自己PRの作成は、就職活動を進める上でとても重要な部分です。ですが、自己PRの作成に悩む人は多いでしょう。
そこで本記事では、自己PRを作成するのに必要な準備や作成手順、コツなどについて解説します。これから就職活動を始める人や、現在自己PRの作成に苦戦している人は参考にしてみてくださいね。
大学生が自己PRを書く際にするべき準備2つ

自己PRを考える際には準備しておくべきことが2つあります。
上記の2つを考えておかないと、質の高い自己PRを作り上げるのは難しいです。そのため、実際に考え始める前に上記の2点について確認しておきましょう。
①自己分析
事前準備の1つ目は、自己分析をすることです。自分自身についてしっかり把握しておかないと、本番ではアピールできません。自己分析する方法はさまざまです。
例えば、1つのキーワードをもとに発想を深掘りしたり広げたりするマインドマップや、他人から見て自分がどのような人物なのか分析する他己分析などがあります。
複数の方法を組み合わせることで、より詳細に自己分析できますので試してみてください。
②企業・業界研究
事前準備の2つ目は、企業・業界研究をすることです。
就職活動で大事なポイントはいくつもあります。その中の1つに、就職したい業界や企業に自分が適しているかどうかという点があります。
企業側も業界や自社に適した人材を探すため、最初に自分が目指す企業がどのような特徴なのか把握しておくことはとても重要です。
事前に企業や業界の研究をしておくことで、自分の強みを活かした、より企業に刺さるアピールになるでしょう。
大学生が自己PRを書く際の3ステップ

自己PRを作成する前の準備が完了したら、いよいよ作成に移ります。ここでは自己PRを書く際の3ステップを紹介します。
実際に考えていく際にどのような手順で進めていけば良いのか悩んだ際は、以下を参考に進めてみてください。
①最初に自分の強みを簡潔に伝える
最初に、自分の強みを簡潔に伝えます。自己PRで1番伝えたい部分になりますので、できるだけわかりやすく伝えるように工夫する必要があります。
例えば、「私は初対面の人とでもコミュニケーションを取るのが得意です」などと最初に言い切ってしまうのがおすすめです。
この際に重要なのが、いかに他の人と違う角度からアピールできるかです。上記の例ではコミュニケーションと言ってしまうと他の人と被る可能性が高くなります。
そのため「初対面の人とでも」のように、コミュニケーションからもう一段階深掘りして話すのがおすすめです。
②強みを裏付けるエピソードを伝える
自分の強みを伝えたら、その強みを裏付けるようなエピソードを付け加えましょう。
エピソードを伝えることで、自己PRを読んだ人になぜ自分の強みが1文目の内容になったのか、より深くまで知ってもらえるのです。
強みだけの自己PRでは、他の人と被ってしまうことも考えられます。しかし、エピソードを盛り込むことで他の人と差別化を図ることが可能です。
そのため、自分の強みだけではなく、エピソードも一緒に伝えるようにしましょう。
③入社後の活かし方を伝える
最後に、自分の強みを入社後どのように活かしていきたいのか伝えましょう。
企業は自社に適した人材を見つけようとしています。入社後にどのような活躍ができそうなのか考えながら自己PRを見ている傾向があります。
そのため、自分の強みを伝えて自己PRを終えてしまうと不十分です。
必ず入社後に自分の強みでどのような貢献ができるのか伝え、担当者が自分の将来活躍する姿を想像しやすくなるようにしましょう。
大学生が自己PRを書く時のコツ3つ

自己PRを作成する手順まではわかったものの、それでも上手く作り上げられない人は、以下の3つのコツを参考にしてみてください。
①エピソードには数字を盛り込む
自分の強みに関するエピソードは、数字などを利用してできるだけ具体的に伝えることを意識しましょう。
例えば「アルバイト先の書店で本を◯冊売った」などのように、数字を用いる説明の仕方があります。
最初は数字を用いて説明することに慣れない人もいますよね。そのような場合は、過去と比較してどのようになったか考えましょう。
