就職活動の際によくあるのが、面接官から「挫折経験があれば教えてください」と聞かれるパターンです。
実はこの挫折経験に関する質問には、答え方のコツがあります。このコツを理解しているだけで、相手に与える印象は180度変わるでしょう。
本記事では挫折経験を聞かれた際に、どう答えた方がいいのかを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ESや面接で挫折経験を聞かれるのはなぜか
そもそも面接で「挫折経験」について聞かれるとき、面接官が何を知りたいのかが分からないと答えにくいですよね。答え方によっては自分の弱みをさらけ出すことになるのでは……と不安になる人もいるでしょう。
そこで今回カリクルメディア編集部では、今まで累計5000人以上の就活生と面談してきたトップ就活エージェントや、最終面接の担当経験もある面接官など、就活のプロ17人にアンケートを実施!
面接官が「挫折経験」を聞くとき、何を知りたいのかを質問しました!
結論、「どれくらいストレスに耐えられるのか」「どういうふうに挫折経験を乗り越えたのか」を知りたい人が多いようですね。
「どう乗り越えたのか」に関しては、方法だけでなく「まずは1人で行動するのか、誰かに頼るのか」など、乗り越え方の個性を見たいという人もいました。
これらのアンケート結果をまじえつつ、ここからは挫折経験について聞かれる主な4つの理由について、詳しく解説していきます。
- ストレス耐性があるか知るため
- 困難への対処方法を知るため
- 仕事で失敗しても立ち直れるか知るため
- 必死に努力した経験があるか確認するため
①ストレス耐性があるか知るため
どんな企業で働くことになっても、仕事内容や人間関係を通じてさまざまなストレスと向き合うことになります。
そうなると、企業としてはストレス耐性がある人を優先的に採用したいと考えるでしょう。他にも、就活生に合う部署を判断するためにストレス耐性の程度を知りたい企業も多いですね。
今回のアンケートでも、ストレス耐性を知りたいと答えた人が多くいました。
もちろん、どこまでもストレス耐性が強い人を採用する企業だけではありません。大抵の企業は、ある程度のストレス耐性があると分かれば十分だと判断するため、そこまで気負わなくても大丈夫です。
②困難への対処方法を知るため
思わぬトラブルにどう対処できるのかも、採用基準の1つとして考える企業は多いでしょう。なぜならトラブルへの対処の仕方を知ることで、その企業に合う人材かどうかが明確になるからです。
1人で粘り強く向き合うのか、他人と協力して効率よく解決するのか、企業によって合う人材は変わります。
今回のアンケートでも、「具体的にどう乗り越えたのかを知りたい」「まずは何から始めたのかを知りたい」と答えた人がいました。
困難にどう立ち向かうのかは志望動機を聞くだけではわからない部分なので、挫折経験から導き出そうとする企業は少なくありません。
なのでストレートに挫折しただけのエピソードを話すのではなく、挫折した結果どうやって乗り越えたのかまで考えて話してみてください。
③仕事で失敗しても立ち直れるか知るため
人間なら誰しも、時には失敗をするものです。そこで重要なのが、失敗から何を学んでどう行動できるのか?ということ。
すぐ諦めてしまう人材よりも、粘り強く立ち上がれる力のある人材の方が、もちろん企業からすると魅力的に映ります。
メンタルの強さや物事に対する真摯な態度が伝われば、それだけでも採用価値があると判断されやすくなるでしょう。
企業は長期的に頑張ってくれそうな人材を求めているので、失敗にくじけない心を持っていることを全力で伝えてみてください。
④必死に努力した経験があるか確認するため
企業が採用活動をする際に大前提として考えるのが、熱心に仕事をしてくれる人材を見つけることです。
なので過去の挫折経験から、応募者が何に努力してきたのかを探るケースは少なくありません。また挫折経験があることは、何かに向かって挑戦した経験のアピールにもなります。
挫折経験と言われると、あまり話さない方がいいのではと考える人もいるかもしれませんが、むしろ積極的に伝えることがポイントです。
挫折経験の回答例文3つ
では挫折経験を伝える際に、どんなことを話せばいいのでしょうか?今回は以下の3パターンに沿って、例文を紹介します。
- アルバイト
- 勉強
- 部活動・サークル
自分のケースに当てはめて、じっくり考えてみてください。
【例文①】アルバイト
以下の例文は、アルバイトでの挫折エピソードです。失敗した経験があったからこそ、解決へ導く力を身につけられたことをアピールしています。
間違ってもネガティブな話のまま終わらないようにしましょう。
