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造船業界の企業ランキング!年収・就職のメリットと注意点を徹底解説

造船業界への就職を考えている方にとって、「どの企業を選ぶべきか?」という悩みは尽きませんよね。

造船業界には数多くの有力企業がありますが、企業によって年収や働きやすさに大きな違いがあるため、自分に合った選択をするのは簡単ではありません。

本記事では、日本国内の売上高&シェアランキングTOP10企業や、注目すべき高年収企業、さらには就職のメリットや注意点について詳しく紹介します。

造船業界で理想のキャリアを築きたい方は、企業選びの参考にぜひご覧ください。

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造船業界とは? 

造船業界は、長年にわたり日本の重要な産業の1つとして発展してきましたが、近年では中国や韓国との競争が激化し、業界の変革が求められています。

ここでは、造船業界の現状と今後の動向について詳しく見ていきましょう。

  1. 業界の現状
  2. 今後の動向

①業界の現状

造船業界は、船舶の設計、建造、修理を行う産業で、世界の海上輸送を支える重要な役割を果たしています。

日本はかつて世界一のシェアを誇り、「造船大国」として知られていましたが、現在では中国や韓国が台頭し競争が激化。

特に、環境規制が厳しくなる中で、省エネ性能が高い船舶やLNG(液化天然ガス)を燃料とするエコシップの開発が求められており、これが企業間の競争を左右する大きなポイントとなっています。

また、労働力不足や国内造船所の老朽化といった課題もあり、業界全体が変革を迫られている現状です。

②今後の動向

造船業界は、国際海事機関(IMO)が掲げる温室効果ガス削減目標に対応するため、低排出ガスを実現する次世代エンジンの開発を急務としています。

船舶の運航効率の向上とメンテナンスコストの削減が期待できるAIやIoTを活用したスマートシップ技術の開発も、今後ますます推し進められるでしょう。

その一方で、景気の動向や地政学的リスクが業界に与える影響も無視できません。

特に、エネルギー市場の変化や国際貿易の動向は、造船需要に直接影響を与えるため、市場の動向に柔軟に対応することが求められます。

【世界】造船業界の企業 時価総額ランキング一覧

こちらでは、時価総額ランキングをもとに、世界のトップ企業を一覧で紹介します。

順位企業名時価総額(億円)事業内容所在国
1ゼネラル・ダイナミクス(General Dynamics Corp)77,319航空機、潜水艦、戦車、ITサービスなどの製造・開発を手掛ける多国籍企業。アメリカ
2中国船舶工業股分有限公司(China CSSC Holdings Ltd)27,506中国船舶工業集団の子会社で、商船や軍艦の建造、修理、海洋機器の製造を行う中国の主要な造船会社。中国
3中国船舶重工集団公司(China Shipbuilding Industry Corp)20,505中国の国有造船企業で、軍艦や商船、海洋プラントの設計・製造を担当。現在、CSSC(中国船舶工業集団)と統合。中国
4ケッペル・コーポレーション(Keppel Corp Ltd)11,556シンガポールを拠点とする企業で、海洋・海事サービス、不動産、インフラ、再生可能エネルギー事業を展開。シンガポール
5シンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング(Singapore Technologies Engineering Ltd)11,117防衛、航空宇宙、海洋、電子工学分野の製品・サービスを提供するシンガポールの多国籍企業。シンガポール
6セムコープ・インダストリーズ(Sembcorp Industries Ltd)9,539シンガポールの多国籍企業で、エネルギー、都市開発、海洋関連サービスを主力事業としている。シンガポール
7HD韓国造船海(HD Korea Shipbuilding & Offshore Engineering)8,766韓国最大の造船会社で、商船、軍艦、海洋プラントの設計・建造を行うグローバル企業。大韓民国
8ハンファオーシャン(Hanwha Ocean)8,733韓国の造船・海洋企業で、液化天然ガス運搬船や海洋プラントの建造を手掛ける。大韓民国
9シートリウム(Seatrium Ltd)8,424シンガポールの海洋・海事企業で、FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)や海洋掘削装置の建造を行う。シンガポール
10中国船舶オフショア&マリンエンジニアリング(CSSC Offshore & Marine Engineering (Group) Co Ltd)8,036中国船舶工業集団傘下の企業で、海洋プラント、船舶エンジニアリング、修理事業を展開。中国
※2023年6月時点の株価と為替レートをもとに算出

