就職活動の面接でよく質問されるのが「大学で学んだこと」です。何を学び、どう活かすかを伝えられば、好印象を与えられます。
しかし「大学で学んだことをどう伝えればいいの?」「そもそも学んだことって何をアピールすればいいの?」と悩みますよね。
本記事では、大学で学んだことを面接で聞かれた時のポイントを紹介します。学部別の例文も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
企業が「大学で学んだこと」を聞く理由を解説
そもそも、なぜ企業は「大学で学んだこと」を聞くのでしょうか?まずは理由を3つ紹介します。
①知識や能力の有無を確認するため
大学で学んだことを企業が聞く理由のひとつは、知識や能力の有無を確認するためです。質問を通して、業務遂行に必要な基礎知識やスキルがあるかを確かめています。
たとえば、経済学を学んだことで市場トレンドを分析した経験があれば、戦略を立案する能力を持っているとわかりますし、プログラミングスキルを持っていれば、IT系のスキルが高いと推測できるでしょう。
このように、企業は大学で学んだ成果を通じて、仕事に活かせるポテンシャルを把握し、チームや会社の成功に貢献できる人材を採用したいという意図があるのです。
②学習への取り組み方を知るため
学生の学習への取り組み方を知ることも、理由のひとつでしょう。なぜなら、仕事では日々新しい知識やスキルを身につけ、実践することが求められるからです。
企業は学生が学ぶことを楽しんでいるか、学習における継続的な成長意欲があるかを知りたがっています。
知識やスキルだけでなく、学習に取り組む姿勢も見られていることを頭に入れておきましょう。
③求める人材像に合った学びをしてきたかを知るため
大学で学んだことを企業が聞く理由として、会社が求める人材像に合った学びをしてきたかを知るためです。企業の目標やニーズにマッチした学びができていれば、印象が良くなるでしょう。
具体的には、リーダーシップスキルやプロジェクト管理、コミュニケーション能力の向上、クリエイティブな問題解決の学習などが挙げられます。
必ずしも企業に合う学習を話さなければならないわけではありません。ただ、高評価に繋がることもあるので、自分の学びと企業が求める人材像を照らし合わせてみてくださいね。
大学で学んだことの適切なテーマを紹介
就職活動で「大学で学んだこと」を聞かれたとき、どの内容を伝えるべきか悩みますよね。
特に、講義やゼミといった学業だけでなく、サークルや学内イベントなども候補に挙がると、選びきれず困るケースも多いでしょう。
ここでは、企業からの評価につながりやすく、「大学で学んだこと」として伝えやすい代表的なテーマを紹介します。自身の経験を振り返る際の参考にしてください。
- 講義|知識の吸収だけでなく、考える力や興味関心をどう伝えるか
- ゼミ|能動的に取り組んだ姿勢や議論・発表経験をアピール
- 学内イベント|企画・運営側での経験があるなら主体性の証明に
- 実習|現場での経験をどう振り返り、何を得たかを伝える
- 研究|課題発見・解決力や専門性を論理的に伝える
① 講義|知識の吸収だけでなく、考える力や興味関心をどう伝えるか
大学での学びを伝えるうえで、基本となるのが講義です。
しかし、「〇〇の講義を履修しました」と述べるだけでは、印象に残りにくいでしょう。就活では、その講義を通じて何を考え、どう行動したのかが評価されます。
たとえば経済学部であれば、経済政策に関する講義で得た知識をもとに、自分なりに調べてディスカッションに参加した経験などを選ぶと良いです。
興味関心を深めようとする姿勢や知識を応用した経験を示せれば説得力のある伝え方ができますよ。
② ゼミ|能動的に取り組んだ姿勢や議論・発表経験をアピール
ゼミは、自発的な学びが必須なので、「大学で学んだこと」をアピールしやすいでしょう。
たとえば、テーマ設定から文献調査、ディスカッション、発表までを通して、論理的思考力や対話力を高めた経験は、多くの企業で評価される傾向にあります。
