文具業界に関心を持ちつつも、業界の動向が気になったり、将来性を気にしたりする人もいるのではないでしょうか。
どういった企業があるのか、そもそも文具業界に向いている人がいるのかも気になるところですよね。
そこで本記事では、文具業界のトレンド解説と代表的な企業の概要をまとめました。文具業界を志望している人はぜひ参考にしてください。
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文具業界の主な種類
文具業界が取り扱っている商材は、筆記用具や事務用品などの文具だけとは限りません。文具業界は次の2種類に分類できます。
- 総合型
- 専門型
本記事の「文具業界の主要企業6選」で紹介している企業を分類しているので、気になっている企業がどちらに当てはまるのか、どのような傾向があるのかチェックしてみてください。
①総合型
総合型に分類される企業は筆記用具や文具・事務用品にこだわらず、幅広い商材を企画開発しています。本記事で紹介している大手企業のうち、総合型として挙げられるのは以下の3企業です。
- コクヨ
- パイロット
- 三菱鉛筆
総合型の場合は、コクヨのようにメインとなる商材があるパターンと、パイロットのように定番筆記用具も積極的に企画しているパターンがあります。
いずれのパターンでもペンケースやファイル・ノートなど、文具に欠かせないアイテムを扱っているのが特徴です。
②専門型
専門型の場合は、事務用品のみ、筆記用具のみに特化しています。本記事で紹介している大手企業のうち、専門型として挙げられるのは以下の3企業です。
- トンボ
- ぺんてる
- ゼブラ
例として挙げた大手文具企業では、生徒が使うような筆記用具がメインの商材となっています。一般的に知られている筆記用具の多くが専門型企業の商品です。
企業研究や志望動機で他社と比較する際には、こだわっている性能や構造、看板商品がその企業にとってどのような存在なのかをリサーチすることで、独自性が見えてきますよ。
文具業界の主な職種を3種類紹介

文具業界には必ず次の3種類の職種があります。
- 企画
- 営業
- 生産
各職種の具体的な仕事内容を紹介しているので、希望の職種がある人は確認してみましょう。
①企画
企画職では、顧客のニーズを探るためのマーケティングが欠かせません。流行や「こんなものが欲しい」という声に敏感な人が向いているでしょう。
企業によっては、商品の企画と販売の企画が分けられている場合も。商品企画には独自性や需要に合う商品が求められます。
一方、販売企画の場合はWeb・イベントなどで新商品やブランドそのものを広めることが目的なので、マーケティング力や戦略的な広報が求められますよ。
②営業
営業職は販売店への提案・交渉のほか、企業への販促業務やコスト削減などの課題に対して提案を行います。幅広い顧客を対象にしているのが特徴です。
販売店に対する提案には、製品のディスプレイやデモ販売の方法などがあります。販売店が抱えている課題を把握するためにはコミュニケーション能力が不可欠です。
また、企業によっては情報収集や海外への出荷・販促業務を行う場合もあります。営業職希望者は、志望企業の採用ページにて詳細を確認しておきましょう。
③生産
生産職は、安定した大量生産のための機械整備や作業工程の改善が主な仕事内容です。企画職とつながりがあり、試作開発に携わることもあります。
生産職の場合はシステム管理や技術改善などの技術系と、生産量のコントロールや原価管理などの事務系に分類されるため、理系のみ応募可能とは限りません。
企画職だけではなく幅広い部署と関わりが必要になるため、技術系であってもコミュニケーション能力が求められるでしょう。
文具業界の市場規模とトレンド

文具業界の将来性を知るためには、市場規模やトレンドの調査は欠かせませんよね。文具業界を調査するうえでのポイントは次の4点です。
- 業界規模は2.5兆円
- 少子高齢化によって需要が低下している
- デジタル化が進む市場
