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【就活生必見】エネルギー業界の業務内容や企業情報について解説

生活に不可欠な石油・電力・ガスなどのインフラの管理や供給を担っている、エネルギー業界。

社会への貢献や安定性などに魅力を感じる一方で、「具体的な業務内容や企業の事業内容はわからない」という人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、エネルギー業界の主な業務内容や大手企業情報について解説しています。エネルギー業界に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

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エネルギー業界とは

エネルギーは、「便利」が当たり前になっている現代社会では不可欠です。そんなエネルギーの販売が事業の中心であるエネルギー業界は、主に石油・電力・ガスの3つに分類されます。

また、昨今では再生可能エネルギーにも注目が集まっており、取り扱うエネルギーが変わりつつあるようです。

エネルギーを取り扱っている企業は、エネルギーを安定供給することで収益を得ています。なお、エネルギーを販売している主な取引先は、国内の一般家庭や他企業です。

エネルギー業界の主要3分野と業務内容

エネルギー業界の主な業務内容は、営業、技術開発・研究、各種管理(保守・メンテナンス)です。

ここでは、エネルギー業界の主要である下記の3分野の業務内容をそれぞれ紹介します。

  1. 石油業界
  2. 電力業界
  3. ガス業界

①石油業界の業務内容

石油業界の主な業務内容は、技術、販売・管理です。新卒の場合、理系学部出身者は技術系に、文系学部出身者は販売・管理系に多く配属されています。

技術系では、原油を調達するための施設の設計から、調達後の加工設備の管理や保守を担います。また、環境問題に対して、石油資源の別の活用方法がないか研究・開発をすることも。

一方の販売・管理系では、顧客への営業のほかに人事・経理・財務などを行います。また、マーケティングや物流管理、事業企画も販売・管理を務める人が担当しています。

②電力業界の業務内容

電力業界の主な業務内容は、営業、調達、保守管理です。文系学部出身者は営業部門、理系学部出身者は保守管理部門を経てから、それぞれ別の部署に異動します。

営業部門は家庭や企業を顧客とし、契約手続きの説明や電気料金の計算、問い合わせの対応などが担当です。

調達部門は、国外から燃料の輸入業務を行う部門です。国外のエネルギー需要や為替動向を確認しながら、採掘の現地企業との交渉を行います。

保守管理部門では、発電所や配電設備が安全に動いているか、異常の有無などの点検作業が主な業務内容です。また、各設備が安全に稼働し続けるための計画を立てたり、必要に応じて設備の修理や交換を行います。

③ガス業界の業務内容

ガス業界の主な業務内容は、営業職と技術職です。安全面上、専門知識が不可欠な技術職には、理系学部出身者が求められます。

営業職は一般家庭や企業に対して、ガス機器やそのほかのサービスの紹介がメインの業務です。また、顧客からの問い合わせの対応や、ガス供給の協力会社の営業支援を行うこともあります。

一方技術職は、生産・供給・研究開発が主な業務です。ガスの生産に関わる工場の運営や保守点検を行う生産部門、工場でつくられたガスを消費者へ供給する供給部門、そして安定的なガスの供給のために、ガス機器やシステムをつくり出す研究開発部門に分けられます。

エネルギー業界の現状/課題/今後の展望

大手企業が中心となっているエネルギー業界ですが、2016年の電力小売の全面自由化や2017年の都市ガス自由化によって、毎年新たな企業な参入しています。

そこで、ここでは以下の3点をまとめました

  1. エネルギー業界の現状
  2. エネルギー業界の課題
  3. エネルギー業界の今後の展望

企業研究の際には、この3点に注目して調べてみてくださいね。

エネルギー業界の現状

電力・ガスどちらも全面自由化以降、新規参入企業のシェア率は上昇しています。

経済産業省が発表している「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について」(2023年4月版)によると、全販売電力量に占める新電力のシェアは2022年12月時点で約18.7%。また、ガス小売事業者全体の総販売量のうち新規小売の割合は、約19.9%です。とくに、一般家庭がスイッチング(切り換え)をしているようです。

また、2020年には新型コロナの感染拡大防止措置によってエネルギーの需要が減少しています。さらに、2022年のロシア・ウクライナ危機の影響によって、原油や天然ガスなどの価格が高騰しているため、国内だけではなく海外の情勢もチェックしていきましょう。

エネルギー業界の課題

日本国内では、エネルギーの自給率や環境問題への対策が課題です。原油などの一次エネルギーの多くを輸入に頼っている日本は、世界情勢の影響による価格の高騰が家計を圧迫しています。

この状況を打破するために、アジア諸国と連携したLNG(液化天然ガス)開発への投資や、原子力発電所の再稼働などが検討および実施されています。

そのほかの課題として、脱炭素社会への実現に向けてCO2の排出削減や再生可能エネルギーの導入を課題としている企業は少なくありません。エネルギー業界関連で気になっている企業がある人は、ぜひ企業HPなどでどのような活動をしているのかチェックしてみてください。