ゼミ内での役割や工夫した点にも触れると、チームでの連携や主体性をアピールできますよ。
③ 学内イベント|企画・運営側での経験があるなら主体性の証明に
学業以外の経験をアピールしたいと考える人もいるでしょう。そうした場合、学内イベントの企画・運営経験などで、主体性や責任感、学んだことを伝えることも可能です。
たとえば、学園祭やオープンキャンパスで実行委員として活動し、チームと協力して企画を成功に導いた経験などがあります。
学内イベントをガクチカにする際には、その経験で得た学びを整理し、業務との関連性を示すことが大切です。
④ 実習|現場での経験をどう振り返り、何を得たかを伝える
教育・医療・福祉などの分野では、実習を通じて現場を経験する機会があります。専攻分野で「大学で学んだこと」を伝えたい方は、実習の経験を書くと良いでしょう。
ガクチカを伝える際は、実習で直面した課題や現場で得た気づきを自分なりにどう受け止めて行動に移したのかを明確することが大切になります。
また、実習から得た視点や価値観を志望する業界と結びつけて伝えることで、説得力のあるガクチカを書くことができますよ。
⑤ 研究|課題発見・解決力や専門性を論理的に伝える
理系の学生や専門性の高い学部に所属している方は、「大学で学んだこと」に卒業研究や個別研究を選ぶと書きやすいでしょう。
研究の目的、手法、結果までの流れを整理して伝えることで、課題解決力や論理的な思考力を具体的にアピールできます。
研究内容が志望業界と直接つながらなくても、物事を深く掘り下げる姿勢や、試行錯誤の過程は企業からの評価につながるはずです。
大学で学んだことの見つけ方
ここまで読んだ人の中には「アピールできるような学習経験はない」という人もいるでしょう。そこで、大学で学んだことの見つけ方を紹介します。
①履修した科目を並べてみる
まずは、大学で履修した科目を並べてみましょう。自分の学びの軌跡を整理することで、得意分野や興味を再認識できます。
大学時代の学びは、自分の成長や将来の方向性を明確にする重要な手掛かりです。1年生時から振り返り、大学で学んだことを見つけてみましょう。
②共通して学んでいる部分を見つける
履修した科目内容の中から、共通して学んでいる部分を見つけることもおすすめです。
各科目には選んだ理由もありますよね。共通点を見つけて、自分の興味関心や学習意欲をアピールできる要素を探しましょう。
その際、単に科目のリストを挙げるだけではなく、なぜその科目に興味を持ち、どのようなことを学んだのか探ることが重要です。
③得意科目と苦手科目とその理由を振り返る
大学で学んだことの見つけ方のひとつは、得意科目と苦手科目は何か、得意不得意の理由を振り返ることです。自分の得意科目は興味関心が高く、学びが楽しいと思える分野である可能性が高いからです。
逆に、苦手科目はあなたの向き不向きを理解するチャンスでもあります。苦手科目の理由を洗い出すことで、克服すべき課題や成長のポイントを発見できるでしょう。
なぜ得意・苦手なのかを言語化することは、仕事の向き不向きの分析にも役立つため、一度洗い出すことが重要です。
④ゼミ・卒論・研究内容を振り返る
ゼミ・卒論・研究内容を振り返ることも一つの手段となります。ゼミや卒論で取り組んだテーマや課題は、深い関心を持って研究した結果であるため、学んだこととして伝えやすいからです。
ゼミや卒論では、調査方法、データ分析、論理的思考、プレゼンテーションスキルなど、様々なスキルを習得していますよね。
これらは、将来的に仕事でどのようなスキルを活かすかを考えるヒントとなります。ゼミや卒論で学んだことが企業でどのように応用できるかを考えてみると良いでしょう。
「大学で学んだこと」を伝える基本構成を紹介
面接・ESでどのような内容を伝えるか決めた後は、伝わりやすいように構成を整理することが重要です。
以下では、「大学で学んだこと」を書くときの基本構成を4ステップで解説します。
①まず大学で学んだことを端的に伝える
面接やエントリーシートで大学で学んだことを伝える際、何を学んだか最初に結論を端的に述べることが重要です。