以前勤めていたアルバイト先で、忙しい時ほどお客様の要望にうまく応えることができず、不満を抱かれることが多々ありました。最初はすごく落ち込んでしまい、一時期はあまりシフトに入らなかったのを覚えています。 ただこのまま逃げていても意味がないなと思い、より効率的に業務を進める方法を改めて考えるようになりました。例えば単純に行動ペースを上げたり、無駄になっている作業がないかどうかを見直したり、物事の優先順位を変えてみたりなど、試せることはすべて試しました。 すると次第にお客様からも評価されるようになり、気づいたらリーダーポジションまで任されるようになったのが良い思い出です。御社に入社した際にも、そんな経験を活かして、しっかり頑張りたいと考えています。 |
【例文②】勉強
以下の例文は、勉強に関する挫折エピソードです。テストに向けた勉強法が間違っていた結果、スケジュール管理の大切さに気づいたことをアピールしています。
失敗を元に自分がどう変わったのかまで伝えることで、相手に響く回答になるのがポイントです。
高校3年生の頃、将来に響く重要な期末テストを諦めてしまったことが今でも心残りです。 当時は時間を見つけては教科書を読み返したり、問題集に取り組んだりする毎日を過ごしていました。しかしどんなに頑張っても理解できない部分があって、気づいたら勉強時間が次第に伸びていったのを覚えています。 勉強する時間が増えるのは一見すると良いことですが、少しずつ長くなるにつれて集中力も持たなくなっていったので、今思えば決して効率的だったとは言えません。このような苦い経験があったので、今では何をする時もスケジュール管理を重視するようになりました。 御社に入社した際には、当時と比べて計画的に動けるようになった自分の姿を見せることができると自負しています。何卒よろしくお願いします。 |
【例文③】部活動・サークル
以下の例文は、部活動における挫折エピソードです。仕事の場でも人とのコミュニケーションは大切であると気づけたことを結論付けています。
ここまで自己分析ができていることが伝われば、必ず高く評価してくれるでしょう。
私が覚えている挫折経験は、高校時代に自分が部長を務める部活でのチーム目標を達成できなかったことです。個々のメンバー自体は十分実力があったものの、どうしても自分を含め意見が対立することが多かったため、大事な試合でもまったく結果を出せませんでした。 しかしそれはメンバーそれぞれが悪かったのではなく、きちんとその場をまとめられなかった自分に責任があったと今では思っています。複数人で1つのことに挑戦する時は、いかに協調性が大事なのかを改めて学んだ次第です。 現在は周りと何かをする際に、必ず相手の話を聞いた上で困難な課題に取り組む姿勢を忘れないようにしています。御社に入社した際にもそんな経験から学んだことを活かせればと考えています。 |
挫折経験のNG回答例2つ
挫折経験を上手に答えることでイメージアップを図ることができますが、逆にNG回答も存在します。それが以下の2パターンです。
- 挫折経験はないと答える
- 挫折して立ち直れなかった内容を答える
具体的に何がどういけないのかを詳しく紹介します。
①挫折経験はないと答える
挫折経験を聞かれた際に、思わず何も挫折していないと応えてしまう人もいるでしょう。しかし挫折経験がないと伝えるのは、どちらかというとあまりいい回答とはいえません。
その理由は、これまで物事に対して一生懸命になったことがないと思われてしまうおそれがあるからです。
企業は挫折経験を通じて、応募者が何に挑戦し、その結果どう変わっていったのかを知りたがっています。だからこそ、むしろ積極的に挫折経験を話すことが大切です。
②挫折して立ち直れなかった内容を答える
挫折経験を伝える際に、そのまま自分の挫折した過去を話してしまう人もいるでしょう。
もちろん間違ってはいませんが、ただ挫折をしただけの話を聞かせても決して良いイメージを与えることはできません。
ESや面接の場合、どんな話をする時も必ずポジティブな内容で終わることが大事です。そのため、挫折をした結果自分がどう成長したのかまで話してください。
するとどんな挫折経験であろうと、最終的にあなたの評価は高くなります。
挫折経験から高評価を得るための6ステップ
では挫折経験を伝える時に、何を意識していればいいのでしょうか?ここでは以下の6つのポイントをまとめておきます。
- まずは結論を一言で伝える
- 挫折前の状態を話す
- 挫折した内容を具体的に話す
- 挫折を克服するために行ったことを話す
- 挫折した後どう立ち直ったのかを話す
- 挫折から何を学んで今後に活かすのか話す
失敗したくない人は、必ず押さえておいてください。
①まずは結論を一言で伝える
ESや面接を通じて相手と話す時に、いつも意識すべきなのが結論から話すことです。
よく「私は○○出身で○○を経験して~」のような入り方をする人がいますが、これでは何を伝えたいのかを汲み取ってもらいにくくなります。