エネルギー業界の今後の展望

エネルギー業界の今後の動きとしては、業界全体の課題である再生可能エネルギーの導入および普及拡大を目的とした事業の増加が考えられます。

企業によっては、すでに地域づくりのなかで、再生可能エネルギーの導入や環境に配慮した生活スタイルの推進を行っています。

今後、エネルギー業界では大手企業・新規企業を問わず、新たなエネルギーの開発やその普及に力を入れていくでしょう。また、海外に依存している一次エネルギーの自給に関しても、海外進出による事業の拡大を通して打開案を打ち出していきそうです。

エネルギー業界主要3分野の最新トピック

企業研究をするうえで、最新トピックは押さえておきたいですよね。ここでは以下の3つの業界のトピックをまとめました

  1. 石油業界のトピック
  2. 電力業界のトピック
  3. ガス業界のトピック

企業研究や面接対策時には、最新情報を調べてくださいね。

①石油業界のトピック

石油業界では、販売価格が上昇する一方で販売量は減少傾向です。とくに、2020年には新型コロナ流行の影響で経済活動が停滞、石油の需要は減少しています。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などにより、原油価格は上昇。中小企業は廃業に追い込まれています。国内の状況や世界情勢を受けて、大手企業では原油に頼らず、再生可能エネルギーを利用した事業を進めています

②電力業界のトピック

電力業界では、2016年に小売販売が全面自由化されて以降、新規電力企業が参入し競争が激化しています。

2021年には記録的な寒波の影響で一時電力不足となり、節電が呼びかけられていました。

また、2022年のウクライナ侵攻では火力発電時の主力であるLNG価格の高騰が企業および家計に打撃を与えています。

電力不足や価格の高騰を受け、停止・廃炉が進められている原子力発電の再稼働が見直されており、各企業がどのように電力を安定供給するのかが注目ポイントです。

③ガス業界のトピック

2017年から都市ガスの全面自由化がスタートしたガス業界。電力に比べて安全面が厳しい点から、自由化がスタートした当初は参入企業があまり多くありませんでした。

しかし徐々に新規企業が増え、スイッチング件数も年々増加しています。

またガス業界全体で注目すべきは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた活動です。大手企業を中心に、再生可能エネルギーの利用促進や、脱炭素社会に向けた地域づくり・地域貢献活動が行われています。

エネルギー業界の関連用語

エネルギー業界では、普段聞き慣れなかったり、ニュースで聞いた・見たことがあるような用語が数多くあります。

そこで、押さえておきたい5つの関連用語をまとめました

  1. ガスコジェネレーション
  2. メタンハイドレート
  3. シェールガス
  4. スマートグリッド
  5. スマートメーター

これらの用語は、環境問題を課題としているエネルギー業界で注目されているものばかりなので、把握しておきましょう。

①ガスコジェネレーション

天然ガスから電力と熱をつくり出すシステムです。ガスエンジン方式、カスタービン方式、燃料電池方式があります。発電所と異なり、電気が必要な場所に設置して発電するため、送電ロスが発生しません。

また、発電で発生した排熱を利用し、給湯・空調などに再使用できます。防災時には非常用発電機によって電力供給が可能な点がメリットである一方、導入に初期費用がかかる点がデメリットです。

②メタンハイドレート

メタンガスと水の分子が混ざって固まった、シャーベット状(氷状)の物質です。火をつけると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれています。

燃焼時の二酸化炭素排出量が石炭や石油よりも少ないため、次世代エネルギー資源として期待されている化石燃料です。

メタンハイドレートは日本の周辺海域に大量に存在しているため、エネルギー資源を輸入に依存している日本にとっては、自給の可能性がある貴重な資源といえます。

③シェールガス

自然環境で天然に生産される資源である天然ガスの一種です。

シェールとは泥が固まった岩石のうち、薄片状にはがれ易い性質を持つ岩石のこと。このシェール層に残留している天然ガスをシェールガスと呼びます。シェールガスは石炭や石油よりも二酸化炭素排出量が少ないため、米国を中心に普及されていました。

しかし、二酸化炭素よりも温室効果の高いメタンを主成分としているため、そのまま放出されてしまうと、温室効果が増加するおそれがあります。

また、採掘時にメタンなどの成分が漏れ、土壌・地下水を汚染してしまう点が環境破壊に繋がると懸念されています

④スマートグリッド

電力需要をリアルタイムで細かく把握し、効率よく電力を送電するためにつくられた次世代送電システムです。

以前は発電所で集中的に電気をつくって、家庭や企業などに一方的に送っていましたが、このシステムを利用することで、使用する電力量を最適化できます

なおスマートグリッド(次世代電力網)には、後述するスマートメーカーが必要です。

⑤スマートメーター

電力使用量をデータで計測する電力メーターです。通信機能を使っているため、ネットワークを通じて電力量をリアルタイムで計測できます。

電気の使用量を計測することで、電力量の供給をコントロールできるようになるのがメリットです。

また、スマートメーカーを使用すると計測がデータ化されるため、検査員が不要となりコスト削減につながります。消費者も使用量を確認できるため、節電意識を高める効果も期待されているメーターです。