PREP法に基づき、学んだ内容を一言で明確に示すことで、面接官に話の方向性を即座に理解してもらえます。
例えば、「私が大学で学んだことは国際法です」や「マーケティングについて学びました」といったように、専門分野や学習内容を簡潔に伝えてください。
結論から入ることで、面接官の興味を引き、その後の詳細な説明への導入を円滑にできます。
②大学で学んだことの概要を伝える
最初に端的に大学で学んだことを伝えたら、次に学問分野や研究内容などの概要を具体的かつ簡潔に説明しましょう。
単に科目名を挙げるのではなく、その学びからどのような視点や知識を得たかを具体的に説明してください。
例えば、「経営学では、企業の戦略立案から組織行動まで、多角的な視点から組織運営を学びました」といった形で、詳細に説明しましょう。
また、学問を通して培った思考力や分析力も併せて説明することで、深く学んできたことが伝えられます。
③どのような学びを得て成長したか伝える
大学で学んだことを伝える際は、知識の習得だけではなく、その学びを通じてどのように成長したかを具体的に説明することも重要です。
学問を通じて培った思考力、課題解決能力、視野の広がりなどを、実際の経験と結びつけてることで大学生活を通じてどのような能力を身につけたのかが明確になります。
例えば、「国際関係論の学びを通じて、グローバルな視点で物事を多角的に捉える力を身につけ、異文化理解の重要性を実感しました」といったように学びと成長のつながりを意識することが大切です。
④入社後にどう活かして活躍できるか伝える
大学で学んだことを面接で伝える際の最終ステップは、その学びを入社後にどのように活かし、企業に貢献できるかを具体的に説明することです。
知識の羅列ではなく、学びを通じて身につけたスキルや思考法が、企業の課題解決にどうつながるかを明確に示します。
大学での学びと志望企業の事業や課題を関連付けるとより効果的です。
例えば、「マーケティング戦略の学びを通じて培った分析力とデータ活用スキルを、貴社の新規事業開発に活かしたいと考えています」といった形で、学びと企業への貢献を論理的に繋げましょう。
「大学で学んだこと」を好印象に伝えるコツ
次に、大学で学んだことを好印象に伝える時のコツを3つ紹介します。
①企業で活かせる学習をアピールする
大学で学んだことを伝える時のポイントの1つ目は、大学で学んだことが企業でも活かせることをアピールすることです。
例えば、大学でのプロジェクトでチームワークを強化したことは、企業プロジェクトの成功に繋がる可能性があります。
また、研究過程で培った情報収集スキルは市場調査や競合分析に活かせるでしょう。
大学で学んだことが企業での貢献につながることを具体的に伝えることで、自分の人材としての価値をアピールできます。
②最も力を入れて取り組んだ学習をアピールする
大学で学んだことを伝える時のポイントの2つ目は、最も力を入れて取り組んだ学習をアピールすることです。
アピールの方法としては、
・プロジェクトマネジメントの授業で、リーダーシップスキルの向上に集中的に取り組みました ・プロジェクトを成功に導くための計画、チームの調整、課題の解決に取り組みました |
のように具体例を通じて伝えるとよいです。
最も力を注いだ学習であれば、深い知識と成果を自信を持って伝えられるでしょう。
③どう活かす予定なのかも伝える
大学で学んだことを伝える際に大切なのは、知識やスキルをどう活かすか伝えることです。学んだことをどのように仕事やプロジェクトに結びつけるかを説明することで、自分の成長意欲や専門性が伝わります。
たとえば、大学で学んだデザインを学んだのであれば、技術を使って魅力的なウェブコンテンツを制作できるとアピールできます。
学んだことをどう仕事に生かし、企業に貢献できるかを具体的に伝えることが、大学での学びをアピールするカギとなります。
大学で学んだことを伝える際の注意点
「大学で学んだこと」を面接やエントリーシートで求められると、何をどう伝えるべきか分からず、不安に感じる方も多いですよね。
