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【業界研究】商社の将来性と向いている人の特徴を徹底解説

就活生の中で、商社は非常に人気の高い「花形」とも言える業種のため、目指している人も多いのではないでしょうか。

そのため、徹底的な業界研究が求められます。

しかし、商社にも種類がある他、時代の変化とともにその事業内容は変化を続けています。

現在、そして将来の商社の在り方や、商社に向いている人の特徴を解説しますので、業界研究に役立ててくださいね。

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商社業界は2種類ある

商社業界は専門商社と総合商社の大きく2つに分けられ、どちらも卸売業を行う点では共通していますが、異なる特性を持ち、それぞれの市場で活躍しています。

専門商社と総合商社の特徴を解説しますので、自分にはどちらが合っているかを考える参考にしてくださいね。

  1. 専門商社
  2. 総合商社

①専門商社

専門商社は、特定の業種や商品に特化して取引を行っています。

例えば、医療機器、食品関連など、特定の分野に特化することで、専門的な知識を持っていることが強みでしょう。

専門商社は、その分野における最新の情報やトレンドを捉え、顧客に最適な商品やサービスを提供することが求められます。

また、製品の品質管理や技術的なサポートなど、高度な専門知識が要求される場合も多いですが、その分メーカーや顧客との結びつきが強いことも強みと言えます。

②総合商社

総合商社は専門分野を持たず、幅広い業種の商品を扱います

総合商社は国内の流通だけでなく、海外との輸出入や事業投資なども行っており、多様なビジネス領域とグローバルな展望を持って事業展開を行います。

カバーする領域の広さと日本中のネットワークを強みとし、国際市場に進出して取引や投資を行うことは、専門商社との大きな違いです。

総合商社の事業展開は多岐に渡り、発電やガスなどのインフラ事業や医療、環境分野など、様々な産業に発展していきます。

商社業界の主な仕事内容

商社業界の大枠が掴めたところで、次は事業内容についてご紹介します。

事業内容を知ることで、入社後のイメージが見えてくる他、商社業界の動向を知る上で必須の知識になります。

事業内容を知った後は、各社の取り組みについても研究しましょう。

  1. トレーディング事業
  2. 事業投資
  3. 事業経営

①トレーディング事業

トレーディング事業とは、商品やサービスを仕入れ、売り手と買い手の間に入って仲介をすることです。

需要と供給の間に立ち、コミッション(手数料)やマージン(差益)を得て利益を上げています。

商社ならではの情報網や金融、物流といった機能を付加価値として、輸出入や仕入だけでなく配送や宣伝まで担うのが特徴です。

トレーディングは国際市場での需要と供給をマッチングさせるため、売り手である生産者は販路を拡大でき、買い手も確実に仕入れることができるのです。

②事業投資

商社の事業投資は、企業に対しヒト・モノ・カネ・情報を投資することで、新しいビジネスを生み出し投資先の企業価値を高めます

最終的に他社へ売却等や、連結子会社の所有による「持分利益」や「配当」により利益を得ます。

商社はお金を出資するだけでなく、長年培った情報や人の投資に重点を置いていることが特徴です。

また、事業投資では市場や業界のトレンドを分析し、成長のポテンシャルを持つ企業やプロジェクトに資金を投じる観察眼も重要と言えるでしょう。

③事業経営

商社は現在、トレーディングや事業投資だけに止まらず、事業経営にまでビジネスの裾野を広げています。

事業経営では、商社の経営人材を投資先企業に派遣することで、経営改善や価値向上を直接的に支援します。

また、事業経営では市場や競合状況の分析を行い、ビジネス戦略やマーケティング戦略を策定し、財務管理やリスク管理も行います。

商社は企業の経営に直接的に関わるため、ビジネスパートナーとの信頼関係を築き、共に成功を目指すことで、その分野や業界での競争力を高めることができます。

商社業界の動向

商社の主な仕事内容を理解したら、次は商社業界の動向について見ていきましょう。

時代の変化と共に、商社のビジネスモデルも変化している上に、今後も変化を続けていくでしょう。

就活では業界の将来を見据えた上で、自分は何がしたいのか、何に貢献できるのかが問われるため、自分なりの意見を述べられるようにしましょう。

  • 市場価値は拡大中
  • DX化が広がる
  • 非資源分野への注目が高まる
