金融業界は、業績が安定していることから就活生に人気の業界です。この記事では金融業界の現状や将来性、課題などを解説していきます。
金融業界を志望している就活生は必見の内容です。ぜひ最後まで読んで、金融業界の業界研究に役立ててくださいね。
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金融業界とは?

金融業界は銀行のように資金を融資するイメージがありますが、株の売買や物品のレンタルも含めて金融業界といいます。
したがって、金融業界とは銀行や証券会社、クレジットカード会社、ローン会社、リース会社、保険会社などお金を取り扱う事業を合わせた業界を指します。
また、金融業界最大の事業規模になっているのは銀行です。
金融業界の市場規模と業界シェア

金融業界は市場規模が大きいため安定傾向にあるといわれており、銀行や生命保険会社が利益の上位を占めています。
しかし、近年では銀行と生命保険会社の業績は苦戦気味です。銀行は2016年1月から開始された日銀のマイナス金利政策に影響を受けています。
マイナス金利政策は、銀行の収益低下に繋がりました。また、生命保険会社は「標準生命表」改定による生命保険料の値下がりなどが原因で、近年は苦戦を強いられています。
一方で、クレジットカードの市場規模は拡大傾向にあります。
経済産業省が2018年に策定したキャッシュレスビジョンに基づくキャッシュレス決済の推進や、オンラインショッピングの拡大が要因です。
また、証券市場ではSBIや楽天証券といったネット証券が増加傾向にあり業績を伸ばしています。
金融庁が2024年から始める新しい小額投資少額投資非課税制度(NISA)導入を予定している背景もあるため、証券市場の拡大は今後も期待できるでしょう。
金融業界の現状を3つの観点から解説

安定した業績のイメージがある金融業界ですが、現状を把握することで今後の課題が見えてきます。ここからは、金融業界の現状を下記の3つの観点から解説します。
- 作業の自動化で銀行数の数が減少傾向に
- マイナス金利政策で業績に影響が出ている
- 海外事業の推進
金融業界の現状を深く理解できるように詳しくまとめました。ぜひ業界研究の参考にしてみてくださいね。
①作業の自動化で銀行数の数が減少傾向に
金融業界ではFinTechやAIの導入により、人の手で行われてきた業務が自動化されてきています。
FinTechとは金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた言葉です。FinTechの例として、インターネットやスマートフォンのアプリを通じた送金などがあります。
また、コールセンターの代替えとして音声自動認識による自動対応やチャットAIが普及していますね。
このように、FinTechやAIの導入による業務の自動化が一般的になってきています。したがって、銀行など金融機関の数は減少傾向になる可能性があると予測されるでしょう。
②マイナス金利政策で業績に影響が出ている
金融業界の市場規模と業界シェアでも解説しましたが、2016年からのマイナス金利政策による長期化が影響して、金融機関は利潤が出しにくくなっています。
マイナス金利政策の目的は、金融機関が企業や民間人に対して資金の融通を推進させることによる、経済の活性化です。実際に、銀行の融資は増えました。
しかし、融資先の顧客から得る金利が下がっているため、金融機関の資金運営は厳しい現状になっています。
景気が回復されない限りマイナス金利政策は続くと見られ、今後も金融機関の資金運営は厳しいものとなるでしょう。
③海外事業の推進
大手の金融機関では、収益向上を図って積極的に海外事業の推進をしています。
例えば大手保険会社各社は、少子高齢化に伴う契約数減少に備えて、保険の普及率が低いアジアやブラジル、南アフリカといった新興国に販路を広げています。
実際に第一生命保険株式会社はベトナムの保険会社を買収し、「第一生命ベトナム」として営業をスタートさせていますね。
このように、外国の会社と業務提携・M&Aなどによる海外での事業展開を行い、収益向上を図っています。こうした金融機関の海外事業の推進は増加するといえるでしょう。
金融業界の将来性について解説

金融業界の将来性について、3つに分けて解説します。
- 他業種からの参入が活発
- 資金調達に関するサービスが増加
- インターネットの普及とキャッシュレス清算の拡大
このパートを読んで、今後の金融業界の動向をチェックしてみましょう。
①他業種からの参入が活発
銀行法や貸金決済法が改正されたことで、イオンや楽天といった他業種が金融業界に連続して参入しています。
参入例として、イオンでは自社のクレジットカード発行やイオン銀行などがありますね。
また、メルカリのメルペイやソフトバンクのPayPayなど、ユーザーの利便性を考えた独自の決済方法も増加しています。
こうした決済分野での他業種参入は今後もさらに活発になるでしょう。
②資金調達に関するサービスが増加
クラウドファンディングといった、金融機関を通さず資金を調達できるサービスが増加しています。
クラウドファンディングはインターネット上で、不特定多数の人たちから少額の寄付を募って資金を調達できる、効率的かつ手軽な資金調達システムです。
また、個人投資家と借り手企業をマッチングするソーシャルトレンディングサービスが話題になっています。
金融機関の融資審査通過が難しいベンチャー企業や新興企業にとって、ソーシャルトレンディングは、資金調達をしやすい仕組みといえるでしょう。
したがって、クラウドファンディングやソーシャルトレンディングのような新しい資金調達サービスは、さらに増加すると予測されます。
③インターネットの普及とキャッシュレス清算の拡大
金融業界の市場規模と業界シェアでも解説しましたが、クレジットカード業界の市場は拡大しています。
インターネットの普及によるクレジットカード利用者の増加、政府主導のキャッシュレス決済の推進などが理由です。
また、格安航空会社の就航や円安といった外国人が訪日しやすい環境が整っているため、訪日外国人観光客の増加も一因になっています。
2025年には大阪万博開催が控えており、ますます訪日外国人観光客は増え、クレジットカード業界の市場は拡大すると予測されます。
変わっていく金融業界に必要とされる人材

ここからは、金融業界に必要とされる人材を紹介します。
- 数字に強い
- コミュニケーション能力がある
自身が金融業界で活躍できるスキルを持っているかどうか、自己分析に役立ててください。
①数字に強い
金融業界では、数字に強い人が求められます。なぜならば企業・業界に関わらず金融業界では、数字やお金を扱うからです。
例えば、銀行や証券では為替や株価の動きの予測、また会計の仕事に関わりますよね。したがって、数字や経済に強いスキルは金融業界では武器になるでしょう。
数字に強いだけではなく、得られたデータを分析して予測する論理的な思考能力と分析力も必要といえますね。
②コミュニケーション能力がある
お客様対応がメインの窓口業務や営業、渉外は顧客から融資や資金調達の悩みといった、お金に関する相談を受けます。
そのため、顧客から信頼される誠実な対応と高いコミュニケーション能力が必要です。
顧客の潜在的なニーズを深堀して、対応できる柔軟さやヒアリング力も備えていると良いですね。
金融業界の将来性を学んで就活に活かそう
FinTechやAIの導入による業務の自動化やマイナス金利政策で業績に影響が出ているなど、時代に合わせて金融業界は変化していましたね。
一方、金融業界への他業種の参入増加やクラウドファンディングなど新たな資金調達サービスが、話題になっていました。
こうした効率的かつ利便性のある金融サービスが今後も増えると予測されます。この記事を参考に、金融業界の動向を学び就活に活かしてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。