「クレーン業界の仕事に将来性はあるだろうか?」とお悩みではありませんか?
たしかに同じクレーン業界でも仕事内容によって今後の動向に違いがあるのか気になりますよね。
そこで本記事では、まずクレーン業界の主な仕事内容について解説し、次に業界全体の動向について解説します。
さらにクレーン業界でのキャリアプランも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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クレーン業界での仕事内容とは?

初めに、クレーン業界での仕事内容について解説します。
①クレーンの製造
クレーンの製造は、クレーンメーカーに勤務して、クレーンの生産・製造する仕事です。
クレーンもさまざまな種類があるので、メーカーごとに製造するクレーンの種類が大きく異なります。
就活の際は、志望するメーカーがどのような製品を製造しているか確認しておくことが大切です。
②クレーンを使用する建設業
建設業の会社に就職して、人々の暮らしに関わるものを作る仕事をします。
建設業には、「建築」と「土木」があり、それぞれの仕事内容は以下の通りです。
仕事内容 | |
建築業 | 住宅やマンション、施設など人々が街中で利用するための建設 |
土木建設業 | 道路やトンネル、橋など人々が便利に暮らしていくためのインフラを整備 |
クレーンを操縦する現場は多岐に活躍の場があるので就職に有利ですが、入職後に各建設業の会社が所持しているクレーンの資格を取得する必要があるので覚えておくと良いでしょう。
③クレーンの販売・リース
クレーンメーカー勤務では、販売・リースなど営業職の仕事もあります。
完全生産型のメーカーもありますが、基本的には自社で生産から販売をする形態です。
販売先は建設業以外にも、他のメーカーの工場にリースする場合や、医療・公共分野と幅広い業界に販路があります。
また国内の需要だけでなく、インフラ整備で急速に経済成長している諸外国の販売も需要が高まっているため、ますますクレーン業界は成長が伸びている仕事といえるでしょう。
クレーン業界のこれまでの背景

次に、これまでのクレーン業界の背景について解説します。
これまでのクレーン業界は、建設業に牽引され成長傾向にある業界でした。
ここでは、好調をみせた主な理由を3つ解説します。
①国土強靱化計画による予算増額
2012年、アベノミクスの一環として「国土強靭化計画」が策定されました。
国土強靭化計画とは災害に強い国土を目指すもので、インフラの整備や管理、ライフラインの確保に多額の予算が分配されています。(引用元:内閣官房「国土強靱化基本計画(概要)」)
国土強靭化計画は現在のところ2025年まで延長が決定しており、長期的に建設業の仕事が確約され、それに伴いクレーン業界も成長し続けていくでしょう。
②東京オリンピックの関連施設施工
2020年に東京オリンピックの誘致が決定し、会場設備や関連施設の施工の受注が増加したことにより、クレーンを使用する機会も増えていました。
コロナ禍で経済の低迷が顕著となる中、建設業をはじめとするクレーン業界も大規模な建設事業に携わる必要があったため影響は少なかった業界といわれています。
今後は、関連施設の維持・管理の面で必要性があるでしょう。
③地方の都市計画事業開発
これまでは都市部に高層ビルなどの再開発計画が盛んに行われてきましたが、地方にも都市計画事業が行われるようになりました。
そのため新たに追加予算額も投入されることとなり、今後もクレーンを使い開発事業が行われるものとして更なる期待が高まるはずです。
クレーン業界は、今後ますます需要の高い業界といえるでしょう。
クレーン業界の今後の動向