- 海外展開が注目される
各ポイントについて詳しく解説しているので、就活の参考にしてください。
業界規模は2.5兆円
2020年はやや減少傾向が見られましたが、以降年々増加しており、2022年の時点では業界規模は2.5兆円になっています。(参考:https://gyokai-search.com/3-bungu.html)
なかでも文具販売額の推移を確認すると2020年に減少したものの、2021年には2019年の9割ほどの水準まで回復していました。
大手企業のほとんどは、筆記用具に固執せず第2の柱となる事業を展開しています。就活では、全体の業績だけではなく事業ごとでの業績も確認が必要です。
少子高齢化によって需要が低下している
本来、シャープペンシルや消しゴム・糊などの筆記用具の主なターゲット層は子どもでしたが、少子化によって需要は年々低下の傾向が見られます。
そこで文具業界では、SNSで話題になるようなアイデア商品やユニーク文房具の開発がより活発になりました。ターゲット層も社会人や海外にまで拡大しています。
ヒット商品を数多く生み出している大手企業こそ独自性が求められているので、自分ならではの発想力をアピールしてみてください。
デジタル化が進む市場
文具業界におけるデジタル化は、主に2パターン挙げられます。ひとつがデジタル対応の商品、もうひとつが販売方法や宣伝手段のデジタル化です。
専用のペンとノートで書いた文字がスマートフォンに送信できる商品や、勉強の進行度によってゲームができるアタッチメントなどがあるので、チェックしておきましょう。
店舗販売や企業営業を中心とした販売方法がメジャーな文具業界ですが、メーカー公式サイトも年々充実しているので、各企業のコンテンツを確認してみてください。
海外展開が注目される
日本の文房具は海外でも人気が高いため、大手企業は海外展開に積極的です。前述のとおり国内では少子化の影響で需要が下がっていることも、海外進出の後押しをしています。
とくにアジアを中心に海外への販売・生産設備を進めている企業がほとんどです。たとえばコクヨでは、中国での女子中高生をターゲットにした「中国女子文具」を提案していますね。
企業によっては、ドイツ・アメリカなどの欧米との貿易に力を入れているので、自分が求めている働き方や環境に近い企業をピックアップしましょう。
文具業界の主要企業6選

文具を取り扱う企業は多数ありますが、ここでは大手企業6社について詳しくみていきます。
- コクヨ株式会社
- 株式会社トンボ鉛筆
- 株式会社パイロットコーポレーション
- ぺんてる株式会社
- ゼブラ株式会社
- 三菱鉛筆株式会社
企業の規模や事業内容などの就活に役立つ情報をまとめているので、ぜひ応募企業を選ぶ際や企業研究をする際の参考にしてください。
①コクヨ株式会社
創業 | 1905年(明治38年)10月 |
従業員数 | 単体:2,062名、連結:6,864名(2022年12月末) |
資本金 | 158億円 |
事業内容 | 文房具の製造・仕入れ・販売 オフィス家具の製造・仕入れ・販売、 空間デザイン・コンサルテーションなど |
主な文具 | キャンパスノート(1975年発売)、カドケシ(2003年発売)など |
個人の顧客に対しては「KOKUYO ME」など自分らしさに着目した商品を販売、企業に対しては「働く」ことに注目した家具や空間デザインに携わっています。
コクヨでは求める人物像として、「こだわる・工夫する」「楽しむ・面白がる」「誠実である・チームで協業していく」の3つのキーワードを掲げています。
志望意欲が高い人は、「20%チャレンジ」という社内複業をチェックしておきましょう。異動をせずに別部署の業務が体験できるため、キャリア形成の足がかりにもなります。
②株式会社トンボ鉛筆
創立 | 1913年(大正2年)2月 |
従業員数 | 単体:537名、連結:2,167名 (2022年10月末) |
資本金 | 9,000万円 |
取り扱い製品 | 文房具 学習用練習具 化粧品 |
