日本人にとって身近なお酒であるビール。多くの方々の一日の疲れを癒す力を持つ、ビールの業界に携わりたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかしビール業界に興味があっても、どんな特徴があるのか分からない方もいるはずです。
そのため本記事では、ビール業界の構造から現状、そして職種に至るまでを詳しく解説します。
ビール業界に興味がある方は、ぜひともご参考にしてくださいね。
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ビール業界の構造
ここでは、ビール業界の構造について以下の2点に焦点を当てて解説します。
- 取扱い商品
- ビジネスモデル
ビール業界について調べるうえでは、まず基本構造について知っておくことが大切です。ここで、一緒にチェックしましょう。
①取扱商品
「ビール業界」とひとくちに言っても、扱っている商品はビールだけではありません。ビール業界では、主に以下の商品を取り扱っています。
- ビール:一定割合で麦芽や原料を使って作った、アルコール20度未満の酒類
- 発泡酒:麦芽または麦を原料の一部にした、アルコール20度未満で発泡性の酒類
- その他の発泡性酒類:ビールと発泡酒のどちらとも異なる、アルコール11度未満で発泡性の酒類
その他の発泡性酒類は、第3のビールや新ジャンルなどとも言われる近年注目の商品です。
②ビジネスモデル
ビール業界のビジネスモデルを構成する要素は、以下の通りです。
- 第一次産業:ビールに必要な原料(麦芽やホップなど)を取り扱っている産業
- 商社:原料を仕入れ、原料メーカーに販売する企業
- 原料メーカー:ビールを製造する企業(サントリーやキリンなど)
- 外食業界/食品・小売業界:メーカーからビールを仕入れ、消費者に販売・提供する業界
- 最終消費者
商品が最終消費者に届くまでの上記のような一連の流れを、「サプライチェーン」と呼びます。
ビール業界では「若者のビール離れ」が深刻

ビール業界で現在深刻な問題になっているのが、若者のビール離れです。業界研究をするうえでは、若者のビール離れについての理解が欠かせません。
ここでは、若者のビール離れについて以下の流れで解説します。
- 現状
- 課題
- 将来性
①ビール業界の現状
国内におけるビール業界の市場規模は、中長期的に見て縮小傾向にあります。平成初期を境としてビール消費量が少しずつ下がってきているのです。
国内市場が縮小する中で、ビール業界の各企業が現在力を入れているのが、海外展開です。
M&Aを主な手段とした海外展開は、業界大手を中心として今後も増えていくと考えられます。
②ビール業界の抱える課題
ビール業界の国内市場が縮小を続けている原因の1つが、若者のビール離れです。
現代では「お酒は飲めるが健康のためにあえて飲まない」という若者が増えており、「ソバーキュリアス」と呼ばれています。
また若い世代の間では、アルコール度数が高いストロング系のチューハイが人気です。「お酒は飲むがビールではない」方が増えたことも、ビール消費減少の一因でしょう。
若者のビール離れについては、ビール業界への就職を希望するうえでしっかりと考えておく必要があります。
③ビール業界の将来性
今後のビール業界について考えるうえでは、「宅飲み需要」と「クラフトビール」が外せません。
新型コロナウイルス感染拡大によって、お店に行かず自宅でお酒を飲む方が増加しました。
宅飲み需要増加の流れの中で、ビール各社は缶チューハイや缶カクテルなど気軽に・すぐに飲めるお酒の販売に力を入れています。
また、国内市場の縮小対策として近年注目されているのが、クラフトビールです。
ビール業界の大手を中心としてクラフトビールへの注力が進んでおり、特に若者世代の需要喚起による国内市場の盛り返しが期待されています。
ビール業界の5つの職種

