映画業界に就職したいと考えていても、就活のポイントや必要な資格についてはよく知らない方がほとんどだと多います。
そこで本記事では映画業界への就職を目指す人向けに仕事内容や求められるスキル、映画業界の動向などついて紹介していきます。
映画業界への就職を目指す方はもちろん、進路を決めかねている方も、ぜひ参考にしてみてください。
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映画業界の就職は人気

映画業界の就職は非常に人気なので応募人数も多く、簡単には選考を突破できません。映像作品を通して多くの方に感動を届けられる魅力的な業種なだけに、求められる経歴やスキルは高い水準にあります。
就職してからも、楽な仕事、やりたい業務だけを任せられるわけではありません。現場によっては設営だけで数日かかる場合もあり、人員が足りない場合は職種に関係なく協力を要請されます。「想像以上に肉体労働が多い」と面食らう人も多いでしょう。
どの職種を担当するかにもよりますが、CGデザイナーなどの専門知識やクリエイティブさを求められる職種の場合、未経験で入社は難しいです。もし入社できたとしても、いきなり高い水準のスキルを求められることが多く、最初のうちは大変かもしれません。
映画業界の動向

どの業界への就職を目指すにあたっても、業界の動向を抑えておくことは大切です。
面接の際に業界への理解度をアピールすることでモチベーションの高さをアピールできたり、知識の深さを証明できたりと役に立つのはもちろん、自分の今後のキャリア設計のためにも、業界の動向について確認しておきましょう。
- コロナ前の水準に回復しつつある
- 邦画アニメの世界的人気
- 動画配信サービスの広がり
①コロナ前の水準に回復しつつある
映画業界の動向は、コロナウイルスが流行し始めた2020年と比べて2022年は国内の興行収入が前年比32%増の2,131億円となるなど、全般的な数字が上向いており、コロナ前の水準に戻りつつあります。
公開される映画の本数に至っては、コロナウイルスが最も流行し、あらゆる業界が大打撃を受けた2020年でも、2010年の716本に対して1,017本、つまり10年間で約1.4倍にまで上昇しており、コロナの影響は多少あれど、今後も成長が見込める業界と言って良いでしょう。
②邦画アニメの世界的人気
邦画アニメが世界的に非常に人気が高いという点も今後の映画業界の動向を推測する上で重要な要素です。
特に近年では日本国内でも「鬼滅の刃」などの大ヒット作品が多数あり、海外でも大人気を博しています。そうなると以前より国内外問わず人気の高かった「NARUTO」や「ONE PIECE」などの作品も再び注目され、現代はこれまでで最も日本アニメの海外人気が高い時代と言えます。
③動画配信サービスの広がり
コロナ禍において大きく躍進を遂げたサービスとして、動画配信系のサービスが挙げられます。
NETFLIXやDisney+など、感染症を気にすることなく、自宅で楽しめるコンテンツは多くの方に受け入れられました。
もちろんこれは海外だけでなく日本でも同じことが言えます。実際、この記事を読んでいる方も、コロナ禍におけるお休みの楽しみの1つに動画配信サービスがあった方も多いのではないでしょうか。
よって、今後の映画業界でより業績を伸ばしていくには、ただ面白い映画を作るだけでなく、動画配信サービスで映画を観る層の分析なども意識していく必要があるでしょう。
映画業界の仕事は主に3つに分かれる

私たちが観る映画は主に制作・配給・興行の3つの流れを通っています。
映画業界への就職を目指すならば、これら3つの仕事の目的・内容などについても詳しく知っておくことが大切です。それぞれ一緒に確認していきましょう。
- 映画制作
- 映画配給
- 映画興行
①映画制作
映画制作は企画やキャスティング、機材やロケ地の手配、撮影から編集まで、ありとあらゆる作業を行う部門です。
大きな映画会社では上記の業務がそれぞれ分かれており、規模の小さい会社では1人で複数の仕事を任せられます。特に撮影など一定水準のスキルが求められる業務は大変ですが、やりがいがありますし、成長も感じられるでしょう。
また、スケジュールが詰まっている場合、昼夜問わず、そして休みなく撮影を行うこともあり、体力的にもハードなので、日頃からしっかりと体調管理ができる人材は重用されます。
②映画配給
映画配給はその名の通り、制作会社によって作られた映画を消費者に配給する仕事です。映画作品を買い付け、全国の映画館で放映してもらうために交渉を行うのはもちろん、作品の認知度をより増すために宣伝活動を行うのも映画配給の役割と言えます。
映画業界の中でも花形と呼ばれる映画配給の仕事は、日本でヒットしそうな海外の作品をいち早くリサーチし、買い付けて日本の映画ファンに届けるのもやりがいの1つです。
映画業界への就職を志す学生の多くが目指す業種なので倍率が高いですが、勝ち抜くことができれば、数ある映画業界の仕事の中でも最もやりがいを持って働ける業種の1つなので、映画が好きでたまらない方にはぴったりと言えます。
③映画興行
映画興行は映画館の運営を行っている企業です。代表的なものには下記の企業があります。
- TOHOシネマズ株式会社
- 株式会社東急レクリエーション
- イオンエンターテイメント株式会社
- 株式会社松竹マルチプレックスシスターズ
私たちが映画を観に行く、いわゆる「映画館」と呼ばれる場所が興行会社にあたり、先ほどご紹介した配給会社と映画の上映の契約を行い、映画を上映するのが主な仕事です。
映画の上映にあたっての運営なども行うので、上映スケジュールの管理やチケットの販売なども業務内容となります。
映画業界以外でも映画に関われる就職先3つ