伝える内容が本人にとっては良いと思っていても、表現次第では評価につながらないこともあります。
この章では、そうした「伝え方の落とし穴」を避けるために、知っておきたい基本的な注意点2つを紹介します。
- 専門用語を避ける
- サークル活動やアルバイトなどのエピソードは避ける
①専門用語を避ける
大学での学びを伝えるとき、自分の専門性をしっかりアピールしたいと思うのは自然なことです。ただ、専門用語や学術的な表現をそのまま使うと、聞き手に伝わりにくくなる恐れがあります。
たとえば「定性的データの収集」や「プル型消費行動」といった言葉は、学部生にとっては当たり前でも、採用担当者にはなじみがないかもしれません。特に、経済・経営学部、理系の学部の分野では注意が必要です。
上記の例では、「データを観察して傾向をつかむ方法」と言い換えれば、伝わりやすくなるでしょう。
企業の面接官の多くは、その分野の専門家とは限らないため、分かりやすく言い換える工夫が求められます。
②サークル活動やアルバイトなどのエピソードは避ける
就活では、「大学で学んだこと」として、学業以外の経験を語りたいと考える方も少なくありません。たしかに、大学生活の中で得た気づきや成長を伝えることは意義があります。
しかし、企業がこの質問で本当に知りたいのは、学問にどう向き合ってきたか、どのような学びを得たかといった部分です。
たとえば「接客アルバイトで学んだコミュニケーション力」などを前面に出してしまうと、学業に対する姿勢が伝わりにくくなる可能性があります。
もし、学外の経験を取り上げる場合でも、「その経験から何を学び、それが自分の学問や志望分野とどうつながるのか」を意識して構成してください。
文理別|「大学で学んだこと」の例文を紹介
「大学で学んだこと」を企業に伝える際、自分の専攻をどう伝えるか内容や伝え方で迷いますよね。
ここでは、文系・理系それぞれの学部における例文を紹介し、学部ごとのアピールポイントを具体的に解説します。自分の所属する学部に合わせた表現の参考として活用してください。
- 文系
- 理系
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文系
文系学部に所属する学生の多くは、「抽象的な学びをどう言語化すればよいか」「専門知識が直接仕事に活きるのか」といった不安を抱えています。
ここでは文系8学部の例文を通して、それぞれの特徴や学びの伝え方を具体的に紹介します。言語化に悩む方は、自身の経験と照らし合わせながら読み進めてください。
- 文学部
- 教育学部
- 法学部
- 経済学部
- 外国語学部
- 社会学部
- 商学部
- 体育学部
①文学部
文学部の学びを通じて得た「継続力」や「主体性」をアピールするガクチカの例文を紹介します。講義やレポートを中心とした学びであっても、地道な取り組みや姿勢は十分にアピールできますよ。
文学部の学び例文
私は、卒業までに30冊以上の文学作品を読み、毎週のレポート提出を通じて自分の考えを言語化する力を高めてきました。
ある近現代文学の講義で、自分の解釈に自信が持てず悩みました。
そこで、毎週のレポートに真剣に取り組み、先生のフィードバックを参考にしながら、自分なりの視点で作品を読み解くことを意識しました。
半年間継続した結果、最終レポートでは「独自性のある考察」と評価され、学内の優秀レポートに選ばれました。
入社後も、丁寧に物事へ向き合う姿勢と、継続して考え続ける力を活かし、責任ある仕事にも粘り強く取り組みたいです。
文学部ならではの「読み解く力」「継続性」を軸にした好例です。成果を数字で示すことが難しい場合は、評価された事実や取り組みの過程を詳細に書くと読み手がイメージしやすくなるでしょう。
②教育学部
教育学部での学びを通して得た「主体性」と「相手に合わせた工夫力」を伝えるガクチカの例文を紹介します。実習やボランティア活動などの経験は、実践的な学びとして高く評価されやすいです。
教育学部の学び例文
私は、小学校での教育実習を通じて、自ら考え行動する力を身につけました。
