当者や共に面接を受ける受験生がコミュニケーションの糸口を掴めないため、簡単に添えておくと効果的です。
一方で自己紹介でのアピールは長々としていると「必要以上に長く喋る」という印象を与えてしまいかねないため、結論となる強みのみ伝えましょう。
②自己PRの場面
自己PRは自分のアピールポイントを伝えるための場面です。相手に伝わるように具体的な強みや根拠、入社後の活躍までしっかりと説明しましょう。
面接の中盤に設けられることが多く、ポテンシャル・将来性を示す最大の機会です。学生時代の経験や活動を通じて培った能力を、企業の求める要件と結びつけて説明できると良い印象を与えられます。
単なる経歴の羅列ではなく、経験から得た学びや、その経験をどのように活かせるかまで明確に伝えましょう。
また、具体的なエピソードや、可能であれば数値的な成果も交えることで、より説得力のある自己PRを展開できます。
③学生時代頑張ったこと(ガクチカ)を伝える場面
学生時代頑張ったこと(ガクチカ)を伝える場面では、単なる活動内容の説明ではなく、その経験から得た学びや成長を具体的にアピールすることも重要です。
面接官は、あなたがどのように課題に向き合ったかだけでなく、そこからどのような能力を身につけたかに最も関心を持っています。
活動の背景、自分が果たした役割、直面した困難、そしてその経験から学んだことを論理的に説明しましょう。
単に「頑張りました」と述べるのではなく、その経験によって今後どのように仕事に活かせるかを明確に伝えることが求められます。
就活のアピールポイントの見つけ方

人によっては、自分のアピールポイントを聞かれてもなかなか思いつかないこともあるでしょう。
そんな時は以下の5つのポイントを押さえておいてください。
- 習慣・続けていることから探す
- 達成経験から探す
- 身近な人から聞く
- 特技から探す
- 失敗した経験から探す
これで誰でも簡単に、アピールポイントが見つかるはずです。
①習慣・続けていることから探す
まずは普段の自分が何をしているのかを、具体的に掘り下げていきましょう。
それは勉強でも遊びでも、何でもかまいません。大事なのは、長期的に続けていることがあるのかどうかです。
物事に長く取り組んでいると、何かしら身についているスキルや知識があるでしょう。それが自分自身の持つ、最大のアピールポイントになる可能性は十分あります。
もちろん現在続けているものだけではなく、過去に続けていたものでもかまいません。何か1つでもいいので、過去の自分の行動を思い出してみましょう。
②達成経験から探す
今までの人生を振り返り、何を達成してきたのかを洗い出してみるのもポイントです。
例えば学生時代に、夏休みの宿題をすぐ終わらせたという簡単なエピソードでもかまいません。
大事なのはエピソードの内容よりも、なぜそれが実現できたのか?を考えること。そこにあなたのアピールポイントが隠れている可能性があります。
どんな達成経験にも必ず理由があるはずなので、何も思いつかないなぁと思ってもすぐに諦める必要はありません。
③身近な人から聞く
自分のことは自分が一番よく理解できているつもりでも、実はそんなことありません。つまり自分ではまだ気づいていない自分も、存在している可能性があります。
そこで重要なのが、身近にいる人から自分の良いところを教えてもらうこと。
客観的な視点だからこそ、自分では気づけないアピールポイントが見つかることも少なくありません。
できる限り自分のことをよく知っている家族や友人などに、詳しく話を聞いてみるといいでしょう。
④特技から探す
アピールポイントになるものといえば、自分の特技から探すのも鉄板です。すぐに思いつかない場合は、他人よりうまくできた出来事がないかどうかを思い出してみましょう。
しかし内容によっては、人に伝えるほどではないものもあるかもしれません。そんな時は、なぜうまくできたのかを掘り下げていくのが重要です。
例えばテレビゲームを早くクリアするのが特技なら、頭の回転が早いことや手先の器用さ、物事をスピーディーにこなすことができる、といったアピールポイントに置き換えられます。
同じ要領で探してみると必ず何か見つかるはずなので、覚えておくと便利です。
⑤失敗した経験から探す
誰しも成功体験から自分の良いところを探しがちですが、実は失敗体験からもアピールポイントを見つけられます。
なぜなら人間は、失敗から学ぶことが多々あるからです。今の自分と過去の自分を比べた時に、何か成長している部分があればそれが必ず強みになるでしょう。
例えば何かを始める際に行き当たりばったりで行動した結果、失敗してしまったことはありませんか?
