「同じ会社で安定して働き続けたい」と考えている人は、たくさんいますよね。では具体的に、どのような業界の離職率が低いのでしょうか。
本記事では離職率が低い企業の見分け方から、離職率が低い業界で働くメリットやデメリットまで詳しく解説します。ぜひ、今後の就職先選びの参考にしてくださいね。
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離職率が低い業界の特徴と理由6つ

離職率が低い会社に共通した理由は、もちろん一つだけではありません。次のような複数の特徴が重なって、低い離職率を生み出していると言えるでしょう。
- BtoB業界である
- 業界が安定している
- 人材育成制度が整っている
- 給料が高い
- 福利厚生が充実している
- 休暇が取りやすい
それでは、離職率が低い業界に共通している特徴を紹介します。
①BtoB業界である
BtoB業界とは、取引相手が企業の業界のことです。一般消費者や個人が顧客となる仕事は、BtoCと呼びます。
BtoCの仕事では新しい顧客を次々開拓する必要がありますが、BtoB業界では対象顧客がある程度決まっており、営業活動にストレスやプレッシャーを感じずらいため、離職率も低くなるでしょう。
顧客のニーズも決まっているため、クレームが少なく、必要なやりとりがしやすいです。相手が企業であるため土日休みのケースも多く、長く働きやすい傾向があります。
②業界が安定している
人々の生活に欠かせない分野は、景気の影響を受けにくく、業界自体が安定しているため離職率が低くなる傾向にあります。
例えば、人々の生活に直接関係するインフラ系や鉱業系は、時代に関係なく活用されているため、雇用に悪影響を及ぼしにくい業界です。
また、競合社が少ない場合にも業績が安定するため、社会的な企業評価や信頼性が高く見られます。
倒産の心配がなく、従業員も安心して働けるでしょう。収入が大きく変化しないため、従業員の満足度が高くなります。
③人材育成制度が整っている
離職率が低い会社には、研修のカリキュラムやマニュアルが整備されている場合が多いため、着実にキャリアアップができ、ストレスを感じにくいです。
人材育成に関する制度が整っていると、育成担当の上司が人材育成に注力し、企業の成長に貢献するとともに、従業員の定着率にも影響を与えます。
従業員自身が成長を実感できる環境が確立され、仕事にやりがいを持てるでしょう。
長期的なキャリアアップのために、教育研修やキャリアカウンセリングのようなサポートも充実している傾向があります。
④給料が高い
どれだけ労働環境が良くても、給料が低いと従業員の生活が成り立たないため、安定して働き続けられませんよね。
離職率の低い業界がいずれも平均年収が高い理由は、業績が安定しているためです。景気に左右されずに、給料やボーナスが出るため、年収が高くなります。
さらに勤続年数に応じて昇給もあるため、長く勤めて役職に就けば年収が大きく増えるでしょう。
従業員の仕事内容に応じた給与や報酬がある企業は、離職率の低下につながります。
⑤福利厚生が充実している
離職率が低い企業では、福利厚生が整っています。具体的には、育休制度の導入、健康診断の実施、資格取得の支援、社員旅行の補助などです。
福利厚生が充実していると従業員のプライベートが充実するため、満足度の向上にもつながるでしょう。
福利厚生が充実している企業は多いですが、実際に利用すると良い顔をされない場合もあり、申請しにくいと言われています。
便利な制度があっても、利用できなければ意味がないため、福利厚生サービスの利用率を参考にするといいでしょう。
⑥休暇が取りやすい
離職率の低い業界では、急な残業や休日出勤も発生しにくいです。例えば、BtoC企業は年中無休が多く、とくに繁忙期は休みが取りづらい傾向があります。
その一方で、BtoB企業は取引先に合わせて休みを取りやすく、もし取引先が土日休みなら、自分たちも土日に休みを取りやすいです。
有給休暇以外の特別な休暇がもらえたり、レジャー施設の優待割引やライフイベントに必要な費用の支援があれば、従業員の満足度の向上にもつながります。
離職率が低い業界ランキングトップ5