担当したクラスで、授業中に集中が続かない児童が多く、当初はうまく授業を進められませんでした。
そこで、絵や身近な話題を取り入れた導入を工夫し、児童の興味を引く内容に改善しました。また、放課後に児童と関わる時間を増やし、信頼関係の構築にも努めました。
その結果、授業への参加意欲が高まり、指導教員からも「クラスの雰囲気を変える工夫が見られた」と評価されました。
入社後も、相手の立場に立って考え、柔軟に工夫しながら行動する力を活かし、周囲に信頼される社会人を目指したいです。
教育学部での実習経験は「相手に合わせた対応力」を示す好例です。児童との関わりを通して得た学びや改善の方法に焦点を当てて書くことで、学んだことが明確に伝わります。
③法学部
法学部での学びを活かし、「論理的思考力」と「粘り強さ」をアピールするガクチカの例文を紹介します。判例や法律文を読み解いた経験は、課題解決に向けた思考力につながるでしょう。
法学部の学び例文
私は、民法のゼミにおいて、ある判例について自分の見解をまとめる発表に挑戦しました。
最初は条文の解釈が難しく、参考文献を読んでも納得できる答えが見つからず、何度も考えが行き詰まりました。
そこで、指導教員やゼミ仲間に相談しながら視点を変えることを意識し、論点を分解して一つひとつ丁寧に検討するようにしました。
結果として、発表では「論理展開が分かりやすい」と好評を得て、自分でも課題を深掘りする力がついたと感じています。
入社後も、複雑な課題に対して粘り強く向き合い、自分の考えを筋道立てて伝える力を活かして貢献したいです。
上記の法学部での学びでは論理的思考力と粘り強さをアピールしています。困難に直面した際の思考と行動を詳細に書くことで、思考力と粘り強さに説得力を持たせているのがポイントです。
④経済学部
経済学部の学びを通して得た「データに基づいた分析力」と「主体的に行動する力」を伝えるガクチカの例文を紹介します。専門知識をわかりやすく伝える工夫が重要です。
経済学部の学び例文
私は、ゼミ活動で地域商店街の集客課題について調査・分析を行いました。
商店街の来客数が減っていることを知り、その要因を明らかにするために、通行量や購買層のデータを収集しました。
現地でのアンケート調査やインタビューも実施し、主な原因が若年層の利用率の低さにあると仮説を立てました。
そして、SNSを活用した発信戦略を提案することで、商店街に実際の運用プランを届けることができました。
この経験を通じて、数値をもとに課題を捉え、現場の声を取り入れて提案へとつなげる力が身についたと感じています。
入社後も、課題の本質を見極めながら、データと行動を掛け合わせた提案を行っていきたいです。
上記の経済学部の例文では「調査→仮説→提案」の流れをわかりやすく伝えています。数値だけでなく現場との接点を書くことで、説得力を強化している点がポイントです。
⑤外国語学部
外国語学部での語学学習や留学準備の経験をもとに「目標に向けた継続力」と「異文化理解への姿勢」を伝えるガクチカの例文を紹介します。
語学力そのものではなく、取り組みの過程や姿勢を伝えることが大切です。
外国語学部の学び例文
私は、長期休暇中の語学研修に向けて、約半年間にわたり毎日英語学習を継続しました。
もともとリスニングが苦手で、初めはオンライン教材を使ってもなかなか聞き取れず、何度も挫折しそうになりました。
それでも「現地で積極的にコミュニケーションを取りたい」という目標を明確に持ち、授業外の時間にもニュース動画を視聴したり、自分の発音を録音して確認するなど工夫しながら学習を続けました。
その結果、研修先では現地の学生とスムーズに会話ができ、自信をもって発言できるようになりました。
入社後も、目標に向かって粘り強く努力を続ける姿勢と、異なる価値観を尊重する姿勢を活かして行動していきたいです。
外国語学部の例文では「学習継続の工夫」と「目的意識の明確さ」がポイントです。語学力そのものよりも、努力の過程と姿勢を伝えることを意識しましょう。
⑥社会学部