逆に結論から話し始めると話の内容がわかりやすくなるので、挫折経験を聞かれた時は必ず「私は○○について挫折したことがあります」のような入り方を意識してください。
②挫折前の状態を話す
大事なのは挫折をした事実を話すだけではなく、それまでどんな目標を掲げて何に努力してきたのかを語ることです。
これは具体的であればあるほど、相手に想像させやすくなります。また挫折をした事実がより印象的に残るので、高い評価を得る上で欠かせないポイントです。
例えば期間や頻度、その時の心境なども含めることで、深みのある挫折経験になるのを覚えておくといいでしょう。
③挫折した内容を具体的に話す
企業は挫折経験を聞く時に、できるだけ具体的にそのエピソードを聞きたいと考えています。なぜなら、応募者がどんなシーンで挫折してしまうのかを明確に知りたいからです。
そこから自社の仕事や従業員との相性を考えることができるため、お互いにとって重要なポイントになります。
相手がその時の状況をイメージできるように、細かく説明しましょう。
④挫折を克服するために行ったことを話す
挫折経験を伝える際に、必ず含めてほしいのが克服した方法です。企業は応募者がどのように逆境を克服したのかまで気になっています。
なぜなら、考える力を持っているのかどうか?行動力のある人間なのかどうか?などを量る際に重要な要素となるからです。
そこから採用する価値のある人材なのかを判断する企業は、決して少なくありません。
⑤挫折した後どう立ち直ったのかを話す
急に挫折経験を聞かれた時に何も準備していない人は、思わず単なる失敗談を話したり、挫折経験がないと言ってしまったりするでしょう。
しかしそれでは相手に良い印象を与えられません。大事なのは、これまでの挫折経験を通じてどう立ち直ったのかまで話すことです。
どんな状況でも困難に立ち向かえることをアピールできれば、それは必ず高評価へ繋がります。
⑥挫折から何を学んで今後に活かすのか話す
挫折経験をきちんと話した後は、そこから自分が何を学んだのかも伝えてください。さらに学んだことから、これからどう活かしていくのかまで話すのがベストです。
日常的なことでもいいですが、その企業に入社した際にも活かせそうなことがあれば積極的に伝えましょう。
ここまで綺麗にまとめることができれば、必ず採用する価値を感じてもらえるはずです。
挫折経験がない場合の対処法
挫折経験を話すことが良いことだとわかっても、人によっては何も思いつかないケースがあるでしょう。そんな時は、以下の2つのポイントを押さえておいてください。
- これまでの自分の人生経験を振り返る
- ストレスを感じた・熱中した経験を話す
それぞれ詳しく解説します。
①これまでの自分の人生経験を振り返る
まず直近で挫折経験がなければ、さらに昔までさかのぼってみるのもいいでしょう。すると何かしら1つくらいは、今まで気づけなかった挫折経験が見つかる可能性があります。
記憶さえ明確であれば、中学や高校だけではなくもっと小さな頃の出来事でも問題ありません。また勉強や仕事でなくてもいいので、何も制約をかけずに振り返ってみてください。
できる限り詳しく話すことができれば、どんなエピソードを選んだとしても面接で使うことができます。
②ストレスを感じた・熱中した経験を話す
なかなか思い出せない時は、少し考え方を変えてみるのがいいでしょう。
例えばこれまでの人生で、ストレスを感じたことはありますか?もしかしたらその中に、挫折経験が何かあるかもしれません。
また好きな趣味があれば、そこから挫折経験を探し出すこともできます。趣味を通じて困ったことや大変だったことなど、何か1つでも思い出してみてください。
そこから答えを導き出せれば、あとは面接用にそのエピソードをまとめるだけで問題ありません。
挫折経験を活用して自己アピールに繋げよう
今回はESや面接でよく聞かれることがある、挫折経験の答え方を紹介しました。挫折経験はストレートに答えるだけだと、ただのネガティブな話になってしまいます。
しかし挫折経験を通じて自分がどのように成長したのかまで伝えれば、それは必ずポジティブな話になるでしょう。
これから就職活動をする際には、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
この記事を書いた人
若林
青山学院大卒。 勉強が苦手過ぎた経験をもとに、学生時代に受験生への応援ブログを1年間毎日更新し、月間8000pvを記録。 新卒にて、C-mindグループの株式会社LEADに営業として入社し、初年度、年間個人売上900万以上達成。 2023年3月にメディア事業責任者に就任し、メンバーを集めつつ、半年でメディア記事を1000本公開し、現在は2000本以上の記事の監修をし、就活に役立つ情報を発信中。