そこからスケジュール管理の重要性に気づけると、それが学びでありアピールポイントにもなります。
就活でアピールポイントを伝える際のテンプレ構成

就活でアピールポイントを伝える際には、テンプレ的に使えるお決まりの構成があります。
テンプレ構成を押さえた上で、自分独自の内容にカスタマイズしましょう。
①結論
まずは結論を伝えましょう。ここでいう結論とは、自分の強みです。
この際、結論として述べる自分の強みは、例えば「論理的思考力」「協調性の高さ」と言った一言で表せる内容が適切です。また必ず一つに絞りましょう。
最初に結論を伝える構成には、聞き手の注意を即座に引き、メッセージの核心を明確に印象づける大きな効果があります。
また結論から始まっていた方が、その後の説明となる内容も理解しやすいです。
②経験・エピソード
結論として強みを伝えたら、それを補強する経験・エピソードを伝えましょう。説得力を持たせる上で必要不可欠です。
最初に述べた結論を裏付ける具体的な事実や経験を論理的に説明する必要があります。単なる出来事の羅列ではなく、その経験を通じて何を学び、どのように成長したかを明確に示しましょう。
経験・エピソードは可能な限り企業活動に近しい内容が好ましいです。具体的には、学生時代の活動や課外活動、インターンシップなどから、印象的で企業が求める能力と合致する経験を選びましょう。
活動の背景、自分の役割、直面した課題、具体的な行動、そして得られた成果を時系列で分かりやすく説明します。また数値的な成果、チームへの貢献、個人の成長プロセスを織り交ぜることで、より説得力のある内容に仕上がります。
③入社後にどう活かすか
最後に、入社後にどのように活かすかを伝えましょう。結局、入社後に活躍できなければ意味がないため、この部分は企業の特性とマッチさせて論理的に伝える必要があります。
この部分に説得力を持たせて魅力的に見せるためには、事前に企業について深く知っておく必要があります。受験する企業の研究を行い、特徴や企業の具体的な業務にマッチさせてアピールすると効果的です。
単なる自己PRで終わらせず、企業にとって自分がどのような価値を生み出せるかを論理的に伝えることが重要です。
企業への貢献意欲と、自分の熱意を同時に伝えられるため、採用担当者に強い印象を残せます。
ESでアピールポイントを上手に伝えるコツ3つ

ESで自分のアピールポイントを伝える時は、以下の3つのポイントを覚えておいてください。
- 目を惹くキャッチコピーを使う
- 結論ファーストを意識
- 信憑性を高めるため定量的に書こう
1つずつ詳しく説明しましょう。
①目を惹くキャッチコピーを使う
ESの場合は、書ける文字数に限界があります。だからこそ、できるだけ簡潔にわかりやすくアピールすることが重要です。
そこで意識してみてほしいのが、目を惹くキャッチコピーを書くこと。イメージとしてはただアピール内容を文章で書くのではなく、自分の宣伝文句を書くのです。
例えばどんな時もくじけずに最後までやり遂げられるのが強みなら、「困難をチャンスに変える、ポジティブな問題解決者」のようなキャッチコピーにしてみてもいいでしょう。
このように表現を1つ変えるだけでも、他のライバルより目立ちやすくなります。
②結論ファーストを意識
どんな時でも、自分の伝えたいことが具体的に何なのかをハッキリさせるのが重要です。そのためにもいきなり前置きから書き始めるのではなく、結論から書き始めましょう。
その理由は、結論からスタートすることで誰にでもわかりやすくアピールポイントが伝わるからです。
これはプライベートやビジネスシーン問わず好まれる話し方なので、人とのコミュニケーションを取る時は常に意識してみてください。
このコツを理解しているだけでも、相手に良い印象を与えられるでしょう。
③信憑性を高めるために定量的に書こう
どんなに良いことを書けたとしても、相手がその内容をどう捉えてくれるのかはわかりません。
相手によっては、もしかすると「話を盛ってるのではないか?」や「嘘が混ざっているのではないか?」と疑う可能性もあるでしょう。