社会学部の学びを通じて得た「チームでの課題解決力」と「多角的な視点」を伝えるガクチカの例文を紹介します。
社会調査やグループディスカッションの経験は、協調性や分析力をアピールできるでしょう。
社会学部の学び例文
私は、ゼミのグループ研究で「地域の若者と高齢者の関係性」をテーマに調査を行いました。
当初は、意見の違いや進行の遅れなどでメンバー間の足並みがそろわず、計画通りに進みませんでした。
そこで、全員が納得できる方向性を見つけるため、定期的に意見交換の場を設け、各自が関心をもつ視点を共有するようにしました。
加えて、調査の役割分担を明確にし、進捗を見える化することで連携がスムーズになりました。
最終的には、メンバー全員の意見を反映した報告書を作成でき、学内発表会でも高評価を得ました。
入社後も、異なる考えを尊重しながら課題に向き合い、チームとして成果を出す姿勢を大切にしていきたいです。
上記の社会学部の例文では「グループでの工夫と成長」に焦点を当てています。共同作業の中で自分がどんな役割を果たしたかを具体的に書くことが大切です。
⑦商学部
商学部での学びを活かし、「課題発見力」と「行動力」をアピールするガクチカの例文を紹介します。
この例文では、マーケティングや消費行動に関する知見を実践に結びつけた経験を取り上げています。
商学部の学び例文
私は、ゼミ活動の一環として、地域の個人経営カフェの集客改善提案を行いました。
実際に店舗を訪問し、来店者数の推移やターゲット層をヒアリングしたうえで、課題は「若年層への認知度不足」にあると考えました。
そこで、周辺大学の学生にアンケートを実施し、SNS広告や学内掲示など具体的な施策を提案しました。
特にInstagramの活用は効果的で、投稿内容の方針まで一緒に考え、提案後1か月でフォロワー数が2倍になりました。
この経験を通して、現場に足を運び、自分の目で確かめながら施策を練る大切さを実感しました。
入社後も、生活者目線を大切にし、実行力のある提案を行うことで、事業や顧客に貢献していきたいです。
上記例文では、「マーケティング視点」と「実行力」をアピールしているのがポイントです。
また、データや数値で成果を示すことで説得力が持たせています。
⑧体育学部
体育学部での部活動や実技の経験を通じて、「チームでの粘り強さ」と「自分の役割を全うする力」を伝えるガクチカの例文をご紹介します。主体性や工夫が見えるような内容を盛り込むことが大切です。
体育学部の学び例文
私は、大学のバレーボール部で副キャプテンを務め、チーム全体の底上げに取り組みました。
チームにはレギュラー以外の選手との意識差があり、練習の集中度にばらつきがある状況が課題でした。
そこで、毎回の練習前にチーム全体で目標を共有し、メンバー全員が役割を自覚できるように声かけを続けました。
また、練習後には気づいた点を積極的に伝え合う時間を設け、互いに高め合う雰囲気づくりを意識しました。
その結果、練習の質が向上し、創部以来初の大会ベスト4進出を果たすことができました。
入社後も、周囲と信頼関係を築きながらチームで成果を出す姿勢を大切にし、粘り強く取り組みたいです。
「体力や実技」だけでなく、「チーム全体への貢献」が伝わるエピソードを選びと良いでしょう。その際、自分の役割を明確にした上で工夫を書くと読み手に内容が伝わりやすいです。
理系
理系学生の場合、専門性の高さから「専門用語を避けるべきか」「どこまで詳細に伝えるべきか」といった悩みを抱きやすい傾向があります。
ここでは、理系5学部の例文を通して、専門性の伝え方やアピールポイントを解説します。自分の研究をどう就職活動で伝えるべきか、例文を参考に自分に合った伝え方を見つけてください。
- 工学部
- 理学部
- 医学部
- 薬学部
- 看護学部
①工学部
工学部での実験や設計活動を通じて得た「課題解決力」と「粘り強さ」をアピールするガクチカの例文を紹介します。専門性が高い学びでも、取り組み姿勢や工夫をわかりやすく伝えることが重要です。
工学部の学び例文
私は、設計課題で取り組んだロボット制作を通じて、問題解決力を高めました。