ビール業界の職種としては、以下の5つが挙げられます。
- 営業
- 研究開発
- マーケティング
- 原料調達
- 製造
幅広い種類の職種があることから、自分にはどの仕事が合っているのか、どの仕事をしたいのかを整理することが重要です。
①営業
営業は、コンビニやスーパー、飲食店、酒販店などの取引先にビールをはじめとする自社商品を売り込むことを主な仕事としています。
自社商品を継続的にお店へ置いてもらうためには、取引先の売上アップに貢献することが大切です。
そのため、取引先が抱える課題を一緒になって解決しようと取り組むことも、ビール会社の営業の大切な仕事だと言えるでしょう。
コミュニケーション能力をはじめとして、課題解決力やその他のさまざまな能力が求められる仕事です。
②研究開発
研究開発の仕事は、多くの人が手に取ってくれる魅力的な商品を研究・開発することです。
「おいしい」「安心」を感覚的にでなはく科学的に追及するため、技術開発や分析などのスキルが求められます。
また商品の魅力を高めるためには、味や風味だけでなくパッケージデザインの研究も必要です。
さらに近年では、健康にも注目したビールの研究も求められます。
消費者のニーズを踏まえて魅力的な商品を生み出し続けるためには、研究開発部門が欠かせないでしょう。
③マーケティング
市場調査・分析を踏まえて、自社商品を売るための戦略を考えることがマーケティングの仕事です。
販売戦略には、新しい市場の発掘やブランディング戦略などさまざまなパターンが考えられます。
また、近年ではECサイトの活用が進められており、ECサイトを活用した販売戦略を考えることもマーケティングの仕事です。
消費者が欲しいと思う商品を察知し、新たな価値を世の中に提供することは、マーケティング部門のだいご味でしょう。
④原料調達
ビール業界においては、原料調達の仕事も欠かせません。ビールの原料である大麦やホップの買い付けを行うことが、原料調達の主な仕事です。
おいしいビールを作るためには、可能な限り良質な原料を仕入れることが求められます。ただし、原料の質にこだわると、その分コストもかかってしまうことが一般的です。
そのため原料調達の仕事では、予算の中でできるだけ良い原料を仕入れることが重要でしょう。
また、原料に関する最新の情報を仕入れ続けるスキルも、原料調達部門に求められるスキルの1つです。
⑤製造
ビールをはじめとする自社商品の製造ラインの設計や管理、維持、そして改善などを行うのが、製造部門の仕事です。
大量の商品をいつも同じおいしさ・品質で安全に製造するためには、常に万全の製造体制を整えておかなくてはいけません。
また、毎日大量の商品を製造するためには生産効率も考える必要があります。
製造ラインを構成する機器に関して深い理解が必要とされることから、工学系の学科で学んだ学生が求められることが多いでしょう。
ビール業界の主要企業4社

ここでは、ビール業界の主要企業と言える以下の大手4社について、売り上げや特徴、主要ブランなどを紹介します(数字は2022年通期のもの)。
- サントリーホールディングス
- アサヒグループホールディングス
- キリンホールディングス
- サッポロホールディングス
①サントリーホールディングス
設立 | 1899年 |
国内シェアランキング | 1位 |
売上高 | 2兆9,701億3,800万円 |
主要ブランド | ザ・プレミアム・モルツ 金麦 オールフリー など |
サントリーホールディングスは、ビール事業に加えてワインやスピリッツ、健康食品など非常に多種多様な事業を持っている企業です。
また、2014年にアメリカのビーム社を買収して「ビームサントリー」を立ち上げたことをはじめ、海外進出に力を入れている企業でもあります。
②アサヒグループホールディングス
設立 | 1949年 |
国内シェアランキング | 2位 |
売上高 | 2兆5,111億800万円 |
主要ブランド | アサヒスーパードライ アサヒスタイルフリー クリアアサヒ など |
アサヒグループホールディングスは、代名詞であるアサヒスーパードライをはじめとして、社内の事業の中でもビール事業を積極的に展開している企業です。
海外展開ももちろん活発に行っており、特にヨーロッパを中心とした企業買収を積極的に進めています。
③キリンホールディングス
設立 | 1907年 |
国内シェアランキング | 3位 |
売上高 | 1兆9,894億6,800万円 |
主要ブランド | キリン一番搾り生ビール 本麒麟 キリンのどごし生 など |
キリンビールは、ビール事業によって培われた技術を生かして、医療・ヘルスサイエンス領域への事業展開も活発に行っています。
また、国内大企業と積極的に提携している点も、キリンの特徴の1つです。
たとえばコカ・コーラ社との提携により、2023年3月に北海道をはじめとする地域で「プラズマ乳酸菌免疫ケアシリーズ」は好評発売しています。
④サッポロホールディングス
設立 | 1949年 |
国内シェアランキング | 4位 |
売上高 | 4,784億2,200万円 |
主要ブランド | サッポロ生ビール黒ラベル YEBISU サッポロラガービール など |
サッポロホールディングスは、黒ラベルやYEBISUをはじめとするビール事業だけでなく、食料品事業や不動産事業も展開しています。
近年はビール事業の成長にも改めて力を入れており、業界全体の課題であるビール離れ対策に興味がある方には大きな働きがいを感じられる企業でしょう。
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- 企業分析のそもそものやり方が分からない
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ビール業界で求められる3つの人物像