  • グローバル人材の育成が課題

市場価値は拡大中

商社業界はますます重要視されており、その市場価値は拡大しています

コロナ禍以降の世界経済の回復や、「資源バブル」とも呼ばれる資源価格の高騰などを背景に、2022年度には20年前の約4倍の純利益を記録しました。

特に総合商社では、6社中5社が純利益で最高益を更新し、市場価値も大幅に上昇しました。

現在まで資源・エネルギー分野が強い商社が業績を伸ばしていましたが、資源バブルに頼らない非資源分野での経営にも注目です。

需要の拡大やグローバルなビジネスニーズの増加により、商社の存在がますます重要となっています。

DX化が広がる

商社業界は現在、変化の激しい市場環境に対応するためDX化(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。

従来は、仕入れと販売の間に立ち、仲介をすることで収益を上げてきました。

しかし、近年はECサイトなど、インターネットにより商社を介さず直接取引ができるようになったのです。

そのためDXを推進することで、顧客満足度や品質の向上、情報共有によって取引先との関係性強化を狙っています。

ビジネスプロセスの効率化やデータの活用など、デジタルテクノロジーを活用することで、ビジネスモデルの変革や効率化が期待されているのです。

非資源分野への注目が高まる

商社業界は元々資源分野を中心に取引していましたが、近年では伊藤忠や三菱商事を中心に、非資源分野の売上が上がっており、ビジネスの転換期と言えます。

このように商社各社が、資源価格の上下に左右されない、非資源分野の事業を拡大してるのです。

特にテクノロジーや情報、金融などの成長分野において、商社は積極的にビジネス展開を行っています。

収益の9割が非資源事業の伊藤忠商事では繊維、食品、小売などをビジネスにしており、三菱商事ではコンビニ事業を展開しています。

グローバル人材の育成が課題

世界に進出する商社が増えたことにより、グローバルに活躍する人材が必要になっているため、人材の育成が、現在の商社業界の課題点です。

商社にとって、決まった取引先や地域に依存せず、様々な国や地域で取引をすることで、商品やサービスの幅を広げてリスクを分散させる狙いもあります。

また、グローバル人材とは単に語学力が高いだけではなく、異文化理解、国際ビジネスの知識、企業の目的に合った活動ができるなど、多岐にわたるスキルです。

そのため、海外経験の機会提供や、海外駐在員の支援も重要でしょう。

【業界研究】5大商社を徹底解説

業界の動向について理解したところで、各社の動向について見ていきましょう。

今回は、日本を代表する5大商社についてご紹介します。

それぞれに独自の事業展開をしており強みと特徴を持つため、その違いについて理解し、自分のキャリアビジョンと照らし合わせてくださいね。

  1. 三菱商事
  2. 三井物産
  3. 伊藤忠商事
  4. 住友商事
  5. 丸紅

①三菱商事

三菱商事は、2022年-2023年の売上高は1位で日本最大の総合商社であり、世界的にもトップクラスです。

三菱商事は資源分野から事業系・市況系に転換したことが特徴で、その一環としてローソンを子会社化しています。

また、AIで食品需要の予測をメーカーや食品卸、小売に共有し、在庫の最適化を測るなど、DXによる食品流通の改革をしています

他にもエネルギー、化学品や自動車など多様な事業を展開しているほか、人権や多様性などのコンプライアンスやリスク管理などにも注力しています。

②三井物産

三井物産は「人の三井」というワードを打ち出しており、「個」を非常に尊重している社風と言えます。

また、配属についても柔軟に対応される点では、商社の中では珍しいでしょう。

事業では特に資源分野の利益が6割を占めており、資源利益は業界最大です。

金属分野やエネルギー分野に強みをもっており、今後はクリーンエネルギー分野へ転換していくと考えられます。

また、ヘルスケア領域にも注力しています。

アジア最大の病院グループであるIHHヘルスケア社に出資をしており、医療サービスへの事業展開も行うと発表されています。

③伊藤忠商事

伊藤忠商事は非資源分野でのビジネスは利益全体の9割以上を占めており、特に食品や繊維、機械分野に特に強みを持つ総合商社です。

現在では、「情報・通信部門」に力を入れており、3つの強みを持っています。

1つ目はIT領域のトップ企業との提携、2つ目は今までの実績を元にした豊富な顧客接点、3つ目は40年以上に渡りシリコンバレーの有力企業と協業してきたビジネス開発力です。

