金融業界はさまざまな人や企業のお金に関わる仕事を行っている業界です。
しかし、具体的にどんな職種や業種があるのかはっきりと思い浮かばない方もいるでしょう。
本記事では、金融業界の概要や10種類の業種・今後の展望・向いている人の特徴について解説します。金融業界について理解を深め、自分に向いているか知りたい方はぜひご覧ください。
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金融業界とは|様々な形でお金と関わり経済を支える

金融業界とは、金融事業を展開している金融機関や企業などが属する業界を指す言葉です。
お金に関わる仕事を対象としているため、企業の種類や職種が幅広いといった特徴があります。
有名な業種としては銀行業が挙げられますが、株式を取り扱う証券業・生命保険などを扱う保険業・リース販売に関わる業種などもあるのがポイントです。
金融業界は主に手数料によって利益を得ていていますが、株式や金融商品の情報をもとにアドバイスする事業でサービス料を得ている企業もあります。
金融業界の業種を10個紹介

金融業界の業種について確認すれば、具体的にどんな事業が展開されているのか把握しやすくなるのが利点です。ここでは、10個の業種を紹介します。
- 銀行
- 証券会社
- 保険会社
- クレジットカード会社
- 信販会社
- 政府系の金融機関
- 不動産金融
- リース会社
- ベンチャーキャピタル
- アセットマネジメント
①銀行
銀行は個人法人を問わずお金を預かるサービスを提供し、預かったお金をもとに貸し出すサービスで金利を回収して、利益を得る事業です。
国内だけでなく海外にも進出してさまざまな事業を展開するメガバンクのほか、特定の地域をメインに進出して綿密なサービスを提供する地方銀行などが含まれます。
また、組合が出資することで生まれる信用金庫も銀行の種類の1つです。
財産を受託者に移動させて管理する業務や相続業務、不動産売買の仲介業務を行う信託銀行も銀行として数えられます。
②証券会社
証券会社は企業が発行した有価証券を取り扱い、顧客と証券取引所を取り次いで手数料から利益を得る事業を展開しています。
また、会社が保有している金融商品を会社自らが取引して、利益を得る場合もあるのがポイントです。
株式ごとの評価や金融市場の将来性を調査し、データをもとに顧客に適した製品を営業する業務も担当します。
会社によっては、株式だけでなく投資信託商品も取り扱っているのが特徴です。
③保険会社

保険会社は生命保険を取り扱う会社と、損害保険を扱う会社の2種類に分かれています。
生命保険会社は多くの顧客を対象としてお金を出し合ってもらうことで多額の準備財産を用意し、保険金や給付金を支給する事業を行っているのが特徴です。
また損害保険会社では、自動車保険・火災保険・地震保険・傷害保険・賠償責任保険などを扱っています。
生活の中で発生する可能性がある、もしもの事態に備えるための保険事業を展開しているのがポイントです。
④クレジットカード会社
クレジットカード会社は決済機能に関わる国際ブランド会社・管理や発行を行うカード発行会社・加盟店を増やして管理する加盟店管理会社の3種類に分類可能です。
国際ブランド会社では世界でも使えるカード決済サービスを提供していて、海外の地域ごとにシェア率が異なる5つのブランドを取り扱っています。
また、加盟店管理会社は売上データをカード発行会社に渡し、加盟店に対して売上代金を渡す事業も担当しているのが特徴です。
⑤信販会社
信販会社はショッピングローン事業やクレジットカード事業を展開しています。
クレジットカード会社と似た事業を取り扱っていますが、クレジットカード以外の事業も担当していて、融資の範囲が広いことが主な違いです。
信販会社は信用購入あっせん事業として、商品の代金の立替払いサービスを展開していますが、銀行のように預金を受け入れる事業はしていません。
銀行よりもスピーディに融資を進められることが多いのが強みです。
⑥政府系の金融機関