主な文具 | MONO消しゴム(1969年発売)、暗記ペン蛍光(1974年)など |
書く・消す・貼るの3つを事業の柱としているトンボですが、メイドインジャパンにこだわっている化粧品部門も注目ポイントです。
トンボでは、採用ページにて企業への理解と共感を求めています。OB・OG訪問や説明会にて企業理解を深める機会が設けられているので、志望者は必ず参加しましょう。
なお、アメリカ・ドイツ・中国に海外拠点を置いているトンボでは、語学力を持つ人物が重視されているため、語学や文化に精通している人は重宝されますよ。
③株式会社パイロットコーポレーション
創立 | 1918年(大正7年)1月27日 |
従業員数 | 1,059名 |
資本金 | 23億4,072万8,000円 |
事業内容 | 筆記具等のステイショナリー用品 玩具 リング等の貴金属アクセサリー セラミックス部品等の製造・仕入・販売 |
主な文具 | フリクション(2007年発売)、万年筆カクノ(2013年発売) |
パイロットは文具以外では、「メルちゃん」「スイスイおえかき」などの玩具や、万年筆の技術をもとに製造された宝飾品なども取り扱っています。
パイロットでは求める人物像として、「グローバルな視点」「発展的コミュニケーション」「実現のために自ら行動する」を挙げています。
語学・財務知識などの通信講座やeラーニングなどのスキルアップ支援を行っているので、明確なキャリア形成がある人にとって働きやすいでしょう。
④ぺんてる株式会社
創立 | 1946年3月 |
従業員数 | 単体:660人、連結:2,773人(2022年度) |
資本金 | 4億5,000万円 |
事業内容 | 文具事務用品(画材、筆記具など)の製造販売 電子機器(タッチパネル、タッチスイッチ、ペンタブレットなど)の製造販売 産業用ロボット、産業用自動組立機、射出成形用精密金型、精密ハンドプレスの製造販売 化成品関連製品(化粧品部品、医療機器など)の製造販売 |
主な文具 | サインペン(1963年)、ぺんてる修正液(1983年)など |
ぺんてるでは、企業の理念や文化に共感できる人・成長できる人が求められています。もちろん、積極的に行動することも大切です。
またぺんてるは人材育成の一環として、ジョブローテーションを採用。さまざまな部署に就けるため、希望する職種が決まっていない人にぴったりのシステムですよ。
ぺんてるは、サインペンやペンタッチ式の修正液などの新製品を数多く開発しています。公式サイトでは製品開発ストーリーが漫画になっているので、ぜひチェックしてみてください。
⑤ゼブラ株式会社
創業 | 1897年(明治30年) |
従業員数 | 2,148名(2023年3月時点グループ計) |
資本金 | 9,000万円 |
事業内容 | ボールペン・シャープペン・マーカーなど各種筆記具の開発・ 製造・販売 |
主な文具 | ハイマッキー(1976年発売)、サラサ(2000年発売)など |
創業以来ボールペンに特化してきたゼブラですが、現在では三菱鉛筆・パイロットとともにボールペンのシェアが高い企業です。
ゼブラでは、主体的に動ける人物・「人の和」に共感できる人物を求めています。また、どのメーカーにも言えますが、仕事内容に関心を抱けることも重要な要素です。
ゼブラの働き方は、育児や介護との両立に重きを置いたスタイルが特徴的。育児・介護従事者に対しては、週2日までの在宅勤務や地域限定職などを設けています。
⑥三菱鉛筆株式会社
創業 | 1887年(明治20年) |
従業員数 | 単体:566名 グループトータル:2,708名 |
資本金 | 44億9,700万円 |
事業内容 | 筆記用具事業 産業資材事業 化粧品事業 |
主な文具 | ジェットストリーム(2006年)、クルトガ(2008年)など |
筆記用具の開発で生まれた技術は、カーボンや光ファイバー接続部品などの産業資材や、子会社の化粧品ブランド「ユニコスモ」の商品に活用しており、筆記用具以外にも積極的な企業です。