与えられたテーマは「段差を自動で越えられるロボット」で、最初の試作ではバランスが不安定で動作に失敗してしまいました。
そこで、構造やモーター配置を一から見直し、他の班の動作方法も参考にしながら改善を繰り返しました。
また、原因の検証ではチーム内で意見が分かれる場面もありましたが、何度も議論を重ね、全員が納得できる設計に仕上げることができました。
最終的に、制限時間内に段差をクリアできる動作を実現し、教員からも工夫が評価されました。
入社後も、一度でうまくいかない状況でも粘り強く取り組み、チームで最善の解を導く力を活かしたいです。
研究の内容を伝える際は、結果だけでなく試行錯誤の過程を具体的に書くことが大切です。
どんな問題があり、問題解決のために何をしたのか、過程を明確にすることで自分の努力や学びへの姿勢が明確になります。
②理学部
理学部での研究活動を通じて得た「論理的思考力」と「粘り強く考え抜く姿勢」を伝えるガクチカの例文を紹介します。数値や実験に向き合う中で得た学びを、強みとして表現している点がポイントです。
理学部の学び例文
私は、化学実験のゼミで行った結晶構造の分析を通じて、論理的に考え抜く力を身につけました。
研究初期は、測定データが仮説と大きく異なり、原因がわからず試行錯誤が続きました。
そこで、実験条件を一つずつ見直し、過去の文献を読み込んだうえで、ゼミ内でディスカッションを重ねて原因の仮説を立てました。
条件を少しずつ変えて検証を重ねた結果、予想以上に温度が結晶構造に影響していたことが分かり、仮説通りの結果が得られました。
この経験から、すぐに答えが出ない状況でも論理的に考え続けることで、突破口が見えることを実感しました。
入社後も、課題に粘り強く向き合いながら、着実に解決へと導ける人材を目指します。
研究について説明する際は、「思考の過程」に重点を置くことが重要です。数値や実験の結果だけではなく、過程をわかりやすく言語化しましょう。
③医学部
医学部での臨床実習を通して得た「状況判断力」と「コミュニケーション力」をアピールするガクチカの例文を紹介します。患者対応など「現場での経験」は、就活でも強い説得力を持ちますよ。
医学部の学び例文
私は、臨床実習中に経験した患者対応を通じて、状況を的確に判断し、柔軟に対応する力を養いました。
ある実習先で、高齢の患者さんが検査に不安を感じている様子でしたが、医師や看護師は忙しく、すぐに対応できない状況でした。
そこで私は、患者さんの近くに座り、落ち着いた声で検査内容を説明し、不安な気持ちに寄り添うよう努めました。
時間をかけて話を聞いたことで、患者さんは安心した表情になり、スムーズに検査へと移ることができました。
指導医からは「状況を見て行動できていた」と評価され、自信につながる経験となりました。
入社後も、相手の立場に立って判断し、周囲と協力しながら行動する力を大切にしていきたいです。
実習経験は「主体的な行動」と「対人スキル」の両方を伝えられます。
患者や周囲の状況にどう向き合ったか、人との関わりの部分は詳細に書くことで、そのときの状況が読み手に伝わりやすくなるでしょう。
④薬学部
薬学部での実務実習や学内研究を通して得た「責任感」と「正確さへの意識」を伝えるガクチカの例文を紹介します。
安全性が求められる場面での取り組みを、等身大で表現することがポイントです。
薬学部の学び例文
私は、薬局での実務実習を通じて、責任感と正確に業務を行う意識を高めました。
実習では、調剤補助や服薬指導の見学を行いながら、薬に関する知識を実際の業務にどう生かすかを学びました。
ある日、先輩薬剤師から患者さんの薬歴入力を任された際、用法を入力ミスしてしまい、すぐに気づいて修正しました。
この経験をきっかけに、「自分の作業が患者さんの安全につながる」と実感し、それ以降は確認作業を徹底するようになりました。
その結果、最終日には「丁寧な姿勢が印象的だった」と評価され、責任ある行動の大切さを学ぶことができました。
入社後も、正確さを追求しながら一つひとつの業務に真摯に向き合い、信頼される人材を目指します。