中国、シンガポール、大韓民国がランキング内に多くの企業を持つことから、これらの国々が世界の造船業の中心であることが明確です。

かつては世界一のシェアを誇った日本の企業はTOP10にランクインしておらず、国際的な競争で苦戦している現状がうかがえます。

【日本】造船業界の企業 売上高&シェアランキングTOP10

こちらでは、日本の造船業界の売上高と市場シェアをもとに、ランキング形式でTOP10の企業を一覧で紹介します。

順位企業名売上高(百万円)事業内容従業員数所在地
1三菱重工業4,657,147国内外でトップクラスの船舶をはじめ、発電所を含むエネルギー関連機器、産業機械、航空機、防衛機器、ロケット、鉄道車両、業務用エアコンなど、多岐にわたる製品を製造。約22,500人東京都千代田区丸の内3-2-3
2川崎重工業1,849,287船舶、鉄道車両、航空機、モーターサイクル、ガスタービン、ガスエンジン、産業プラント、油圧機器、ロボットなど、幅広い分野で多様な事業を展開。約39,000人東京都港区海岸1-14-5
3IHI1,322,591圧縮機、分離機、大型過給機、油圧モータ・ポンプ、歯車装置、給油装置などを製造。約28,000人東京都江東区豊洲3-1-1 豊洲IHIビル
4住友重機械工業1,081,533航空機用ジェットエンジンブレードをはじめ、高機能・高信頼性の航空機体部品、発電用タービンブレード、一般民生用部品などの精密鍛造品を製造。約25,300人東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower
5日立造船555,844舶用エンジン、プレス、プロセス機器、精密機械、橋梁、水門、防災関連機器の製作など。約3,800人東京都品川区南大井6-26-3 大森ベルポートD館 15F
6今治造船443,168商船の建造を中心に、大型船舶や特殊船舶の設計・建造など。約1,900人愛媛県今治市小浦町1-4-52
7三井E&Sホールディングス301,875舶舶用ディーゼル機関、圧縮機、ガスタービン、運搬機、マニピュレータ、試験設備などの産業機械の製造・販売・アフターサービスなど。約5,900人東京都中央区築地5-6-4
8ジャパンマリンユナイテッド269,000商船や特別艦艇の建造および修理する事業を展開。軍艦や大型貨物船などの建造に強み。約4,800人神奈川県横浜市西区みなとみらい4-4-2 横浜ブルーアベニュー
9大島造船所164,439船舶の建造修理と鋼構造物等の製作など。約1,600人長崎県西海市大島町1605-1
10新来島どっく110,616各種船舶の建造、修理及び解体、船舶用機器並びにその他諸機械の製造及び修理など。約850人愛媛県今治市大西町新町甲945
参考:|有価証券報告書(三菱重工川崎重工業IHI住友重機械工業日立造船)|官報決算データベース(今治造船株式会社 第92期決算公告ジャパンマリンユナイテッド株式会社 第22期決算公告 株式会社大島造船所 第37期決算公告 株式会社新来島どっく 第37期決算公告