ビール業界では、以下のような人材を求めていると考えられます。
- 課題解決力がある人
- 顧客目線で考えられる人
- 忍耐力がある人
ビール業界への就職に興味がある方は、業界研究や面接対策などの参考にしてみてくださいね。
①課題解決力がある人
ビール業界が求める人物像としてまず挙げられるのが、課題解決力がある人です。
ビール製造・販売だけが仕事ではなく、取引先との関係性が重要になってきます。取引先の売上が上がれば自社の商品を引き続きおいてもらえる可能性が高まるため、課題に一緒になって取り組み、改善することも大切な仕事なのです。
また、研究開発の段階でも課題解決力は求められるでしょう。自社の課題を把握し、理想・目標とする商品を生み出すためには課題解決力が欠かせません。
②顧客目線で考えられる人
顧客目線で考えられる能力も、ビール業界では求められます。顧客に選んでもらえる自社商品を生み出すためには、顧客の立場になって考えられることが必要です。
顧客目線で考えるためには、社会情勢や流行に対して常にアンテナをはり、最新の顧客ニーズを把握し続けることが求められます。
そしてそのためには、高い行動力や主体性、積極性が必要でしょう。また、「自分ならこんなビールが欲しい」との意見を持っておくことも大切なポイントです。
③忍耐力がある人
ビール業界での活躍には、忍耐力も求められます。税制改革や若者のビール離れなどさまざまな要素が関係する中では、想い通りにいかないことも多々あるためです。
また、どんな事業・業務であっても、開始してすぐに成果が表れることは多くありません。
自分にできることを毎日しっかりと継続することで、少しずつ成果に近づいていくものです。
自分・自社が掲げる目標に向かって忍耐強く業務に取り組める人材であれば、ビール業界には適しているでしょう。
【ビール業界】自己PRの書き方のコツ

ビール業界の企業にエントリーシートを出す際には、コツを押さえて自己PRを考えることが大切です。
ビール会社への就職活動における自己PRの書き方としては、以下が考えられます。
- ビール業界で活かしたい強みを説明する
- 入社後のビジョンについて説明する
①ビール業界で活かしたい強みを説明する
自分の強みを簡潔に説明することは、まず徹底したいポイントです。強みを伝えることで、採用担当者があなたの人物像をイメージしやすくなります。
強みはなるべく端的に伝えることで、より採用担当者へ印象付けしやすくなるでしょう。
また、強みを伝える際には実際のエピソードを交えることが大切です。ただ強みがあるというだけでは、説得力に欠けてしまいます。
これまでの経験から、自分の強みを裏付けるエピソードを探して伝えましょう。
②入社後のビジョンについて説明する
自己PRを作成する際には、入社後のビジョンについて説明することもおすすめします。ただ強みを伝えるだけだと、入社後にどう貢献してくれるのか想像しづらいためです。
自分の強みを生かして、入社後にどのような活躍ができるのかを考えましょう。
そして入社後のビジョンを考えるには、業界研究や企業研究をしっかりと行う必要があります。
本記事も参考にして、自分と企業とがマッチしていることを強調できる自己PRを考えてくださいね。
【ビール業界】志望動機の書き方のコツ2つ

ビール会社へのエントリーシートを作成するにあたっては、効果的な志望動機も考えるべきでしょう。
志望動機の書き方のコツは、以下の2点に整理できます。
- ビール業界の志望理由を明確にする
- 「なぜ貴社がいいか」を明確にする
①ビール業界の志望理由を明確にする
志望動機を考えるうえでまず大切なこととして、ビール業界を志望する理由をはっきりさせることが挙げられます。
世の中には数多くの業界が存在するため、「なぜビール業界が良いのか」を明確にしなくては採用担当者へアピールできません。
そして業界への志望理由をはっきりとさせるためにはまず、業界研究をしっかりと行う必要があります。
ビール業界だけでなく他の業界についても知ることで、ビール業界の特徴についてより深く理解できるでしょう。
②「なぜ貴社がいいか」を明確にする
ビール業界への志望理由が固まってきたら、次にエントリーしている企業への志望理由を明確にします。採用には能力だけでなく、熱意を伝えることも大切です。
志望理由をできるだけ明確・詳細に伝えることで、志望度が高いことを印象付けましょう。
企業研究をする際には、インターネットで調べるだけでなくOBOG訪問やインターンシップなども極力利用することが大切です。
誰にでも利用できる情報源のみでは、他の就活生との差別化が図れません。
ビール業界への理解を深めて就活を進めよう
ビール業界ではさまざまな職種が存在し、顧客ニーズを満たしたり顧客の課題を解決したりするために一丸となって業務に励んでいます。
若者のビール離れやその他の要因により決して楽観視できる状況ではありませんが、海外展開を中心として今後が楽しみな業界です。
課題に対して忍耐強く取り組む姿勢が求められますが、それだけに成果が出た時の喜びは格別でしょう。
ビール好きの方はもちろん、相手のために懸命に努力することにやりがいを感じる方は、ビール業界を検討してみてはいかがでしょうか。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。