政府系の金融機関は政府によって作られた銀行で、ビジネスモデルは普通の銀行と共通しています。
機関のうちの1つである日本政策金融金庫では、農林水産業への支援や国民への教育ローンの提供、中小企業の海外進出支援などを行っているのがポイントです。
また政府が出資している国際協力銀行では、国産事業発展のための出資や融資、国際金融の安定化事業、海外資源を開発する事業などが展開されています。
民間と政府共同で出資せず、政府のみで出資しているのが特徴です。
⑦不動産金融
不動産金融業では、不動産を証券に変換して資金調達を行う事業や不動産投資事業が行われています。
不動産所有者や金融機関、投資家の間を取り持って証券化がスムーズに進行するようサポートする業務などがあるのが特徴です。
また、長期的に利益を生み出しやすい不動産投資によって事業再生を支える業務もあります。
不動産に関係する新規出資先や融資先を増やすために営業する場合もあるのがポイントです。
⑧リース会社
リース会社は事業や生活で使う器具や設備を長期間貸し出すサービスを提供しています。
またリース事業には2種類あり、途中で解約できないファイナンスリースと必要期間だけ契約できるオペレーティングリースがあるのが特徴です。
物件や器具を提供者から購入し顧客に貸し出して、リース料金から利益を得ます。
また、リース期間中の故障などに備えて保守契約の取り次ぎを行うなどの事業も行っているのがポイントです。
⑨ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルはまだ上場していない企業のうち、成長性がある企業に対して投資を行う事業を展開しています。
企業が新しい事業を始める際の資金を提供する代わりに企業の株式の一部を取得して、上場時に株式を売却した時の差額から利益を得るのが特徴です。
投資した企業が成長できるよう、経営についてアドバイスを行い、必要に応じて役員を派遣するなどのサポートを行う事業も行います。
⑩アセットマネジメント
アセットマネジメントとは資産を本来管理する者に代わって資産運用を行う事業を指します。
主に投資信託と顧問信託の2種類に分類でき、投資信託では投資家から得た資金をもとに運用した結果得た利益を分配する事業を行うのが特徴です。
顧問信託では投資家から相談を受け付けてアドバイスを行いますが、企業によって情報提供方法が異なります。
投資先を細かく指定してアドバイスしたり、会員を対象としてレポートを送ったりと違いがあるのがポイントです。
金融業界の主な職種7つ

金融業界の職種について知っていれば、どんな業務に携わることになるのか想像しやすくなります。主な職種は、以下の7つです。
- 営業
- バックオフィス
- 融資・資産運用マネージャー
- 証券アナリスト
- アクチュアリー
- ファイナンシャルアドバイザー
- プライベートバンカー
①営業
営業は金融商品を投資家に向けて紹介し、元手となる資金を大きくして利益を高める業務を行います。
企業向け営業と個人向け営業の2種類があり、企業向けの場合は事業状況や会社の課題に適した投資先を提案して経営のサポートを行うのが特徴です。
また、個人向け営業の場合は個人の投資家が対象となり、一人ひとりのニーズや悩みを汲み取って最適な商品を紹介する必要があります。
コミュニケーション能力が重要になる業務です。
②バックオフィス
バックオフィスは事業で発生した契約に関する処理を行う職種です。
銀行や信託銀行、アセットマネジメント会社、証券会社など、さまざまな会社で必要とされる職種になっています。
契約に必要な書類の用意・運用する商品の管理・要求された取引の処理・投資した元本のチェックや管理などを行うのがポイントです。
会社の信用問題に関わる業務を担当するため、責任感があって丁寧に仕事ができる人材が求められる傾向があります。
③融資・資産運用マネージャー

融資・資産運用マネージャーは、投資家や企業などから預かった資産を運用して利益を生み出す業務を担当します。
融資専門のマネージャーは会社に所属し、会社の資金を適切な法人や個人に融資して利益を得ることが求められるのが特徴です。
資産運用マネージャーの場合はコンサルティング業務も担当し、資産を元手として株式などに投資し、差額から利益を生み出します。
どちらもある程度キャリアを積まないと就けない職種となっているのがポイントです。
④証券アナリスト
証券アナリストは企業の株式や金融業界の動向や将来性を調査し、分析して情報提供を行う職種です。
全体を調査するエコノミストとは異なり、株式ごとや業界ごとに詳しく調査を行います。
投資家や企業が抱えている課題に適した投資先を勧められるようサポートする役割があるのが特徴です。
また、ただ数値などのデータをもとに分析するのではなく、企業の説明会などに参加して実際に自分でデータを集めに行く場合もあります。
⑤アクチュアリー
アクチュアリーは支払金額や保険料などを計算し、保険会社や年金制度をサポートする職種です。
経済だけでなく、医療や災害などの側面から統計学を活用して保険料金を計算するなど、専門性が高い業務を担当します。
高難易度の試験をクリアしないと就けない分、全体の人数が少ない職種となっていて、一人ひとりにかかる責任が重い職種です。
また、データから正確に情報を抽出して金額の計算に取り入れる必要もあります。
⑥ファイナンシャルアドバイザー

