「自己PRがまとまらない」と悩んでいる就活生は多くいるでしょう。自己PRを上手く採用担当者に伝えるためには、構成を意識しながら作ることが重要になります。
そこで本記事では、自己PRのを話すときのポイントや例文を解説します。ぜひ、今後の就活対策の参考にしてみてくださいね。
自己PRは構成が重要!その2つの理由
まず初めに、構成を作成する重要性の理解から解説していきましょう。
言いたいことをただ羅列して書いても、相手には正しく伝わりません。
構成を作成してから自己PRを書くと、話の骨組みができているので効率的に文章を作りやすく、内容もアレンジしやすくなります。
①伝わりやすくなるから
構成を作成すると、相手に伝わりやすくなるからです。
自己PRの構成とは、あらかじめ自己PRの本文で書く内容と順序を決めたアウトラインになります。
最初に構成を決めてから自己PRの本文を書くと、内容と順番に沿ってスムーズに書けるのもメリットといえるでしょう。
逆にいえば、構成がしっかり書けていないと話の本筋があちこちに飛んでしまうので、相手にとって理解しにくい内容となってしまいます。
さらにいえば途中で何を書きたかったのか自分にもわからなくなってしまうので、自己PRに限らず、何事にも構成が重要なのです。
②面接でも話しやすくなるから
もう1つは、就活の面接での回答が話しやすくなるからです。
面接では、提出した自己PRを中心に質疑応答を行います。
したがって、構成で書いた順番に面接官が質問してくるので、面接で話すときは自己PRの内容を具体的に答えると良いでしょう。
構成は、話す順番と内容を整理するために重要な作業であることがわかったと思います。
じっくり時間をかけて構成を決めてから自己PRの本文を書くようにすると良いでしょう。
自己PRの基本構成

面接官から高評価が得られやすい自己PRの構成を紹介します。説得力を高めるためには、以下の4つの構成で作るのがポイントです。
①強み
自己PRでは、最初に自分の長所や強みを述べてください。初めに結論を伝えると、どんな話をしたいか、相手も理解しやすくなります。
「私の強みは〇〇です。」「私は〇〇に自信があります。」のように、ハッキリ伝えることが重要です。
また、自己PRで使う強みは、志望企業や職種に合ったものを選ぶと良いでしょう。
もし営業職を志望するなら、「コミュニケーション能力」「計画力や実行力」を選べば評価されやすいですよ。
②エピソード
自分が述べた長所の説得力を上げるために、強みを発揮した具体的なエピソードを展開しましょう。
企業担当者は応募者がどんな人物か知らないので、理由がなく強みを説明されても納得できません。
話の信頼性を高めるためにも、曖昧な表現を避けて、状況を詳しく伝えるように心掛けてください。
「いつ」「どのように」のような具体性のある内容を盛り込み、明確な数字も取り入れれば、相手を納得させやすくなります。
③成果
続いて、あなたの強みから得た具体的な成果を書きましょう。成果は強みをアピールする根拠になります。
例えば、「メンバーも当事者意識を持つようになり、昨年のグループ目標を達成しました」「部員全員もやる気が上昇して、チーム一丸となりました」のように、自分の強みによってどんな成果が得られたのかを述べてくださいね。
内容に対してより信憑性を上げるために、第三者の評価もエピソードに取り入れるのがおすすめです。
④入社後の活かし方
最後に、自身の強みを企業でどうやって活かすのか述べれば、企業側も採用後のイメージをしやすいです。「あなたが応募企業の必要とする人材そのもの」だとアピールしましょう。
仕事を進める上で長所が役立ち、会社の発展につながると判断されると、他の就活生と差をつけて内定に一歩近づけるでしょう。
そのためには事前に企業分析を行い、企業理念や事業内容を踏まえて、強みと仕事がマッチしていることを伝える必要があります。
自己PRを話すときのポイント

面接で話すときに注意すべきポイントを3つ解説します。自信のなさが表れると台無しなので、相手に伝わりやすい話し方を常に心掛けましよう。
①簡潔に伝える
面接で質問されたら、初めに結論となる強みをはっきり答えてくださいね。その後に、課題と結果を簡潔に伝えましょう。
どうして課題だと感じて行動したのか、背景や考えも話せるように準備して、最後に仕事での活かし方を一言述べることが大切です。
自己PRではなく、別の質問として強みや長所を聞かれる場合もあるので、自己PRをただ丸暗記せずにポイントを抑えておきましょう。