安全性への意識や責任感が感じられる内容となっています。「ミスから学んだ姿勢の変化」を伝え、成長の過程を明確することが大切です。
⑤看護学部
看護学部での実習経験をもとに、「相手を思いやる力」と「冷静な行動力」をアピールするガクチカの例文を紹介します。患者さんとの関わりの中で得た気づきを、自身の強みにしている点がポイントです。
看護学部の学び例文
私は、病院実習で出会った患者さんとの関わりを通じて、相手に寄り添う姿勢と冷静に動く力を養いました。
ある日、認知症の患者さんが不安そうに病室を歩き回っている場面に遭遇しました。先輩看護師に連絡しつつ、私は落ち着いた声で声かけをし、一緒に座って話を聞くことで、徐々に安心してもらうことができました。
その後、患者さんが私の顔を見ると笑顔であいさつしてくれるようになり、信頼関係が築けたと感じました。
実習の終わりには「柔らかい対応が印象的だった」と指導者から評価をいただき、大きな自信になりました。
入社後も、どんな状況でも相手を尊重し、落ち着いて行動することで信頼を築ける看護師を目指します。
看護学部のガクチカでは、「相手視点の行動」と「落ち着いた対応」を具体的に書くと好印象でしょう。小さな出来事でも、自分なりの工夫や変化を盛り込むことが重要です。
「大学で学んだこと」が思いつかないときの対処法
エントリーシートや面接で「大学で学んだこと」を聞かれても、すぐに言葉が出てこない方も多いでしょう。
ここでは、「大学で学んだことが思い浮かばない」と感じたときに自分の学びを見つけ出すための視点を2つご紹介します。
- 大学で好きだった講義を思い出す
- 大学入学前後の価値観の違いを整理する
①大学で好きだった講義を思い出す
「学んだことが思い浮かばない」と感じたときは、印象に残っている講義を思い返すことがヒントになります。
好きだった講義には自分の興味や価値観が表れていることが多いです。好きな理由を深掘りしていくことで、自分の関心や学びへの姿勢が見えてくるでしょう。
たとえば、文学や社会心理の講義を通して「他者の視点を知るおもしろさ」に気づいた経験があるなら、それは立派な学びです。
好きな理由や関心を持った背景を振り返ることで、自分が一番「大学で学んだ」と感じていることを見つけてくださいね。
②大学入学前後の価値観の違いを整理する
明確な成果や専門知識が浮かばないときは、「考え方の変化」に注目してみてください。
たとえば、大学入学当初は授業をただ聞いているだけだったのに、ゼミや発表を経験する中で、自分の意見を伝えることに前向きになったというような変化はありませんか。
こうした価値観や考えの変化も、大学生活を通じて得た大切な学びです。
その過程を言葉にしておくと、就職活動で「大学でどんな力を身につけたか」と聞かれた場面でも、自信を持って答えられるようになります。
「大学で学んだこと」が志望業界に合わない場合の対処法
志望業界と学びの分野が一致していない場合でも、必要以上に気にする必要はありません。
企業は、就職活動において専門知識そのものではなく、それを応用して課題に取り組む力を重視しています。
たとえば、文系学部の学生でも、調査や分析を通じて身につけた考える力は、理系分野でも十分に評価されますよ。
知識の一致よりも、学ぶ姿勢や考え方をどう社会で活かそうとしているかが重要です。
むしろ、自分なりの視点で学びを言語化できれば、面接でも納得感のある伝え方ができるでしょう。
「大学で学んだこと」の伝え方を理解して好印象を獲得しよう
本記事では、大学で学んだことを面接で聞かれた時のポイントを解説しました。
大学で何を学び、どう活かすかがわかりやすく伝われば、面接で好印象を与えられるでしょう。
まずは大学で最も力を入れて学んだことをもう一度洗い出し、必要であれば追加で学んで知識や経験を深めましょう。その上で、魅力的なアピールについて考えてみてくださいね!
このメディアの監修者
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。