だからこそ、自分のアピールポイントを書く際にはできる限り数字を用いた客観的な事実を証明してください。
例えば何かに頑張って取り組んだ経験を書く時は、具体的な期間や時間などの数字もセットで書くのがポイントです。それだけで話の信憑性は格段に上がります。
面接でアピールポイントを上手に伝えるコツ3つ

面接に慣れていないと、いざ本番を迎えた時に思わぬ失敗をすることもあります。
だからこそ、以下の3つのポイントは常に意識しましょう。
- 自信を持ってハキハキと話す
- 端的に述べる
- リズム・抑揚をつけて話す
これでどんな人でも、上手に自分をアプローチできるはずです。
①自信を持ってハキハキと話す
まず相手に良い印象を与えるために、自信を持ってハキハキと話しましょう。これだけで自分の魅力を底上げすることができます。
なぜなら明るいイメージを与えられますし、何より自分の話すことに対して説得力を持たせることができるからです。
またその際には、きちんと相手の目を見て話すことも意識しましょう。これは当たり前のことですが、意外とできていない人も少なくありません。
どうしても恥ずかしい場合は、相手の眉間付近をぼんやり見ているだけで大丈夫です。これでも目を見ているように見えるので、良い印象が与えられます。
②端的に述べる
少しでも自分のアピールポイントをしっかり伝えるために、つい長々と話し始めてしまう人もいるでしょう。
しかし面接において、ダラダラと話し続けるのは逆効果になってしまうおそれがあります。なぜなら話の内容がわかりにくくなるからです。
面接はこれまでまったく接点のない相手との会話になるので、何事も端的に述べることを意識してください。するとどんな話であろうと、うまく伝わるでしょう。
ちなみに端的に話すコツは、一文をできるだけ短くすること。決して複雑に考える必要はありません。
③リズム・抑揚をつけて話す
アピールポイントを話す時に意識してほしいのが、リズムよく相手に伝えることです。例えば学校で校長先生の話を聞く時に、つい眠くなったことはありませんか?
どれだけ良い話ができたとしても、抑揚がないと相手の頭になかなか入っていきません。
だからこそ、声の強弱や話すペース、間を空けるべき場所などを、あらかじめ決めておくといいでしょう。
すると同じ内容の話でも相手をうまく惹きつけつつ、説得力のある印象を与えられます。
就活で使える!アピールポイントの例5つ

アピールポイントを伝える際に重要なのは、以下の5つです。
- 課題解決力
- 行動力
- 協調性
- コミュニケーション力
- 臨機応変な対応力
それぞれの特徴を押さえた例文をここで紹介しますので、自分に合ったものがあればぜひ参考にしてみてください。
例①課題解決力
以下の例文は、課題解決力をアピールする時のパターンです。
困難に立ち向かえる能力があるのを伝えることで、採用価値があると思ってもらえる可能性が上がります。
私のアピールポイントは、課題解決力に自信があることです。 以前ケーキ屋さんで働いていた時に、大切な結婚記念日を迎えるカップルのケーキをデザインすることがありました。 お客様の希望を具現化するために頑張って試行錯誤してなんとか良いデザインができましたが、納品前日になってデコレーションに必要な材料が足りていないことに気づいたんです。 時間もないし、ただ素直に謝って終わろうとも一瞬考えましたが、今できる範囲のことはやろうと思って諦めずに行動することにしました。 結果的には他のスタッフとも協力しながら徹夜することになりましたが、何とかデザイン通りのケーキを作ってお客様に納品できたのを覚えています。 この経験のおかげで、すぐ諦めるのではなく常に他の方法はないかどうかを考えるクセがつきました。 |
例②行動力
以下の例文は、行動力をアピールする時のパターンです。
何事にも挑戦する気持ちを持っていることは、どんな企業にとっても採用しやすい理由になるでしょう。