比較することで、より数字で変化も見えやすくなるのでおすすめです。より自分の強みに説得力が増しますので、利用できる際は積極的に数字を盛り込みましょう。
②できるだけ短く簡潔にする
自己PRを伝えるときは、できるだけ簡潔にわかりやすく伝えましょう。1文が長すぎると上手にまとまらず、相手に伝えたいことも伝わりにくくなってしまいます。
例えば「発展させることができます」の場合は「発展可能です」などに直すことが可能です。このように、冗長表現や無駄な部分はできるだけ避けましょう。
③提出前に見直す
自己PRの文章が完成したら、必ず見直すようにしましょう。確認せずに提出してしまうと、誤字脱字や文章の違和感、内容の間違いに気づけない可能性があります。
間違いに気が付けないまま提出してしまうと、担当者にマイナスのイメージを持たれかれないので注意が必要です。
もし、自分1人で見直すのに自信がない場合は、以下の方法を試してみましょう。
- GoogleドキュメントやWordで文法や誤字脱字をチェックする
- 後日作成した文章を見直す
- 家族や友人、学校の先生に確認してもらう
複数の方法を合わせることで、より間違いを見つけやすくなります。
大学生におすすめな自己PRの強み8つ

ここまでの解説では、自己PR文の作成方法などについて解説してきました。しかし、そもそも自分にどのような強みがあるのかわからないという人も中にはいるでしょう。
もし、自己PRの要素で悩んだ際は以下の4つを参考にしてみてください。
①リーダーシップ
リーダーシップとは、複数人で活動する際にチームをまとめ上げて目的まで導く力のことです。
企業で仕事をしていると、部署やプロジェクトの中で社員をまとめる立場に抜擢されることがあります。企業側はリーダーシップのある人材が必ず必要になるのです。
もし、これまでに学業やアルバイトなどを通してリーダーシップを発揮した経験がある場合は、積極的にアピールするのも1つの手です。
経験者の場合、強みのエピソードも付け加えやすいので、自己PR文としてもまとめやすいでしょう。
②継続力
継続力は物事を諦めずに続けられる力のため、担当者に責任感の強さをアピールできます。
学業や部活動だけではなく、日常生活で意識的に取り組んできたことなども、伝え方によっては利用できます。
ただし、継続力についてアピールするときは、どのような目標を持って取り組んでいたのか伝えるようにしましょう。
例えば「将来の仕事に必要なスキルを獲得するため」などの理由がある場合は、担当者にも企業に適した人材であるとアピールしやすいです。
同じ継続力に繋がる内容でも、ただ続けていたことはアピールになりません。かえってマイナスに捉えられてしまう場合もあるので注意しましょう。
③コミュニケーション能力
コミュニケーション能力では、仕事をする上で会社の同僚や取引先とのやり取りがスムーズにできることをアピールできます。
仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力が必要なため、重視している企業も多いです。
ただし、コミュニケーション能力といっても、相手に伝えるのが得意なのか聴くのが得意なのかでアピールの仕方が異なります。
そのため、自分が伝えたいコミュニケーションスキルがどのようなものなのか具体的に伝えるようにしましょう。
④協調性
協調性では、同じ目標を達成するためにさまざまな人と協力して物事に取り組める力をアピールできます。
仕事をする際は、目標は同じでも自分の立場や価値観が同じ人とばかり仕事をするわけではありません。
それでも目標を達成するためには、協力し合いながら仕事を進めていく必要があります。そのため、協調性が感じられない場合、担当者にマイナスなイメージを持たれてしまう可能性もあります。
もし、協調性について自己PRするのであれば、エピソードを含め相手を尊重しつつ行動できる点やアシスト力がある点などをアピールしていきましょう。
⑤マルチタスキング能力
大学生活では、授業への出席、レポート作成、サークル活動、アルバイトなど、限られた時間の中で効率的に物事を進めていく能力が求められます。
こうしたマルチタスキング能力は、社会人になってからも非常に重要視されるスキルの一つです。