詳細を伝えようとして話が長くなる人もいると思いますが、余計な話はせずに、短くまとめる工夫が大切です。
②ハキハキと話す
面接官は就活生の話し方によって、客観的に人間性を見ているので、話す内容と同じく話し方も合否に影響する重要な要素です。
相手の目を見ながらハキハキ話すと、面接担当者にやる気や熱意も伝わるため、それだけでも良い印象を残せるでしょう。
話すのが苦手だと感じている人は少なくないと思いますが、本人が意識すれば話し方は大きく変わります。
したがって、日頃から丁寧に発音できるように意識して、相手の目を見て話すことにも慣れておきましょう。
③口癖に注意する
「えっと」のような口癖は、つい口に出してしまうものです。面接中に口癖を言い過ぎると、相手には聞きづらいことも多く、内容がぼやけてしまう可能性があります。
そもそも、本人が口癖を意識していないケースも少なくありません。まず、自分の話す様子を録音して、口癖を自覚するのが重要です。
客観的に自分自身を見直して、意図的に自分の口癖を避けられるように話し方を練習すれば、自信を持って話せるようになるでしょう。
自己PRの例文とポイント5つ

ここで、自己PRの例文とポイントを5つ紹介します。自分に合ったテーマをチェックして、実際に作成する際の参考にしてくださいね。
①向上心をPRする
向上心をPRする
向上心があることが、私の強みです。
私は高校時代に、毎日必ず2時間ずつ自主学習をしました。日本と世界をつなぐ架け橋になりたいと、将来の目標を掲げているためです。
自分自身に甘えを許さずに勉強を続けた結果、3年生のときには常に学年の中で5位以内に入る成績を残しています。高校時代の経験から、高い目標に向かって努力すれば、ポジティブな評価が得られる喜びを得ました。
貴社でも、高い目標を設定して、自主努力を積み重ねながら、仕事に取り組みたいと考えております。
「向上心」を長所に選ぶ際には、向上心によって得られたことを、具体的に伝えましょう。例文では向上心があるため、「良い成績を残せた」と、得られた内容を具体的に述べています。
また自己PRで大切なポイントである、企業への意気込みを最後の締めの言葉に入れて書き終わっている点も評価の対象となるでしょう。
構成の段階で内容と順番を決めてから書き始めているので相手に伝わる文章に仕上がっていますね。
②勤勉さをPRする
以下の例文では、長所である「勤勉さ」や「計画性」を伝えています。また、読書によって蓄積された膨大な情報量も、大きなアピールポイントです。
そして、趣味から発展して、目標に向かう努力が表現されています。
将来、就活で役立つ情報を学生のうちにインプットしようとしている点が大きな評価となるでしょう。
勤勉さをPRする
私の長所は勤勉さです。
私は読書が趣味なので、空き時間にはいつも本を読んでおります。大学入学後にはビジネスの勉強をしたいと思い、マーケティングやマネジメント関連の実用書を数多く読みました。
2日に1冊というペースで読了しており、最新情報を得るためにも毎週1冊以上の新書を選ぶように心がけています。この読書習慣によって、ビジネスに不可欠な最先端の情報にも目を向ける能力が得られました。
入社後にも、読書によって最先端の知識を得ることで、貴社に貢献してまいります。
③素直さをPRする
素直さをPRする
私の強みは、他人の意見を聞き入れる素直さです。
私がアルバイトをしているレストランには、年下の先輩社員も働いています。経験者の意見を大切にしたいと思っているため、素直に指導を聞き入れた結果、同期の中で最も早く仕事を覚えました。
アルバイトでの経験から、私は年齢に関係なく、経験者のアドバイスには常に耳を傾けるようにしており、チームには欠かせない長所だと考えております。貴社でも、この素直さを活かして、業務を円滑に進めたいです。
「素直さ」をアピールする際には、「優柔不断」のような短所だと思われない工夫が重要となります。
例文のように「素直なため、最も早く仕事を覚えた」というアピールの仕方をすると、強みが結果に結び付いたと分かるため、企業としても評価しやすくなります。
自分が努力した成果を自己PRでのアピールポイントの中心として書くためには、前後の構成で具体的な内容を入れて説明する必要があり、よく考えられた自己PRの本文といえます。
④協調性をPRする
「協調性」や「チームワーク」をアピールする際には、他者の関わり方を根拠として作成することが大切です。例文では「協調性を活かし、今後自分が目指す姿」を締めの言葉としています。