ここからは、今後の動向や働き方改革についてどのような変化があるか解説します。
ここでは、建設業の動向を引用しながら、クレーン業界の将来性について解説しているので参考にしてください。(引用元:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」)
①災害時の応急対応による需要
建設業は、災害時の地域社会や住民の安全と安心の確保のため、最前線で働く担い手です。
そして建設業者が作業するクレーンも、その役割は大きく、さまざまな災害現場で発揮されています。
東日本大震災(2011年3月11日)や、熊本地震(2016年4月14日)では、地域の建設業社が道路啓開作業を行い、地域住民が道路を使用できるよう応急工事しました。
もちろん災害時発生から救済応援のためにクレーンも出動して支援にあたっています。
能登半島地震(2024年1月1日)や、今後も予測不可能な災害が起きることがあるかもしれない日本において、クレーン業界の需要は高まる一方だといえるでしょう。
②老朽化メンテナンスの拡充
社会資本の老朽化による被害が認められた香川・徳島県境無名橋の落橋(2007年)など、インフラメンテナンスの必要性が拡充しています。
国土交通省のインフラメンテナンス情報によれば、建設後から50年以上経過する道路橋は、2020年が約30%であるのに対し、2040年になると約75%にまで増加する結果となるそうです。
したがって、クレーンが活躍する機会は今後も増え続けることが確実であり、現場作業の役割に期待されていくでしょう。
③就業者の若年層の空洞化
現在、建設業就業者の3割が55歳以上、29歳以下は1割となっています。
今後、60歳以上の建設技能者の引退により、10年後までに若年層の入職者の確保・育成が急務となっているため、官民一体で処遇改善が加速化されていくでしょう。
「建設キャリアアップシステム」の仕組化によるクレーンを操縦するための資格や、技能・経験に応じた適切な評価が若年層技能者に対する雇用の促進と育成に力を入れる会社に期待が寄せられています。
④2024年問題の働き方改革の取り組み
従業員の長時間労働が深刻な問題となっている中、建設業も働き方改革として「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」を策定しています。
これは一部の業界に限ったことではなく、クレーン業界もまた働き方改革の改善が見直されることになるでしょう。
働き方改革が促進されることで、会社全体の生産性や売上の向上にも期待が集まるため、クレーン業界の将来にも良い希望がもてるかもしれません。
⑤コロナの特別措置の適応
令和4年3月から新型コロナウイルス感染の影響により、公共工事設計労務単価の特別措置が適応されました。
主なポイントは以下の2つです。
- 公共工事の市場単価の引き上げ(47都道府県・51職種別)
- 必要な法定福利費、有給取得の義務化、時間外労働の短縮に必要な費用の捻出
工事単価が10年連続上昇しているため、今後もクレーンが活躍する場が多くなることに期待がもてるでしょう。
⑥資材価格の高騰は継続
昨今の経済状況の悪化より、物価高が継続しているため、資材価格の高騰に歯止めがかかりません。
今後も引き続き建設業の資材等の価格変動への配慮も行うことになっていますが、以前として厳しい状況が大幅に変化する見込みは今のところ難しいものと予測されます。
したがって、クレーン業界も資材等の価格高騰への対応の困窮化は避けて通ることは難しいものと考えられ、今後の動向も引き続き注目しておくことが重要です。
クレーン業界のメーカーランキング

ここでは、クレーンを製造するメーカーを紹介します。
クレーン製造会社の平均年収や、どのようなクレーン製品があるかなど参考にしてください。
順位 | 企業名 | 企業HP | 主力製品 | 売上高 | 平均年収 |
1 | 住友重機械 工業 | https://www.shi.co.jp/index.html | クローラークレーン | 2118億円 | 795万円 |
2 | タダノ | https://www.tadano.co.jp/index.html | クローラークレーン | 1764億円 | 645万円 |
3 | 古河機械金属 | https://www.furukawakk.co.jp/ | ユニッククレーン | 74億円 | 804万円 |
4 | 日本車輌製造 | https://www.n-sharyo.co.jp/index.html | クローラークレーン | 866億円 | 630万円 |
5 | 加藤製作所 | https://www.kato-works.co.jp/ | ラフテレーンクレーン | 511億円 | 596万円 |
※売上高および平均年収は「有価証券報告書」を参照(住友重機械工業・タダノ・古河機械金属・日本車輌製造・加藤製作所)
クレーン業界のキャリアプラン

最後に、クレーン業界のキャリアプランの紹介です。
クレーン業界での仕事や、クレーンオペレーターの資格を活かし関連する仕事について解説します。
クレーン業界はニッチな分野であるため、広く知られていない業界です。
しかし、建築や建設、物流、公的な仕事を支える企業も多く、優良企業が数多く存在する業界ともいえるため、自分にあった就職先を目指しましょう。
①さまざまな現場のクレーンオペレーターとして働く
クレーンを操縦するクレーンオペレーターは、さまざまな現場で活躍が期待されています。
主な仕事内容は、建設現場で荷物や資材を吊り上げる作業や、高層ビルの建設現場などで高低差のある位置へ建築資材を運ぶ作業です。
この他にも、災害救助といった公的な仕事もあり、これからも需要が拡大する仕事の1つといえるでしょう。
クレーンオペレーターは、確かな技術と経験で安全に作業するスペシャリストとして日々活躍しています。
②メーカー勤務
多くのメーカーは、クレーンの生産・販売・サービスの提供までワンストップで行います。
そのため、自社製品を使用する現場に人材を派遣して作業する場合もあり、クレーンそのものの提供からサービスの提供までが、メーカーでの仕事と考えると良いでしょう。
クレーン需要があることは、一貫した高品質の製品とサービス提供が求められるため、メーカー勤務者の中でも資格保有者は就職に有利となることが期待できます。
③物流業界で働く
クレーンを使った仕事として、荷物の積み下ろし作業をする物流業界での仕事があります。
インターンネット通販の拡大が急速になる中、人手不足に悩む企業も少なくありません。
人手が足りないからこそクレーンでの作業効率が求められ、今後ますますクレーンの需要性が急増していくでしょう。
若手人材が不足するクレーン業界は売り手市場

クレーン業界に就職を志望するのであれば、仕事内容のほか、企業研究の一環として製造するクレーンの種類を確認しておくことが大切です。
また、クレーンオペレーターの仕事を志望する場合は、クレーン資格は必須となるため操縦するクレーンの資格勉強が必要になることは覚えておきましょう。
クレーン業界やその他の関連業界も、深刻な人手不足のため就活生が有利となる売り手市場となっています。
まずはこの売り手市場のチャンスを活かし、年収アップや正当な評価が見込める会社でキャリアアップを目指してください。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。