私のアピールポイントは、行動力があることです。 高校時代に学校のチャリティイベントを企画することがあり、その際に老人ホームを訪れるプロジェクトを自発的に立ち上げました。 孤独を感じている高齢者の人に少しでも笑顔を提供したかったので、一緒にカラオケ大会をしたりボードゲームで遊んだりしたのを覚えています。 特にビンゴ大会のプログラムは多くの人に喜んでもらうことができたのが印象に残っており、私はそれ以降もたまに足を運んでボランティア活動をするようになりました。 この経験のおかげで行動を起こすことの大切さを学ぶことができたので、今ではすごくよかったと思っています。 |
例③協調性
以下の例文は、協調性をアピールする時のパターンです。
周りの意見をしっかり聞いて行動できることは、どんな企業においても採用する上で安心材料になります。
私のアピールポイントは、協調性があることです。 高校時代は吹奏楽部に所属していて、そこで部長を務めていました。 まず吹奏楽はフルートやトランペットなど、いろんな木管楽器や金管楽器などから成り立つものです。 ただコンクール前になると、いつも「良い演奏をしたい」人と「コンクールで賞を取りたい」人同士で意見が分かれることがありました。 最初はどうまとめればいいのか頭を抱えていましたが、ある日1人1人の部員と向き合うためにきちんと話し合いの場を設けた結果、全員が納得できる状態まで持っていくことができたのがよかったです。 このような経験から、私はチーム全員がそれぞれの意見を聞いて話し合う重要性を学ぶことができました。 御社に入社した際にも、仕事に対して協調性を重視しながらやり遂げればいいなと思っております。 |
例④コミュニケーション力
以下の例文は、コミュニケーション力をアピールする時のパターンです。
実際に自分のコミュニケーション力を通じて良い変化があったことを伝えれば、必ず面接での評価は上がるでしょう。
私のアピールポイントは、コミュニケーション力があることです。 以前家庭教師のアルバイトをしていたんですが、自分が持つ生徒がなかなか上達せずに悩んでいました。 なので自分の教え方に問題があったのかなと思い、親御さんに相談したところ勉強自体に強く苦手意識を持っていたらしいです。 そこで私は生徒と勉強以外でのコミュニケーションを取る時間を作ることにしました。 おかげで生徒と今までよりもずっと仲良くなることができましたし、それに加えて私の話にも素直に耳を傾けてくれるようになったので、きちんと勉強の重要性も伝えることができました。 そんな私のコミュニケーション力を、御社でも活かせたらいいなと考えています。 |
例⑤臨機応変な対応力
以下の例文は、臨機応変な対応力をアピールする時のパターンです。
突然の出来事にもしっかり対応できるエピソードを話すことで、頼りがいのある自分を見せられます。
私のアピールポイントは、どんな時でも臨機応変に対応できることです。 以前イベントスタッフのアルバイトをしていた際に、突然主催者が交通遅延によって予定時刻に間に合わない状況に遭遇しました。 その際にイベントのスケジュールを見直し、いつ主催者が来てもいいように他のスタッフと協力しながら会場の整備をしました。 すると予定よりも早く準備が終わったため、結果的にイベント全体の進行がとてもスムーズになったのを覚えています。 もちろん主催者さんにも不便をかけることなく終えることができたので、周りからすごく褒められました。 どんな予期せぬ事態にも動じずに行動できる自信があるので、必ず御社でも活かせると確信しています。 |
就活のアピールポイントは自己分析をして見つけよう

今回は就活をする際に重要なアピールポイントの探し方に加え、ESや面接でうまく伝える方法を紹介しました。
自分には良いところなんてないと思い込んでいる人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
だからこそ本記事を参考にしながら、もう一度自己分析をし直してみてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。