説得力のある文章にするためには、構成段階でどのような内容を書くかをあらかじめ決めてから書き始めることが重要です。
協調性をPRする
私は協力性を強みとしています。この特性を発揮して、他者と協力しながら目標達成に取り組む姿勢を磨いてきました。
大学の授業で地域課題を解決するワークショップの開催にあたり、私はチームメンバーと資金協力をしてくれる企業を回ることになりました。自分が得意とする作業を分担することで、他のメンバーが困っている場面では補助的な役割も積極的に行いました。
私は、この協調性を活かして、入社後には多様な価値を持つ方々と協力し、信頼関係を保ちながらプロジェクトチームの一員として活躍できる人材を目指したいと考えています。これからも自分の強みを磨き、貴社の価値をより多くの方々に提供できる存在になりたいです。
⑤責任感の強さをPRする
責任感の強さをPRする
私は責任感の強さを店長に買われ、現在もアルバイトリーダーを務めています。
大学1年生から飲食店のアルバイトを始め、1年半が過ぎた頃、店長から直接アルバイトリーダーとして今後も働いてほしいと頼まれました。店長から直々に頼まれたことは大変嬉しかったのですが、責任の重さや不安も感じていました。
しかし、持ち前の責任感の強さを活かし、頼まれた業務に取り組むことを決意してから、シフト管理やスタッフ教育に尽力してきました。結果として、今では店長や周りのバイト仲間との良好な信頼関係を維持しながら働いています。
まもなく就活や卒業に辺り、バイト先をやめることになりますが、この経験を活かし、与えられた業務は責任をもって遂行することはもちろん、貴社の成長を支えられる存在となるよう全力を尽くしたいと考えています。
「責任感の強さ」をアピールする際には、具体的な数字や成果、実績を入れながら述べることが大切です。例文では「責任感の強さを買われ、アルバイトリーダーを任された」ことを自己PRとして述べています。
またアルバイトリーダーで行った具体的な業務についても触れることで、業務スキルのPRにもなっていることがわかるはずです。
短い文章で面接官に印象を残すには、こうした状況を適切に理解できる内容を意識して書きましょう。
自己PRが思いつかないときの対処法

自分の強みがすぐに思い浮かばずに、自己PRの文章が作れなくて悩んでいる人も、少なくないですよね。そこで、自分の長所の見つけ方を3つ紹介します。
①友人や家族に自分の長所を聞く
自己PRの強みの根拠になるエピソードが、なかなか思いつかない人もたくさんいると思います。
その場合には、第三者に言われた内容を思い出したり、友人や家族に直接聞くのもおすすめです。
第三者からの評価を取り入れると、内容に信頼性が増すので、友人や家族に言われた内容に基づいて、自己PRを作成してみましょう。
面接中に自己PRの内容に自信を持つためにも、作成したエピソードを第三者に添削してもらうのもおすすめです。
②短所を言い換える
自分の長所が思い浮かばないなら、逆に自分の短所を考えてみましょう。まず、短所を思い浮かべて、それをポジティブに言い換えてみると、案外ピッタリの長所が発見できるかもしれませんよ。
例えば、短所が「飽きっぽい」なら「切り替えが早い」「好奇心旺盛」と長所に変換できますよね。
他にも「優柔不断」は「協調性」に、「大雑把」は「大胆さ」に変えられるでしょう。つまり、長所と短所は表裏一体なのです。
③過去の成功体験を思い出す
現在の長所がすぐに思いつかないなら、過去の経験から探してみてください。
小学生時代まで遡って、人生を振り返るために自分史を作り、時系列に沿ってあらゆるエピソードを思い出して、とにかくたくさん書き出していきましょう。
些細な出来事でも構わないので、成功体験を中心に書き出すのがおすすめです。
複数のエピソードに共通している特徴・性格・行動が見つかれば、自分の強みを発見する手がかりになるかもしれませんよ。
自己PRは構成を意識して書こう!
今回は自己PRの構成で重要なポイントと例文を紹介しました。
自己PRを作成する際には、あなたの潜在的な魅力を相手に適切にアピールするために、説得力のある文章構成が非常に大切です。
自己PRが伝わりやすい構成を知ると、他の質問の回答にも使用でき、面接で想定外の質問が来ても対応しやすくなります。
他の就活生と大きく差をつけるためにも、しっかり事前準備を行い、自分の強みに自信を持って就活に臨んでくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。