伊藤忠商事のDX事例として、ファミリーマートがあります。

「ファミペイ」導入やデジタルサイネージの設置、AIカメラによる顧客分析などを行い、消費者との接点を密にするのを狙いとしたDXを推進しています。

④住友商事

住友商事は資源開発と製造業に強みを持つ総合商社であり、堅実な社風であることが特徴です。

業界に先駆けて、リスク管理の手法を取り入れてきたことからも、「信用第一」の精神で安定した経営をしてきたことが分かります。

そんな住友商事の強みの一つがデジタル・メディア事業です。ケーブルテレビのJ:COMと提携しており、テレビメディアを持っている競合他社は他になく、力を入れていることが分かります。

しかし、現状でも資源開発事業に注力しているため、資源価格による変動は受けやすいと言えます。

⑤丸紅

丸紅は、金属部門と食料部門に強みを持つ総合商社です。

社風としては、5大商社の中では比較的風通しが良く、年功序列が弱い傾向にあります。

若いうちにチャレンジする姿勢が根付いているため、とにかく最初から何事も挑戦したいという熱意をアピールすると良いでしょう。

丸紅は加工前の肉類や穀物を得意としており、特に穀物は国内の取扱量1位になっています。

また、今後はグリーン・エコ部門を強化して業界のトップに立つという目標を掲げ、脱炭素や環境負荷の低減を追及していく方針です。

商社業界の求める3つの人物像

業界について解説してきましたが、商社は多種多様な業界や人と関わることが特徴です。

商社業界に向いている人の特徴や、求められる人物像を知ることは、就活で必須です。

これからご紹介する、商社が求める人物像と、自分の性格や適正を照らし合わせ、選考でアピールできるようにしておきましょう。

  1. コミュニケーション能力が高い人
  2. 行動力がある人
  3. チームで働ける人

①コミュニケーション能力が高い人

商社が求める能力として、コミュニケーション能力の高さが最も重要と言っても過言ではありません。

商社は企業や人の橋渡しの役割であり、取引や交渉が主な仕事内容であるため、コミュニケーション能力は必須なのです。

社内外の、年代や業種、国籍の異なる相手と率先してコミュニケーションを取れる人は、入社後のキャリア形成でも有利になってきます。

コミュニケーションを通じて信頼関係を築いて活動したエピソードを用意しておきましょう。

②行動力がある人

商社は国内外の流通だけでなく、企業に対して資金や人材、情報を提供する立場でもあります。

幅広い事業や業務に対応するために、常に主体的な行動力が求められます。

受け身にならず、自ら情報を掴んでいける人や、海外との取引など慣れない場面でも果敢に挑戦できる姿勢が、商社で活躍するには必要です。

また、商社では先輩や上司から、いかに仕事を教えてもらえるかが非常に重要になります。

そのため、社内での人間関係構築のためのフットワークの軽さも必要でしょう。

③チームで働ける人

商社は長期的なプロジェクトにチームで取り組むことが多いため、1人で完結する仕事はほとんどありません。

観察力や協調性、相手の気持ち汲み取り先回りできるなどの素質は、仕事を円滑に進める上で非常に重宝されます。

チームの中で、自分はどのような役割で貢献することができるのか、自己分析で明確にしておくと説得力を持ってアピールできます。

このような点からも、1人で成し遂げた経験だけでなく、チームで活動した実績をアピールに盛り込みましょう。

商社業界は各社の事業展開に注目しよう

商社の事業は、時代の流れとともに常に変化し続けており、トレンドは業界を通して共通しています。

しかし企業ごとに細かく見ていくと、各社独自の方針や事業展開を打ち出しています

就活で商社を希望している人は、企業研究を深め自分のキャリアビジョンを明確にしてくださいね。

若林

このメディアの監修者

若林

青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。

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