自己PRでは、大学生活で培ったマルチタスキング能力を具体的なエピソードと共に紹介し、どう効率的にタスクをこなしてきたのかをアピールしましょう。
企業は、限られた時間内で最大限の成果を出せる人材を求めているので、マルチタスキング能力の高さは大きな強みになるはずです。
⑥探究心・行動力
大学生活では、未知の分野に挑戦し新しいことを学ぶ機会に溢れているため、自己PRでは積極的に飛び込み、自ら行動を起こした経験を具体的に示しましょう。
例えば、研究室でのプロジェクトや、サークル活動、ボランティアへの参加など、自発的に行動した事例を挙げるのが効果的です。
探究心と行動力は、課題解決能力にも繋がる重要な要素であり、失敗を恐れずチャレンジを続ける姿勢は、企業から高く評価されるポイントです。
自らの経験を通して、どのように成長し、何を学んだのかを伝えることで、あなたの探究心と行動力を効果的にアピールすることができるでしょう。
⑦向上心・主体性
大学生活では、授業や研究、サークル活動などに積極的に取り組み、新しい知識や経験を吸収しようとする向上心を持つことが求められます。
また、課題や問題に直面した際に、受け身ではなく自ら解決策を考え、行動に移す主体性も大切な要素です。
自己PRでは、具体的なエピソードを交えながら、あなたが向上心と主体性を発揮してきた経験をアピールしましょう。
例えば、「ゼミでの研究テーマを自ら提案し、調査・分析を主導した」「困難な課題にも粘り強く取り組み、新しい手法を編み出した」などの事例を盛り込むことがおすすめです。
⑧計画性
大学生活では、学業やサークル活動、アルバイトなど、様々なタスクを同時にこなす必要があるでしょう。
限られた時間の中で優先順位を付け、スケジュールを立てて実行する能力は就職活動でも高く評価されます。
自己PRでは、具体的なエピソードを交えて、どのようにして計画を立て、実行したのかを説明しましょう。
例えば、「学園祭の実行委員として、企画立案から当日の運営まで、タイムラインを作成し、チームで協力して成功に導いた経験」などが最適です。
大学生におすすめな自己PRの例文4つ

ここまでは、自己PRを作成する際の事前準備や作成手順などについて解説してきました。
もし、自己PRの全体についてイメージできていない場合は、例文も参考にして作成してみてください。
①サークル・部活動
継続力
私の強みは継続力です。私は海外で仕事をすることを目標にしていたため、英会話サークルに所属していました。
はじめは英語で会話する勇気もなかったため、思うように活動もできませんでした。しかし、自分なりに工夫して学習を重ね、少しずつ会話できるようにステップアップしていきました。その甲斐もあって、大学3年生のときに数人で海外に行き、現地の人と会話できるまでになりました。
入社後も英会話スキルに加えて仕事面でも結果が出ない場面があると考えています。その際は努力を継続して1つずつスキルを身につけ、御社に貢献できる人材になれるよう精進してまいります。
上記の自己PRは、継続力を強みとして作成したものです。英会話を継続したことによってどのような成果を得られたのか、エピソードを通して伝えられている点がポイントです。
②インターン
積極性
私の強みは積極性です。私の積極性は、インターンでエンジニアの仕事を経験しているときに発揮されました。
インターン以前にもエンジニアに必要な学習はしていたものの、現場での仕事は自分が経験したことのない業務ばかりでした。そのため、私は少しでも現場で活躍できるように、社員の方と積極的にコミュニケーションをとりスキル習得に努めました。その甲斐もあり、現在ではエンジニアに必要なスキル習得をはじめ、今後の自分の目標が明確になりました。
エンジニアになってからも常に学習することは重要であると考えています。私は、入社後も御社で活躍できる人材になれるように、積極的にスキルを向上させます。
上記の自己PRは、積極性を強みとして作成したものです。
入社前にもかかわらず自主的にスキルを身につける姿勢や入社後の目標についても記載されており、アピールできている点がポイントです。
③ゼミ
探求心
私の強みは探究心です。私は経済に関する知識を学べるゼミに所属していたのですが、その中で強みを活かして活動をしていました。