三菱鉛筆では、創造性・チャレンジ精神・コミュニケーション能力が求められます。自ら考えて積極的に動ける人は好印象になるでしょう。
ちなみに、三菱鉛筆が提供する福利厚生メニュー「ユニフリーチョイスプラン」では、育児介護支援や自己啓発支援・余暇活動支援などがあります。
文具業界に求められる人の3つの特徴

応募するうえで、自身に適性があるのか気になっているのではないでしょうか。ここでは、文具業界に向いている3つの特徴を紹介します。
- 文房具が好きな人
- アイデアマン
- 流行に敏感な人
具体的にどんな人なのかを解説しているので、自身の強みと照らし合わせてみてください。
①文房具が好きな人
もっとも重要だと言っても過言ではないのが、文房具への関心です。本記事の「文具業界の主要企業6選」で紹介した企業は、どれも商品への興味がある人物を求めていました。
文具業界ではボールペン商材の割合が最も高いので、少なくともボールペンについての知識は深めておきましょう。企業公式サイトでは、商品の開発秘話をまとめていることもあるので必見です。
同じ水性ボールペンだとしても、メーカーによって魅力やこだわりは異なります。企業研究では、企業そのものだけではなく、商品の研究も行ってくださいね。
②アイデアマン
文具業界では、ボールペン・消しゴムなど同じ商材を扱うことになります。いかに他企業と差をつけるのかを考えるうえでは、柔軟な発想が不可欠です。
また、既存の商材にオリジナル性をつけるだけではなく、ぺんてるのように新たな商材を生み出す必要が出るかもしれません。
チャレンジ精神とは積極性だけではなく、諦めない粘り強さも指しています。めげずに新たな企画を考えられる人はアイデアマンと言えるでしょう。
③流行に敏感な人
独自性があっても、需要が無いと利益につながりません。そのため発想力だけではなく、流行に対して敏感な人も求められます。
大手企業を中心に海外への販路拡大が進んでいるなかでは、国内だけではなく海外の流行も積極的に知っていく必要があります。
文具はどの職業でも使うアイテムなので、一見文具業界と関連が無い意外なニュースがアイデアのもとになるかもしれませんね。
文具業界に就職したい時の2つのポイント

文具業界の企業研究をする際には、最低限2つのポイントは押さえておきましょう。
- 文具業界の現状を理解する
- なぜその企業を志望するのかを明らかにする
各ポイントでは、具体的にどのような内容を把握すればよいのかをまとめているので、就活の参考にしてください。
①文具業界の現状を理解する
文具業界への就職を考えている人は、まずは文具業界の近年の動向やトレンドを把握しましょう。イメージしている業界像と現状は異なっている可能性もあるので、現状把握は必須です。
業界の課題を知ることで、アピールしようと思っている強みは活かせるのか、入社後どのような貢献ができるのかがより具体的に想像できるようになります。
業績向上や話題性などポジティブな情報だけはなく、業界または企業が解決しなくてはいけない課題など、マイナス情報も収集して自身の考えをまとめておくと就活で役に立ちますよ。
②なぜその企業を志望するのかを明らかにする
なぜその企業に応募したのかは必ず質問される内容なので、志望動機を考える際に明確にしておきましょう。
具体的には、その企業に入社して何をやりたいのか、志望度が高い場合はなぜその企業が良いのかを明言すると、志望意欲が企業側に伝わります。
文具業界では多くの企業が看板商品を抱えているので、商品への関心が志望動機の人はとくに入念に商品研究を行うと良いですよ。
文具業界の動向を確認しておこう
文具業界への就職を希望している人は、業界の動向やトレンドをかならずチェックしてください。
また、商品研究も行うことで、ライバルと差をつけた就活が可能になります。ぜひ文具への関心を武器に選考を突破してくださいね。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。