トップ企業である「三菱重工業」は、船舶に限らず、発電所関連機器・航空機・防衛機器・鉄道車両なども手掛けています。

2位の「川崎重工業」も、船舶・鉄道車両・航空機と、幅広く事業展開をしていることが特徴です。

これらのことから、売上高上位の企業は、造船業に限らず多様な分野に進出していることが分かります。

【日本】年収の高い造船業界の企業ランキング一覧

こちらでは、造船業界における年収が高い企業をランキング形式で紹介し、それぞれの企業の特徴や、なぜ高い年収が実現できているのかについて解説します。

順位企業名年収(円)事業内容従業員数所在地
1三井E&Sホールディングス6,971,000舶用ディーゼル機関、圧縮機、ガスタービン、運搬機、マニピュレータ、試験設備などの産業機械の製造・販売・アフターサービスなど。約5,900人東京都中央区築地5-6-4
2内海造船6,179,000新造船および修繕船の製造・修理・改造など。約580人広島県尾道市瀬戸田町沢226-6
3名村造船所6,011,000船舶、橋梁、鉄構造物の設計・製造・架設など。約1,000人東京都港区虎ノ門1-15-12 日本ガス協会ビル4F
4サノヤスホールディングス5,789,005船舶、舶用機械、タンク類、鉄鋼構造物の製造・販売・修理・保守・リースなど。約950人大阪市北区中之島三丁目3-23 中之島ダイビル9階
参考:|有価証券報告書(三井E&Sホールディングス内海造船名村造船所サノヤスホールディングス)

1位の三井E&Sホールディングス(年収約710万円)は高度な技術力を要する舶用ディーゼル機関を扱い、安定した収益基盤を持っています。

2位の名村造船所(年収約540万円)は、専門技術を活かして高難度プロジェクトを担当し、3位のサノヤスホールディングス(年収約530万円)と4位の内海造船(年収約525万円)は、グローバル展開や専門業務を通じて安定した収益を上げている企業です。

造船業界の高年収企業は、技術力の高さやグローバル展開、ニッチ市場への対応が特徴だと言えるでしょう。

造船業界で働く4つのメリット

ここでは、造船業界で働くことの4つのメリットを具体的に紹介します。

  1. 長期的に安定した需要がある
  2. 大手では高収入と福利厚生が期待できる
  3. 海外でのキャリアを積むチャンスがある
  4. エンジニアリングや設計のスキルを高められる

①長期的に安定した需要がある

造船業界は、国際的な海上輸送を支えるインフラとして欠かせない存在です。

世界規模での貿易やエネルギー輸送が続く限り、造船の需要は安定し続けるでしょう。

長期的な安定が期待できる業界で働くことは、大きな安心材料のひとつですよ。

②大手では高収入と福利厚生が期待できる

造船業は高度な専門性を必要とする分野で、高い技術力が求められるため、給与水準が高く設定されています。

特に、多種多様で高額なプロジェクトを手掛ける大手企業は、安定した収益を確保できるため、従業員にもその成果が還元されることが一般的。

また、大手企業では、健康保険や高額医療費補助、定期的な健康診断といった医療面のサポートが充実しており、造船所での労働が身体的に負担の大きい仕事であることを考慮した特別なケア体制が整えられています。