ゼミでは経済についてテーマを決めて発表する機会が年に1度あります。その中で私は、日本の経済について調査し、発表することに決めました。私自身、1番熱意を持って調査し他のゼミ生に伝えられる内容だったため、空いた時間を有効活用し準備を進めました。その甲斐もあり、ゼミ生や教授からも高い評価をもらえました。
入社後の営業でも、自社の商品について知識を深めた上で取引先等に説明するのが重要だと考えています。これからも探究心を持ち、御社の商品をより多くの人に届けるために努力してまいります。
上記の自己PRは、探究心を強みとして作成したものです。入社後に何をすべきか考えた上で、どのような社員になりたいのか明確に伝えられている点がポイントです。
④アルバイト
周りをアシストする力
私の強みは、周りの人をアシストする力です。私は、学生時代にラーメン店でアルバイトをしていました。
その際に、時間帯責任者を担当し、他のアルバイトの人が力を発揮できるように努めました。自分の仕事以外に他の人の仕事をアシストするのは慣れるまで時間もかかり大変でした。しかし、結果的に他のアルバイトの人たちのスキルが上がり、店舗運営を円滑にする手助けができたと考えています。
私はどのような仕事でも、自ら仕事を主導するだけではなく、周囲へのアシストも必要だと考えています。御社に入社後は、自ら積極的に仕事に取り組むと同時に、メンバーへのサポートにも努め、プロジェクトの円滑な進行に貢献できる存在となるよう努力します。
上記の自己PRは、協調性を強みとして作成したものです。
今回の自己PRでは、協調性からもう一段深掘りして、アシストについてか説明している点がポイントです。
自己PRがどうしても書けない大学生向けの対処法
ここまで紹介してきた内容を踏まえても「結局自分の自己PRを書くのは難しい」「どうすればいいんだろう」と感じている大学生も多いでしょう。
ここでは、自己PRが書けない大学生のための対処法をいくつか紹介します。
①家族や友人に自分の強みを聞いてみる
身近な人々は、私たちが気づいていない長所や特徴を客観的に見ている可能性が高いため、家族や友人に自分の強みを聞いてみることは、自己PRを書く上で非常に有効な方法です。
まず、家族に尋ねてみましょう。幼少期からの成長過程を知る彼らは、あなたの根本的な性格や才能を把握している可能性が高いです。
次に、大学の友人や先輩に意見を求めましょう。彼らは学業やサークル活動での姿を見ているため、社会人として求められる能力を指摘してくれるかもしれません。
その中でも、複数の人から共通して指摘される特徴は、あなたの本質的な強みである可能性が高いので、特に注目して自己PRに組み込んでみるのがおすすめです。
②自分史やモチベーショングラフで振り返ってみる
自己PRを書く上で、自分自身を深く理解することが重要です。
その際には、自分史を書いたり、モチベーショングラフを描いたりすることで、自分の人生の転機や成長のきっかけを振り返ることができます。
過去の経験を時系列で整理し、自分がどのような課題にぶつかり、どう乗り越えてきたのかを分析してみましょう。また、その経験から得た学びや自分の強みについても考えてみてください。
こうした振り返りを通して、自己PRに盛り込むべきエピソードやアピールポイントが明確になってくるはずです。
③失敗談から学びや成長を引き出してみる
失敗経験を自己PRに活かすことで、自分の成長をアピールできます。
例えば、グループワークでリーダーを務めた際、メンバーの意見をまとめられず、プロジェクトが失敗に終わったとします。
すると、この経験から、他者の意見に耳を傾け、調整力を身につける必要性を学んだと振り返ることもできるでしょう。
失敗を糧に、コミュニケーション能力や問題解決力を向上させた過程を具体的にPRすることで、自分の成長を効果的に伝えられます。
大学生が自己PRを書く時のコツを理解しよう

就職活動をする上で、自己PRの作成は避けては通れないです。
もし、現在自己PRの作成で苦戦していたら、ぜひ本記事で解説した作成手順やコツを参考にしてみてくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。