ここまで映画業界の仕事を紹介してきましたが、必ずしも映画業界に就職しなければ映画に関わる仕事ができないというわけではありません。
上記で紹介した映画業界の業務内容がしっくりこない方や、映画に関するものだけでなく、他にもさまざまな業務に携わりたい方は下記で紹介する就職先も候補に入れてみましょう。
- テレビ局
- 芸能プロダクション
- 広告代理店
①テレビ局
映画に関わる仕事を行う企業として、テレビ局が挙げられます。テレビ局はテレビ番組を作るだけが仕事ではありません。
テレビ局が映画制作をすることも多いですし、テレビドラマが映画化することもあります。テレビドラマが映画化した際は当然、テレビ局が制作を主導しますし、映画が放映される前に出演者がバラエティ番組などに出演する、いわゆる「番宣」なども同テレビ局の番組で行われます。
テレビ局に就職すれば、一般的なテレビ局での業務に加えて、映画の制作にも携われるかもしれません。テレビ番組と映画、両方の制作に興味がある方はテレビ局を第一志望に据えるのも選択肢の1つです。
②芸能プロダクション
芸能事務所、いわゆる芸能プロダクションで働くのも、映画関連の仕事をしたい方にとっては有力な選択肢の1つです。
芸能プロダクションの仕事は主に所属する芸能人のマネジメントで、プロフィールの作成や売り込み、スケジュールの管理や出演料の交渉などがあります。
芸能プロダクションの人が行う可能性のある映画関連の業務としては、撮影現場や制作現場への同行が挙げられます。映画の制作に本格的に関わることは少ないですが、撮影現場を見ることができますし、制作の裏側を見てみたい人にはおすすめできる業種です。
③広告代理店
近年ではテレビや雑誌の広告だけでなく、リスティング広告やFacebook、YouTube広告など、インターネット媒体での広告は映像業界に限らず、ありとあらゆる分野で重要視されています。
プロモーションを自社で行うのではなく、広告代理店に外注し、任せる映画会社も増えてきており、今後さらに成長が見込める業界と言えるでしょう。
「映画の魅力を最大限にアピールし、消費者に届ける仕事ができる」と考えると、映画が好きな方にはぴったりの仕事です。
映画業界の働き方は?

ここまで映画業界の職種や映画業界以外で映画の制作に関われる職種についてご紹介してきましたが、実際に映画業界で働くにあたって、どのような働き方になるのかも知っておきましょう。
あらかじめ業界の雰囲気などを把握しておくことは就活にも役立つ上に、就職後に面食らうこともないので、簡単に確認しておきましょう。
- ハードスケジュールになることもある
- 決まった休みを取ることが難しい
- 年収は企業や職種によって異なる
①ハードスケジュールになることもある
映画制作の仕事は基本的にハードスケジュールです。特に撮影などの現場の仕事は深夜早朝を問わず長時間勤務になることも多いですし、不規則な生活で疲れが取れにくい、という方も多いでしょう。
また、撮影の日程が押してしまったり、出演者の日程が変更になったりすると、スケジュールが変更になり、休みの日であろうと、突然出勤になることも少なくありません。
よって、ある程度体力的に余裕が無いと働くのは難しいと考えた方が良いでしょう。不規則な生活でも体調を管理する能力が求められます。
②決まった休みを取ることが難しい
映画制作会社の勤務形態はシフト制が基本なので決まった休みがなかなか取れませんし、前述のように急に仕事が舞い込んだりするので、旅行などの予定が立てにくいです。
しかし、映画関係の会社でも唯一、配給会社は週休2日制が基本で、一般的な企業に近い働き方ができます。
「映画関係の企業で働きたいけれども、土日はしっかり休んで、プライベートの時間も大切にしたい」という方は配給会社への就職を目指すのが良いでしょう。
③年収は企業や職種によって異なる
映画業界は企業や職種によって年収に大きく幅がある業界です。例えば、映画配給会社の平均年収は400〜500万円程度ですが、大手の映画会社と中小規模の映画会社を比べると多少の開きがあります。
大手の企業、例えば東宝や松竹といった誰もが名前を聞いたことがある大手の映画会社の一部の人は年収が1,000万円以上の人も居ますが、一方で中小の場合、入社時は年収300万円程度のこともあり、いわゆる「ピンキリ」の業界です。
よって、映画業界で高年収を目指すならばなるべく大きな企業で働くことが重要ですが、必ずしも新卒の段階で大手に就職しなければならないわけではありません。
最近では転職は珍しいことではありません。就活時は大手への就職が難しくとも、スキルを磨き、経験を積めば転職も夢ではありません。
映画業界に就職する人に求められるスキル