厚生労働省が公表した資料に基づいて、離職率が低い業界をランキング形式で紹介します。
ここで離職率について再度定義すると、新卒入社した人が3年以内に離職した割合のことです。就職した後に長く働きたいと考えている方は、ぜひ仕事選びの参考にしてください。
1位 電気・ガス・熱供給・水道業 11.1%
電気・ガス・熱供給・水道業は離職率が最も低い業界で、離職率は11.1%です。具体例として、東京電力や東京ガスのような、ガス会社、発電所、水道局が挙げられます。
人々の生活に欠かせないインフラ整備を扱っているため、需要が尽きる心配もなく、時代や景気に影響されにくいです。
新規参入の壁が高くて、競合も少ないため、業績が安定しており、従業員の職場環境が整っています。
給与が大幅に減るようなリスクが少なく、あらゆる分野と比較しても、離職する人が非常に少ない業界と言えるでしょう。
2位 鉱業・採石業・砂利採取業 11.5%
次に離職率が少ないのは、主に鉱物のような地下資源を取り扱っている業界で、離職率は11.5%です。
企業の代表例として、国際石油開発帝石、日本海洋掘削、エナジーグループが挙げられます。
鉄や石油は生活を支える上で必要不可欠な資源です。専門性が高い特殊な仕事のため、競争率が少ない傾向にあるでしょう。
一般的に企業間で取引するBtoBのため、取引先や顧客がある程度決まっており、仕事がしやすいことも離職率の低さに反映されています。
3位 製造業 19.0%
続いて「ものづくり」を行う製造業界が3位です。離職率は19.0%で、2位と幅が広いものの、製造業の給与水準は高く、待遇の良い大手メーカーが多いため、離職率が低い傾向にあります。
扱う商品は、木材家具から加工食品まで、多岐にわたっており、日本を支える事業の一つとしてやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。
製造業界の中では電化製品や自動車を製造する大企業の収入が多いため、離職率の低さにつながっていると考えられます。
4位 金融業、保険業 24.2%
銀行や保険会社が4位で、離職率は24.2%です。金融系企業は給料が高いイメージがあるので、就職活動でも人気が集まりやすい業界と言えるでしょう。
数字主義の傾向が強いため、目に見える成果にやりがいを感じる人も多く、営業成績が高ければ新卒でも高収入を得られる可能性があります。
労働環境やサポート体制が充実していて、離職を考えにくい業種の一つと言えるでしょう。ただし、数字のノルマが厳しすぎると、離職を考える人が出る場合もあります。
5位 運輸業・郵便業 25.0%
5位は運輸業・郵便業で、代表的な鉄道業の離職率は25.0%です。運輸業は陸運、空運、海運の3種類に分類され、いずれも普段の生活には欠かせない業界と言えるでしょう。
旅客や貨物の運搬だけでなく、荷物の管理や保管も仕事に含まれ、業務や職種は幅広いです。郵便業は郵便物の収集から、仕分けや配達まで請け負っています。
最近では運輸業界の労働環境に対するマイナスのイメージを払拭するために、時間外労働を削減して、従業員の健康面を考えた効率的かつ安全な勤務体系を構築しているそうですよ。
離職率が低い業界で働く3つのメリット

離職率の低い会社には、共通したメリットが見られます。
- 安定した就業環境
- 良好な人間関係を構築できる
- ワークライフバランスが取りやすい
ここでは、低い離職率の企業で働くメリットの中から、厳選して3つだけ説明します。
①安定した就業環境
離職率の低い業界は、職場環境が整っている場合が多いため、人材を育成するための環境が整備されていて、雇用も安定していれば、長期的なキャリア形成に適しています。
企業側は利益の向上だけに目を向けているわけではなく、社員の労働環境もしっかり見ている可能性があるでしょう。
それに加えて残業や休日出勤が少なく、社員が無理なく健康的に働ける環境が構築されていれば、長期的に多くの従業員が安定して働き続けられます。
②良好な人間関係を構築できる
従業員の信頼関係を重要視している企業は、丁寧でわかりやすい人材育成を目指しているため、従業員が成長を実感できる環境が構築されている可能性があります。
離職率が低い会社は、従業員同士がコミュニケーションを活発に取っている企業が多い傾向にあるでしょう。
従業員同士の関係が良好だと組織力を強化でき、企業に貢献するための自発的な意欲が高くなりやすいです。
従業員にとって仕事が充実していれば、将来的に会社全体の生産性や業績を向上できるでしょう。
③ワークライフバランスが取りやすい
従業員は残業が少ないと早く家に帰れるので、家族や友人との自分の時間を楽しんだりと、充実した生活を送れるでしょう。
メリハリのある生活を送ることで、仕事に集中しやすくなり、精神的なストレスも抱えにくいです。
低い離職率の企業では、勤務時間に対して適切な業務量を与えられる場合が多く、サービス残業やハラスメントも少ない傾向にあります。
プライベートと仕事のバランスを保ちやすく、心身ともに充実した日々を過ごせるでしょう。
離職率が低い業界で働く3つのデメリット