③海外でのキャリアを積むチャンスがある

造船業界は海外出張や現地勤務の機会が豊富にあるため、英語や技術を活かして国際的なキャリアを築きたい方にとって、理想的な環境といえるでしょう。

造船業界はグローバルな産業であり、海外の造船所や取引先との連携が欠かせません。

海外プロジェクトでの経験は、自身の市場価値を高める大きな武器になります。

④エンジニアリングや設計のスキルを高められる

造船業界では、高度なエンジニアリングや設計スキルが求められます。

最先端の技術を使い、環境規制や顧客のニーズに応える船舶を作り上げるプロセスは、技術者としての成長につながるでしょう。

また、プロジェクトごとに異なる課題を解決する中で、専門知識だけでなく問題解決能力やチームワークも磨かれます。

造船業界に就職する場合の3つの注意点

ここでは、造船業界に就職する際に注意すべき点を3つ紹介します。

造船業界には多くの魅力がある一方で、働く上での注意点もいくつか存在するため、まずは業界の特性を理解しておくことが重要ですよ。

  1. 過酷な労働環境が問題となることがある
  2. 景気変動の影響を受けやすい業界である
  3. 転勤や地方での勤務が求められる場合がある

①過酷な労働環境が問題となることがある

造船業界では、プロジェクトの納期が厳しく、現場作業が長時間にわたることも珍しくありません。

特に船舶を建造する際には、大きな設備や重機を扱うため、安全面にも配慮が必要です。

そのため、現場の過酷な環境においては、体力や精神面での強さが求められることを理解しておく必要があります。

②景気変動の影響を受けやすい業界である

造船業界は、世界経済や貿易の動向に大きく影響されます。

特に船舶の建造は高額な投資が必要であり、景気が悪化すると新規注文が大幅に減少することも少なくありません。

また、原材料費の変動や環境規制の強化なども影響を与える要因となります。

このように、業界全体が景気の波に左右されるため、安定した業績を維持するのが難しい場合もあることを覚えておきましょう。

③転勤や地方での勤務が求められる場合がある

造船大手企業の場合、全国各地に造船所や関連施設が点在しており、転勤や地方での勤務が求められる場合があります。

地方の造船所では都市部に比べて生活環境が異なり、ライフスタイルに影響が出ることもありますよ。

そのため転勤や地方での勤務に抵抗があるという方は、造船業界への就職には注意が必要でしょう。

造船業界の就職に向いている人

造船業界は専門的な知識や技術が求められます。

こちらでは、造船業界においてどのような人が向いているのかを具体的に紹介します。

  1. 技術に対する興味や好奇心が強い人
  2. 円滑なコミュニケーションをとれる人
  3. クリエイティブな発想や柔軟な対応力がある人
  4. 異文化理解や外国語のスキルを持っている人
  5. 体力と忍耐力のある人

①技術に対する興味や好奇心が強い人

技術の進化に興味を持ち、常に新しい知識を吸収しようとする姿勢を持っている人が向いていますよ。

造船業界では、最新技術や機械の操作、船舶の設計など、技術的な要素が多く関わります。

船舶の建造や改修に携わることで、実際に自分の手で技術を形にできる喜びを感じられることは大きなメリットだと言えるでしょう。

②円滑なコミュニケーションをとれる人

自分の意見をしっかりと伝え、他のメンバーとも協力して問題を解決できる能力を持っている人が向いています。

造船業界は、設計から製造、管理まで多くの部署や関係者が協力して作業を進めるため、チーム内外での円滑なコミュニケーションは不可欠です。

③クリエイティブな発想や柔軟な対応力がある人

造船業界は、クリエイティブな発想で革新的なデザインを考えたり、柔軟に対応して新たな課題を解決する力がある人が向いているでしょう。

船舶の設計や製造では、常に新しいアイデアや改善策を求められますよ。

特に昨今は環境への配慮が求められており、革新的な技術やデザインに対する関心が重要となります。

④異文化理解や外国語のスキルを持っている人

異文化に対する理解や外国語のスキルを持っていると、大きなアドバンテージになるでしょう。

造船業界はグローバルに展開しており、海外のクライアントやパートナーと協力する機会が多くあります。

国際的なプロジェクトに関わることで、幅広い経験を積めることは大きなメリットです。

⑤体力と忍耐力のある人

造船業界は、しっかりとした体力と精神力を持っている人が活躍できる業界と言えます。

造船の現場では、納期に間に合わせるために過酷な状況に直面することも少なくありません。

長時間の作業や力仕事を伴うこともあり、体力が必要です。

造船業界ランキングを理解して就職活動に活かそう

造船業界は、技術力の高さや安定した需要が魅力的な業界であり、グローバルな視野を持つことができる非常にやりがいのある分野です。

企業ランキングを通じて、業界の現状や競争力のある企業について知ることができ、就職先としての選択肢を広げる手助けとなったのではないでしょうか。

自分の強みや興味に合った企業選びをするために、これらの情報をしっかりと踏まえて、納得のいく就職先を見つけてください。

若林

このメディアの監修者

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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