ここからは映画業界に就職するにあたって、求められるスキルについて考えていきましょう。
自分が映画業界への就職に向いているか確認するのはもちろんのこと、足りない部分があれば早い段階から対策しておくことで、よりスムーズに就活ができます。
- 発想力
- コミュニケーション能力
- グローバルな視点・語学力
- 交渉力
- 世の中の流れに敏感であること
①発想力
映画業界は映像作品を作る仕事がメインであり、ものを作り上げるということはクリエイティブ性が求められるということでもあります。また、どうしたら作品をより多くの人に届けられるか、どうしたら多くの人に受け入れられる作品が作れるか、といった発想力も必要です。
つまり、制作を担当する人以外にも発想力は不可欠であり、常にさまざまな作品をチェックし、アンテナを張り巡らす必要があるでしょう。
作品のビジュアル面やストーリーに関して意見を出すことが難しい職種であったとしても、作品のプロモーション方法などについては意見を述べられる機会もあるはずです。
②コミュニケーション能力
映画の制作にはさまざまな人が関わっています。制作だけでもディレクターや脚本家、監督、演出家、カメラマン、音響、美術など挙げればキリがありませんし、それに加えて映画配給など、あらゆる人とコミュニケーションを取り、協働する能力が重要です。
例えば、カメラマンという仕事1つをとっても、演者へ的確な指示を出したり、うまくコミュニケーションをとってリラックスして撮影に臨めるよう工夫ができれば、より良い作品ができるでしょう。つまり、映画関連の業種はいずれの仕事にもコミュニケーション能力が役立つのです。
③グローバルな視点・語学力
映画会社には国内の映画だけを制作・放映しておくば良いというわけではありません。日本の映画が海外に輸出されるように、海外の映画も日本で放映されます。
そうなると映画配給会社の場合、海外の映画会社と料金などの交渉を行う必要があり、語学力が必要となります。日本では依然として英語が話せる人は即戦力として重宝されるので、英語やフランス語など、外国語を話せる人は引く手あまたでしょう。
また、日本の海外ウケの良い要素を作品に盛り込むことで、作品の可能性をさらに広げることができます。海外ではどのような作品が人気なのか、どのような文化があるかなど、グローバルな視点を身につけることは間違いなく役に立ちます。
④交渉力
映画関連の会社で働くにあたって、交渉力は重宝されますし、就活の際に評価の基準となる部分です。
特に配給会社では買い付けや宣伝など交渉を行う機会が多いので、交渉力がある人材を常に求めています。
これは裏を返せば、映画の制作会社が配給会社と交渉を行う際にも必要とされるスキルです。配給会社により多くのギャラを求めたり、上映の日程をより望み通りにしてもらう交渉術も、同様に求められるでしょう。
⑤世の中の流れに敏感であること
映画というものはフィクション作品が多いですが、リアリティも重要です。また、近年のように少しでも世論に背いた発言をすると「炎上」してしまう時代ならば、なおさら世の中の流れに即応した作品の制作が必要となります。
制作会社は常に流行や、タブーとされるものを把握しておく必要があると言えるでしょう。
また、どのような作品がこれからブームとなるのか、どのような作風が評価されるかなども常に1歩先を考えられる人材は重宝されます。
時代の流れに即応した、多くの人に「刺さる」作品を見極める力は間違いなく求められるでしょう。
映画業界のことを知って就職活動に取り組もう

今回は映画業界の職種について紹介しつつ、映画業界以外でも映画に関われる仕事や、映画業界に置いて求められるスキルについてご紹介しました。
映画業界は世の中に強い影響力を持つ「映画」という作品を提供する業界であり、それぞれのプロジェクトが大きいため責任が伴い、業務もハードですが、作品の数字が伸びれば喜びもひとしおです。
本記事で映画業界に興味の出た方は、ぜひ気になる企業のインターンなどにも参加してみてください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。