ファイナンシャルアドバイザーとは、個人を対象に相続・資産運用・土地運用などの相談を受けて、問題を解決するために提案する業務を担当する職種です。
株式だけでなく不動産や債券、保険制度などさまざまな分野の商品に対して知識を深める必要があります。
金融機関に所属して顧客に対してアドバイスを行うだけでなく、アドバイザーとして独立しながらコンサルティングを行うスタイルもあるのがポイントです。
⑦プライベートバンカー
プライベートバンカーは1億円以上の資産を持っている富裕層専属のコンサルタントとして資産を管理し、運用する業務を担当します。
個人とその一族に対して専属となるため、場合によっては生涯同じ顧客に対して業務を遂行することもあるのがポイントです。
また、顧客が展開しているビジネスについてアドバイスを求められたり、相続問題の解決をサポートしたりとさまざまな業務を担当する場合もあります。
金融業界の今後の展望

金融業界の今後の展望を確認すれば、就活をする上で必要な業界分析を進めやすくなります。
金融業界は規模が大きく安定している分、就活生からの人気も高いです。ここでは、業界の今後について3つのポイントに分けて説明します。
- FinTechの導入
- マイナス金利政策による資金運用の難化
- 積極的な海外進出
①FinTechの導入
今後の金融業界では、FinTechの導入が進んでいきます。
FinTechとは、financeとtechnologyを組み合わせた造語で、IT技術を活用した決済サービスやセキュリティサービスなどを指す言葉です。
AIやソフトウェアの連携に役立つAPIなどを活用したFinTechも増加していくことが見込まれます。
保険業界ではインシュアテックと呼ばれる場合もあり、窓口に行かずに在宅で自分に適した保険商品を探せるサービスなどに活用されているのが特徴です。
②マイナス金利政策による資金運用の難化
近年はマイナス金利政策によって、金融業界における資金運用の難化が進んでいます。
マイナス金利政策やコロナウィルスなどを原因として、業界全体の業績が6%前後減少しているのが特徴です。
マイナス金利政策は、2023年7月においても適用されると日本銀行が発表しました(参考:日本銀行)。
今後も少なからず政策による影響を受けることが見込まれるため、安定していると言われる金融業界においても、政治の動向は注視する必要があります。
③積極的な海外進出

金融業界のうち、銀行や保険などは国内市場が飽和状態となっているため、積極的に海外進出を行うことが見込まれます。
海外進出には拠点の設定や現地での体制整備が必要になりますが、これまではヨーロッパや中国への進出が多かったのに対し、今後は東南アジアへの進出が進むのがポイントです。
また、海外進出を進める企業に対し融資を行う事業なども需要が高まっていて、グローバル化をサポートする事業を展開している銀行もあります。
金融業界に向いている人の特徴一覧

金融業界に向いている人の特徴は、以下の4つです。
- 細かい部分までチェックできる
- 責任感がある
- 提案力がある
- 柔軟性がある
金融業界では信頼性が重要視されるため、細かなデータであっても見落とすことなく最後まで責任感を持って業務を進める必要があります。
また状況に応じて柔軟に考えられるスキルを持っていることも重要です。知識を活用して顧客にとって適した提案ができれば、営業を有利に進められます。
業界研究を重ねて自分に合った金融業界の企業を見つけよう
業界研究を重ねて、自分に合った金融業界の企業を見つけることが大切です。
金融業界には銀行やクレジットカード会社、証券会社などのさまざまな企業が属しています。
金融業界に向いたスキルを持っているか確認して、自分に適した企業の情報を集めましょう。
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。