離職率の低い業界は、一見メリットしかないように思うかもしれません。しかし実は、離職率が低いからこそ生じるデメリットも存在するのです。
- 出世が難しい
- 成長が限定的になる
- 適当に仕事をする社員が現れる
離職率が低いために、マイナス要素になる点を解説します。
①出世が難しい
離職率が低いと、退職する従業員が少ないので、昇進ポストに空きが出にくく、昇進しにくい傾向があります。
ライバルとなる従業員の数も多いため、ライバル同士で競争が激しくなる可能性もあるでしょう。
もし優秀な若い人材がいた場合にも、既存ポストに空きができないと、昇進の話が出にくいため、やりがいが低下してしまう人もいます。
もちろん新しい人材のために席を譲る人はいないので、重要ポストの人物が大きいミスでもしない限り、難しいと言えるでしょう。
②成長が限定的になる
業界が安定しているために、業界全体の成長性が限定的になってしまうのです。新しい技術やビジネスモデルに対して、変化が遅れる要因にもつながります。
長期間同じような仕事をしているため、新しいスキルも身につきづらいです。
従業員個人も一つの会社に長く留まると、企業特有の文化や業界に慣れすぎてしまい、他の会社や業界に転職しにくくなります。
アピールポイントが少なく転職が困難なだけでなく、もし転職しても自分のスキルの低さに苦しむ結果になるでしょう。
③適当に仕事をする社員が現れる
良好な人間関係やワークライフバランスのために、意欲的に仕事に向き合う従業員は多いですが、環境に甘えて適当な業務をする従業員も増えるかもしれません。
働きやすい環境のせいで働きがいがなくなり、真面目な人材だけが転職してしまい、業務を怠る社員ばかりが残る可能性もあります。
心身ともに健康でも、やる気がない従業員だけになると、企業の成長は止まるでしょう。働きやすくて働きがいもある環境づくりが大切です。
離職率が低い企業の3つの見分け方

離職率が把握できない場合には、いくつかのポイントを確認してみると良いでしょう。
- 求人頻度を確認する
- 口コミや評判をチェックしてみる
- 給料、福利厚生や教育制度を確認してみる
離職率の低い企業を見抜くためのポイントを紹介します。
①求人頻度を確認する
長く働ける仕事を探すためには、離職率が低い業界にも、中には離職率が高い企業もあるため、業界選びよりも企業選びの方が重要だと言えます。
例えば、離職率が高い企業は、人材が定着していないため、必然的に求人情報を掲載する頻度が高くなるでしょう。
それに対して、離職率が低いと、人材が定着して潤っているため、求人を出す頻度が低い傾向にあります。求人サイトを利用するときには、求人情報を出す頻度にも注意してみましょう。
②口コミや評判をチェックしてみる
離職率の低い企業を見分けるには、企業の口コミサイトを確認するのも効果的です。
評判をチェックすれば、企業の離職率も見えてくるかもしれません。ただし口コミは、あくまでも個人の意見であり、主観的な内容も溢れています。
とくに口コミを書こうと思うのは、ネガティブな感情になった場合が多いため、信じすぎるのも良くありません。
客観的な意見と自分の考えを照らし合わせて、企業選びの材料として活用して、最終的には自分で決めましょう。
③給料、福利厚生や教育制度を確認してみる
離職率が低い企業に共通している特徴は、給与水準が高く、福利厚生が充実していて、教育体制が整っていることです。
企業や業界について徹底的にリサーチして、入社後の働き方をイメージできるほど、理解を深めましょう。
実際にアポイントを取って見学させてもらえば、数値だけでは判断できないような、社内の雰囲気も感じ取れます。
ただし、福利厚生や教育体制が存在するだけではなく、実績があるかどうかのチェックも重要です。
女性の離職率が低い業界と特徴

女性の離職率も、業界によって同じような傾向が見られます。ただし、産休育休制度が充実している企業は、女性の定着率が高く、離職率が低いため、女性の働きやすさを考えるためには重要です。
産休育休が取りやすい会社は、働き方も融通が利きやすい場合が多いですが、常に人手不足の職場では産休を取りにくく、出産直前まで働かされる可能性もあります。
また最近は、男性も育休を取得できる会社が増加しているため、調べてみる価値はあるでしょう。
離職率を把握して業界の特徴をつかもう!

今回は離職率が低い業界の特徴や見分け方に加えて、離職率が低い業界で働くメリットとデメリットを紹介しました。
離職率は企業の指標として重要視されることも少なくありません。
安定した環境で長く働きたい人にとって、離職率が低い企業や業界にはメリットがたくさんあります。
離職率が低いからといって、企業全体のパフォーマンスが必ず良いとは限りませんが、今回紹介した方法を参考にして、自分に合った業界や企業を探してみてくださいね。
この記事を書いた人
梶
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