エネルギー業界の有力企業情報

以下では、石油・電力・ガスの大手企業を紹介します。ここで紹介する企業は、

  1. ENEOSホールディングス株式会社
  2. 出光興産
  3. 東京電力ホールディングス株式会社
  4. 関西電力株式会社
  5. 東京ガス株式会社
  6. 大阪ガス株式会社

合計6社です。

各社の事業内容や求められる人物像をまとめているので、自分の就活軸とマッチしているのかチェックしてみてください。

石油業界の企業情報

石油業界では、原油価格の上昇にどのような対策をしていくのか、また再生可能エネルギーの研究・開発をグローバルに展開しているのかをチェックしましょう。

①ENEOSホールディングス株式会社

ENEOSホールディングス株式会社の主な事業内容は、エネルギー事業、石油・天然ガス開発事業、金属事業です。

エネルギー事業には、サービス・水素ステーション、家庭用電力、家庭用都市ガスなどを取り扱っています。また石油・天然ガス開発事業は、8か国30件以上の開発プロジェクトを推進しています。

金属事業では、AI化に不可欠な先端素材の製造、開発から、使用済み電子機器のリサイクルまでをグローバル展開しています。

ENEOSホールディングス株式会社では各事業ごとに採用情報をまとめていますが、すべてに共通しているのが「挑戦しつづける」「グローバルに活躍できる」人物像です。

②出光興産

出光興産が取り扱っている商品は、燃料油・基礎化学品・高機能材・電力や再生可能エネルギー・石油や天然ガスなどの資源です。海外拠点は2022年3月末の時点で66拠点と、グローバルに事業を展開しています。

カーボンニュートラルや循環型社会の実現に向けて、自社での研究・開発だけではなくTCFDの提言に賛同するなど、国内だけではなく国際的な取り組みにも参加している点に注目してみてください。

出光興産の企業理念は「真に働く」です。自ら行動できる人物像を前提としたうえで、判断に迷ったときのよりどころとして理念を掲げています。

電力業界の企業情報

電力業界では、新規参入企業との差別化やサービスの違い、電力不足に対してどのような対策をしているのかが注目ポイントです。

①東京電力ホールディングス株式会社

東京電力ホールディングス株式会社は、発電・配送電・くらし・再生可能エネルギーの4つの事業会社に分けられます

火力発電・燃料を取り扱うのが「フュエル&パワー」。送電・配電を取り扱うのが「パワーグリッド」。電気・ガス・くらしを支える事業会社が「エナジーパートナー」。再生可能エネルギー関連を担っているのが「リニューアブルパワー」です。

また各事業のほかに、政府を含めた関係機関による廃炉プロジェクトを進めています。

東京電力ホールディングス株式会社が求めているのは、「自律心」「情熱」「多様性」を持つ人物です。

②関西電力株式会社

関西電力株式会社は、発電事業を中心として事業を展開しています。取り扱っている発電エネルギーは、火力・原子力・そのほか再生可能エネルギーです。

また、海外のインフラ整備等のコンサルティングを行ったり、電力会社ならではの視点による地域活性化・まちづくりに取り組んだりと、国内外問わず地域の貢献につながる活動をしています。

なお関西電力株式会社は、「公正」「誠実」「共感」「挑戦」の4つの価値観を大切にしている企業です。そのため、これらの価値観を尊重できる人物が求められます。

ガス業界の企業情報

ガス業界では、新規参入企業の動向やそれに対する大手企業によるサービスの差別化に注目してみましょう。

また、脱炭素社会に向けてどのような事業を行っているのかもチェックポイントです。

①東京ガス株式会社

東京ガス株式会社の事業は主に、都市ガス・LNG販売事業、電力事業、海外事業、エネルギー関連事業、地域開発サービス事業の5つです。

東京ガス株式会社は、1885年に「日本資本主義の父」と呼ばれている渋沢栄一によって創立されました。現在は学校教育支援活動にも力を入れており、社員による出前出張や講義動画の公開などを行っています。

東京ガス株式会社では、「チェレンジ精神」「主体性」「粘り強さ」「論理的思考力」「貢献意欲」が求められています

②大阪ガス株式会社

大阪ガス株式会社の主な事業内容は、国内エネルギー、海外エネルギー、ライフ&ビジネスソリューション(LBS)です。

社会貢献の一環として、歴史・文化やスポーツなどをとおした活動を行っています。また実験集合住宅を設けて、環境・エネルギー・くらしの面からさまざまな実験および検証を行っている点も大阪ガス株式会社の事業の一つです。

大阪ガス株式会社がまとめているDaigasグループの企業理念として、「お客さま価値」を第一のうえで「社会価値」「株主さま価値」「従業員価値」の創造を目指しています

業界理解を深めて就活に生かそう!

今回は、エネルギー業界について紹介しました。

専門知識・用語の理解が不可欠な業種ですが、求められる人物像として、「グローバルに活躍できる」「挑み続ける」「情熱がある」ことが共通しています。

自分の就活軸と気になっている業界はマッチしているのか知るためにも、業界への理解を深めていきましょう

若林

このメディアの監修者

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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